「憧れのギブソンSGが欲しいけれど、ネットで不人気やダサいという評判を見て迷っている」
「買ってから後悔したくないので、悪い噂の真相を知っておきたい」
このように考えて、購入の一歩を踏み出せずにいませんか。
独特のフォルムと鋭いサウンドを持つSGは、一部でネガティブな意見が見られるものの、実際には半世紀以上にわたり愛され続ける歴史的名機です。
この記事では、なぜSGが「不人気」と言われるのか、その理由を客観的に分析し、欠点とされる部分の真実と対策を解説します。
SG特有のメリットや愛用するアーティストの実例を知れば、他人の評価に惑わされず、あなたにとって最高の一本かどうかが判断できるはずです。
ギブソンSGは本当に不人気なのか?「ダサい」と言われる3つの理由と誤解
結論から申し上げますと、ギブソンSGは決して不人気なギターではありません。
もし本当に不人気であれば、1961年の発売から現在に至るまで、ラインナップの主力として製造され続けることはあり得ないからです。
それにもかかわらず、なぜ一部で「不人気」「ダサい」と言われてしまうのか、その主な3つの要因と誤解について解説します。
クワガタ?デザインの好みが分かれる理由と熱狂的ファンの存在
SGが「ダサい」と言われる最大の理由は、そのあまりにも個性的すぎるボディシェイプにあります。
左右対称に近い鋭角的なダブルカッタウェイのデザインは、悪魔的な角(ホーン)のようにも見えますが、一部では「クワガタムシのようだ」と揶揄されることがあります。
レスポールのような優美な曲線美や、ストラトキャスターのような機能美とは異なる、攻撃的で尖ったルックスは、確かに好みがはっきりと分かれるポイントです。
しかし、この「他にはない唯一無二のデザイン」こそが、ロックンロールやハードロックを志向するプレイヤーにとっては、たまらない魅力となっています。
ステージ映えするその姿は、個性を主張したいギタリストから熱狂的な支持を集めているのです。
品質低下の噂は本当か?1990年代以降の評判と現在のクオリティ
「ギブソンは品質が落ちた」という噂を耳にすることがあるかもしれません。
特に1990年代から2000年代初頭にかけて、生産体制の拡大やコスト削減の影響で、仕上げの粗い個体が市場に出回った時期があったことは事実です。
また、安価なモデルが増えたことで、上位機種と比較した際に「作りが甘い」と感じるユーザーの声がネット上に残っていることも、不人気説の一因となっています。
しかし、近年のギブソンは原点回帰を掲げ、品質管理体制を大幅に見直しています。
最新の工作機械「Plek」による精密なセットアップや、ヴィンテージ仕様の忠実な再現など、現在の新品モデルは非常に高いクオリティを維持しています。
過去の噂だけで現在のSGを判断するのは、非常にもったいないことだと言えるでしょう。
実は「不人気」ではない?中古市場での流通量と需要の関係
「中古市場にSGがたくさん溢れているのは、人気がないから手放す人が多い証拠だ」という意見があります。
しかし、これは「流通量が多い=それだけ多くの人が購入した」という事実の裏返しでもあります。
本当に人気のないギターであれば、そもそも新品が売れないため、中古市場にもこれほど数は出回りません。
SGは長年にわたり、初心者からプロまで幅広い層に購入されてきたベストセラーモデルです。
流通量が多いということは、それだけ選択肢が豊富であり、自分好みの一本を探しやすい環境にあると言えます。
SGは弾きにくい?最大の欠点「ヘッド落ち」の真実と効果的な対策
SGの購入を検討する際、最も懸念されるのが「ヘッド落ち」と呼ばれる現象です。
これは構造上の宿命とも言える特徴ですが、決して克服できない欠点ではありません。
ここでは、なぜヘッド落ちが起こるのかという理由と、プレイヤーたちが実践している具体的な対策を紹介します。
なぜSGはヘッド落ちするのか?構造上の特徴とメリット
SGがヘッド落ちする主な理由は、ボディが極端に薄く軽量であるのに対し、ヘッド側にはペグなどの重量があるため、重心のバランスがネック側に偏るからです。
ストラップで肩にかけて手を離すと、ネックが水平よりも下へ下がろうとする力が働きます。
しかし、この構造は「圧倒的な軽さ」という強力なメリットも生み出しています。
レスポールが4kgを超える個体も珍しくないのに対し、SGは3kg前後と非常に軽量です。
長時間のライブや練習でも肩への負担が少なく、アクションを交えた激しいステージングが可能になるのは、このボディ構造のおかげなのです。
座って弾くとネックが遠い?ストラップの位置と解決策
SGは座って弾く際、他のギターに比べてローポジション(ヘッド側のフレット)が遠く感じることがあります。
これは、ネックとボディのジョイント位置が深いためで、ギターを右足に乗せて構えると、ネック全体が左側へ突き出す形になるからです。
最初は違和感を覚えるかもしれませんが、これは慣れで解決できる範囲の問題です。
また、普段よりもストラップを短めにして高い位置で構えたり、クラシックギターのように左足にボディを乗せたりすることで、ネックの遠さを軽減し、弾きやすくすることができます。
滑りにくいストラップや重りなど、プロも実践するヘッド落ち対策
ヘッド落ちがどうしても気になる場合は、物理的な対策をとることで劇的に改善します。
最も手軽で効果的なのは、ストラップの素材を変えることです。
ナイロン製のツルツルした素材ではなく、裏地がスエードやコットンなどの摩擦力が強いストラップを選ぶことで、衣服に引っかかり、ヘッドが下がるのを防げます。
また、プロの現場でも行われる対策として、ボディ側のキャビティ内に重り(ウェイト)を入れたり、ペグを軽量なものに交換したりして、重心バランスを調整する方法も有効です。
さらに、ビグスビーなどのトレモロユニットを後付けすることで、ボディ側の重量を増やし、見た目のカッコよさとバランス改善を両立させるカスタマイズも人気があります。
音がしょぼい・軽いという評価は本当か?レスポールとのサウンド比較
「SGはレスポールに比べて音が薄い、しょぼい」という評価を見かけることがあります。
確かに兄弟機種であるレスポールと比較すれば音の傾向は異なりますが、それは「劣っている」ということではありません。
SGならではのサウンド特性と、その強みについて解説します。
レスポールとSGの決定的な違いは「中音域の抜け」と「レスポンス」
レスポールがメイプル材をトップに貼った分厚いボディを持つのに対し、SGはマホガニー材のみの薄い単板ボディです。
この構造の違いにより、レスポールのような重厚でドスンと響く低音感は控えめになります。
その代わりにSGが手に入れたのは、中音域(ミッドレンジ)の強烈な押し出しと、ピッキングに対する素早い反応(レスポンス)です。
「音が軽い」のではなく、「歯切れが良く、明るいトーン」であるというのが正確な表現です。
音が軽いのではなく「バンドで埋もれない」のがSGの強み
SGの真骨頂は、一人で弾いている時よりも、バンドアンサンブルの中で発揮されます。
ベースやドラムと音が被りやすい低音域がスッキリしているため、大音量のバンドサウンドの中でもギターの音が埋もれず、前に飛んできます。
「音がしょぼい」と感じるのは、自宅で小音量で弾いている場合や、重低音のみを求めている場合の感想であることが多いです。
実際のライブやレコーディングでは、この「抜けの良さ」こそが、ボーカルの邪魔をせずに存在感を主張できる大きな武器となります。
メタルからブルースまで対応できる音作りのポイント
SGは見た目のイメージからロック専用と思われがちですが、音作りの幅は非常に広いです。
アンプのゲインを上げれば、エッジの効いた鋭いメタルサウンドを作ることができますし、トーンを絞れば、甘く艶のあるジャズやブルースのトーンも奏でられます。
特にトーンノブの効きが良いため、手元の操作だけで多彩な音色をコントロールできるのもSGの魅力です。
エフェクターの乗りも良いため、ジャンルを問わず自分好みのサウンドを追求できるポテンシャルを秘めています。
ギブソンSGがレスポールより安い理由は?「人気がないから」は間違い
ギブソンのラインナップを見ると、SGはレスポールよりも安価に設定されていることが多いです。
これを見て「人気がないから安売りされている」と勘違いする方がいますが、理由は全く別のところにあります。
価格差の秘密はボディ構造の工程(フラットトップ)とコスト
SGが比較的安い主な理由は、製造工程と材料コストの違いにあります。
レスポールは、ボディ表面に美しい曲面を作る「アーチトップ加工」が必要で、これには高度な技術と時間がかかります。
一方、SGは「フラットトップ(平面)」であり、加工の工程がシンプルです。
また、レスポールはマホガニーの上に高価なメイプル材を貼り合わせる構造ですが、SGはマホガニー材のみを使用します。
このように、製造の手間と材料費が抑えられているため、品質を落とすことなくリーズナブルな価格を実現できているのです。
安価=低品質ではない!ハイコストパフォーマンス機としての魅力
SGは、ギブソンUSAの伝統的なサウンドを手に入れるための最もコストパフォーマンスに優れた選択肢の一つです。
「安いから音が悪い」「作りが雑」ということは決してありません。
ピックアップや電気系統のパーツは上位機種と同じものが使われていることも多く、プロが使う本格的なギブソンサウンドを、より手頃な価格で体感できます。
予算は抑えたいけれど、本物のギブソンの音が欲しいという方にとって、SGは最適なモデルと言えます。
新品と中古、どちらがお得?SGならではの相場事情
新品で購入するのも良いですが、SGは中古市場も非常に活発です。
前述の通り流通量が多いため、状態の良い個体が適正価格で見つかりやすい傾向にあります。
特に、現行モデルにはないカラーや仕様のモデルを探せるのは中古ならではの楽しみです。
ただし、SGはネック折れなどのトラブル修復歴がある個体も混ざっている可能性があるため、信頼できる楽器店で状態を確認して購入することをおすすめします。
初めての一本であれば、保証のつく新品か、調整済みの美品中古を選ぶのが安心です。
不人気説を覆す!SGを愛用する国内外の偉大なギタリストたち
SGが不人気だという噂を一瞬で吹き飛ばす事実は、世界中の伝説的なギタリストたちがSGを選び、名演を残していることです。
彼らのプレイを見れば、SGがどれほど表現力豊かな楽器であるかが分かります。
アンガス・ヤング(AC/DC)に学ぶSGサウンドの神髄
SGのアイコンといえば、AC/DCのアンガス・ヤングを置いて他にはいません。
半ズボン姿でステージを駆け回りながら放つ、極上のロックンロールサウンドは、SGの直結サウンドそのものです。
彼のプレイは、SGが持つ「軽さによるパフォーマンス性」と「アンプ直結で最高に輝く中音域」を証明しています。
トニー・アイオミやデレク・トラックスに見るジャンルの多様性
ブラック・サバスのトニー・アイオミは、SGでヘヴィメタルの元祖とも言える重厚かつダークなリフを生み出しました。
一方、現代の3大ギタリストの一人と称されるデレク・トラックスは、指弾きとスライドバーを駆使し、SGで人間の声のような繊細でエモーショナルなトーンを奏でます。
このように、ヘヴィなジャンルから繊細なブルースやソウルまで、SGは弾き手によって全く異なる表情を見せてくれます。
和嶋慎治や坂本慎太郎など、SGを使用する日本のアーティスト
日本国内でも、SGを愛用する個性的なアーティストは多数存在します。
人間椅子の和嶋慎治氏は、SGを使って70年代ハードロックの魂を現代に蘇らせるような、粘りのあるサウンドを聴かせてくれます。
また、元ゆらゆら帝国の坂本慎太郎氏は、SGの持つチープさと鋭さを絶妙にコントロールし、唯一無二のサイケデリックな音世界を構築しています。
彼らに共通するのは、流行に流されず、自分の出したい音を追求した結果としてSGを選んでいるという点です。
後悔しないギブソンSGの選び方|当たり年やおすすめモデルは?
いざSGを購入しようと思った時、種類の多さに迷うかもしれません。
「当たり年」や仕様の違いを理解して、自分に合ったモデルを選びましょう。
王道の「SGスタンダード」とヴィンテージリイシューの違い
最も基本となるのが「SGスタンダード」です。
これは現代的なニーズに合わせて演奏性や出力バランスが調整されており、ロックからポップスまで幅広く使える万能なモデルです。
一方、「61 Reissue(リイシュー)」などのモデルは、1961年の初期仕様を再現しています。
大きな違いはピックガードの形状です。スタンダードは大型の「ラージガード」、リイシューは小型の「スモールガード」が採用されています。
見た目の好みはもちろん、ピックアップの出力特性も異なるため、試奏して好みの音を確認するのがベストです。
ステージ映え抜群!「SG白(ホワイト)」モデルの魅力と注意点
SGといえばチェリーレッド(赤)が定番ですが、「SG白(ホワイト)」も非常に人気があります。
ステージ照明に映えるその姿は美しく、使い込むほどに塗装がクリーム色に変化していく「黄変」も味として楽しめます。
白のSGは、「SGカスタム」や限定モデルとしてラインナップされることが多く、赤に比べて流通数が少ないため、見つけたら早めにチェックすることをおすすめします。
狙い目はいつ?「当たり年(1960年代・近年)」の特徴と見分け方
ヴィンテージ市場では、SGが誕生した1960年代初期(特に1961年〜1964年頃)の個体が「当たり年」として高値で取引されています。
しかし、これから購入する方にとっては、2019年以降のギブソン新体制下で作られたモデルも「現代の当たり年」と言えます。
経営再建後のギブソンは品質管理が格段に向上しており、レギュラーラインのモデルでも非常に完成度が高いのが特徴です。
特定の年代にこだわりがなければ、最新の現行モデルを選ぶのが、品質と価格のバランスが最も良く、失敗のリスクも低いでしょう。
まとめ:ギブソンSGは「不人気」ではなく「個性が強い」名機である
ギブソンSGは、その特徴的な見た目や構造から誤解を受けることもありますが、実際には多くのメリットを持つ素晴らしいギターです。
不人気説に惑わされず、SGの特性を理解した上で選べば、あなたの最高の相棒となるでしょう。
- SGが不人気と言われるのは、好みの分かれるデザインや過去の品質の噂が原因であり、事実は異なる。
- クワガタのようなデザインは、他にはない強烈な個性を求めるプレイヤーには最大の魅力となる。
- ヘッド落ちは構造上の宿命だが、滑りにくいストラップの使用などで十分に対策可能である。
- ヘッド落ちのデメリット以上に、軽量で長時間の演奏が楽という大きなメリットがある。
- レスポールに比べて音が軽いのではなく、中音域の抜けが良く、バンドで埋もれない音である。
- 価格が安いのは人気がないからではなく、製造工程や木材コストの違いによるものである。
- アンガス・ヤングをはじめ、ジャンルを超えた多くの偉大なギタリストがSGを愛用している。
- 中古市場の流通量が多いのは、長年売れ続けてきたベストセラーモデルである証拠である。
- 購入時は「SGスタンダード」を基本に、見た目や音の好みでリイシューモデルと比較すると良い。
- 他人の評価よりも、自分のプレイスタイルや感性に合うかどうかで選ぶことが、後悔しない秘訣である。

