これからギターを始めたいけれど、どのモデルを選べば良いか分からない、という方は多いのではないでしょうか。
特にIbanez(アイバニーズ)のAZESシリーズは「初心者向け」として高い評価を得ていますが、具体的な特徴や上位モデルとの違い、実際の使用感について詳しく知りたいと感じているかもしれません。
この記事では、Ibanez AZESシリーズのコンセプトから、AZES40とAZES31のレビューやメリット・デメリット、さらには改造やメンテナンスのポイントまで、あらゆる角度から徹底的に解説します。
最後まで読めば、AZESが本当にあなたに合った一本なのか、自信を持って判断できるようになるでしょう。
Ibanez AZESシリーズとは?初心者向けにコンセプトを解説
Ibanez AZESシリーズは、世界的なギターブランドであるIbanezが「ギタリストへの扉を開くあなたが、楽しみながら上達への道のりを真っすぐ進むために必要なエッセンスを詰め込んだギター」というコンセプトのもとに開発した、初心者向けの新しいエレキギターです。
単なる廉価版ではなく、初心者が挫折しがちなポイントを徹底的に分析し、弾きやすさ、サウンド、安定性を高いレベルで実現しています。
「楽しみながら上達できる」トモ藤田氏監修の初心者向けギター
AZESシリーズは、バークリー音楽大学教授としても知られるギタリスト、トモ藤田氏が開発に携わっていることでも有名です。
彼の監修のもと、初心者がギター演奏の楽しさを感じながら、無理なく上達していけるような工夫が随所に凝らされています。
従来の「安かろう悪かろう」な初心者向けギターとは一線を画し、楽器としての本質的なクオリティを追求した、まさに「最初の1本」にふさわしいシリーズと言えるでしょう。
上位モデル「Ibanez AZシリーズ」との違いを比較
AZESは、Ibanezの人気機種である「AZシリーズ」の思想を受け継ぎながら、初心者向けに仕様を最適化しています。
価格を抑えつつも、AZの持つ高いプレイアビリティのエッセンスを感じられる設計になっていますが、使用されている木材やパーツには違いがあります。
項目 | Ibanez AZESシリーズ | Ibanez AZシリーズ (上位モデル) |
---|---|---|
ボディ材 | ポプラ | アルダー、バスウッドなど |
ネック材 | メイプル | S-TECH WOOD ローステッド・メイプル |
指板材 | ジャトバ | S-TECH WOOD ローステッド・メイプル |
フレット | ミディアム・フレット | ステンレス・スチール・フレット |
ピックアップ | Essentials / Accord (オリジナル) | Seymour Duncan製 Hyperionなど |
ブリッジ | オリジナル (T106 / F106) | Gotoh製 T1802 / T1502 |
ペグ | オリジナル (スプリットシャフト) | Gotoh製 H.A.P.-M |
スケール | 25インチ (635mm) | 25.5インチ (648mm) |
このように、上位モデルとは異なる材やパーツを採用することで、コストを抑えつつもバランスの取れた性能を実現しています。
初心者に優しい3つの特徴(弾きやすさ・サウンド・安定性)
AZESシリーズが初心者から高い評価を得ている理由は、以下の3つの特徴に集約されます。
- 弾きやすさへの徹底的なこだわり
一般的なギターより少し短い「25インチスケール」のネックを採用し、手の小さい方でも弦を押さえやすくなっています。
また、ボディの角を滑らかにカットする「エルボーカット」や、ハイポジションを弾きやすくする「オールアクセス・ネックジョイント」など、身体的なストレスを軽減する工夫が満載です。 - あらゆるジャンルに対応する多彩なサウンド
「dyna-MIX」スイッチングシステム(オルタースイッチ)を搭載しており、スイッチ一つでシングルコイルの煌びやかな音から、ハムバッカーのパワフルな音まで、多彩なサウンドを出すことが可能です。
この1本でポップスからロックまで、幅広いジャンルの音楽に挑戦できます。 - トラブルを防ぐ高い安定性とメンテナンス性
故障が多いパーツであるアウトプットジャックには、緩みや断線を防ぐ一体型の「モノユニット・アウトプットジャック」を採用。
また、弦交換が簡単で、弦の先端が飛び出さず安全な「スプリットシャフト」のペグを搭載するなど、初心者が安心して長く使えるような配慮がなされています。
Ibanez AZES40とAZES31のレビュー|どっちを選ぶべき?
AZESシリーズには、主にピックアップ配列とブリッジが異なる「AZES31」と「AZES40」の2つのモデルが存在します。
それぞれの特徴をレビューし、どちらがあなたに合っているかを解説します。
【AZES31 レビュー】シングルコイルのクリーンなサウンドが魅力のモデル
AZES31は、3つのシングルコイルピックアップ(SSS配列)と、弦を裏通しする固定式(ハードテイル)ブリッジが特徴のモデルです。
シングルコイルならではの、きらびやかで繊細なクリーンサウンドや、歯切れの良いカッティングサウンドを得意とします。
固定式ブリッジは構造がシンプルなため、チューニングが安定しやすく、弦交換も簡単というメリットがあります。
オルタースイッチを使えば、2つのシングルコイルを直列に繋いで疑似的なハムバッカーサウンドも出せるため、サウンドバリエーションも十分です。
ポップスやファンク、ブルースなどを演奏したい方、シンプルな構造で扱いやすいギターを求めている方におすすめです。
【AZES40 レビュー】ハムバッカー搭載でロックにも対応できる万能モデル
AZES40は、シングルコイル2基とハムバッカー1基(SSH配列)、そしてアーム操作が可能なトレモロブリッジを搭載したモデルです。
リアピックアップに搭載されたハムバッカーにより、AZES31よりもパワフルで太い、歪ませたロックサウンドを簡単に出すことができます。
トレモロユニットを使えば、音を揺らす「アーミング」奏法も可能になり、表現の幅がさらに広がります。
クリーンサウンドからハードなロックまで、1本で幅広いジャンルをこなしたい欲張りな方や、好きなギタリストがアームを使っているという方には、こちらのAZES40が最適です。
結局どっちがいい?プレイスタイルに合わせた選び方を解説
どちらのモデルを選ぶか迷った場合、以下のポイントで判断するのがおすすめです。
- 見た目の好みで選ぶ
最終的には、自分が「カッコいい」と思えるデザインのギターを選ぶのが、練習のモチベーションを維持する上で最も重要です。
カラーバリエーションなど、直感的に気に入った方を選びましょう。 - やりたい音楽ジャンルで選ぶ
クリーンな音やカッティングが中心のポップスやファンクが好きなら「AZES31」。
歪ませたギターサウンドが印象的なロックやメタルが好きなら「AZES40」が向いています。 - アーミングの有無で選ぶ
アームを使った演奏に憧れがある、または将来的に挑戦してみたい場合は「AZES40」一択です。
特にこだわりがなければ、チューニングの安定性や弦交換のしやすさから「AZES31」を選ぶのも良い選択です。
Ibanez AZESのリアルな評価|メリット・デメリット
AZESシリーズは多くのメリットを持つ一方で、価格相応の注意点も存在します。
ここでは、実際に購入したユーザーのレビューを基に、リアルなメリットとデメリットを解説します。
良い評判は本当?弾きやすさ・サウンドのメリットをレビュー
多くのユーザーレビューで共通して高く評価されているのは、やはりその「弾きやすさ」と「サウンドの良さ」です。
- 圧倒的な弾きやすさと取り回しの良さ
「初めて弾いた瞬間に弾きやすいと感じた」「どのポジションでもストレスがない」といった声が多く見られます。
小ぶりで軽量なボディと、短めのネックスケールは、特に体格の小さい女性や子供にとって大きなメリットです。 - 価格以上のバランスの取れたサウンド
「安いギターにありがちな音が散る感じがない」「シングルコイルとハムバッカーの音量バランスが良い」など、専用設計されたピックアップの評価は高いです。
パワーがありつつも扱いやすく、クリーンからクランチまで幅広い音作りが可能です。
悪い評判は?購入前に知るべき品質面のデメリットと注意点
一方で、価格を抑えている分、品質管理や出荷時の調整状態には個体差があるという指摘も見られます。
- 品質管理のばらつき
レビューの中には「小さな塗装の欠けがあった」「ナットの溝切りが雑だった」といった報告が少数ながら存在します。
これはエントリークラスのギターではある程度避けられない問題でもあります。 - 出荷時の調整状態
「購入時に弦高が高く、調整が必要だった」という声もあります。
ギターは木材でできているため、輸送中の環境変化でネックが反ることもあります。
これらの問題を避けるため、特にギター初心者の方は、ネット通販ではなく、購入前にしっかりと検品・調整をしてくれる楽器店で購入することをおすすめします。
Ibanez AZESの改造とメンテナンス
AZESは基本的な性能が高いため、少し手を加えることでさらに自分好みのギターに育てていく楽しみもあります。
ここでは、代表的な改造例とメンテナンスにおける注意点を解説します。
AZESは改造できる?おすすめのカスタムパーツを紹介
AZESシリーズは、一般的なストラトキャスタータイプのギターと互換性のあるパーツも多く、改造の素体としても魅力的です。
特にサウンドに大きく影響する「サドル」の交換は、比較的簡単で効果も大きいためおすすめです。
上位モデルのAZシリーズにも採用されている、音の伸びや安定性に優れた「チタンサドル」に交換することで、サウンドをアップグレードさせることが可能です。
ただし、改造は自己責任となるため、自信がない場合は専門のショップに依頼しましょう。
故障しやすい?独自規格パーツのメンテナンスと注意点
AZESには、トラブルを防ぐために独自規格のパーツが採用されていますが、その点がメンテナンス時の注意点にもなります。
代表的なのが「モノユニット・アウトプットジャック」です。
このパーツはジャックプレートと一体化しているため、緩みや断線に強いという大きなメリットがあります。
しかし、ジャックは消耗品であり、数年で交換が必要になる可能性があります。
その際に、生産終了後も交換用パーツが手に入るかという懸念が一部で指摘されています。
とはいえ、2021年発売の現行モデルであるため、現時点では過度に心配する必要はないでしょう。
まとめ:Ibanez AZES レビュー 解説の完全ガイド
- Ibanez AZESはトモ藤田氏監修の初心者向けに特化したギター
- 上位モデルAZとの違いは木材やパーツで、コストを抑えつつ高い演奏性を実現
- 「弾きやすさ」「多彩なサウンド」「安定性」が初心者に優しい3大特徴
- クリーンサウンド中心ならAZES31、ロックも弾きたいならAZES40がおすすめ
- 弾きやすさとサウンドバランスの良さは多くのレビューで高評価
- 品質や調整には個体差があるため、楽器店での購入が安心
- サドル交換などの改造でサウンドをアップグレードする楽しみもある
- アウトプットジャックなど一部に独自規格パーツが使われている
- 短いスケールネックと小ぶりなボディで女性や子供にも扱いやすい
- 価格以上の性能を持つ、最初の1本として非常に優れた選択肢である