TECH21 Marty Friedman Signature SansAmpに興味をお持ちでしょうか。
マーティ・フリードマンのあの「泣きのギター」サウンドに憧れるギタリストにとって、彼の名を冠したこのペダルは非常に気になる存在だと思います。
しかし、実際に購入するとなると「本当にマーティの音が出せるのか?」「操作性は難しいのではないか?」「価格に見合う価値があるのか?」といった疑問や不安が湧いてくるのも事実です。
この記事では、TECH21 Marty Friedman Signature SansAmpのレビュー解説として、その特徴やスペック、実際の音質、そしてユーザーからの評判や口コミを徹底的に分析します。
この記事を最後まで読めば、本機が持つ真の実力と、あなたにとって最適な機材かどうかが明確になるでしょう。
TECH21 Marty Friedman Signature SansAmpとは?マーティの哲学が詰まった一台
マーティ・フリードマンが求めた「音楽を際立たせるシンプルさ」を具現化
TECH21 Marty Friedman Signature SansAmpは、過剰な機能や複雑な操作を排し、「音楽そのものが主役であるべき」というマーティ・フリードマン自身の哲学を形にしたシグネチャーペダルです。
彼が求めるサウンドを、直感的で扱いやすいコンパクトなフォーマットで実現することを目指して開発されました。
そのため、誰でも簡単にプロクオリティのサウンドへアクセスできる、シンプルかつパワフルな一台に仕上がっています。
SansAmp初のデジタル技術と伝統のアナログサウンドの融合
このペダルは、Tech21が長年培ってきた伝統のアナログ回路技術を心臓部に持ちながら、プリセットの保存や呼び出しといったデジタル制御技術を組み合わせています。
これにより、SansAmp特有の温かみやダイナミクス、チューブアンプのようなレスポンスを損なうことなく、ライブやスタジオでの利便性を飛躍的に向上させました。
アナログの魂とデジタルの頭脳を併せ持った、まさに次世代のSansAmpと言えるでしょう。
ライブから宅録まで対応する多彩な使用方法
本機は単なる歪みペダルではありません。
アンプの前に接続するディストーションペダルとしてはもちろん、パワーアンプやスピーカーキャビネットに直接接続するプリアンプとしても機能します。
さらに、スピーカーシミュレーターを内蔵したXLR出力を備えているため、ミキサーやオーディオインターフェースに直接接続して、ライブでのPA送りや自宅でのレコーディング(宅録)にも即座に対応可能です。
主要スペックと全機能を徹底解説
サイズ・重量・入出力端子などの基本スペック一覧
まずは、TECH21 Marty Friedman Signature SansAmpの基本的なスペックを表で確認しましょう。
頑強なメタル筐体でありながら、ペダルボードにも収めやすいサイズ感と重量が特徴です。
| 項目 | スペック | 
|---|---|
| コントロール | Drive, Low, Mid, High, Reverb, Gate, Filter, Level | 
| 入出力端子 | 1/4″ INPUT, 1/4″ OUTPUT, XLR OUTPUT, FX LOOP (SEND/RETURN), MIDI IN/OUT | 
| プリセット数 | パフォーマンスモード: 3 / スタジオモード: 128 | 
| 内蔵機能 | チューナー、リバーブ、スピーカーキャビネットシミュレーション | 
| 電源 | 9V DCアダプター(付属) | 
| サイズ | 190 × 133 × 51 mm | 
| 重量 | 約680g | 
音作りの核となる8つのコントロールノブ(EQ・Gate・Filter等)の役割は?
このペダルには8つのノブが搭載されており、直感的な音作りを可能にしています。
Driveと3バンドEQ(Low/Mid/High)で基本的な歪みと音質を調整し、Reverbで空間の広がりを加えます。
特筆すべきはGateとFilterで、Gateはサステインを損なうことなくノイズを自然にカットする高性能なノイズゲートです。
Filterはマーティサウンドの肝となる中音域(ミッドレンジ)を調整するための特殊なコントロールで、彼独特の表現力豊かなトーンを生み出します。
便利な内蔵機能(チューナー・リバーブ・キャビシミュ)をレビュー
この一台には、ギタリストに必要な機能がコンパクトにまとめられています。
フットスイッチを長押しすることで高精度なチューナーモードに移行でき、足元で素早いチューニングが可能です。
内蔵リバーブは自然な響きで、クリーンからリードまで幅広く活用できます。
また、XLR出力にはスピーカーキャビネットシミュレーションが常時適用されるため、ギターアンプがない環境でもリアルなアンプサウンドを出力することが可能です。
3つのプリセットを即戦力で使う「パフォーマンスモード」
ライブでの使用を想定した「パフォーマンス・モード」では、3つのフットスイッチに割り当てられたプリセットを瞬時に切り替えることができます。
マーティ自身が設定したクリーン、ドライブ、リードといった即戦力のサウンドが予め用意されており、足元だけで多彩な音色を操ることが可能です。
最大128音色を保存できる「スタジオモード」
より細かく音作りを追求したい場合は「スタジオ・モード」を使用します。
このモードでは、自分で作成したオリジナルサウンドを最大128個まで本体に保存し、MIDIコントローラーなどを使って呼び出すことができます。
ライブの曲順に合わせたセッティングや、レコーディングでの細かな音色管理に絶大な効果を発揮します。
【音質レビュー】マーティサウンドは本当に再現できるのか?
泣きのトーンを彷彿とさせるリードサウンドの質は?
結論から言うと、このペダルのリードサウンドは、マーティ・フリードマン特有の「泣きのトーン」を非常によく再現しています。
特にFilterノブによって強調されるミッドレンジは、メロディが歌うような豊かな表現力をギターに与えてくれます。
彼の旧シグネチャーアンプである「Crate Voodoo」のサウンドに通じるものがある、という海外のレビューも見られるほど、そのエッセンスが色濃く反映されています。
煌びやかで実用的なクリーンサウンドをチェック
クリーンサウンドも非常に高品質で、煌びやかでありながら芯のあるトーンが特徴です。
本体背面にある「+10dB」スイッチをオンにすることで、よりパワフルで存在感のあるクリーンサウンドを得ることもできます。
内蔵リバーブとの相性も良く、アルペジオやカッティングプレイでその実力を発揮するでしょう。
SansAmpらしいアナログ感とデジタルならではのクリアさ
サウンドの根幹はSansAmp伝統のアナログ回路であるため、音には温かみやチューブアンプのような自然なコンプレッション感が備わっています。
一方で、プログラマブル・ペダルとしての恩恵でノイズが非常に少なく、クリアで現代的なサウンドメイクにも対応可能です。
アナログの良さとデジタルの利便性を見事に両立させた音質と言えます。
内蔵キャビネットシミュレーターの音質と外部IR活用のススメ
内蔵のキャビネットシミュレーターは、PAやオーディオインターフェースに直接接続する際に非常に便利です。
音質については「ややフラットで特徴が薄い」という意見もありますが、これはミックス時にエンジニアが加工しやすいというメリットにもなります。
もし、より特定のキャビネットサウンドを追求したい場合は、本機の出力を外部のIR(インパルス・レスポンス)ローダーに接続することで、音作りの幅をさらに広げることが可能です。
良い評判・悪い評判から見るメリット・デメリット
【良い評判】ここがおすすめ!ポジティブな口コミまとめ
ユーザーからのポジティブな評判としては、「繋ぐだけでマーティっぽい音が出る」「操作がノブを回すだけなので直感的で分かりやすい」「コンパクトでペダルボードがすっきりする」「内蔵ゲートの効きが自然で素晴らしい」といった声が多く見られます。
特に、複雑な設定なしに即戦力のサウンドが得られる手軽さと、プロユースにも耐える基本性能の高さが評価されています。
【悪い評判】購入前の注意点!ネガティブな口コミまとめ
一方で、ネガティブな口コミや注意点としては、「プリセット主体なので、ゼロから細かく音作りしたい人には自由度が低いかもしれない」「内蔵エフェクトがリバーブのみで、ディレイなどはない」「価格がエフェクターとしては高額」といった意見があります。
また、内蔵キャビシミュの音質は好みが分かれる点や、USB端子がなくPCでのエディットやIR読み込みができない点を指摘する声もありました。
実際に使ってわかった惜しい点(+10dBブーストの仕様や自由度など)
いくつかのレビューで指摘されている惜しい点として、クリーンサウンドで有効な「+10dB」ブースト機能が、プリセットごとにオン・オフの状態を保存できない仕様であることが挙げられます。
これにより、プリセットを切り替えるたびに、必要であれば手動でスイッチを操作する必要があります。
この点は、ライブでの操作性を重視するユーザーにとっては少し不便に感じるかもしれません。
価格はいくら?高い?安い?
国内の販売価格と海外価格の比較
TECH21 Marty Friedman Signature SansAmpの国内での販売価格は、定価で69,300円(税込)に設定されています。
海外での販売価格と比較しても、輸入代理店のマージンなどを考慮すると、標準的な価格設定と言えるでしょう。
プリアンプとして考えた場合のコストパフォーマンスは妥当か?
このペダルを単体のディストーションエフェクターとして見ると高価に感じるかもしれません。
しかし、高品質なプリアンプ、DIボックス、ノイズゲート、リバーブ、チューナーといった複数の機材の役割を一台でこなせる多機能機材として捉えると、コストパフォーマンスは非常に高いと言えます。
特にマーティのサウンドを求めるファンにとっては、その価値を十分に感じられる価格設定だと考えられます。
まとめ:TECH21 Marty Friedman Signature SansAmp レビュー解説
このペダルがピッタリな人の特徴3選
このペダルは、特に以下のようなギタリストに強くおすすめできます。
一つ目は、マーティ・フリードマンのサウンドを手軽に、かつ本格的に再現したい人です。
二つ目は、多くの機材を持ち運ばず、シンプルでコンパクトなセッティングでライブやスタジオに臨みたい人。
三つ目は、複雑なデジタル機器の操作が苦手で、直感的に音作りを楽しみたい人です。
購入を慎重に検討した方が良い人の特徴とは?
逆に、購入を慎重に検討した方が良いのは、一台でディレイやモジュレーションなど多彩なエフェクトを完結させたい人です。
本機はリバーブ以外の空間系エフェクトを搭載していないため、別途用意する必要があります。
また、アンプモデリングやパラメーターをゼロから徹底的に作り込みたいという探求心の強いギタリストにとっては、プリセット主体の設計が少し物足りなく感じる可能性もあります。
<div class="list-box-4">
<ul class="list-3">
<li>マーティ・フリードマンの哲学「音楽を際立たせるシンプルさ」を具現化したペダルである</li>
<li>伝統のアナログ回路を心臓部に持ち、デジタル制御による高い利便性を両立させている</li>
<li>プリアンプ、DI、エフェクターとしてライブから宅録まで幅広く対応可能</li>
<li>パフォーマンスモードでは3つの即戦力プリセットを瞬時に切り替えられる</li>
<li>スタジオモードでは最大128個のオリジナルサウンドを保存できる</li>
<li>マーティ特有のミッドレンジを操る「フィルター」ノブが音作りの鍵となる</li>
<li>サステインを損なわない高性能なノイズゲートを内蔵している</li>
<li>内蔵キャビシミュは便利だが、音質は好みが分かれるため外部IRの活用も有効</li>
<li>メリットは直感的な操作性と即戦力のサウンド、デメリットは音作りの自由度と価格</li>
<li>多機能プリアンプとして見ればコストパフォーマンスは高いと言える</li>
</ul>
</div>

