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NUX MG-300 MKII レビュー解説!その実力と使い方

初めてマルチエフェクターを選ぼうとしているけれど、種類が多すぎて何が良いのかわからない、自宅での練習やスタジオでのセッション用に機材をできるだけコンパクトにまとめたい、といった悩みをお持ちではありませんか。

手頃な価格でありながら、本格的なサウンドと優れた機能性を両立させた一台を見つけるのは難しいものです。

この記事では、そんなギタリストの要望に応える高コストパフォーマンスなマルチエフェクター「NUX MG-300 MKII」のレビュー解説をお届けします。

本記事を読めば、MG-300 MKIIのスペックや音質、実際の使用感からメリット・デメリット、おすすめの使い方まで、購入を検討する上で知りたい全ての情報がわかります。

目次

NUX MG-300 MKIIレビュー解説:初心者に最適な高コスパマルチエフェクター?

NUX MG-300 MKIIはどんな人におすすめ?

結論から言うと、NUX MG-300 MKIIは「初めてマルチエフェクターを購入する方」「自宅練習用の機材をコンパクトにまとめたい方」「軽量な機材でスタジオやセッションに臨みたい方」に特におすすめできる製品です。

手頃な価格帯でありながら、上位モデルに迫るリアルなアンプサウンドと多彩なエフェクトを搭載しており、複雑な操作を必要としない直感的なインターフェースが魅力です。

この一台で、練習から録音、小規模なライブまで幅広く対応できるため、多くのギタリストにとって強力なパートナーとなるでしょう。

そもそもNUX(ニューエックス)はどこの国のメーカー?

NUX(ニューエックス)は、2006年に創業した中国の楽器関連機器ブランドです。

「ギタリストの情熱をかきたてるアイテムを創る」というコンセプトを掲げ、エフェクターやギターアンプ、ワイヤレスシステムなど、高品質かつコストパフォーマンスに優れた製品を数多くリリースしています。

世界中のプレイヤーから支持を集めており、近年非常に勢いのあるブランドの一つです。

旧モデルMG-300との違いは?進化したポイントを比較

NUX MG-300 MKIIは、人気を博した旧モデル「MG-300」を正統進化させた後継機です。

見た目は似ていますが、機能性や操作性が大幅に向上しています。

主な進化点を以下の表にまとめました。

機能・仕様MG-300MG-300 MKII備考
ディスプレイ小型大型化視認性が大幅に向上
USB端子Micro USBUSB Type-C接続の安定性と汎用性が向上
ヘッドフォン端子TRSTRRSマイク付きヘッドセットに対応し、配信が容易に
シーン機能なし搭載1プリセット内で3つの音色切替が可能
エフェクトブロック固定並べ替え可能音作りの自由度が向上
追加エフェクトシマーリバーブなどより多彩なサウンドメイクが可能に

このように、ディスプレイの大型化による視認性の向上や、USB-C端子の採用、ライブで威力を発揮するシーン機能の追加など、ユーザーの声を反映した実践的なアップデートが施されています。

NUX MG-300 MKIIの主な特徴とスペック

搭載されているアンプモデルとエフェクト一覧

NUX MG-300 MKIIは、この価格帯のマルチエフェクターとしては非常に豊富なアンプモデルとエフェクトを内蔵しています。

ギター用アンプ25種に加え、ベースアンプやアコースティックシミュレーター用のIRも搭載し、ジャンルを問わず多彩なサウンドメイクが可能です。

  • アンプモデル: JAZZ CLEAN, DELUXE RVB, BASSMATE, TWEEDY, TWIN RVB, HIWIRE, CALI CRUNCH, CLASS A30, PLEXI 100, BRIT 800, DUAL RECT, FIREMAN HBEなど全25種+ベース/アコースティック用
  • 歪み系エフェクト: T SCREAMER, BLUES DRIVER, MORNING DRIVE, RED DIST, MUF DISTなど全13種
  • モジュレーション系: CE-1, ST.CHORUS, PH 90, PHASE 100, U-VIBE, TREMなど全14種
  • ディレイ: ANALOG DELAY, TAPE ECHO, REVERSEなど全7種
  • リバーブ: ROOM, HALL, PLATE, SPRING, SHIMMERの全5種
  • その他: コンプレッサー、ノイズゲート、EQ、ワウなど

定番からブティック系まで、ギタリストが求めるサウンドを網羅しています。

独自のTSAC-HDモデリング技術とは?

TSAC-HD(True Simulation of Analog Circuit – High Definition)は、NUXが独自に開発した高精細なモデリング技術です。

「White-box」アルゴリズムとも呼ばれ、アナログ回路の部品レベルでの挙動や相互作用を緻密にシミュレートすることで、真空管アンプ特有のレスポンスやダイナミクス、倍音成分を忠実に再現します。

これにより、ピッキングの強弱やギター本体のボリューム操作に対して、まるで本物のアンプのように生々しく追従する、表現力豊かなサウンドを実現しています。

シーン機能やIRローダーなどの便利機能

MG-300 MKIIには、音作りや演奏をサポートする便利な機能が多数搭載されています。

「プロ・シーン・セレクション機能」は、一つのプリセット(パッチ)の中に、エフェクトのON/OFF状態などを3パターンまで保存し、フットスイッチで瞬時に切り替えられる機能です。

これにより、例えば同じアンプセッティングのまま、バッキング用のクランチ、リード用のブーストサウンド、特殊効果用の空間系サウンドといった切り替えがスムーズに行えます。

また、IR(インパルス・レスポンス)ローダー機能も搭載しており、内蔵された36種類のキャビネットIRに加え、サードパーティ製のお気に入りのIRデータを最大24個まで読み込ませることが可能です。

詳細スペック一覧表(サイズ、重量、電源など)

項目スペック
サンプリング周波数48kHz
ADコンバーター32bit
周波数特性20Hz – 20000Hz ±1dB
ダイナミックレンジ106dB
電源DC 9V センターマイナス(付属ACアダプター)
寸法230(L) x 160(W) x 58(H) mm
重量754g
付属品ACアダプター、USB-Cケーブル

特筆すべきはその軽さで、754gという重量は一般的なコンパクトエフェクター2個分程度しかなく、持ち運びの負担を大幅に軽減します。

気になる音質は?リアルなアンプサウンドを徹底レビュー

クリーンからハイゲインまで、アンプモデリングの質を評価

NUX MG-300 MKIIのサウンドの核となるアンプモデリングは、価格帯を考えると驚くほど高品質です。

特にフェンダー系アンプのモデリングは評価が高く、真空管アンプが持つ独特の鈴鳴りや、ピッキングした際の「バリン」というアタック感を気持ちよく再現しています。

クリーンからクランチサウンドにおいては、非常にナチュラルで立体感のあるトーンが得られます。

ハイゲインサウンドも、モダンなメタルに対応できるパワフルなディストーションから、往年のハードロックを彷彿とさせるドライブサウンドまで幅広くカバーしており、十分に実用的なレベルです。

内蔵エフェクト(歪み・空間系など)のクオリティは?

内蔵されているエフェクト群も、単なるおまけではなく、それぞれが高いクオリティを持っています。

TS9やMorning Gloryなどをモデリングしたオーバードライブは、アンプをプッシュするブースターとしても優秀で、実機さながらの艶やかなサウンドを加えることが可能です。

コーラスやディレイ、リバーブといった空間系エフェクトもクリアで効きが良く、幻想的なサウンドスケープを生み出すシマーリバーブも搭載されているため、幅広い音作りが楽しめます。

音痩せやノイズはどの程度ある?

音痩せについては、ほとんど気にならないレベルに抑えられています。

使用環境やセッティングにもよりますが、バイパス時とエフェクトON時の音質差は少なく、安心して音作りができるでしょう。

ノイズに関しても、基本的にはローノイズな設計です。

ただし、ハイゲインな設定にした場合や、使用するACアダプター、PCとのUSB接続環境によってはノイズが発生することもあります。

その際は、本体に搭載されている高性能なノイズゲート機能を調整することで、演奏に支障がないレベルまでノイズを効果的に抑制することが可能です。

【評判・口コミ】MG-300 MKIIの良い点と気になる点(メリット・デメリット)

メリット:価格以上のサウンドと機能性

最大のメリットは、2万円台という手頃な価格からは想像できないほどの本格的なサウンドと多機能性です。

前述のTSAC-HDアルゴリズムによるリアルなアンプサウンドは、自宅練習はもちろん、スタジオでのセッションやライブでも十分通用するクオリティを持っています。

オーディオインターフェース機能やルーパー、ドラムマシンも内蔵しており、この一台でギターに関するあらゆるシーンに対応できる「コストパフォーマンスの高さ」が最大の魅力と言えるでしょう。

メリット:初心者にも優しい直感的な操作性

マルチエフェクターは操作が複雑で難しいというイメージがありますが、MG-300 MKIIは初心者にも非常に分かりやすい操作性を実現しています。

大型化されたカラーディスプレイは視認性が高く、現在どのエフェクトが選択されているかが一目でわかります。

また、4つのノブによる直感的なパラメータ調整が可能なため、まるでコンパクトエフェクターを操作するような感覚で、ストレスなく音作りを進めることができます。

デメリット:音のデジタル感や本格的な録音での限界は?

優れた性能を持つ一方で、サウンドにこだわる中〜上級者が高価なハイエンド機材と比較した場合、音にわずかな「デジタル感」を感じる可能性はあります。

練習やセッションで使う分には全く問題ありませんが、プロレベルの本格的なレコーディングにおいては、音の解像度や奥行き感で惜しい部分が出てくるかもしれません。

また、内蔵エフェクトの種類は定番を網羅しているものの、非常にマニアックなエフェクトを求めるユーザーには物足りなく感じる可能性があります。

デメリット:ペダルや接続端子に関する注意点

本体に搭載されているエクスプレッションペダルは、ボリュームやワウのコントロールに便利ですが、作りの面でややチープさを感じるかもしれません。

また、OUTPUT端子がステレオ対応の1つのジャックにまとめられている点も注意が必要です。

ギターアンプにモノラルで接続する場合は通常のシールドケーブルで問題ありませんが、ミキサーなどにステレオで接続する場合、「ステレオ標準プラグ – モノラル標準プラグ×2」という特殊なY字ケーブルが別途必要になります。

NUX MG-300 MKIIの価格は?新品・中古の相場を調査

新品の実売価格と購入できる場所

NUX MG-300 MKIIの新品実売価格は、2025年8月現在、おおよそ22,000円前後で推移しています。

主な購入場所としては、サウンドハウスなどの大手楽器通販サイトや、Amazon、楽天市場、Yahoo!ショッピングといったオンラインモール、全国の楽器店などが挙げられます。

非常に人気が高いため、品切れになることもしばしばあります。

中古市場での価格相場(メルカリ・ヤフオクなど)

中古市場でもNUX MG-300 MKIIは人気があり、活発に取引されています。

価格相場は状態によって変動しますが、おおむね15,000円から20,000円程度が目安となります。

  • デジマート: 19,800円前後
  • ヤフオク: 20,000円前後
  • メルカリ: 15,000円~20,000円前後

比較的新しいモデルのため、状態の良い個体が見つかりやすいでしょう。

価格以上の価値はある?コストパフォーマンスを評価

結論として、NUX MG-300 MKIIは価格以上の価値を持つ、極めてコストパフォーマンスに優れた製品です。

同価格帯の他のマルチエフェクターと比較しても、サウンドのクオリティ、機能の豊富さ、操作性の良さにおいて頭一つ抜けている印象です。

これからギターを始める初心者の方が「最初の1台」として選ぶのはもちろん、すでに機材を持っている中級者以上の方が「サブ機」や「軽量リグ」として導入する価値も十分にあります。

おすすめの使い方と音作りのコツ

自宅練習や宅録で活躍させる方法(オーディオインターフェース機能)

MG-300 MKIIは、USB-CケーブルでPCやスマートフォンと接続するだけで、オーディオインターフェースとして機能します。

これにより、アンプやマイクを別途用意することなく、DAWソフト(音楽制作ソフト)に直接ギターサウンドを録音することが可能です。

ヘッドフォンを繋げば、夜間でも周囲を気にせず静かに練習できる点も大きなメリットです。

TRRS対応のヘッドフォン端子により、マイク付きイヤホンを使えば手軽にライブ配信を行うこともできます。

スタジオやライブでのセッティング例

軽量かつコンパクトな筐体は、スタジオやライブへの持ち運びに最適です。

あらかじめ自宅でお気に入りの音色をプリセットに登録しておけば、現場で複雑なセッティングに悩むことなく、すぐに演奏を開始できます。

出力の柔軟性も高く、ギターアンプに接続する一般的な方法のほか、ミキサーやPAシステムに直接接続する「ライン出力」も可能です。

これにより、アンプを運搬することなく、手軽なシステムでライブに臨むことができます。

PCエディターソフト「Quick Tone」の活用法

無料でダウンロードできる専用のPCエディターソフト「Quick Tone」を使えば、MG-300 MKIIのポテンシャルをさらに引き出すことができます。

PCの大きな画面上でエフェクトの並び替えやパラメータの微調整が視覚的に行えるため、本体のディスプレイよりも効率的に、かつ緻密な音作りが可能です。

プリセットの管理やバックアップ、サードパーティ製IRデータのインポートもこのソフトから行います。

まとめ:NUX MG-300 MKII レビュー解説

初めてのマルチエフェクターを探しているギタリスト

MG-300 MKIIは、直感的な操作性と分かりやすいディスプレイを備えているため、マルチエフェクターに初めて触れる方でも安心して使いこなせます。

豊富なアンプやエフェクトを通じて、音作りの基本を学ぶための最適な教材とも言えるでしょう。

軽量・コンパクトな機材で練習やセッションに臨みたい人

約754gという軽さとコンパクトなサイズは、機材の運搬を楽にしたいギタリストにとって大きな魅力です。

ACアダプターと本体、ギターさえあれば、どこでも自分のサウンドシステムを構築できます。

コストを抑えつつ本格的なサウンドを手に入れたい中級者

すでにこだわりの機材を持っている中級者以上の方でも、MG-300 MKIIのサウンドクオリティには満足できるはずです。

高価な機材を持ち出すのがためらわれるような場面でのサブ機として、また普段とは違うサウンドを試したい時の飛び道具として、幅広い用途で活躍します。

  • 優れたコストパフォーマンスを実現したマルチエフェクターである
  • NUX独自のTSAC-HD技術によりリアルなアンプの挙動を再現
  • 初心者にも直感的に操作可能なインターフェースを搭載
  • 旧モデルからディスプレイ大型化やシーン機能追加など大幅に進化
  • 25種のアンプモデルと多彩なエフェクトを内蔵する
  • オーディオインターフェース機能を搭載し宅録にも最適
  • 約754gと軽量コンパクトで持ち運びに便利である
  • メリットは価格以上の音質と機能性、操作性の高さ
  • デメリットは音のデジタル感とステレオ出力に特殊ケーブルが必要な点
  • 初めての一台から中級者のサブ機まで幅広くおすすめできる
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