フジゲンのJILシリーズが気になっているけれど、どのモデルを選べばいいのか迷っていませんか。
テレキャスタースタイルでありながらハムバッカーを搭載し、ロック系からポップスまで幅広いジャンルに対応できるJILは、国産ギターの中でも注目度の高いモデルです。
しかし、スケール長やボディ材、ピックアップの違いによって複数のバリエーションがあり、自分に合った一本を見つけるには正しい知識が必要になります。
この記事では、JIL全モデルのスペック比較から実際のユーザー評価、購入前に知っておくべき注意点まで、選び方に必要な情報を網羅的に解説していきます。
Fenderテレキャスターとの違いや入門モデルBoundary BILとの比較も取り上げていますので、最適な一本を見つける参考にしてください。
フジゲンJILとは?特徴と人気の理由
J-Standard ILIADの基本コンセプトと設計思想
JILは「J-Standard ILIAD」の略称で、フジゲンが展開するJ-Standardシリーズに属するエレキギターです。
コンセプトは「トラディショナルな要素を残しつつ、幅広いジャンルに対応する現代的スペックを盛り込んだTスタイルのギター」とされています。
テレキャスターの伝統的なシルエットを継承しながらも、演奏性やサウンドの汎用性を高めるために独自の設計が随所に施されているのが特徴です。
ボディバックにはコンター加工が施され、長時間の演奏でも身体への負担が軽減される設計となっています。
ネックには指板のRがローポジションからハイポジションにかけて変化するコンパウンドラディアス指板を採用し、弦高を下げたセッティングでも音詰まりが起きにくい仕様です。
テレキャスタースタイルにハムバッカーを搭載した独自性
JILの最大の特徴は、テレキャスタースタイルのボディにハムバッカーピックアップを2基搭載している点にあります。
一般的なテレキャスターはシングルコイルピックアップを搭載しており、ジャキッとした高音域が特徴的なサウンドを持っています。
一方でJILは、Seymour Duncanの59とJBという定番のハムバッカーを組み合わせることで、クリーントーンからハイゲインまで対応できる幅広いサウンドを実現しました。
さらにトーンポットにプッシュプルスイッチを搭載しており、ハムバッカーをコイルタップしてシングルコイルライクなサウンドを得ることも可能です。
この設計により、ブルースやジャズのようなクリーンサウンドから、メタルやハードコアのようなヘヴィなサウンドまで、一本でカバーできる汎用性を備えています。
価格帯を超えたクオリティで支持される理由
JILが多くのギタリストから支持される最大の理由は、価格帯を超えた品質の高さにあります。
実売価格は約8万円から19万円程度ですが、ユーザーからは「20万円から30万円クラスのギターに匹敵するクオリティ」という評価が数多く寄せられています。
フジゲンは1960年の創業以来、フェンダージャパンやアイバニーズなど世界的ブランドのOEM生産を手がけてきた実績を持ちます。
1983年にはギター生産数世界一を記録するなど、その技術力は世界的に認められてきました。
長年培われた製造ノウハウと大規模工場の生産力を活かすことで、高品質なギターを手の届きやすい価格で提供できているのです。
また、すべてのモデルが日本国内で製造されており、品質管理の行き届いた「MADE IN JAPAN」であることも信頼性の高さにつながっています。
フジゲン独自技術がJILの演奏性を高める
サークルフレッティングシステム(CFS)の効果と仕組み
サークルフレッティングシステム(CFS)は、2002年からフジゲンが採用している独自のフレット打ち込み技術です。
通常のギターではフレットは直線状に打ち込まれていますが、CFSではナットから順に弧を描くようにフレットが湾曲して配置されています。
この設計には明確な理由があります。
ギターの弦はナットからブリッジに向かって末広がりに張られているため、直線状のフレットでは弦がフレットに対して斜めに接触することになります。
CFSでは弦がすべてのフレットに対して直角に交わるよう設計されており、ポジションを問わずクリアな響きと豊かなサスティンを実現しています。
特にコードを押さえたときの和音の濁りが少なく、ハイポジションでのピッチの正確さに効果を発揮します。
コンパウンドラディアス指板で弾きやすさが変わる
JILに採用されているコンパウンドラディアス指板は、ローポジションからハイポジションにかけて指板のRが徐々に変化する設計です。
ローポジションでは丸みのある指板形状がコードワークを快適にし、ハイポジションでは平らに近い形状がチョーキングやソロプレイをスムーズにします。
従来の一定Rの指板では、弦高を下げすぎるとチョーキング時に音詰まりが発生しやすいという問題がありました。
コンパウンドラディアス指板ではこの問題が解消され、低い弦高設定でも快適な演奏が可能になります。
高い加工精度が求められる設計ですが、フジゲンの技術力によって実現されており、JILの演奏性の高さを支える重要な要素となっています。
J-Standardフレットエッジとコンター加工の恩恵
JILには「J-Standardフレットエッジ」と呼ばれる加工が施されています。
フレットの端が滑らかな球面状に仕上げられており、ネックを握ったときに手のひらにフレットが引っかかる感触がありません。
この処理によってスムーズなポジション移動が可能になり、特に素早いフレーズを弾く際にストレスなく演奏できます。
ボディバックのコンター加工も見逃せないポイントです。
身体に当たる部分が削り込まれているため、立奏・座奏ともにボディが自然にフィットします。
また、多くのモデルでネック裏にサテン仕上げが採用されており、汗をかいても手が滑りやすく、グリップ感が損なわれにくい設計になっています。
JIL全モデルのスペック比較と価格一覧【2026年最新】
レギュラースケールモデル(648mm)の特徴と違い
JILのレギュラースケールモデルは25.5インチ(648mm)のスケール長を持ち、通常のチューニングから半音下げ程度の用途に最適です。
以下が主なレギュラースケールモデルの比較表です。
| モデル名 | ボディ材 | 指板材 | ピックアップ | 価格(税込) |
|---|---|---|---|---|
| JIL2-AL-R-HH/BK | アルダー | ローズウッド | Seymour Duncan 59/JB | ¥162,800 |
| JIL2-ASH-M/OWB | アッシュ | メイプル | Seymour Duncan 59/JB | ¥171,600 |
| JIL2-ASH-M/SBB | アッシュ | メイプル | Seymour Duncan 59/JB | ¥171,600 |
| JIL2-DU-EW2-R/KNB | コアトップ | ローズウッド | Seymour Duncan 59/JB | ¥172,480 |
JIL2-AL-R-HH/BKはアルダーボディとローズウッド指板という最もオーソドックスな組み合わせで、バランスの取れたサウンドが特徴です。
JIL2-ASH-Mシリーズはアッシュボディとメイプル指板の組み合わせで、高音域の抜けが良くバキバキとした骨太なサウンドを求める方に向いています。
JIL2-DU-EW2-R/KNBはコア材をトップに採用した高級感のある外観が魅力で、水墨画のような独特の木目を楽しめます。
ロングスケールDE664モデルはダウンチューニング向け
JIL2-ASH-DE664シリーズは、通常より16mm長い664mm(約26.14インチ)のスケール長を持つモデルです。
| モデル名 | スケール | フレット数 | ピックアップ | 出荷時チューニング | 価格(税込) |
|---|---|---|---|---|---|
| JIL2-ASH-DE664-R/OPB | 664mm | 24F | Fishman Fluence | ドロップC | ¥180,400 |
長いスケールによって弦のテンションが高くなるため、ドロップCやそれ以下のダウンチューニングでも弦がたるまず、しっかりとした音程感を維持できます。
24フレット仕様で、より広い音域をカバーできるのも特徴です。
搭載されているFishman Fluenceピックアップはアクティブタイプで、トーンポットを引き上げることでモダンなサウンドとヴィンテージ感のあるサウンドを切り替えられます。
メタルやハードコアなどヘヴィな音楽を演奏する方に特におすすめのモデルです。
7弦モデルJIL72-ASH-DEのスペックと用途
JIL72-ASH-DE-R/OPBは、JILシリーズ唯一の7弦モデルです。
| モデル名 | 弦数 | ボディ材 | 指板材 | ピックアップ | 価格(税込) |
|---|---|---|---|---|---|
| JIL72-ASH-DE-R/OPB | 7弦 | アッシュ | ローズウッド | Fishman Fluence | ¥189,200 |
7弦ギターは通常の6弦に加えて低音側にもう1本弦が追加されており、より重厚な低音域を演奏できます。
ボディはアッシュ材、指板はローズウッドという組み合わせで、オープンポアブラックというマットな仕上げが施されています。
ピックアップには6弦のDE664モデルと同じくFishman Fluenceが搭載されており、アクティブならではのノイズの少なさとパワフルなサウンドを両立しています。
Djentやプログレッシブメタルなど、低音域を多用するジャンルで活躍するモデルです。
各モデルの価格と購入できる販売店
JILシリーズは以下の販売経路で購入できます。
フジゲン直営オンラインショップでは、工場での最終検品に加えて出荷直前にも再度検品・調整が行われた新品が届きます。
フジゲンカスタムハウス(東京・池袋)は直営店舗で、入荷のたびに個体ごとの写真撮影と重量計測が行われています。
店頭で試奏することも可能で、重量や木目の個体差を確認してから購入したい方に適しています。
一般の楽器店でも取り扱いがあり、イシバシ楽器やイケベ楽器、島村楽器などで購入可能です。
中古市場では約45,000円から76,000円程度で流通しており、状態の良い個体を見つけられれば予算を抑えて入手できます。
ボディ材とピックアップで音はどう変わる?
アルダーとアッシュの音質差を解説
JILではボディ材にアルダーとアッシュの2種類が用意されており、それぞれ異なるサウンドキャラクターを持っています。
アルダーは中音域が豊かでバランスの取れたサウンドが特徴です。
クリーントーンでは温かみのある音色、歪ませたときにはまとまりのある太いサウンドが得られます。
幅広いジャンルに対応できる汎用性の高い材として、フェンダーのストラトキャスターにも長年使用されてきました。
アッシュは高音域の抜けが良く、バキバキとした輪郭のはっきりしたサウンドが特徴です。
カッティングやリフプレイで存在感を発揮し、バンドアンサンブルの中でも埋もれにくい音色になります。
特にJILに使用されているライトアッシュは、アッシュ本来の音響特性を持ちながら軽量で取り回しが良いのがメリットです。
Seymour DuncanとFishman Fluenceの特性比較
JILには搭載されるピックアップによって2つのタイプがあります。
Seymour Duncan 59/JBの組み合わせはパッシブピックアップの定番で、ネック側の59は甘く太いサウンド、ブリッジ側のJBはパワフルでタイトなサウンドを持ちます。
電池が不要で、ギター本来の木材の鳴りを活かしたオーガニックなトーンが魅力です。
歪みエフェクターやアンプとの相性も良く、様々な機材との組み合わせでサウンドメイクの幅が広がります。
Fishman Fluenceはアクティブピックアップで、9V電池で駆動します。
ノイズが少なく、大音量でもクリアなサウンドを維持できるのが特徴です。
トーンポットにボイス切り替え機能があり、モダンなハイゲインサウンドとヴィンテージ感のあるサウンドを1つのピックアップで使い分けられます。
コイルタップ機能でサウンドバリエーションを広げる
JILのほとんどのモデルには、トーンポットにプッシュプルスイッチが搭載されています。
このスイッチを引き上げることで、ハムバッカーピックアップをコイルタップしてシングルコイルのようなサウンドを得られます。
ハムバッカーは2つのコイルを逆相で接続することでノイズを打ち消す構造ですが、コイルタップ時には片方のコイルだけを使用する状態になります。
結果としてシングルコイル特有の高音域のきらびやかさや、エッジの効いたサウンドに近づきます。
もちろん本物のシングルコイルとまったく同じサウンドにはなりませんが、一本のギターでハムバッカーとシングルコイル両方のキャラクターを使い分けられるのは大きなメリットです。
曲中でクリーンパートとドライブパートを行き来する場合や、ジャンルの異なる複数のバンドを掛け持ちしている場合などに重宝します。
JILの評判と口コミ|実際に使ったユーザーの声
20〜30万円クラスに匹敵するという高評価の真相
JILに対するユーザー評価で最も多く見られるのは、価格以上のクオリティに関する驚きの声です。
「価格は9万円台だがこの価格とは思えないほどのクオリティ」「20〜30万円のギターでもここまでのクオリティを保てていないものがゴロゴロしている」といった評価が複数のレビューで確認できます。
この評価の背景には、フジゲンの製造技術と生産体制があります。
大手ブランドのOEM生産で培った品質管理のノウハウと、大規模工場のスケールメリットを活かすことで、高品質なパーツと丁寧な加工を手頃な価格で実現しているのです。
特にネックの仕上げやフレット処理の精度は高く評価されており、細部の作り込みが価格帯を超えた満足感につながっています。
弾きやすさとフィンガリングの軽さへの評価
演奏性に関する評価も非常に高く、「他のギターと比較しても一番と思えるくらいの弾きやすさ」「フィンガリングが軽やかで、このギターを弾いたら他のギターが弾けなくなる」という声があります。
コンパウンドラディアス指板とJ-Standardフレットエッジの組み合わせにより、ローポジションからハイポジションまでストレスなく指が動かせる設計になっています。
ネック裏のサテン仕上げも快適な演奏に貢献しており、汗をかいても手が引っかかりにくいと好評です。
ネック形状はUシェイプで、太すぎず細すぎない握りやすい太さに設計されています。
初めてJILを手にしたユーザーからは、セッティングを調整しただけですぐに弾きやすさを実感できたという報告が多く寄せられています。
CFSによるピッチの正確さとサスティンの良さ
サークルフレッティングシステム(CFS)の効果を実感したという声も目立ちます。
「ハイフレットでのコードワークもきっちりピッチが合うのが気持ちいい」「クリーンでもくっきりとした輪郭が出る」といった評価があり、CFSによる音質向上を体感しているユーザーは少なくありません。
特にコードを押さえたときの和音の響きの美しさや、単音弾きでのサスティンの伸びに関して高い評価を得ています。
録音時に音の濁りが少ないという点も、宅録ユーザーから支持される理由の一つです。
ライブハウスやスタジオでの使用においても、バンドアンサンブルの中で埋もれにくいクリアなサウンドが得られると報告されています。
購入前に知っておくべきデメリットと注意点
CFSフレットの交換はどこでできる?
CFSはフジゲン独自の技術ですが、フレット交換(リフレット)はフジゲン以外のリペアショップでも対応可能です。
インターネット上には「CFSのフレット交換はフジゲンでしかできない」という情報もありますが、実際には一般のリペアショップでも作業を受け付けています。
ただし、依頼の際には必ず「サークルフレッティングシステム(CFS)仕様である」ことを伝える必要があります。
フレットが直線ではなく弧を描いて打ち込まれているため、通常のリフレットとは異なる技術が求められるからです。
最も確実なのはフジゲン直営のカスタムハウスに依頼する方法で、価格も良心的と評判です。
フレットの消耗は5年から8年程度で交換時期を迎えることが多いため、購入時点で過度に心配する必要はありませんが、将来的なメンテナンスの選択肢として覚えておくと良いでしょう。
ヘッド落ちは発生する?対策方法を紹介
テレキャスタースタイルのギターでは、ヘッド側が重くなりギターが傾く「ヘッド落ち」が起きることがあります。
JILでもわずかにヘッド落ちが発生する個体がありますが、深刻な問題になることは稀です。
実際のユーザーからは「ほんの少し落ちるが、コットン製のストラップに変えたらほぼズレなくなった」という報告があります。
滑りにくい素材のストラップを使用することで、多くの場合は解消または軽減できます。
一部では「ペグを軽量なものに交換すれば改善するのでは」という意見もありますが、ロックペグと通常ペグを比較した検証では「ヘッド落ち・重量ともにあまり変わらなかった」という結果も報告されています。
664mmスケールモデルでも極端なヘッド落ちは発生しにくいとされていますが、個体差があるため、可能であれば購入前に試奏して確認することをおすすめします。
ボディトップのコンター加工がない点について
JILはボディバックにコンター加工が施されており、身体へのフィット感は良好です。
しかし、ボディトップ側(膝が当たる部分)にはストラトキャスターやアイバニーズRGのような丸みを持たせた加工がありません。
座って演奏する際に、ボディの角が膝に当たる感触が気になるという声も一部であります。
長時間の座奏を中心に演奏するスタイルの場合は、この点を考慮しておくと良いでしょう。
とはいえ、テレキャスタースタイルのギターとしては標準的な形状であり、多くのユーザーは特に問題なく使用しています。
立って演奏することが多い方や、テレキャスターの形状に慣れている方であれば気にならないレベルです。
重量の個体差と確認方法
ギターの重量は使用する木材によって個体差が生じます。
JILも例外ではなく、同じモデルでも3.2kgから3.6kg程度のばらつきがあります。
軽量な個体を求める方や、首や肩への負担を気にする方にとって、重量は重要な選択基準となるでしょう。
フジゲンカスタムハウスのオンラインストアでは、入荷した個体ごとに重量が表記されています。
そのため、特に軽い個体を選んで購入することが可能です。
一般の楽器店で購入する場合は、店頭で実際に持って確認するか、店舗に問い合わせて重量を教えてもらうことをおすすめします。
中古で購入する場合も、出品者に重量を確認しておくと安心です。
FenderテレキャスターとJILはどちらを選ぶべき?
サウンドの方向性と得意ジャンルの違い
Fenderテレキャスターは伝統的にシングルコイルピックアップを搭載しており、ジャキッとした高音域が際立つサウンドが特徴です。
カントリー、ブルース、オルタナティブロックなど、シングルコイル特有のエッジの効いた音色を活かしたジャンルで長年愛用されてきました。
一方でJILはハムバッカー2基搭載が基本であり、太く力強いサウンドが持ち味です。
ロック、メタル、フュージョンなど、歪みを多用するジャンルや、パワフルなリフを求める音楽に適しています。
コイルタップ機能を使えばシングルコイルに近いサウンドも出せますが、Fenderテレキャスターの「あの音」を忠実に再現したい場合は、本家を選ぶ方が満足度は高いでしょう。
演奏性と現代的スペックの比較
演奏性においては、JILが現代的な設計で優位に立ちます。
| 項目 | FGN JIL | Fender Telecaster |
|---|---|---|
| 指板R | コンパウンドラディアス | 一定R(9.5インチ等) |
| フレット | CFS(円弧状) | 通常フレット |
| ブリッジ | 6駒サドル | 3サドル/6サドル |
| コイルタップ | あり | なし(標準モデル) |
コンパウンドラディアス指板やCFSフレットにより、低い弦高設定でも快適に演奏でき、ハイポジションでのプレイもスムーズです。
ブリッジは6駒サドルを採用しており、各弦ごとの細かいオクターブ調整が可能になっています。
Fenderテレキャスターは伝統的な仕様を守るモデルも多く、ヴィンテージ感を重視する場合はその設計が魅力になります。
コストパフォーマンスで選ぶならどっち?
価格面で比較すると、同等のクオリティを求める場合はJILの方がコストパフォーマンスに優れています。
Fender Player Telecasterは実売約7万円から、Fender American Professionalシリーズは約20万円からの価格帯です。
JILは約8万円から19万円の価格帯で、パッシブの高品質ピックアップやコンパウンドラディアス指板、CFS、コイルタップ機能などの現代的スペックが標準で備わっています。
純粋に「買ったその日から快適に演奏できる完成度の高いギター」を求めるならJILは有力な選択肢です。
ただし、Fenderというブランドの持つ歴史的価値や、将来的なリセールバリューを考慮する場合は、Fenderを選ぶメリットもあります。
入門者向けBoundary BILとJ-Standard JILの違い
価格差と搭載パーツの違いを比較
Boundary BILはJILの入門グレードに位置するモデルで、J-Standard JILよりも手頃な価格で購入できます。
| 項目 | Boundary BIL | J-Standard JIL |
|---|---|---|
| 価格帯 | 約5〜7万円 | 約16〜19万円 |
| ピックアップ構成 | フロント:ハムバッカー / リア:シングルコイル | フロント・リア:ハムバッカー |
| 指板材 | メイプル | モデルにより異なる |
| CFS | 搭載 | 搭載 |
| コンパウンドラディアス | 搭載 | 搭載 |
BILはリアピックアップにテレキャスタースタイルの大型シングルコイルを採用しており、より伝統的なテレサウンドに近いキャラクターを持っています。
フジゲンの核心技術であるCFSとコンパウンドラディアス指板は、BILにも搭載されています。
そのため、演奏性の高さという点ではJ-Standard JILと同様のメリットを享受できます。
初心者はどちらを選ぶべきか
エレキギターを始めたばかりの初心者には、Boundary BILが予算的にも入手しやすくおすすめです。
フジゲンの品質基準で製造されているため、低価格帯にありがちな「弾きにくさ」や「チューニングの不安定さ」といった問題が少なく、練習に集中できる環境が整います。
一方で、ある程度ギターの経験があり、長く使える一本を求めている方にはJ-Standard JILが適しています。
ハムバッカー2基搭載による幅広いサウンドバリエーションや、Seymour DuncanやFishmanといった定評あるピックアップの搭載は、上達してからも物足りなさを感じさせません。
「最初から良いギターを持ちたい」という考えで初心者がJILを選ぶことも決して間違いではなく、むしろ演奏性の高さが上達を後押しする可能性があります。
JILはどこで買える?購入方法と選び方のコツ
フジゲン直営ショップとカスタムハウスの違い
フジゲンには2つの直営販売チャネルがあり、それぞれ特徴が異なります。
フジゲンオンラインショップは工場直営のウェブストアです。
工場での最終検品に加えて、出荷直前にも再度検品と調整が行われるため、信頼性の高い新品が届きます。
複数在庫がある場合は商品ページに同じ写真が使用されるため、届く個体の外観や重量を事前に知りたい場合は問い合わせが必要です。
フジゲンカスタムハウスは東京・池袋にある直営店舗で、オンラインストアも運営しています。
入荷するたびに個体ごとの写真撮影と重量計測が行われ、商品ページで紹介されている個体がそのまま届く仕組みです。
店舗では試奏も可能で、実際に手に取って確認してから購入したい方に向いています。
また、カスタムハウス独自のモディファイ品や限定モデルも取り扱っています。
個体ごとの重量を確認して選ぶ方法
ギターの重量にこだわりたい方は、フジゲンカスタムハウスのオンラインストアを活用するのが最も確実です。
各商品ページに個体の重量が明記されているため、特に軽い個体を選んで購入できます。
首や肩に負担を感じやすい方や、長時間のライブを行う方にとって、重量は重要な選択基準になります。
フジゲンオンラインショップで購入する場合は、問い合わせフォームから「在庫している個体の重量を教えてほしい」と連絡すれば対応してもらえます。
一般の楽器店で購入する場合は、店頭で実際に持ってみるか、事前に電話やメールで確認しておくと安心です。
中古で購入する場合のチェックポイント
中古のJILは約45,000円から76,000円程度で流通しており、予算を抑えて入手したい方には魅力的な選択肢です。
中古購入時にチェックすべきポイントをまとめます。
フレットの残り具合は重要です。
フレットが消耗していると音詰まりやバズが発生しやすくなり、リフレットが必要になる場合は追加で数万円の費用がかかります。
ネックの状態も確認が必要です。
反りやねじれがないか、トラスロッドの調整代が残っているかをチェックしましょう。
電装系のガリやノイズ、ピックアップの動作確認も忘れずに行ってください。
CFSフレットは特殊な仕様のため、購入前にリフレット歴があるかどうかを出品者に確認しておくと良いでしょう。
フジゲンJILに関するよくある質問
JILで伝統的なテレキャスターサウンドは出せる?
JILはハムバッカー2基搭載が基本のため、Fenderテレキャスターの伝統的なシングルコイルサウンドとは異なるキャラクターを持っています。
コイルタップ機能を使えばシングルコイルに近いサウンドを得られますが、完全に同じ音を再現することは難しいでしょう。
テレキャスターらしいジャキッとしたサウンドを最優先する場合は、フジゲンのNeo ClassicシリーズのNTEや、Boundary BIL(リアにシングルコイル搭載)を検討することをおすすめします。
JILの魅力はむしろ、テレキャスターの形状を持ちながら幅広いジャンルに対応できる汎用性にあります。
664mmスケールは弾きにくい?
664mmスケールのDE664モデルは、通常の648mmスケールより16mm長くなっています。
7弦ギター(27インチ前後)を弾いた経験がある方であれば、違和感なく移行できることが多いです。
標準スケールのギターからの移行では、最初は若干の慣れが必要になります。
特にフレット間隔が広くなるため、指を大きく開くコードフォームでは少し練習が必要かもしれません。
ただし、664mmスケールはドロップCなどのダウンチューニングに特化した設計であり、低音域でのテンション感や音程の安定性という点では大きなメリットがあります。
ヘヴィな音楽を演奏する目的であれば、慣れるまでの期間を差し引いても選ぶ価値のある仕様です。
メンテナンスやリペアはどこに依頼する?
日常的なメンテナンスは一般のリペアショップで問題なく対応してもらえます。
弦交換、ネック調整、オクターブ調整、電装系のメンテナンスなどは通常のギターと同様に行えます。
CFSフレットのリフレットについては、依頼時に「サークルフレッティングシステム仕様である」と必ず伝えてください。
対応可能なショップであれば問題なく作業を受けてもらえます。
最も確実なのはフジゲンカスタムハウス(東京・池袋)に依頼する方法です。
自社製品のため仕様を熟知しており、対応も丁寧だと評判です。
遠方にお住まいの場合は郵送での対応も可能か問い合わせてみてください。
まとめ:フジゲンJIL選びで押さえるべきポイント
- JILはテレキャスタースタイルにハムバッカーを搭載した、ロックからメタルまで対応できる汎用性の高いギターである
- サークルフレッティングシステム(CFS)とコンパウンドラディアス指板により、価格帯を超えた演奏性を実現している
- レギュラースケール(648mm)は通常チューニング向け、ロングスケール(664mm)はダウンチューニング向けと用途が異なる
- 7弦モデルJIL72-ASH-DEはDjentやプログレッシブメタルなど低音域を多用するジャンルに最適である
- アルダーボディはバランスの取れたサウンド、アッシュボディは高音域の抜けが良くバキバキしたサウンドが特徴である
- CFSフレットの交換はフジゲン以外のリペアショップでも対応可能だが、事前に仕様を伝える必要がある
- ヘッド落ちは滑りにくいストラップへの交換で軽減できる
- フジゲンカスタムハウスでは個体ごとの重量が確認でき、軽量な個体を選んで購入できる
- 伝統的なテレキャスターサウンドを求める場合はFenderやNeo Classicシリーズが適している
- 初心者には価格を抑えたBoundary BILも選択肢となるが、JILの演奏性は初心者の上達も後押しする

