長きにわたり廃番となっていた伝説のファズペダル、EarthQuaker Devicesの「Tone Reaper」が、2025年に日本市場限定モデルとして復活を遂げました。
Hoof Reaperの1チャンネルとしてそのサウンドを知る人は多いかもしれませんが、単体での復活を待ち望んでいた方もいるのではないでしょうか。
この記事では、Tone Reaperの音質や特徴、実際の評判・口コミから価格情報に至るまで、あらゆる情報を網羅的にレビュー解説します。
ヴィンテージファズの魂と現代的な使いやすさを両立させた一台の実力を、詳しく見ていきましょう。
【2025年日本限定復活】EarthQuaker Devices Tone Reaperとは?まずは基本情報を解説
長年の廃番を経て復活した伝説のファズペダル
Tone Reaperは、2025年10月に日本国内の限定モデルとして復活したファズペダルです。
過去には長期間にわたって生産が完了しており、近年では同社の人気モデル「Hoof Reaper」の一機能としてのみ、そのサウンドを体験することができました。
今回の復活は、当時の筐体やパーツを可能な限り使用しており、往年のファンにとっては待望のリリースと言えるでしょう。
Tone Reaperの歴史とHoof Reaperとの関係性
Tone Reaperはもともと単体のファズペダルとして販売されていましたが、後にオクターブファズの「Tentacle」と、ロシア製Big Muffをベースにした「Hoof」と統合され、「Hoof Reaper」という複合ペダルに姿を変えました。
Hoof Reaperでは、HoofとTone Reaperの2種類のファズサウンドを切り替えて使用できる仕様になっており、そのサウンドキャラクターの違いがギタリストたちの間で話題となりました。
今回の単体復活により、改めてTone Reaperそのもののサウンドに集中して向き合うことが可能になります。
結論:ヴィンテージとモダンを両立させたいギタリストにおすすめ
結論から言うと、Tone Reaperは「60年代を彷彿とさせるクラシックなファズサウンドに、現代的な使いやすさと幅広いゲインを求めるギタリスト」に最適な一台です。
ヴィンテージのTone Bender系サウンドを基盤としながらも、より広い音作りの幅と安定性を備えており、多様な音楽ジャンルに対応できるポテンシャルを持っています。
Tone Reaperの魅力はどこにある?特徴とスペックを徹底解剖
特徴①:ゲルマニウムとシリコンのハイブリッド回路がサウンドの核
Tone Reaperの最大の特徴は、ゲルマニウムトランジスタとシリコントランジスタを組み合わせたハイブリッド回路を採用している点です。
具体的には、ゲルマニウムトランジスタ「2N1308」と2つのシリコントランジスタで構成されています。
これにより、ゲルマニウム特有の温かみや音楽的な飽和感と、シリコンの持つゲインの高さや安定性を両立させることに成功しました。
特徴②:”3ノブ”トーンベンダーを元にしたサウンドキャラクター
このペダルは、伝説的なヴィンテージファズである「Tone Bender MkIII」などに代表される、いわゆる”3ノブ”ベンダーを基に開発されています。
そのため、ジリジリとした質感から分厚くグラインドするような轟音まで、幅広いファズサウンドを創出可能です。
オリジナルよりもコントロールの幅が広く設計されており、現代の音楽シーンでも埋もれないサウンドメイクができます。
特徴③:USA製の完全ハンドメイドによる信頼性と当時のままのパーツ
Tone Reaperは、アメリカのオハイオ州アクロンにあるEarthQuaker Devices本社にて、一台一台ハンドメイドで製造されています。
スルーホール実装を用いた丁寧な作り込みは、サウンドの質と耐久性の高さを保証します。
また、今回の復刻版では当時のままの筐体やパーツが使用されており、オリジナルの雰囲気を忠実に再現している点も魅力です。
詳細スペック一覧(インピーダンス・寸法・電源仕様)
Tone Reaperの基本的なスペックを以下にまとめました。
| 項目 | スペック |
|---|---|
| 入力インピーダンス | 47 kΩ |
| 出力インピーダンス | >1 kΩ |
| 寸法 | 121 x 64 x 57 mm |
| スイッチ | 機械式スイッチのトゥルーバイパス |
| 電源 | 9Vバッテリー or 9V DCセンターマイナスアダプター |
| 消費電流 | 5 mA |
| 製造国 | アメリカ合衆国 |
Tone Reaperの音質は?プロのレビューとサウンドサンプルで検証
公式デモとYouTube動画で聴くリアルなサウンド
Tone Reaperのサウンドを最も手軽に確認する方法は、公式のデモ動画やYouTubeにアップロードされているレビュー動画を視聴することです。
動画では、クランチ気味のサウンドから、Fuzzノブを全開にした激しいディストーションサウンドまで、多彩な音色を確認できます。
特に、ファズ特有の倍音成分やサステインの伸びやかさがよく分かるでしょう。
ギターのボリュームへの追従性とピッキングニュアンスの再現力
多くのレビューで高く評価されているのが、ギター本体のボリュームノブへの追従性の高さです。
Fuzzノブを高めに設定した状態でも、ギターのボリュームを絞ることでクリーンに近いサウンドまで変化させることができます。
また、ピッキングの強弱に対する反応も非常に良く、プレイヤーの表現力をダイレクトに音に反映させることが可能です。
得意な音楽ジャンルは?(ストーナーロック、ブルース、ハードロック)
Tone Reaperはそのサウンドキャラクターから、特にストーナーロック、サイケデリックロック、ブルース、70年代ハードロックといったジャンルで真価を発揮します。
Led Zeppelin、Black Sabbath、Jack Whiteなどのサウンドを彷彿とさせるトーンが特徴です。
一方で、ゲインの幅が広いため、オルタナティブロックやパンクなど、より現代的なジャンルにも十分に対応できます。
おすすめセッティング例:3つのノブで作るサウンドバリエーション
Tone Reaperのコントロールは「Level」「Tone」「Fuzz」の3つと非常にシンプルです。
- ヴィンテージファズサウンド:Fuzzを12時~2時、Toneをやや右に回すことで、エッジの効いたクラシックなトーンが得られます。
- モダンハイゲインファズ:Fuzzを全開にし、Toneを左に回すことで低域が強調され、壁のように分厚いストーナーサウンドを作ることが可能です。
- ファズクランチ:Fuzzを9時~11時程度に抑え、Levelを上げることで、歪みの芯が残った独特のクランチサウンドとして活用できます。
実際の評価はどう?海外フォーラムから集めたリアルな評判・口コミ
【良い評判】音が太く、よく歪み、バンドでも音が抜けるという口コミ
海外のレビューサイトやギタリスト向けフォーラムでは、「音が太く、サステインが豊か」「ファズの歪みが非常に強力で心地よい」といった肯定的な意見が数多く見られます。
また、「Toneノブの効きが良く、バンドアンサンブルの中でも埋もれない音作りができる」という、実用性の高さを評価する声も目立ちます。
【良い評判】ハンバッカーとの相性も抜群との声
Tone Reaperはシングルコイルピックアップはもちろん、ハムバッカーピックアップを搭載したギターとの相性も非常に良いと評価されています。
ハムバッカーと組み合わせることで、よりミッドレンジが強調されたパワフルなサウンドが得られ、特にハードロックやメタル系のリフに適したトーンを作り出すことができます。
【注意点】バッテリースペースの問題や「個性が無い」という意見も
一方で、いくつかの注意点も報告されています。
特に、旧モデルのレビューでは「バッテリーが筐体の中にうまく収まらない」という物理的な問題点が指摘されていました。
また、一部のユーザーからは「良い音だが、他のファズペダルと比較して突出した個性が無い」「汎用的なファズサウンド」といった意見も見受けられます。
他のユーザーはどんな機材と組み合わせている?
レビューを見ると、ギブソンのレスポールやSG、フェンダーのテレキャスターといった定番のギターに、マーシャルやトレイナー(JTM45クローン)などのチューブアンプを組み合わせる例が多いようです。
クリーン、もしくは軽く歪ませたアンプに接続することで、Tone Reaperのポテンシャルを最大限に引き出すことができます。
他のファズと何が違う?Tone Reaperと競合モデルを比較
Hoof Reaperの1チャンネルとしてのサウンドとの違いは?
Hoof Reaperに搭載されているTone Reaper回路と、今回復活した単体ペダルとでは、基本的なサウンドキャラクターは同じです。
しかし、単体ペダルは電源回路やバッファーなどが独立しているため、よりピュアでダイレクトなサウンドが得られる可能性があります。
また、ペダルボード上でのレイアウトの自由度が高い点も単体ならではのメリットと言えるでしょう。
EQDの他のファズ(Sound Shank、Dream Crusher)とのキャラクター比較
EarthQuaker DevicesにはTone Reaper以外にも個性的なファズペダルが存在します。
- Sound Shank:Buzzaroundというヴィンテージファズを基にしており、オールゲルマニウムトランジスタによる、より荒々しくオールドスクールなサウンドが特徴です。
- Dream Crusher:Fuzz Face系の回路を基にしており、よりファットでアグレッシブなサウンドが持ち味です。ハイゲインなストーナーロックを狙うなら、こちらも有力な選択肢となります。
Tone Reaperは、これらと比較するとよりTone Bender系の特徴を持ち、バランスの取れた優等生的なキャラクターと言えるかもしれません。
一般的なTone Bender系ファズとの違いと優位性
ヴィンテージのTone Benderやその忠実なクローンと比較した場合、Tone Reaperはより広いゲインレンジと扱いやすいToneコントロールを備えている点が大きな優位性です。
オリジナルモデルの持つ独特の魅力を尊重しつつも、出力インピーダンスを現代の機材に合わせて調整するなど、実用的な改良が施されています。
これにより、他のエフェクターやアンプとの接続に悩むことが少なくなっています。
Tone Reaperの価格は?どこで買うのがお得?
新品の価格相場と販売店情報の一覧
2025年10月の発売時点でのTone Reaperの新品価格は、¥36,300(税込)となっています。
日本国内限定の復刻シリーズであるため、島村楽器、イシバシ楽器、宮地楽器、イケベ楽器など、国内の主要な楽器店で取り扱われています。
オンラインストアでも購入可能ですが、数量限定のため、早めのチェックがおすすめです。
中古市場での価格と入手難易度について
今回の復刻モデルは発売されたばかりのため、中古市場に出回るまでには時間がかかると予想されます。
過去に販売されていたオリジナルモデルは、廃番になってから久しく、中古市場でも見かける機会は稀です。
そのため、確実に入手したい場合は新品での購入が最も確実な方法と言えるでしょう。
日本国内限定モデルのため購入時に注意すべき点
このモデルは日本国内限定での販売となっているため、海外からの購入は困難な場合があります。
また、数量限定生産であることから、将来的にはプレミア価格が付く可能性も考えられます。
購入を検討している場合は、在庫があるうちに行動することをおすすめします。
まとめ:EARTHQUAKER DEVICES Tone Reaperのレビュー解説
Tone Reaperのメリット・デメリットを総括
メリット
- ヴィンテージベンダー系のサウンドを基盤に、幅広い音作りが可能
- 音が太く、バンドの中でも埋もれない存在感
- ギターのボリュームやピッキングへの反応が非常に良い
- USA製のハンドメイドによる高い品質と信頼性
デメリット
- 過去モデルではバッテリー収納に問題があるとの指摘があった
- 人によっては「個性が強くない」と感じる可能性がある
- 数量限定生産のため、入手機会が限られる
こんなギタリストにTone Reaperはおすすめ!
- 60~70年代のクラシックロックやブルースが好き
- ストーナーロックやサイケデリックロックに適したファズを探している
- ヴィンテージサウンドと現代的な使いやすさを両立させたい
- シンプルな操作で多彩なサウンドを作れるペダルが欲しい
- EarthQuaker Devicesのサウンドが好き
購入前に確認したいQ&A
- Q1: バイパス方式は何ですか?
- A1: 機械式スイッチによるトゥルーバイパス方式を採用しています。
- Q2: 電源は何が使えますか?
- A2: 9V電池、または一般的なセンターマイナス9V DCアダプターが使用できます。
- Q3: ベースで使えますか?
- A3: ギター用に設計されていますが、ベースでも個性的なファズサウンドを得ることが可能です。
- 2025年に日本市場限定で復活したファズペダル
- ゲルマニウムとシリコンのハイブリッド回路を搭載
- ヴィンテージの”3ノブ”ベンダーが開発の元
- 太く、よく歪むサウンドキャラクターが特徴
- バンドアンサンブルでも埋もれない音抜けの良さ
- ハンバッカー搭載ギターとの相性も良好
- ギター本体のボリューム操作への追従性が高い
- 一部旧個体でバッテリー収納に問題があるとの報告
- 新品価格は36,300円(税込)前後
- ストーナーロックやブルースロックに最適な一台

