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DigiTech Black Dropレビュー解説:音質とレイテンシを徹底解説

ライブやスタジオ練習で、曲ごとにチューニングを変える作業を面倒に感じていませんか。

特にフロイドローズ搭載のギターでは、チューニングの変更は非常に手間がかかります。

また、半音下げやドロップCなど、異なるチューニングのために複数のギターを持ち運ぶのは現実的ではありません。

DigiTech Black Dropは、そうしたギタリストの悩みを解決するために設計されたペダルです。

この記事では、限定ブラックモデルであるBlack Dropの特徴から、実際の音質、メリット、そして導入前に知っておくべきレイテンシ(遅延)や音痩せといった注意点まで、購入を検討している方が知りたい情報を網羅的にレビューします。

目次

DigiTech Black Dropレビュー総括:瞬時にチューニングを変える限定ブラックペダル

結論:Black Dropはどんなギタリストにおすすめ?

DigiTech Black Dropは、ライブで複数のチューニングを瞬時に切り替える必要があるギタリストに最もおすすめです。

また、フロイドローズ搭載ギターのようにチューニング変更が困難な楽器で、ドロップチューニングを多用したい人にも最適な解決策となります。

さらに、自宅での練習やセッションで、手軽にダウンチューニングのサウンドを楽しみたい人にも重宝されるでしょう。

ギター本体の弦を物理的に緩めることなく、ペダルを踏むだけでチューニングを操作できる手軽さが最大の魅力です。

通常モデル(赤)との違いは?限定ブラックカラーの魅力

結論から言うと、機能とスペックに関しては通常モデル(赤)と全く同じです。

唯一の違いは、本体のカラーリングが限定仕様の精悍なブラックであるという点です。

ペダルボードの外観をブラックで統一したいギタリストや、他人とは違う限定モデルを所有する満足感を求める人にとって、このカラーリングは大きな魅力となります。

YouTubeレビューで見るBlack Dropの実際のサウンド

国内外の多くのYouTubeレビューで、Black Dropのサウンドを確認することができます。

レビュー動画で共通して評価されているのは、ポリフォニック技術によるコード弾き(和音)の自然さです。

単音弾きはもちろん、コードで弾いても音が濁らず、しっかりと各弦の音程が下がって聴こえます。

ただし、レビューによっては、下げ幅が大きくなる(例:4半音以上)と、わずかにデジタル感が加わり、音がこもりがちに聴こえるという指摘も見られます。

DigiTech Black Dropの主な特徴とできること

Black Dropの機能とは?半音下げから最大1オクターブ下まで対応

Black Dropの核となる機能は、ギターのチューニングを瞬時に下げることです。

ペダル中央のロータリーノブで、半音(1 Semitone)単位で最大7半音(7 Semitones)下まで、音程を自由にドロップさせることが可能です。

さらに、ノブの設定には「OCTAVE(1オクターブダウン)」と「OCT+DRY(原音に1オクターブ下の音を追加)」モードも含まれており、合計9種類のエフェクトセッティングが用意されています。

ポリフォニック・ピッチシフト技術でコード弾きは可能か?

はい、問題なく可能です。

Black Dropは、DigiTechの上位モデルであるWhammy DTから受け継いだ、高度なポリフォニック(多声)・ピッチトランスポージング技術を搭載しています。

この技術により、単音(シングルノート)だけでなく、複数の弦を同時に鳴らす和音(コード)で演奏しても、音程が不自然に崩れたり、音が濁ったりすることなく、安定したドロップチューニング・サウンドを実現します。

モーメンタリーモードとラッチングモードの違いと使い方

Black Dropは、フットスイッチの動作を2種類から選べるスイッチを備えています。

一つは「ラッチングモード」で、これは一般的なエフェクターと同じ動作です。

スイッチを一度踏むとエフェクトがオンになり、もう一度踏むとオフになります。

もう一つは「モーメンタリーモード」です。

こちらは、フットスイッチを踏んでいる間だけエフェクトがオンになり、足を離すと瞬時にオフ(原音)に戻ります。

このモードは、曲中の特定のフレーズだけをドロップさせたり、アームダウン(ダイブボム)のようなトリッキーなプレイを擬似的に再現したりするのに役立ちます。

トゥルーバイパスは搭載されている?

はい、Black Dropはトゥルーバイパス回路を搭載しています。

エフェクトをオフにしている時は、入力されたギター信号がペダル内部の電子回路を一切通らず、そのまま出力されます。

これにより、音質の劣化や「音痩せ」を最小限に抑える設計となっています。

ただし、一部のレビューでは、モーメンタリスイッチをオフ(ラッチングモード)に設定している時のみ、トゥルーバイパスとして機能するとの指摘もあります。

【最重要】音質は?レイテンシ(遅延)と音痩せを徹底レビュー

気になるレイテンシ(遅延)はどの程度?高速リフは弾ける?

レイテンシ(ピッキングしてから音が出るまでの遅延)は、デジタルペダルである以上ゼロではありませんが、多くのレビューで「実用上、ほとんど問題ないレベル」と評価されています。

メタル系の高速なリフ程度であれば、違和感なく演奏できるという意見が多数です。

ただし、非常にシビアなタイミングが求められる高速カッティングや、アタック感を重視するファンク系のプレイでは、ごくわずかな遅れを感じる可能性は否定できません。

個人の感覚差が大きいため、「レイテンシが多すぎる」という厳しい意見も一部存在します。

音痩せやハイ落ちは発生する?実用的な音質か

エフェクトON時の音質変化として、音痩せやハイ落ち(高音域の減衰)は発生する傾向にあります。

これは、入力された信号の全周波数帯をデジタル処理してピッチを強制的に下げるという、エフェクトの特性上避けられない現象です。

特に、ドロップする幅が大きくなるほど、音がこもりがち(マディ)に聴こえるというレビューが多く見られます。

一方で、EスタンダードからCスタンダード(4半音下げ)程度までであれば、非常にリアルで実用的なサウンドであると高く評価されています。

デジタルノイズは乗る?電源環境の重要性

Black Dropはデジタルペダルであり、消費電流も250mA以下と比較的大きいため、電源環境によってはデジタルノイズが発生しやすい特性があります。

特に、他のエフェクターと電源を分岐ケーブル(デイジーチェーン)で共有すると、ノイズが乗りやすくなります。

ノイズを回避するためには、付属の専用アダプタを単独で使用するか、各出力が独立(アイソレート)されたパワーサプライから電源を供給することが強く推奨されます。

ドロップ幅別の音質変化:何音下げまでが自然に聴こえるか?

多くのユーザーレビューにおいて、1半音下げ(E♭)から4半音下げ(Cスタンダード)までは、非常に自然でリアルなサウンドだと評価されています。

5半音下げ(B)やそれ以下に設定すると、デジタル処理感が徐々に強まり、音が「偽物っぽく」または「こもって」聴こえ始めると指摘されています。

プロのレコーディングなどシビアな音質が求められる場面では4半音下げまで、自宅での練習やジャムセッションであればそれ以下でも十分楽しめる、というのが一般的な見解です。

DigiTech Black Dropのおすすめな点(メリット)

メリット1:ギターを持ち替えずに瞬時にチューニング変更が可能

Black Dropを導入する最大のメリットは、ライブやリハーサル中にギターを持ち替える必要がなくなることです。

レギュラーチューニングの曲の直後に半音下げの曲が控えていても、ペダルを一回踏むだけで瞬時に対応できます。

これにより、ステージ上の機材を減らせるだけでなく、曲間のスムーズな移行が可能になります。

メリット2:ライブやセッションでの実用性(曲ごとのチューニング対応)

特にカバーバンドやセッションなど、演奏する曲ごとに異なるチューニングが求められる場面で、Black Dropは絶大な実用性を発揮します。

中でも、フロイドローズ搭載ギターは構造上チューニングの変更が非常に困難ですが、このペダルを使えば、ドロップA#のようなヘヴィなチューニングも一瞬で再現できます。

メリット3:コンパクトなサイズと頑丈なスチール製の筐体

Black Dropは、多機能なWhammy DTからドロップチューン機能だけを抜き出し、一般的なコンパクトエフェクターより一回り大きい程度のサイズに収められています。

これにより、ペダルボードの貴重なスペースを大幅に節約できます。

また、筐体は頑丈なスチール・シャーシー構造を採用しており、ライブでのタフな使用にも十分に耐えうる堅牢性を備えています。

DigiTech Black Dropの注意点(デメリット)と対策

デメリット1:レイテンシが気になる場合の対策とは?

前述の通り、レイテンシをゼロにすることはできませんが、セッティングで緩和できる場合があります。

レイテンシはピッキングのアタック音が遅れて聴こえることで顕著に感じられるため、アンプのセッティングでアタック感を強調しすぎないように調整することが有効です。

また、ピッキングの瞬間に原音が鳴ることで、聴感上の遅れをごまかすという方法もあります。

デメリット2:音痩せ・ハイ落ちを感じた時の対策方法(バッファ、EQ補正)

エフェクトON時に発生するハイ落ち(音のこもり)は、Black Dropの後段に接続する機材で補正するのが最も効果的です。

具体的には、アンプ側のイコライザー(TrebleやPresence)を通常より上げるか、後段にイコライザーペダルを接続して高音域をブーストすることで、失われたきらびやかさを取り戻せます。

また、エフェクトOFF時の音痩せ(トゥルーバイパスによる音質変化)が気になる場合は、Black Dropの前段に高品質なバッファを配置することで改善が期待できます。

デメリット3:デジタルノイズを回避する電源の選び方(アイソレート電源の推奨)

繰り返しになりますが、デジタルノイズ対策は非常に重要です。

最も確実な対策は、付属の専用パワーサプライ(PS0913DC)を単独で使用することです。

もしパワーサプライから電源を供給する場合は、必ず各出力が独立(アイソレート)されたモデルを選んでください。

他のペダル、特にアナログエフェクターと電源ラインを共有すると、高い確率でノイズが発生するため、絶対に避けるべきです。

DigiTech Black Dropの評判・口コミまとめ

良い評判・口コミ:「便利すぎる」「ライブで必須」

「フロイドローズのギターでドロップチューニングができるのが最高」

「EからCスタンダードまでは本当にリアルな音質」

「ライブでチューニングを変える手間がなくなり、必須アイテムになった」

「コンパクトでボードに組み込みやすい」

このように、特にライブでの利便性や、フロイドローズ搭載ギターとの相性の良さを絶賛する声が多数見受けられました。

悪い評判・口コミ:「遅延が気になる」「音がこもる」

「レイテンシ(遅延)がひどすぎて使えない」

「4半音以上下げると音がマディ(こもって)になり、実用的ではない」

「どうしてもデジタルっぽい音の質感になるのが気になる」

一方で、音質面、特にレイテンシと、下げ幅を大きくした際の音のこもりや不自然さを指摘するネガティブな意見も一部存在しました。

DigiTech Black Dropの価格と購入方法

新品・中古の価格相場はいくら?

2025年10月現在、DigiTech Black Dropの新品実売価格は、多くの楽器店で35,200円(税込)となっています。

限定カラーモデルであるため、中古市場での価格は通常モデル(赤)よりも高値で安定する可能性があります。

中古品を探す場合は、新品価格の6割~8割程度が一つの目安となりますが、在庫は流動的です。

おすすめの購入先(Amazon, サウンドハウス, 楽器店)

Amazon、サウンドハウス、イシバシ楽器、島村楽器、イケベ楽器など、国内の主要なオンラインストアや楽器店で購入が可能です。

ただし、Black Dropは限定カラーモデルのため、店舗によっては在庫がなくなっている場合もあります。

購入を検討する際は、各販売店の在庫状況を事前に確認することをおすすめします。

DigiTech Black Dropのスペック詳細

サイズ、重量、ペダルボードへの組み込みやすさ

本体サイズは 124mm (L) x 76mm (W) x 47mm (H) です。

重量は 359g(パワーサプライを除く)となっています。

一般的なコンパクトエフェクター(例:BOSS製品)よりは一回り大きいですが、多機能ペダルとしては十分にコンパクトであり、ペダルボードへの組み込みは容易です。

電源仕様(付属アダプタPS0913DC、消費電流)

電源は、付属する専用の9VDCパワーサプライ(PS0913DC-01)を使用します。

消費電流は250mA以下(@ 9VDC)と、デジタルペダルとしては標準的ですが、比較的大容量を必要とします。

パワーサプライから電源を供給する場合は、使用する出力端子の電流容量が250mA以上であることを必ず確認してください。

付属品一覧

製品には、PS0913DC専用パワーサプライが付属しています。

これにより、購入後すぐに使用を開始できます。

一部の販売店では、独自のバンドルセットとしてマルチツールなどが付属している場合もありますが、標準の付属品はパワーサプライのみとなります。

まとめ:DigiTech Black Dropのレビューを総括

メリット・デメリットの再確認

DigiTech Black Dropの最大のメリットは、ギターを持ち替えることなく、ペダル操作のみで瞬時にチューニングを変更できる点にあります。

特にフロイドローズ搭載ギターでのドロップチューニングを実現できるのは、大きな強みです。

一方で、デメリットとしては、わずかながらレイテンシ(遅延)が存在すること、下げ幅が大きくなるにつれて音がこもりがちになること、そして電源ノイズへの配慮が必須であることが挙げられます。

Black Dropの導入をおすすめする人・しない人

このペダルは、ライブで演奏する曲数が多く、複数のチューニングを使い分ける必要があるギタリストに強くおすすめします。

また、チューニング違いのギターを何本も持ち運びたくない人や、フロイドローズ愛用者にとっても、導入する価値は非常に高いです。

逆におすすめしないのは、0.01ミリ秒のレイテンシも許容できないシビアなリズムプレイヤーや、ピッキングのニュアンス、アコースティックな響きを最重要視する人です。

  • DigiTech Black Dropは、瞬時にチューニングを下げる限定ブラックカラーのペダルである
  • 機能やスペックは通常モデル(赤)と同一で、カラーのみが異なる
  • 半音下げから最大1オクターブ下まで、合計9種類の設定が可能
  • ポリフォニック技術により、単音だけでなくコード弾きにも完全対応する
  • スイッチのモード切り替えで、踏みっぱなし(ラッチング)と踏んだ瞬間だけ(モーメンタリー)を選べる
  • エフェクトOFF時はトゥルーバイパス設計である
  • レイテンシ(遅延)は存在するが、多くのユーザーは実用範囲内と評価している
  • 4半音下げ(Cスタンダード)までは非常に自然な音質だが、それ以上下げると音がこもる傾向がある
  • デジタルノイズ対策のため、単独アダプタかアイソレート電源の使用が必須である
  • 最大のメリットは、ギターを持ち替えずにチューニング変更できる利便性である
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