ギブソン ES-355は、多くのギタリストが憧れるセミアコースティックギターの最高峰モデルです。
B.B.キングやノエル・ギャラガー、そして日本では生形真一氏といったトップアーティストが愛用することでも知られています。
しかし、その一方で「ES-335やES-345と何が違うの?」「サウンドの特徴は?」「なぜギブソンのギターはあんなに高いの?」といった疑問を持つ方も多いのではないでしょうか。
この記事では、ギブソンES-355の基本的な情報から、兄弟機との違い、サウンドの魅力、そして中古市場やエピフォンブランドのモデルに至るまで、あらゆる情報を網羅的に解説します。
ES-355の購入を検討している方はもちろん、ギブソンのセミアコに興味があるすべての方にとって、有益な情報となるはずです。

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ギブソン ES-355の魅力!その実力を徹底解説

ES-355のサウンドの特徴とは?
ギブソン ES-355のサウンドは、セミアコ特有の温かく豊かな鳴りと、ソリッドギターのようなシャープな音の立ち上がりを兼ね備えているのが最大の特徴です。
その理由は、ボディ内部にセンターブロックを持つセミホロウ構造と、上位機種ならではの厳選された木材にあります。
この構造により、大音量で歪ませても不要なフィードバックが起こりにくく、ソリッドボディのようなサステインとアタック感を得られます。
例えば、クリーントーンではジャズやブルースに最適な、太く甘いサウンドを奏でます。
アルペジオを弾けば一音一音の分離が非常に良く、コードを鳴らせば豊かな倍音が空間を包み込むような感覚を味わえるでしょう。
一方で、アンプをドライブさせると、その表情は一変します。
ES-335と比較して「少し暴れる」とも評されるパンチのある歪みは、エッジの効いたロックサウンドにも完璧に対応可能です。
ピッキングの強弱に対する追従性が極めて高いため、ギタリストの感情をダイレクトに音に変換してくれる表現力の高さも、ES-355がプロに選ばれる大きな理由と言えます。
gibson es-355とes-335の違いを比較
ES-355は、セミアコの代名詞であるES-335の「デラックス(上位)モデル」として誕生しました。
そのため、基本的な構造はES-335を踏襲していますが、ルックスの豪華さと、それに伴うサウンドの質感において明確な違いが存在します。
両者の違いを理解することは、ES-355というギターの本質を知る上で非常に重要です。
主な違いは、装飾や使用されるパーツ、そして木材のグレードにあります。
具体的にどのような点が違うのか、以下の比較表をご覧ください。
項目 | Gibson ES-355 | Gibson ES-335 |
ヘッドインレイ | スプリット・ダイヤモンド | クラウン・インレイ |
指板材 | エボニー | ローズウッド |
ポジションマーク | マザー・オブ・パール ブロック | ドットまたはブロック |
ボディバインディング | 7プライ (トップ) | 3プライ (トップ) |
ハードウェア | ゴールドパーツ | ニッケル/クロームパーツ |
回路 | バリトンスイッチ搭載モデルあり | 基本的に搭載なし |
このように、ES-355にはより豪華で高級な仕様が採用されています。
特に重要なのが指板材の違いです。
ES-355で主に使われるエボニー材は、ES-335のローズウッド材に比べて硬質で密度が高いため、サウンドに速いアタック感とクリアな輪郭を与えます。
これが、ES-355の持つ引き締まったサウンドキャラクターの一因となっているのです。
ギブソンES-345との違いも解説
ES-355を語る上で、もう一つの兄弟機であるES-345の存在は欠かせません。
ES-355とES-345は、どちらもES-335の上位機種として1958年(ES-345は1959年)に登場し、非常によく似た特徴を持っています。
両者の最大の違いは「ステレオ出力」と「バリトンスイッチ」の扱いにあります。
ES-345は、登場時からステレオ出力と6段階の音色切り替えが可能な「バリトンスイッチ」を標準で搭載していました。
これは、フロントピックアップとリアピックアップの信号を別々のアンプに出力するという、当時としては非常に画期的な仕様でした。
一方、ES-355もバリトンスイッチを搭載したモデル(ES-355TD-SVなど)が存在しますが、ステレオ出力ではないモノラル仕様のモデルも多く生産されており、バリトンスイッチ自体がオプション的な扱いでした。
言ってしまえば、ES-345が「ステレオ&バリトン」という新しい機能性を追求したモデルであったのに対し、ES-355はES-335を純粋に最高級の仕様で作り上げた「ラグジュアリーモデル」という位置づけが強かったのです。
もちろん、ES-355の方がヘッドインレイや多層バインディングなど、ルックス面でより豪華な仕様となっている点も大きな違いです。
伝説的なES-355のギタリストたち
ES-355が「王者のギター」と称される理由の一つに、数々の伝説的なギタリストたちに愛されてきた歴史があります。
そのサウンドとルックスは、ジャンルを超えてトップアーティストを魅了し、音楽史に残る名演を支えてきました。
ここでは、ES-355を語る上で欠かせないギタリストたちを紹介します。
B.B.キング
ブルースの王様、B.B.キングの代名詞とも言えるギターが「ルシール(Lucille)」です。
このルシールは、ES-355をベースに、大音量時のフィードバックを防ぐためにボディのFホールを無くした特別な仕様でした。
彼の指から紡ぎ出される泣きのチョーキングと、ES-355の甘く太いトーンは、ブルースギターのサウンドを定義したと言っても過言ではありません。
チャック・ベリー
ロックンロールの創始者の一人であるチャック・ベリーも、ES-355を愛用していました。
彼はキャリアを通じて様々なギターを使用しましたが、特に晩年はチェリーレッドのES-355がメインギターでした。
2017年に彼が亡くなった際、その棺に愛用のES-355が納められたというエピソードは、彼がいかにこのギターを愛していたかを物語っています。
ノエル・ギャラガー
90年代のUKロックシーンを席巻したオアシスのメインソングライター、ノエル・ギャラガー。
彼が使用したことで、ES-355は新しい世代のロックファンにも広く知られることになりました。
彼のトレードマークであるチェリーレッドのES-355は、バンドのアイコニックなイメージの一部であり、パワフルなロックサウンドを支える重要な要素でした。
生形真一
日本のロックシーンにおいて、ES-355の存在感を決定づけたのがELLEGARDEN、そしてNothing’s Carved In Stoneで活躍する生形真一氏です。
彼の激しいプレイスタイルとES-355の組み合わせは、このギターが持つロックな側面を証明しました。
後述するシグネチャーモデルが発売されるなど、現代におけるES-355の象徴的なギタリストの一人です。
gibson es-355 bigsby搭載モデルの魅力
ES-355には、通常のストップテイルピース仕様の他に、ビブラートユニットである「Bigsby(ビグスビー)」を搭載したモデルが存在します。
このBigsby搭載モデルは、ルックスの華やかさと、演奏表現の幅を広げる独特の機能性で多くのギタリストを魅了しています。
Bigsbyを搭載することによる最大の魅力は、滑らかで音楽的なビブラート効果を得られる点です。
アームを軽く操作することで、コード弾きに美しい揺らぎを加えたり、メロディラインに歌うような表情を与えたりすることができます。
これは、ブルースやロカビリー、カントリー、さらにはシューゲイザーのようなサウンドスケープを重視する音楽で非常に効果的です。
サウンド面では、ストップテイルピース仕様と比較して変化があります。
一般的に、Bigsbyを搭載するとサステインが少し短くなり、代わりに倍音が豊かになる傾向があります。
これが、ヴィンテージギターのような「枯れた」ニュアンスや、きらびやかな響きを生み出すことがあります。
一方で、ストップテイルピース仕様は、弦の振動がボディにダイレクトに伝わるため、よりファットで芯のあるサウンドが特徴です。
どちらが良いというわけではなく、求める音楽性やプレイスタイルによって選択が分かれる部分と言えるでしょう。
ただし、Bigsby搭載モデルには注意点もあります。
構造上、ストップテイルピースよりもチューニングが不安定になりやすい傾向があるため、ナットの溝切り調整や潤滑剤の使用といったメンテナンスが重要になります。
また、弦交換が少し手間がかかる点も、デメリットとして挙げられるかもしれません。
ギブソン ES-355の購入ガイドと豆知識

gibson es-355 ubukataモデルに迫る
ギタリスト生形真一氏のシグネチャーモデル「Gibson Shinichi Ubukata ES-355」は、彼の長年の経験とこだわりが凝縮された、まさに特別な一本です。
このモデルは、ヴィンテージの風格と現代のロックシーンで求められる実用性を見事に両立させています。
最大の特徴は、通常のf字型ではない「ダイヤモンドFホール」です。
これはルックス上の大きなアクセントであると同時に、ボディの鳴り方にも影響を与え、独特のサウンドキャラクターを生み出しています。
ハードウェアは、ヴィンテージ感を演出する「VOS(Vintage Original Spec)」フィニッシュのニッケルパーツで統一。
ピックアップには、ギブソンの定番であり、ウォームで表現力豊かなトーンを持つ「’57 Classic」を搭載しています。
さらに、彼のサウンドメイクに不可欠な「バリトンスイッチ」も備えており、多彩な音作りが可能です。
ネックシェイプも本人の実機をプロファイルした特別な仕様となっており、まさに「生形真一の音」を追求するためのギターと言えます。
限定生産であり非常に高価ですが、アーティストの理想が形になった最高峰のモデルとして、ファンだけでなく多くのギタリストの憧れの的となっています。
手の届く存在、エピフォン es-355の実力
「ギブソンのES-355は憧れるけど、価格的にとても手が出ない…」そう考えている方に、ぜひ注目してほしいのがギブソンの直系ブランド「Epiphone(エピフォン)」からリリースされているES-355です。
かつてのエピフォンには「ギブソンの廉価版」というイメージがありましたが、近年のモデルはその常識を覆すほどの高いクオリティを誇ります。
特に、生形真一氏のシグネチャーモデル「Epiphone Shinichi Ubukata ES-355 ver.02」は、その代表格です。
驚くべきことに、このモデルには本家ギブソンUSA製の’57 Classicピックアップが搭載されており、ダイヤモンドFホールやバリトンスイッチといった仕様も忠実に再現されています。
これにより、ギブソンモデルのサウンドとフィーリングの核となる部分を、驚異的なコストパフォーマンスで体験することが可能になりました。
また、「Inspired by Gibson Custom」といったシリーズでは、ヴィンテージの1959年製ES-355を再現したモデルも登場しています。
こちらもギブソン製のピックアップを搭載し、ヘッド形状やロングピックガードなど、細部にわたってヴィンテージスペックを追求しており、専門家からも高い評価を得ています。
もちろん、木材のグレードや塗装の質感など、細部を見ればギブソン本家との価格差は存在します。
しかし、初めて本格的なセミアコを手にする方や、ライブで気兼ねなく使えるサブギターを探している方にとって、現在のエピフォンES-355はこれ以上ないほど魅力的な選択肢と言えるでしょう。
気になるES-355の定価はいくら?
ギブソン ES-355の価格は、そのモデルの仕様や生産ラインによって大きく異なります。
購入を検討する上で、おおよその価格帯を把握しておくことは非常に重要です。
まず、現在新品で流通しているギブソン ES-355のほとんどは、最上位ラインである「ギブソン・カスタムショップ」製です。
ギブソン・カスタムショップ製モデル
歴史的な仕様を忠実に再現した「ヒストリック・コレクション」や、アーティストシグネチャーモデルなどがこれにあたります。
熟練の職人による手作業と最高級の木材が使用されるため、価格は非常に高価です。
一般的なモデルで、おおよそ70万円から100万円以上が定価の目安となります。
さらに、著名な職人トム・マーフィー氏の工房でヴィンテージギターの質感を見事に再現した「マーフィー・ラボ」によるエイジド加工が施されたモデルは、120万円を超えることも珍しくありません。
エピフォン製モデル
前述の通り、エピフォンブランドからもES-355はリリースされています。
こちらは、ギブソン直系のブランドでありながら、製造工程の効率化などにより、大幅に価格を抑えています。
生形真一氏のシグネチャーモデルや、Inspired by Gibson Customシリーズなど、ハイスペックなモデルでも10万円台後半から20万円前後が中心価格帯です。
このように、同じ「ES-355」という名前でも、ブランドや生産ラインによって価格には大きな幅があります。
ご自身の予算と、どこまでのクオリティを求めるかを照らし合わせ、最適な一本を選ぶことが大切です。
ギブソン ES-355を中古で探すポイント
新品では非常に高価なギブソン ES-355ですが、中古市場に目を向ければ、より手頃な価格で手に入れるチャンスがあります。
しかし、中古ギターは一本一本コンディションが異なるため、購入には慎重な判断が必要です。
ここでは、中古のES-355を探す際に押さえておきたいポイントを解説します。
年代ごとの特徴を理解する
ES-355は長い歴史を持つため、製造された年代によって仕様が異なります。
- 1950年代〜1960年代後半(ヴィンテージ)非常に希少で価格も数百万単位になることがほとんどです。伝説的なピックアップ「PAF」や、ハカランダ(ブラジリアン・ローズウッド)指板など、特別な仕様を持つ個体も存在します。サウンドは別格とされますが、状態の見極めは専門家でも難しい領域です。
- 1970年代〜1980年代ネックが細くなる、3ピースのメイプルネックが採用されるなど、仕様変更が見られます。ヴィンテージよりは価格が落ち着いており、「オールド」として狙い目の年代でもあります。
- 1990年代以降ギブソン・カスタムショップによる、ヴィンテージスペックを再現した「ヒストリック・コレクション」が登場します。品質が安定しており、安心して使える個体が多いのが特徴です。
購入時のチェックポイント
実際に楽器店で中古品をチェックする際は、以下の点に注意しましょう。
- ネックの状態: 最も重要なチェック項目です。順反りや逆反り、ねじれがないか、様々な角度から見て確認します。フレットの残りも重要で、極端に減っている場合はリフレット(フレット交換)が必要になり、高額な修理費がかかります。
- 電装系: アンプに繋いで、ボリュームやトーンにガリ(ノイズ)がないか、ピックアップセレクターやバリトンスイッチが正常に機能するかを確認します。
- パーツのオリジナル度: ペグ(糸巻き)、ブリッジ、ピックアップなどが製造当時のオリジナルのままか、交換されているかを確認します。交換されていること自体が悪いわけではありませんが、価値には影響します。
- 改造や修理の履歴: 大きな木部の割れや、ネック折れの修理歴がないか、リフィニッシュ(再塗装)されていないかなどを確認します。信頼できる楽器店の店員に正直に尋ねるのが一番です。
中古ギターとの出会いは一期一会です。
焦らずじっくりと情報を集め、信頼できるお店で購入することをおすすめします。
ギブソンのギターが高いのはなぜ?その理由
「ギブソンのギターはなぜあんなに高いのか?」これは多くの人が抱く素朴な疑問です。
特にES-355のような上位機種になると、その価格は自動車が買えるほどになります。
その理由は、決してブランド名だけで高価になっているわけではなく、複数の要素が複雑に絡み合っています。
主な理由として、以下の4点が挙げられます。
- 厳選された高品質な素材ギターのサウンドを決定づける木材は、楽器に最適な部分だけを厳選して使用しています。シーズニング(乾燥)にも長い時間をかけ、最高の鳴りを引き出せるように管理されています。近年、良質な木材は世界的に希少価値が高まっており、これが価格に直接反映されています。
- 熟練した職人による手作業ギブソンのギター製造には、現代でも多くの手作業の工程が残っています。特に、ボディとネックを接着する「セットネック構造」や、ボディの縁を彩る「バインディング」の巻き付け、そして美しい光沢を生む塗装工程などは、熟練した職人の技術が不可欠です。これらの人件費や手間が価格に含まれています。
- 100年以上の歴史が育んだブランド価値ギブソンは1902年の創業以来、ロック、ブルース、ジャズなど、あらゆるポピュラー音楽の歴史と共に歩んできました。B.B.キングやレス・ポールといった伝説的なアーティストたちがギブソンのギターで歴史を築いてきたという事実そのものが、他のブランドには真似のできない圧倒的な価値を生んでいます。
- 希少性と資産価値特にカスタムショップ製の上位機種やヴィンテージギターは、生産本数が限られており、希少性が高いです。そのため、年数が経つにつれて価値が下がるどころか、むしろ上昇することもあり、一種の資産として投資対象になることさえあります。
これらの理由から、ギブソンのギターは単なる「楽器」という工業製品を超え、「芸術品」や「文化遺産」に近い価値を持つに至っているのです。
まとめ:ギブソン ES-355はギタリストの夢を叶える一本
- ギブソン ES-355はセミアコの最高峰に位置するモデルである
- サウンドは温かさと素早いレスポンスを両立し、多様なジャンルに対応する
- ES-335との違いは、エボニー指板や多層バインディングなど豪華な仕様にある
- ES-345との違いは、ステレオ出力やバリトンスイッチの標準搭載の有無である
- B.B.キングやノエル・ギャラガーなど、数々のレジェンドが愛用してきた
- Bigsby搭載モデルは独特のビブラート効果と華やかなルックスが魅力である
- 生形真一氏のシグネチャーモデルは、氏のこだわりが詰まった特別な仕様を持つ
- エピフォン製ES-355は、高い品質とコストパフォーマンスを両立している
- 中古品を探す際は、年代ごとの仕様とネックの状態を慎重に確認すべきである
- ギブソンが高価なのは、良質な素材、職人技、歴史、希少性の結果である

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