「Fender(フェンダー)」といえば、エレキギターの世界では誰もが知るトップブランドです。
しかし、アコースティックギター(アコギ)の話題になると、「評判はあまり良くない」「なぜか安い」といった声を聞いたことがあるかもしれません。
エレキギターの絶大な人気とは裏腹に、Fenderのアコギにはどこか掴みどころのないイメージがつきまといます。
この記事では、そうしたFenderアコギの評判の真相を徹底的に解き明かします。
なぜ価格が手頃なのか、実際のユーザーからの評価はどうなのか、そしてどのような人におすすめなのか。
ライバルであるYAMAHA(ヤマハ)との比較や、プロのアーティストの使用状況、中古市場での賢い探し方まで、あなたがFenderアコギについて知りたい情報を網羅的に解説していきます。
Fenderアコギの評判は本当?「悪い」「安い」の真相を徹底解説
結論:初心者やエレキからの持ち替え層には高評価!悪い評判は誤解?
結論から言うと、Fenderのアコースティックギターは、特にギター初心者や、普段エレキギターを弾いている人が初めてアコギを手にするケースで非常に高い評価を得ています。
「評判が悪い」というイメージは、一部の側面だけが切り取られたり、高級アコースティックギター専門ブランドと比較されたりすることで生まれた誤解の側面が強いと言えるでしょう。
実際の購入者レビューを見ると、「価格以上の品質」「弾きやすくて挫折しにくい」といった肯定的な意見が数多く見られます。
なぜ「評判が悪い」と噂されるのか?考えられる3つの理由
Fenderアコギの評判についてネガティブなイメージが生まれる背景には、主に3つの理由が考えられます。
第一に、Fenderが「エレキギターの王様」としてのブランドイメージが強すぎることです。
これにより、アコギ市場では後発のチャレンジャーと見なされがちになります。
第二に、プロのトップアーティストの使用例が、Gibson(ギブソン)やMartin(マーティン)といった老舗アコギブランドに比べて少ないことです。
メディアで目にする機会が少ないため、本格的な楽器ではないという印象につながることがあります。
第三に、音質がGibsonやMartinの伝統的な「深みのある豊かな鳴り」とは方向性が異なるため、比較されると物足りないと感じる人がいる点です。
Fenderアコギはなぜこんなに安い?価格の秘密は生産地とマーケティング戦略
Fenderのアコギが手頃な価格で提供されている主な理由は、徹底したコスト管理と明確なマーケティング戦略にあります。
生産拠点の多くをインドネシアや中国など、人件費や製造コストを抑えられる地域に置くことで、価格を低く設定することを可能にしています。
また、高度に機械化された大量生産技術もコスト削減に貢献しています。
さらに重要なのが、Fenderの戦略です。
あえて数十万円もするような高級アコギ市場でGibsonやMartinと競合するのではなく、ターゲットを初心者や中級者に絞り、「手の届きやすい価格で、信頼できる品質の楽器を提供する」という方針を明確にしているのです。
実際の口コミ・レビューはどう?Amazon購入者のリアルな声
実際のユーザーからの評価を見てみると、Fenderアコギのコストパフォーマンスの高さがうかがえます。
例えば、人気モデル「CD-60S」などのAmazonレビューでは、「この価格でこの品質は素晴らしい」「初心者の最初の1本として最適」といった声が多数寄せられています。
特に評価が高いのは「ネックが細くて握りやすい」「弦高が低めで押さえやすい」といった演奏性に関する部分です。
一方で、音質については「明るく軽快なサウンド」と好意的に捉える声もあれば、「重厚な低音を求める人には物足りないかも」という意見も見られ、個人の好みによるところが大きいようです。
Fenderアコギならではの魅力とは?エレキのDNAを受け継ぐ特徴
最大の魅力はエレキギターのように弾きやすいネック形状
Fenderアコギが他のブランドと一線を画す最大の魅力は、その卓越した演奏性にあります。
多くのモデルで採用されているスリムな「Cシェイプ」のネックは、エレキギターのネックに近い握り心地を実現しています。
これにより、手の小さな方や握力に自信のない方でもコードが押さえやすく、長時間の練習でも疲れにくいというメリットが生まれます。
普段エレキギターを弾いている人が持ち替えても違和感が少なく、スムーズに演奏できる点は、Fenderならではの大きな強みです。
一目でわかる個性的なヘッド形状とポップなカラーバリエーション
デザイン性の高さもFenderアコギの魅力の一つです。
特に「California(カリフォルニア)シリーズ」に見られる、エレキギターのStratocaster(ストラトキャスター)と同じ6連ペグのヘッド形状は、Fenderファンならずとも目を引く象徴的なデザインです。
また、傳統的なアコギではあまり見られない、サーフグリーンやレイクプラシッドブルーといった鮮やかでポップなカラーバリエーションが豊富なことも特徴です。
自分のスタイルや好みに合わせて、ファッション感覚でギターを選べる楽しみを提供してくれます。
多くのモデルに搭載!ライブで即使えるFishman製ピックアップ(エレアコ)
Fenderのアコギは、アンプに接続して大きな音で演奏できる「エレクトリック・アコースティックギター(エレアコ)」のラインナップが充実しています。
多くのモデルには、アコギ用ピックアップのトップブランドであるFishman(フィッシュマン)社製のプリアンプシステムが搭載されています。
これにより、ライブやスタジオ練習、レコーディングなど、さまざまな場面で即戦力として活躍します。
手元で音量や音質を調整できるだけでなく、チューナー機能が内蔵されているモデルも多く、初心者にとっても非常に便利で実用的な仕様です。
【初心者必見】目的別!おすすめのFenderアコギ人気モデル

最初の1本に最適!バランスの取れた定番モデル「CD-60S」
これからギターを始めたいという方に最もおすすめなのが、Fenderの定番モデル「CD-60S」です。
ボディサイズは最も標準的な「ドレッドノート」で、パワフルで広がりのあるサウンドが特徴。
弾き語りからストロークプレイまで、幅広いスタイルに対応できます。
ボディのトップ材には単板(一枚板)のスプルースが使用されており、価格を抑えながらも本格的な鳴りを実現しています。
前述の弾きやすいネック形状も備えており、まさに初心者のための王道モデルと言えるでしょう。
おしゃれで弾きやすい!小ぶりなボディの「Malibu Player」
デザイン性を重視したい方や、体の小さな方には「Malibu Player」がぴったりです。
小ぶりで抱えやすいオリジナルの「Malibu」ボディシェイプと、個性的なヘッドストック、豊富なカラーバリエーションが魅力の一本です。
ボディが小さい分、サウンドは軽やかで歯切れが良く、フィンガーピッキングなど繊細なプレイにも向いています。
取り回しが良いため、気軽に持ち出して演奏を楽しむのにも最適です。
力強いサウンドが魅力!大きめボディの「Redondo Player」
豊かな音量と迫力のある低音を求めるなら、「Redondo Player」がおすすめです。
Fenderオリジナルの「Redondo」ボディシェイプは、ドレッドノートサイズに近く、力強いストロークプレイに応えるパワフルなサウンドを生み出します。
こちらもFishman製のピックアップを搭載しているため、アンプに繋げばライブステージでも存在感を発揮します。
カッタウェイ(ボディの一部がえぐれた形)が施されているモデルもあり、ハイポジションでの演奏性も確保されています。
FenderとYAMAHAのアコギ、どっちがいい?ライバルと徹底比較
【音質で比較】明るく歯切れの良いFender vs バランス重視のYAMAHA
音質の傾向は、両ブランドの大きな違いの一つです。
Fenderのアコギは、総じて中高音が際立った、明るく「ジャキッ」とした歯切れの良いサウンドが特徴です。
これはロックやポップスの弾き語りでコードをかき鳴らすスタイルによくマッチします。
一方、YAMAHAのアコギは、低音から高音までバランスの取れた、豊かで深みのあるサウンドが持ち味です。
どんなジャンルにも馴染む優等生的な音色で、安定感を求める方に向いています。
【デザインで比較】個性派のFender vs 王道スタイルのYAMAHA
デザイン面でも両者の個性は明確です。
Fenderは、エレキギターを彷彿とさせるヘッド形状やユニークなピックガード、多彩なカラーリングなど、遊び心のある個性的なデザインが際立ちます。
他の人とは違うギターを持ちたいという方には魅力的でしょう。
対してYAMAHAは、伝統的なアコースティックギターのスタイルを踏襲した、シンプルで飽きのこない王道デザインが基本です。
誰からも愛される普遍的な美しさを持っています。
【弾きやすさで比較】ネックが細いFender vs 安心感のあるYAMAHA
演奏性においては、どちらも初心者への配慮が行き届いていますが、ネックの握り心地に違いがあります。
Fenderは前述の通り、エレキギターに近いスリムなネックが特徴で、手が小さい方でも握りやすい設計です。
YAMAHAのネックも決して太くはありませんが、Fenderと比較するとやや丸みを帯びており、しっかりと握り込める安心感があります。
こればかりは個人の手の大きさや好みによるため、実際に楽器店で握り比べてみることをお勧めします。
結局どちらを選ぶべき?タイプ別おすすめ診断
FenderとYAMAHA、どちらを選ぶべきか迷った場合は、以下の基準で判断すると良いでしょう。
タイプ | Fenderがおすすめな人 | YAMAHAがおすすめな人 |
重視する点 | デザインの個性、エレキからの持ち替えやすさ | 安定した品質、伝統的なアコギサウンド |
好きな音楽 | ロック、ポップス、弾き語り | フォーク、ポップス、オールジャンル |
見た目の好み | 人と違うものがいい、カラフルなものが好き | シンプルで飽きのこないものがいい |
Fenderアコギを使用しているプロのアーティストはいる?

プロの使用率は正直高くない?GibsonやMartinが選ばれる理由
プロのギタリストの世界では、Fenderのアコースティックギターがメイン機材として使われるケースは、GibsonやMartinに比べて少ないのが現状です。
これはFenderの品質が低いからではなく、プロが求めるサウンドやブランドの歴史的背景が関係しています。
長年にわたりアコースティックサウンドの基準を築いてきたGibsonやMartinのギターは、レコーディングやライブで求められる伝統的な「アコギらしい音」を出しやすく、多くのアーティストにとって信頼の置ける選択肢となっています。
Fenderアコギを愛用する日本の著名アーティストと使用機材
少数派ではありますが、Fenderアコギの個性的なサウンドやデザインを愛用するプロのアーティストも存在します。
例えば、シンガーソングライターの新山詩織さんは、Fenderの「PM-1 Deluxe」というモデルを使用していることで知られています。
また、過去にはYUIさんが「GA-45SCE」というモデルをライブなどで使用していました。
これらのアーティストは、Fenderアコギが持つ独特のトーンを自身の音楽性に取り入れている好例と言えるでしょう。
中古のFenderアコギは狙い目?購入のメリットと注意点
1万円台から購入可能!中古で探すメリットと価格相場
Fenderのアコギは中古市場にも豊富に出回っており、非常に魅力的な価格で見つけることができます。
状態によっては1万円台から2万円台で手に入ることもあり、とにかくコストを抑えてギターを始めたい方にとっては大きなメリットです。
新品で3万円から5万円程度のモデルが、中古ではその半額近くになることも珍しくありません。
憧れのモデルを安価に手に入れるチャンスがあるのが、中古市場の魅力です。
失敗しないために!中古ギター購入前に確認すべき3つのポイント
中古ギターの購入には魅力がある一方、注意も必要です。
購入後に後悔しないために、最低でも以下の3点は確認しましょう。
一つ目は「ネックの状態」です。
ネックが反っていると弦高が高くなり、非常に弾きにくくなります。
二つ目は「フレットの減り」です。
フレットが極端にすり減っていると、音詰まりの原因になります。
三つ目は「ボディの傷や割れ」です。
特にトップ材の割れはサウンドに大きく影響するため、注意深く確認する必要があります。
可能であれば信頼できる楽器店で購入するか、詳しい友人に見てもらうのが安心です。
まとめ:フェンダーアコギ 評判の総括と選び方
Fenderのアコースティックギターは、「評判が悪い」という一部のイメージとは異なり、特に初心者やエレキギター経験者にとって、非常にコストパフォーマンスが高く、魅力的な選択肢であることが分かりました。
その個性的なデザインと優れた演奏性は、他のブランドにはないFenderならではの強みです。
伝統的なアコギとは一味違った魅力を放つFenderのアコギ。
この記事を参考に、ぜひあなたにぴったりの一本を見つけて、ギターライフを楽しんでください。
- Fenderアコギは初心者やエレキ経験者からの評価が高い
- 「評判が悪い」という噂は高級ブランドとの比較やイメージが先行したもの
- 安さの理由は海外生産と初心者・中級者をターゲットにした戦略にある
- 最大の魅力はエレキギターのように弾きやすいスリムなネック
- 個性的なデザインと豊富なカラーバリエーションも特徴である
- 多くのモデルがエレアコ仕様で実用性が高い
- 初心者には定番の「CD-60S」やデザイン性の高い「Malibu Player」がおすすめ
- YAMAHAと比較すると、Fenderはデザインと歯切れの良いサウンドが特徴
- プロの使用率は高くないが、一部アーティストには愛用されている
- 中古市場では1万円台から探せるが、ネックなどの状態確認は必須