アコースティックギターをライブやレコーディングで使いたいけれど、ピエゾピックアップ特有の硬い音やフィードバックに悩んでいませんか?「もっと自然な音で演奏したい」「でも高価な機材には手が出ない」そんなジレンマを抱えるギタリストは少なくありません。
本記事では、手頃な価格ながら本格的な機能を備えたNUX Stageman Floor NAP-5を徹底レビューします。
実際の使用感から、スペック詳細、メリット・デメリット、そしてユーザーからのリアルな評判まで、購入前に知っておくべきすべての情報をお届けします。
NUX Stageman Floor NAP-5とは
NUX Stageman Floor NAP-5は、中国の音響機器メーカーNUXが開発したアコースティックギター専用のプリアンプ&DIペダルです。
同社のアコースティックアンプ「Stageman AC-50」のプリアンプセクションをベースに設計されており、ヴィンテージクリーム色の筐体に多彩な機能を凝縮しています。
プリアンプとしての基本機能に加え、3バンドEQ、ノッチフィルター、コーラス、リバーブ、そして60秒ルーパーまでを1台に集約。
ライブステージからスタジオ録音、自宅練習まで幅広いシーンに対応できるオールインワン設計が最大の特徴です。
製品の特長
アナログプリアンプによる自然なサウンド
Stageman Floor NAP-5の心臓部は、アナログ回路で構成されたプリアンプセクションです。
デジタル処理特有の冷たさやレイテンシーがなく、アコースティックギター本来の温かみとダイナミクスを忠実に再現します。
十分なヘッドルームを確保しているため、強いピッキングでも音が潰れることなく、表現力豊かな演奏が可能です。
豊富な入出力オプション
ライブ現場での使い勝手を考慮し、多彩な接続端子を装備しています。
XLR DIアウトはPAシステムへの直接接続に対応し、グラウンドリフトスイッチでノイズ対策も万全です。
AUX入力でバッキングトラックを流しながら練習でき、ヘッドホン出力で深夜の練習にも対応します。
TRS端子によるエフェクトループインサートを備えており、外部エフェクターとの組み合わせも自在です。
ピエゾ・マグネティック両対応
筐体上部のスイッチでピックアップタイプを切り替えられます。
ピエゾピックアップ特有の硬質な音色も、マグネティックピックアップの豊かな中域も、それぞれに最適化されたゲイン設定で受けられる設計です。
複数のアコースティック楽器を使い分けるプレイヤーにとって、この柔軟性は大きな魅力となります。
フィードバック対策のノッチフィルター
大音量のステージでアコースティックギターを演奏する際、フィードバック(ハウリング)は避けて通れない問題です。
Stageman Floor NAP-5に搭載されたノッチフィルターは、問題となる周波数をピンポイントで削減。
スクープスイッチとの併用で、マグネティックピックアップに多い不要な中域もカットできます。
ユニークなフリーズ機能
コーラスのフットスイッチを長押しすると、その瞬間に鳴っている音を無限にサスティーンさせるフリーズ機能が発動します。
アンビエントな演奏やサウンドスケープの構築に活用でき、ソロパフォーマンスの表現の幅を大きく広げてくれます。
スペック・仕様
Stageman Floor NAP-5の詳細なスペックは以下の通りです。
製品名はNUX Stageman Floor NAP-5、製品カテゴリーはアコースティックプリアンプ&DIペダルです。
プリアンプ方式にはアナログ回路を採用し、エフェクトはデジタル処理となっています。
EQセクションは3バンド構成で、BASS、MID、TREBLEの各帯域を個別に調整可能です。
これに加えてノッチフィルターとスクープ(ミッドカット)スイッチを装備しています。
内蔵エフェクトとして、コーラスとリバーブを搭載。
いずれも1ノブで複数パラメータを同時にコントロールする設計です。
コーラスにはフリーズ機能が付属しています。
ルーパーは最大60秒の録音が可能で、オーバーダブは無制限に行えます。
ただしループの保存機能はありません。
入力端子は1/4インチ(6.3mm)標準ジャック、出力端子は1/4インチ標準出力、XLR DIアウト、3.5mmヘッドホン出力の3系統です。
その他の接続端子として、AUX入力(3.5mm)、エフェクトループインサート(TRS)、マイクロUSB(ファームウェアアップデート用)を備えています。
ピックアップセレクターでピエゾとマグネティックの切り替えが可能で、グラウンドリフトスイッチも搭載しています。
電源は9VDCアダプター(センターマイナス)で、消費電流は200mA以下です。
外形寸法は約145mm×120mm×55mm、重量は約500gとなっています。
おすすめな点
コストパフォーマンスの高さ
Stageman Floor NAP-5の最大の魅力は、1万円台後半という価格帯でこれだけの機能を実現している点です。
プリアンプ、EQ、エフェクト、ルーパー、DIボックスを個別に揃えると、軽く数万円を超えてしまいます。
それらを1台に集約しながら、音質面でも妥協のない仕上がりは特筆に値します。
直感的な操作性
各ノブとスイッチの配置が論理的で、初めて触れるユーザーでも迷うことなく操作できます。
特にコーラスとリバーブは1ノブでレート、デプス、スピードなど複数のパラメータが連動して変化する設計で、複雑な設定なしに良い音が作れます。
ライブ中の素早い調整にも対応できる実践的な設計です。
ライブからスタジオまで対応する汎用性
XLR DIアウトからPAシステムへ、1/4インチ出力からアコースティックアンプへ、ヘッドホン出力から自宅練習へと、あらゆるシーンに対応します。
グラウンドリフトスイッチの存在により、接続環境によるノイズ問題も解決しやすくなっています。
バッキングトラックを流せるAUX入力は、練習時やソロパフォーマンス時に重宝します。
EQの効きの良さ
3バンドEQは各帯域で明確な効果があり、最大に回しても極端に破綻しない設計です。
低音を上げれば即座に太さが増し、中高域を調整すれば煌めきや存在感をコントロールできます。
スクープスイッチとの組み合わせで、幅広い音作りに対応します。
アコギ以外の楽器にも対応
ピエゾピックアップを搭載したウクレレやマンドリンでも良好な結果が得られると評価されています。
複数の弦楽器を演奏するマルチプレイヤーにとって、1台で様々な楽器に対応できる点は大きなメリットです。
注意点
ルーパーの操作性に難あり
内蔵ルーパーは60秒の録音と無制限のオーバーダブに対応していますが、起動と停止に両方のフットスイッチを同時に踏む必要があります。
この操作は実際のライブ中には不便で、タイミングを合わせるのに慣れが必要です。
本格的なルーピングパフォーマンスを行うなら、専用のルーパーペダルを別途用意することをおすすめします。
ループの保存ができない
録音したループは電源を切ると消えてしまいます。
事前にフレーズを仕込んでおきたい用途には対応できません。
あくまで練習時の確認や、シンプルなライブパフォーマンス用と割り切る必要があります。
ヘッドホン出力の特性
3.5mmヘッドホン出力は出力レベルが高めに設定されており、一部のヘッドホンでは音が歪んだり、ピエゾ特有のクワック音が強調されることがあります。
その場合は1/4インチメイン出力にヘッドホンアダプターを使用することで改善できますが、音量は下がるためゲイン調整が必要です。
リバーブは平均的な品質
内蔵リバーブは実用的な品質ですが、専用のリバーブペダルと比較すると深みや煌めきの面で及ばないという評価もあります。
エフェクトループを活用して外部リバーブを追加する選択肢も検討に値します。
マイク収録のような音は出ない
プリアンプとして優秀ですが、ピックアップ経由の音をマイク収録したかのような空気感のある音に変換する機能は持っていません。
ピエゾ特有の音色を根本から変えたい場合は、IRローダー搭載の上位モデル「NUX Optima Air」などを検討する必要があります。
評判・口コミ
ユーザーが評価するおすすめな点
多くのユーザーがStageman Floor NAP-5のコストパフォーマンスを高く評価しています。
1万円台でプリアンプ、EQ、エフェクト、ルーパー、DIがすべて揃う点は、特に予算を抑えたいプレイヤーから支持されています。
サウンド面では、ピエゾピックアップの硬さを和らげ、より自然な音色で演奏できるようになったという声が多く聞かれます。
長年ピックアップの音に不満を持っていたユーザーが、この製品で問題を解決できたケースも報告されています。
ノッチフィルターの効果を実感するユーザーも多く、ライブでのフィードバック問題が解消されたという評価があります。
特に小規模なステージやカフェでの演奏において、その効果が発揮されているようです。
フリーズ機能については、アンビエント系の演奏やソロパフォーマンスで活用するユーザーから好評です。
この価格帯でフリーズ機能を搭載している製品は少なく、差別化ポイントとして認識されています。
アコースティックギター以外にも、ウクレレやマンドリンで使用して満足しているユーザーが存在します。
複数の楽器で共用できる汎用性が評価されています。
購入前に確認すべき注意点
ルーパーの操作性については、改善を望む声が複数あります。
両フットスイッチ同時押しという起動方法は、ライブ中の使用では不便だという意見が一般的です。
ルーパーをメインで使いたい場合は、専用機の併用を前提に考えた方が良いでしょう。
ヘッドホン出力の音質については、使用するヘッドホンとの相性があるようです。
出力が高すぎて歪むケースや、ピエゾのクワック音が強調されるケースが報告されています。
自宅練習メインで使用する場合は、この点を事前に認識しておく必要があります。
内蔵エフェクトの柔軟性を求めるユーザーからは、コーラスとリバーブの調整幅が限定的という指摘もあります。
1ノブで簡単に操作できる反面、細かい追い込みには対応できない設計です。
ピエゾピックアップの音を根本的に改善したいユーザーからは、期待通りの効果が得られなかったという声も一部にあります。
ただし、出力端子の選択やEQ設定の見直しで改善したケースも多く、使いこなしに一定の学習が必要な製品と言えます。
まとめ
NUX Stageman Floor NAP-5について、本記事で解説したポイントを整理します。
- 1万円台後半という手頃な価格で、プリアンプ、EQ、エフェクト、ルーパー、DIを1台に集約したオールインワン設計
- アナログプリアンプ回路により、アコースティックギター本来の温かみとダイナミクスを保持
- 3バンドEQとノッチフィルターで、音作りとフィードバック対策の両方に対応
- ピエゾ・マグネティック両対応のピックアップセレクターで、複数の楽器に使用可能
- フリーズ機能搭載のコーラスエフェクトで、アンビエントな表現も可能
- XLR DIアウト、グラウンドリフト、エフェクトループなど、ライブ向け機能が充実
- ルーパーは両フットスイッチ同時押しで起動する仕様のため、ライブでの使用には慣れが必要
- 内蔵エフェクトは1ノブ設計で簡単操作だが、細かな調整には対応していない
- ヘッドホン出力は出力レベルが高めで、機種によっては相性問題が発生する可能性あり
- 総合評価:初めてのアコギ用プリアンプDIとして、またはサブ機として十分な性能を持つコスパ優秀な1台。本格的なルーピングや高品質エフェクトを求める場合は外部機器との併用を推奨

