BENDER ROYAL レビュー解説！EHXの多機能ファズ徹底検証

Electro-Harmonix（エレクトロハーモニクス）から登場した「Bender Royale」について、どのような特徴を持つファズなのか、具体的な音質や機能、おすすめの使い方を知りたいと考えている方も多いでしょう。

伝説的なTone Bender MkIIIをベースにしながら、現代的な機能が多数追加されており、その音作りの幅広さから注目を集めています。

この記事では、ELECTRO-HARMONIX BENDER ROYALのレビュー解説として、詳細なスペック、ギターやベースでの使用感、音作りのポイント、価格情報までを網羅的に解説します。

Electro-Harmonix Bender Royaleとは？特徴を分かりやすく解説

伝説のTone Bender MkIIIをベースにした多機能ファズ

Electro-HarmonixのBender Royaleは、1960年代後半に登場した伝説的なファズペダル「Tone Bender MkIII」の3トランジスタ・ゲルマニウム回路を基に開発されたファズペダルです。

オリジナルのTone Benderが持つ、豊かで飽和感のあるヴィンテージファズの温かみを継承しつつ、現代のプレイヤーが求める多様なニーズに応えるための機能がふんだんに盛り込まれています。

具体的には、アクティブEQ（BASS/TREBLE）、クリーンサウンドをミックスするBLENDノブ、回路電圧を調整するBIASノブなどが追加され、クラシックなサウンドからモダンで実験的なサウンドまで、1台で幅広くカバーできるのが最大の特徴です。

Bender Royaleの「音作り」の核となる全コントロール（スペック概要）

Bender Royaleは、コンパクトな筐体に6つのノブと2つのスイッチを備え、直感的かつ多彩な音作りを可能にします。

以下に各コントロールの概要をまとめます。

コントロール	機能
VOL (Volume)	全体の出力音量を調整します。
FUZZ (Fuzz)	ゲイン量（歪みの強さ）を調整します。
BASS (Bass)	低域を調整するアクティブEQです。
TREBLE (Treble)	高域を調整するアクティブ・シェルビングEQです。
BIAS (Bias)	回路電圧を調整し、ファズの質感（滑らか～ゲート感）を変化させます。
BLEND (Blend)	クリーン信号（原音）とファズの歪み信号をミックスする割合を調整します。
FAT (Fat Switch)	低音域とローミッド（中低域）をブーストし、より厚みのあるサウンドにします。
CLIP (Clip Switch)	クリッピング・ダイオードを「Ge（ゲルマニウム）」と「LED」で切り替えます。

これらのコントロールを組み合わせることで、従来のTone Bender系ペダルでは難しかった、細やかなサウンドメイクが実現します。

ヴィンテージ（Ge）とモダン（LED）を選べるCLIPスイッチ

Bender Royaleの音色キャラクターを大きく左右するのが「CLIPスイッチ」です。

このスイッチは、歪みを生み出すクリッピング素子を切り替えるもので、2つの異なるモードを選択できます。

• Ge (ゲルマニウム) モード:ヴィンテージファズ特有の、滑らかで温かみのあるクラシックな歪みを生み出します。サステインが豊かで、比較的扱いやすいサウンドが特徴です。
• LED モード:より現代的でアグレッシブなサウンドです。Geモードに比べて歪みが荒々しく、エッジの効いたワイルドなトーンが特徴で、よりラウドで存在感のあるファズサウンドが得られます。

このスイッチ一つで、ペダルの基本的な性格をヴィンテージ志向かモダン志向かに振り分けることができます。

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【音質レビュー】Bender Royaleのサウンドを徹底検証

実際のデモ演奏（動画）で聴くギターサウンド

Bender Royaleをギターで使用した際のサウンドは、その多機能性に見合うだけの幅広さを持っています。

デモ動画（jTmhqeFepUM）では、Princetonアンプとレスポールタイプのギター（West Paul）を使用したレビューが確認できます。

CLIPスイッチをGe（ゲルマニウム）モードに設定すると、ファズの量を上げても音が潰れすぎず、ネックピックアップでは太くウォームなトーンが得られます。

FATスイッチをオンにすると、さらに低域が補強され、リッチなサウンドへと変化します。

一方、CLIPスイッチをLEDモード（動画内では「Silicone mode」と呼称されていますが、製品仕様上はLED）に切り替えると、サウンドがよりアグレッシブになり、ノイズフロアが少し上がる代わりに、倍音豊かな切り裂くようなファズサウンドが得られます。

FUZZノブを最大近くまで上げると、特にLEDモードでは強烈な飽和感が得られますが、BLENDノブでクリーンを少し混ぜることで、音の芯を保つ調整も可能です。

ベースでの使用感レビュー（Nate Navaroデモより）

Bender Royaleはベーシストにも非常に注目されています。

ベーシストのNate Navaro氏によるデモ動画（ZUwd8S3KBG8）では、ベーストーンを「最良の方法で破壊する」と評されています。

ベースでファズを使用する際に最も問題となるのが「低音域のロス」と「音の輪郭のぼやけ」ですが、Bender Royaleはこれらの問題を解決する機能を備えています。

特に重要なのが「BLENDノブ」です。

これにより、ファズの歪みサウンドにベース本体のクリーン信号をミックスでき、歪ませながらも芯のあるクリアな低音とアタック感を維持することが可能です。

さらに「FATスイッチ」で低域を補強し、「BASS」と「TREBLE」のEQで最終的な音抜けを調整できるため、ベース用ファズペダルとしても非常に高い完成度を誇ります。

BIASノブが生む「ゲート感」とBLENDノブの「明瞭さ」

Bender Royaleのサウンドキャラクターを決定づける、特にユニークな機能が「BIASノブ」と「BLENDノブ」です。

BIASノブは、回路に流れる電圧を意図的に変化させるコントロールです。

ノブを右（時計回り）に回すと、電圧が適正になり、滑らかで豊かなサステインを持つファズサウンドが得られます。

逆に左（反時計回り）に回していくと電圧が下がり、サステインが短く、ブチブチと途切れるような「ゲート感」のあるサウンド（スパッタリング・ファズ）を生み出します。

これにより、電池が切れかかったヴィンテージファズのような独特の質感を意図的に作り出すことができます。

BLENDノブは前述の通り、クリーン信号をミックスする機能です。

ファズペダルは通常、FUZZノブを上げると音が飽和し、コード弾きでは音が潰れてしまいがちです。

しかし、BLENDノブでクリーン音を少し足すだけで、歪みの中に隠れたピッキングのアタック感や、コードの分離感が蘇り、アンサンブルの中でも埋もれない明瞭なファズサウンドを実現します。

ネット・SNSでの評判と口コミまとめ（良い点・悪い点）

Bender Royaleに関するネットやSNSでの評判をまとめると、以下のような傾向が見られます。

良い評判・口コミ:

• 「音作りの幅がとにかく広い。これ1台で色々なファズの音が出せる」
• 「BLENDノブが秀逸。ベースで使っても低音が痩せないのが素晴らしい」
• 「FATスイッチとEQのおかげで、どんなギター/ベース/アンプでも調整が効く」
• 「BIASノブでブチブチ系の音も作れるのが楽しい」
• 「GeとLEDの切り替えでキャラクターがガラッと変わるのが良い」

悪い評判・懸念点:

• 「ツマミが6個にスイッチ2個と、コントロールが多くて音作りが難しい」
• 「シンプルなヴィンテージ・トーンベンダーの音を求める人には多機能すぎるかも」
• 「BIASを下げすぎるとノイズが目立つことがある」

総じて、その多機能性と実用性の高さを評価する声が多い一方で、コントロールの多さが逆に「複雑さ」として捉えられることもあるようです。

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Bender Royaleの全機能とおすすめの使い方

基本の3ノブ（VOL, FUZZ, BASS）のセッティング例

Bender Royaleは多機能ですが、まずはオリジナルのTone Bender MkIIIに近い基本の3ノブ（VOL, FUZZ, BASS）から音作りを始めるのがおすすめです。

最初はTREBLE, BIAS, BLENDノブを全て12時の位置に設定します。

CLIPスイッチを「Ge」、FATスイッチを「オフ」に設定し、VOL, FUZZ, BASSで基本的な音色と音量を決めます。

これがクラシックなMkIII系のサウンドの出発点となります。

FUZZを上げていくと得られる、ゲルマニウム特有のウォームで飽和感のあるサウンドを確認しながら、BASSノブで低域の膨らみを調整します。

TREBLEとBASS：アクティブEQでの音作り

Bender Royaleが従来のTone Bender系と大きく異なるのは、強力な2バンド・アクティブEQを搭載している点です。

BASSノブは低域、TREBLEノブは高域（1.5kHz周辺のシェルビングEQ）を、それぞれブースト（増強）またはカット（削減）できます。

例えば、シングルコイルのギターで音が細く感じる場合はBASSをブーストしたり、ハムバッカーで音がこもりすぎる場合はTREBLEをブーストして音抜けを良くしたりといった調整が自在です。

ファズペダルはアンプとの相性がシビアな場合がありますが、このEQがあるおかげで、様々な環境で最適なトーンバランスを見つけやすくなっています。

FATスイッチはいつ使う？（低域ブーストの効果）

FATスイッチは、低音域とローミッド（中低域）を強力にブーストする機能です。

このスイッチをオンにすると、サウンド全体が明らかに太く、重厚になります。

おすすめの使い方は、ギターソロで音に厚みを加えたい時や、シングルコイルピックアップを使用していて低域のパワー感が物足りない時です。

また、ベースで使用する際は、このスイッチをオンにすることで、ファズサウンドの迫力を失うことなく、さらにヘヴィなトーンを追求できます。

BLENDノブ（クリーンミックス）の最適な使い道

BLENDノブは、Bender Royaleの実用性を飛躍的に高めている機能です。

このノブを左いっぱいに回すと100%クリーン音、右いっぱいに回すと100%ファズ音になります。

最適な使い道としては、まずベースでの使用が挙げられます。

BLENDノブを10時～12時あたりに設定し、ファズ音にクリーン音を混ぜることで、低音の芯とアタック感を失わずに歪みを加えることができます。

また、ギターでコードを弾く際にも、クリーン音を少し混ぜることで音の分離感が向上し、ファズ特有の「音の壁」の中にも和音の響きが感じられるようになります。

BIASノブ（電圧調整）でファズの質感をコントロールする方法

BIASノブは、ファズサウンドの「質感」を劇的に変化させます。

中央（12時）付近では、最も滑らかでサステインの長い、オーソドックスなファズサウンドが得られます。

ここからノブを反時計回りに回していくと、徐々に電圧が下がり、音が途切れ途切れになる「スパッタリング・ファズ」の領域に入ります。

「ブツブツ」「ブチブチ」といった表現が似合う、ゲート感の強い個性的なサウンドは、リフなどに使うと面白い効果を生み出します。

逆に時計回りに回し切ると、ややオーバーバイアス気味のスムーズなトーンになります。

まずは中央から始め、好みに応じて微調整するのが良いでしょう。

隠れた便利機能：ラッチ/モーメンタリー両対応フットスイッチ

Bender Royaleのフットスイッチは、一般的なオン/オフ（ラッチ式）だけでなく、踏んでいる間だけエフェクトがオンになる「モーメンタリー式」としても機能するソフトフットスイッチを採用しています。

通常のクリック（短く踏む）で、エフェクトのオンとオフが切り替わります（ラッチモード）。

一方、フットスイッチを0.5秒以上長押しすると、押している間だけエフェクトがオンになり、足を離すと自動的にオフになります（モーメンタリーモード）。

これにより、曲の一部分だけ、一時的にファズをかけたい場合などに非常に便利です。

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Bender Royaleのおすすめな点（メリット）と注意点（デメリット）

おすすめな点①：1台でヴィンテージからモダンまで対応できる音作りの幅

Bender Royaleの最大のメリットは、その圧倒的な音作りの幅広さです。

Tone Bender MkIIIというクラシックな回路をベースに持ちながら、CLIPスイッチ（Ge/LED）、FATスイッチ、2バンドEQ、BIAS、BLENDといった多彩なコントロールを備えています。

これにより、60年代のウォームなヴィンテージ・ファズから、BIASを調整した個性的なゲート・ファズ、LEDクリッピングとEQを駆使したモダンで攻撃的なファズサウンドまで、この1台で幅広く対応可能です。

おすすめな点②：クリーンMIXでアンサンブルでも埋もれない実用性

従来のヴィンテージ・ファズペダルが持っていた弱点の一つが、「アンサンブルの中で音が埋もれやすい」ことでした。

Bender Royaleは、BLENDノブでクリーン信号をミックスできるため、歪ませながらも音の芯やアタック感を失いません。

特にベースでの使用や、ギターでのコード弾きにおいて、この機能は絶大な効果を発揮します。

ファズの持つ迫力と、原音が持つ明瞭さを両立できる実用性の高さは、大きなアドバンテージです。

注意点：ツマミが多く、音作りが複雑に感じる可能性

Bender Royaleのメリットである多機能性は、裏を返せば「コントロールが複雑である」という注意点にもなります。

6つのノブと2つのスイッチが相互に影響し合うため、ファズペダルを初めて使う人や、シンプルな操作性を好む人にとっては、音作りが難しく感じられる可能性があります。

全ての機能を使いこなすには、各コントロールの役割を理解し、色々と試してみる時間が必要になるでしょう。

オリジナルのTone Bender系ペダル（Barrowsなど）との比較

Bender RoyaleはTone Bender MkIII系ですが、市場には他にも多くのMkIII系ペダルが存在します。

例えば、デモ動画（jTmhqeFepUM）でも比較対象として登場したEarthQuaker Devicesの「Barrows」も、MkIII系をベースにしたペダルです。

Barrowsは3ノブ（Level, Attack, Fuzz）という、よりオリジナルに近いシンプルな構成です。

どちらもMkIII系のDNAを持っていますが、Barrowsがそのサウンドをシンプルに追求するペダルであるのに対し、Bender RoyaleはEQやBLEND、BIASなどを追加して「サウンドメイクの道具」として多機能に進化させたペダルと言えます。

どちらが良いかは好みによりますが、機能の多様性ではBender Royaleが明確に上回っています。

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Bender Royaleの価格情報と購入方法

Bender Royaleの販売価格と最安値情報

Electro-Harmonix Bender Royaleの販売価格は、販売店によって異なります。

2025年11月時点での情報によると、サウンドハウスでは23,800円(税込)、島村楽器では27,225円(税込)、楽天市場の一部のショップでは25,410円(税込)などで販売されています。

価格は変動する可能性があるため、購入前には各販売店の最新情報を確認することをおすすめします。

通常ブラックと限定オレンジカラーの比較

Bender Royaleには、スタンダードな「ブラック」カラーのモデルに加え、「オレンジ」カラーの限定モデルが存在します。

インプットされた情報によれば、がっきや速報や楽天市場の販売ページで限定カラーとしてオレンジが紹介されています。

基本的な機能や回路、サウンドに関しては、ブラックモデルとオレンジモデルで違いはありません。

デザインの好みで選ぶことができますが、オレンジは限定生産である可能性が高いため、入手を希望する場合は早めにチェックするのが良いでしょう。

主な販売店（サウンドハウス、島村楽器、楽天市場など）

Bender Royaleは、全国の主要な楽器店やオンラインショップで購入可能です。

インプット情報で確認できた主な販売店は以下の通りです。

• サウンドハウス
• 島村楽器（オンラインストア、ミーナ町田店など各実店舗）
• 楽天市場内の楽器店（光栄堂楽器店など）
• Yahoo!ショッピング
• 石橋楽器

在庫状況や価格は店舗によって異なるため、複数のショップを比較検討すると良いでしょう。

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まとめ：ELECTRO-HARMONIX BENDER ROYAL レビュー解説

Bender Royaleはどんなギタリスト/ベーシストにおすすめか？

Electro-Harmonix Bender Royaleは、特定の層に強くおすすめできるファズペダルです。

• ヴィンテージファズの音は好きだが、現代的な実用性も欲しい人:Tone Benderのニュアンスを持ちつつ、EQやBLENDノブでアンサンブルでの使い勝手を格段に向上させたいギタリスト。
• ギターとベースの両方で使えるファズを探している人:BLENDノブとFATスイッチ、EQにより、ベースで使っても低音が痩せずに強力な歪みが得られるため、ベーシストにも最適です。
• 1台で多彩なファズサウンドを作りたい人:Ge/LEDの切り替えやBIASノブの調整により、王道ファズから個性的なゲートファズまで、幅広い音作りを楽しみたいプレイヤー。

これらのニーズを持つ人にとって、Bender Royaleは非常にコストパフォーマンスの高い選択肢となるでしょう。

本機1台で得られるサウンド体験の総括

Electro-Harmonix Bender Royaleは、伝説的なTone Bender MkIIIへの敬意（オマージュ）と、Electro-Harmonixらしい現代的な解釈（モダンな機能性）が見事に融合したファズペダルです。

クラシックなゲルマニウムファズの温かく滑らかなトーンから、LEDクリッピングによる荒々しいディストーションライクな歪み、BIASノブを駆使したブチブチとした個性的なサウンドまで、1台で驚くほど多様な表情を見せてくれます。

特にBLENDノブの搭載は実用面で非常に大きく、ファズペダルが敬遠されがちだった「音抜け」や「低音の痩せ」といった問題をクリアしています。

音作りの幅が広い分、全ての機能を使いこなすには少し時間が必要かもしれませんが、その先にはヴィンテージとモダンの垣根を超えた、自由なファズサウンドの世界が待っています。