エレキギター弦高目安の全て！初心者向け調整法から料金まで解説

2025年6月12日2025年6月14日

エレキギターを手にしたばかりの時、「弦高」という言葉を聞いて、具体的に何を指すのか、自分のギターは適切な状態なのか、疑問に思ったことはありませんか。

エレキギターの弦高は、単なる数値以上の意味を持ち、あなたの演奏のしやすさ、つまり「弾き心地」やサウンドに直接的な影響を与える非常に重要な要素です。

弦高が少し違うだけで、今まで難しく感じていたコードが楽に押さえられるようになったり、逆に音が詰まってしまったりすることもあります。

特に、これからギターを始める初心者の方や、もっと弾きやすさを求めて弦高を低めにしたいと考えている方にとって、弦高の目安を知ることは上達への大きな一歩となります。

この記事では、エレキギターの弦高の基本的な測り方から、初心者にも分かりやすい標準的な目安、そしてストラトキャスターなどの代表的なモデルの調整方法まで、網羅的に解説していきます。

また、アコースティックギターとの違いや、プロに弦高調整を依頼した場合の料金相場にも触れていきますので、あなたのギターライフをより快適にするための知識がきっと見つかるはずです。

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基本となるエレキギターの弦高目安と影響

エレキギター初心者が知るべき弦高の基本

結論として、弦高とは「フレットの頂点から弦の下面までの距離」を指し、ギターの弾き心地を決定づける最も重要な要素の一つです。

なぜなら、この距離が広ければ弦を押さえるのにより多くの力が必要になり、逆に狭ければ軽い力で押さえられるようになるからです。

しかし、ただ低ければ良いというものではなく、最適なバランスを見つけることが重要になります。

一般的に、弦高はギターのネックとボディの接合部付近にある「12フレット」の上で測定するのが標準とされています。

測定には、0.5mm単位で測れる金属製の定規（スケール）を使用すると非常に正確です。

スケールをフレットの上に直接立て、弦の下面の目盛りを読み取ります。

このとき、一番太い6弦と一番細い1弦の両方を測るのが基本です。

エレキギター初心者の方は、まず自分のギターの現状の弦高を知ることから始めましょう。

もし、弦を押さえるのに指が痛くなったり、特定のフレットで音が「ビーン」と詰まるような音（ビビり）がしたりする場合、弦高が適切でない可能性があります。

自分のギターの状態を把握し、これから解説する目安と比較することで、調整が必要かどうかを判断する最初のステップになります。

弾きやすい？エレキギターの弦高を低めに

結論から言うと、エレキギターの弦高を低めに設定すると、多くの場合、格段に弾きやすさを感じることができます。

その理由は、弦を押さえるために必要な指の力が少なくて済むためです。

これにより、長時間の練習やライブでの疲労が軽減され、特にギターを始めたばかりで指の力がまだ弱い初心者の方には大きなメリットとなります。

また、速いフレーズを弾く「速弾き」や、次々とコードを変える複雑なコードチェンジも、弦と指板の距離が近いことでスムーズに行いやすくなります。

実際に、テクニカルなプレイスタイルを持つ多くのギタリストは、弦高をかなり低めにセッティングしています。

しかし、弦高を低くすることにはデメリットや注意点も存在します。

最も代表的なものが「ビビり」です。

弦高が低いと、ピッキングした際の弦の振動する幅（振幅）がフレットに接触しやすくなり、「ジジッ」や「ビーン」といったノイズが発生しやすくなります。

また、弦の振幅がフレットによって妨げられることで、音の伸び（サスティン）が短くなる傾向があります。

さらに、ピッキングの強弱によるダイナミクスを表現しにくくなる場合もあり、力強いサウンドを求めるプレイヤーにとっては物足りなく感じるかもしれません。

このように、弦高を低くすることは弾きやすさを向上させる一方で、サウンド面でのトレードオフが伴います。

自分のプレイスタイルや出したい音を考慮し、ビビりが発生しないギリギリのラインを見極めることが、理想のセッティングへの鍵となります。

ギターの弦高が2mmの場合のメリット

ギターの弦高設定において、「6弦12フレット上で2mm」という数値は、多くのエレキギターにとって非常にバランスの取れた基準値と言えます。

この設定は、弾きやすさとサウンドクオリティの両方を高いレベルで満たすことができるため、多くのメーカーが出荷時の標準設定として採用したり、リペアショップが推奨したりする定番のセッティングです。

もしあなたのギターの6弦側の弦高が2mmであれば、それは標準的か、あるいは少しだけ低めの弾きやすい状態にあると考えてよいでしょう。

このセッティングの最大のメリットは、演奏性の高さです。

指への負担が少なく、スムーズな運指が可能になるため、テクニカルなフレーズからコードワークまで、幅広いプレイスタイルに対応できます。

一般的な力でピッキングする限り、音詰まりやビビりが発生するリスクも比較的低く、クリアなサウンドを保つことができます。

例えば、1弦側の弦高を1.5mm、6弦側を2.0mmに設定したとします。

これはエレキギターの弦高セッティングとしては「黄金比」とも言える組み合わせの一つです。

この状態であれば、ほとんどのギタリストがストレスなく演奏に集中できるはずです。

もし弦高調整を自分で行う場合、まずはこの数値を目標に設定してみるのが良いでしょう。

もちろん、最終的な好みは人それぞれですが、2mmという数値は、そこから自分好みのセッティングを探していくための優れた出発点となるのです。

エレキギターの弦高が3mmだとどうなる？

エレキギターの6弦12フレット上の弦高が3mmに達している場合、それは一般的な基準から見て「非常に高い」状態であり、ほとんどのギタリストが顕著な弾きにくさを感じるレベルです。

この状態では、演奏においていくつかの具体的な問題が生じやすくなります。

第一に、弦を押さえるためにかなりの力が必要になります。

特に、人差し指で複数の弦を同時に押さえるFコードのようなバレーコード（セーハ）は、非常に困難になるでしょう。

初心者の方であれば、挫折の原因にもなりかねません。

第二に、押弦した際の音程（ピッチ）がシャープしやすくなります。

弦をフレットに到達させるまでに大きく押し下げる必要があるため、弦が余分に引っ張られてしまい、本来の音よりもわずかに高い音が出てしまうのです。

これは、コードの響きが濁る原因にもなります。

さらに、ネックのハイポジション（ボディに近いフレット）にいくほど、弦と指板の距離はさらに開くため、ギターソロなどの演奏性も著しく低下します。

このように、一般的なプレイスタイルにおいては、弦高3mmはデメリットが非常に多い状態です。

ただし、例外も存在します。

例えば、ボトルネックバーを使って弦の上を滑らせるように演奏する「スライドギター」では、バーがフレットに当たらないように、あえて弦高を高くセッティングします。

また、一部のブルースギタリストは、非常に力強いピッキングでアタック感を強調するために高めの弦高を好むこともあります。

しかし、あなたがこれらの特殊な奏法をメインとしないのであれば、弦高3mmは調整が必須なレベルであり、早めにリペアショップに相談するか、自分で調整に挑戦することをお勧めします。

ストラトの弦高を低めに調整するポイント

フェンダー社のストラトキャスターは、その構造上、弦高調整の自由度が高いモデルですが、それゆえにいくつかのポイントを押さえておかないと、バランスを崩してしまう可能性があります。

ストラトの弦高を低めに、かつ快適に調整するための重要なポイントは、サドルの高さ調整だけでなく、ネックの反りやナットの状態といった複数の要素を総合的に見ることです。

H4: 各弦サドルの高さ調整

ストラトキャスターのブリッジは、各弦のサドルが独立しており、それぞれに2本ずつ付いている小さなイモネジ（六角ネジ）で高さを個別に調整できます。

この機構のおかげで、非常に細かなセッティングが可能です。

調整のコツは、指板のカーブ（ラジアス）に合わせて、1弦から6弦にかけて滑らかな円弧を描くように高さを設定することです。

市販されているラジアスゲージを使うと、より正確に合わせ込むことができます。

H4: ネックの反りとの関係性

弦高を低くしたい場合、まず大前提としてネックの状態が良好でなければなりません。

例えば、ネックがヘッド側に反っている「逆反り」の状態だと、ローフレット（1〜5フレットあたり）で弦とフレットが接触しやすくなり、弦高を十分に下げられないままビビりが発生してしまいます。

調整を始める前に、ネックが完全に真っ直ぐな「ストレート」か、わずかに弦側に反っている「順反り」の状態になっているかを確認し、必要であればトラスロッドで先にネック調整を行ってください。

H4: トレモロユニットの角度

ストラトキャスターの多くは、アーム操作を可能にするトレモロユニットが搭載されています。

このユニットをボディから少し浮かせた「フローティング」状態で使用している場合、弦高調整には特に注意が必要です。

サドルを調整して弦高を変えると、弦全体の張力が微妙に変化し、それに伴ってトレモロユニットの浮き上がる角度も変わってしまうことがあります。

弦高を調整した後は、必ずトレモロユニットの角度もチェックし、必要であればボディ裏のスプリングハンガーを調整して、元の角度に戻す作業が必要になることを覚えておきましょう。

エレキギターの弦高目安と具体的な調整方法

自分でできるギターの弦高の下げ方

エレキギターの弦高は、主にブリッジ部分に備わった調整機構を使うことで、自分自身で下げることが可能です。

適切な工具さえあれば、リペアショップに持ち込まずとも、好みの弾き心地に近づけることができます。

ここでは、代表的なブリッジタイプ別にその調整方法を解説します。

H4: ストラトキャスタータイプ（シンクロナイズドトレモロ）

ストラトキャスターに代表されるこのタイプは、各弦のサドルが独立しているのが特徴です。

サドルに付いている2本の小さなイモネジを、適合するサイズの六角レンチで回して調整します。

時計回りに回すとサドルが下がり弦高が低く、反時計回りに回すとサドルが上がり弦高が高くなります。

左右のネジを均等に少しずつ回し、音詰まりがないか確認しながら進めるのがポイントです。

H4: レスポールタイプ（チューン・オー・マチック）

ギブソン社のレスポールなどに採用されているブリッジです。

こちらはブリッジ全体が、両端にある大きなマイナスネジ、もしくは手で回せるサムナットの上に乗っています。

このネジ（またはナット）を時計回りに回すとブリッジ全体が下がり、反時計回りに回すと上がります。

構造がシンプルなため調整は簡単ですが、片方だけを下げすぎるとブリッジが傾いてしまうため、左右を少しずつ均等に回していくことが重要です。

H4: フロイドローズタイプ

テクニカル系のギタリストに人気のロック式トレモロユニットです。

フロイドローズの弦高は、ブリッジユニットをボディに固定している両端の2本の大きなスタッドボルトで調整します。

このスタッドボルトを六角レンチやスパナで時計回りに回すとユニット全体が沈み、弦高が低くなります。

注意点として、弦の張力がかかったままスタッドを回すと、ナイフエッジと呼ばれる支点部分を痛めてしまう可能性があります。

作業前には必ず弦を十分に緩めてから調整するようにしましょう。

どのタイプのブリッジでも、共通するコツは「少しずつ調整しては、音を出して確認する」ことです。

下げすぎてビビりが出たら、少し戻せば良いだけです。

恐れずにトライして、自分だけの最適なセッティングを見つけてみてください。

参考：アコギとエレキギターの弦高は違う？

結論として、はい、アコースティックギター（アコギ）とエレキギターの標準的な弦高は、明確に異なります。

この違いは、それぞれのギターが持つ構造と、音を出す仕組み（発音原理）に根本的な理由があります。

エレキギターは、弦の振動を「ピックアップ」というマイクで拾い、それを電気信号に変換して、最終的にアンプで音を増幅して鳴らします。

つまり、弦自体の生音が小さくても、アンプでいくらでも大きな音にすることができるのです。

このため、弦の振動する幅（振幅）が比較的小さくても問題なく、結果として弦高をかなり低く設定することが可能になります。

一方、アコースティックギターはアンプを使いません。

弦の振動がサドルとブリッジを通じてボディ（表板）に伝わり、そのボディ全体が共鳴箱となって音を増幅させ、豊かな生音を生み出します。

この「生鳴り」を最大限に引き出すためには、弦が十分に振動できるだけのスペースが必要不可欠です。

もしアコギの弦高をエレキギターのように低くしてしまうと、弦の振幅がフレットや指板に妨げられ、音が詰まったり、サスティンが失われたりして、アコギ本来の豊かで大きな響きが得られなくなってしまいます。

このように、電気の力で音を出すエレキギターと、アコースティックな共鳴で音を出すアコギとでは、音を鳴らすための最適な環境が異なるため、自ずと標準的な弦高にも違いが生まれるのです。

ギターの弦高、アコギの場合の目安

アコースティックギターの弦高は、豊かな生鳴りを確保するために、エレキギターよりも高く設定されるのが一般的です。

具体的な目安としては、以下の数値を参考にすると良いでしょう。

種類	6弦12Fの目安	1弦12Fの目安	主な特徴
エレキギター	1.5mm ～ 2.0mm	1.2mm ～ 1.5mm	低く設定でき、速弾きや押弦が容易
アコギ	2.5mm ～ 3.0mm	2.0mm ～ 2.5mm	生鳴りの豊かさのために高さが必要

表を見て分かる通り、アコギの弦高はエレキギターに比べて、全体的に1.0mm前後高く設定されています。

この数値は、アコギが持つ本来のポテンシャル、つまり音量や音の深みを最大限に引き出すための標準的なバランスです。

もちろん、この目安はプレイスタイルによって微調整されます。

例えば、ギターをかき鳴らすように弾くストロークプレイが中心の弾き語りでは、弦が大きく振動するため、やや高めの2.8mm前後にセッティングすると、音が暴れずパワフルなサウンドが得られます。

逆に、指で弦を弾くフィンガーピッキングが中心の場合は、繊細なタッチでもしっかりと音を出すために、やや低めの2.2mm前後にセッティングすると、演奏性が向上します。

自分のアコギの弦高を測ってみて、もし3.0mmを大幅に超えているようであれば、弾きにくさを感じている可能性が高いです。

その場合は、次に紹介する方法で調整を検討してみる価値があります。

補足：アコギの弦高調整を自分でする方法

アコースティックギターの弦高調整は、エレキギターのようにネジを回すだけではできず、主にブリッジに設置されている「サドル」という白い樹脂や牛骨製のパーツを削ることで行います。

これは元に戻せない不可逆的な作業であるため、慎重さが求められますが、仕組みを理解すれば自分で行うことも可能です。

H4: 必要な道具

作業には、いくつかの簡単な道具が必要です。

定規（スケール）: 0.5mm単位で測れる金属製のものが望ましいです。
サンドペーパー（紙やすり）: 150番〜400番程度のものを数種類。平らな板に貼り付けて使うと作業しやすいです。
ペン: サドルに削る量の印をつけるために使います。

H4: 調整の手順

現状の弦高を測る: まず、12フレット上で現在の弦高（6弦と1弦）を正確に測定します。
サドルを取り出す: ギターの弦をすべて緩め、ブリッジピンを抜いて弦を外し、サドルをブリッジのスロットから取り出します。
削る量を計算する: ここが最も重要なポイントです。「12フレット上で下げたい高さの約2倍の量を、サドルの底面から削る」という法則があります。例えば、12フレットで0.5mm弦高を下げたい場合、サドルの底を1.0mm削る必要があります。
サドルを削る: 計算した量だけ、サドルの底面にペンで印をつけます。そして、サンドペーパーを平らな場所に置き、サドルの底面を均等に、かつ真っ直ぐになるように注意しながら削っていきます。
確認: 削ったサドルを元に戻し、弦を張ってチューニングしてから、再度弦高を測ります。目標の高さになっていれば完了です。

H4: 作業上の注意点

最大の注意点は、「削りすぎないこと」です。

一度削りすぎると、サドルを交換するしかなく、余計な費用がかかってしまいます。

必ず少しずつ削っては確認する、という作業を繰り返しましょう。

また、サドルの底面が平らでないと、弦の振動が均等にボディに伝わらず、音のバランスが悪くなったり、アンダーサドルタイプのピックアップが搭載されている場合は、特定の弦の音だけが出なくなる原因になったりします。

自信がない場合や、高価なギターの場合は、無理をせずプロのリペアマンに依頼するのが賢明な判断です。

プロに頼む時のギター弦高調整の料金

自分でギターを調整するのに自信がない場合や、ネックの反りなど根本的な問題が疑われる場合は、プロのリペアショップに依頼するのが最も確実で安心な選択肢です。

その際の料金は、作業の範囲によって変動しますが、一般的な相場を知っておくと良いでしょう。

結論として、弦高調整を含む基本的な全体調整の料金は、3,000円から8,000円程度が相場となります。

この料金に幅があるのは、「弦高調整」が単独のメニューとして存在するケースは少なく、多くはネックの反りやオクターブピッチの調整などを含んだ「セットアップ」や「全体調整」というパッケージ料金になっているためです。

具体的な料金の内訳は、おおよそ以下のようになります。

ネック調整・弦高調整: 3,000円〜 5,000円
- ネックの反りをトラスロッドで調整し、ブリッジで弦高を設定する最も基本的な調整です。
全体調整（セットアップ）: 5,000円〜 8,000円
- 上記の作業に加え、オクターブピッチ調整（フレットの音階が正しく合うようにする調整）、ピックアップの高さ調整、各部ネジの増し締めなど、ギター全体の演奏コンディションを整える総合的なメニューです。
追加料金が発生するケース:
- ナット溝の調整・交換: ナットの溝が深すぎたり浅すぎたりする場合。交換になると5,000円〜10,000円程度の追加費用がかかります。
- アコギのサドル作製: サドルを削りすぎてしまった場合や、より良い素材（牛骨など）で作り直す場合。こちらも5,000円前後〜の追加費用が見込まれます。
- フレットのすり合わせ・交換: フレットが部分的に摩耗している（フレットが凹んでいる）場合、弦高を下げるとビビりの原因になります。この修正には15,000円以上かかることが多く、大掛かりなリペアとなります。