MENU

ギターのビビリは気にしない?許容範囲と直し方をプロが解説

ギターを弾いていると聞こえてくる「ビビビ…」という不快な音。

この「ビビリ」に悩まされ、「自分の弾き方が悪いのか」「ギターが壊れているのか」と不安になり、練習が楽しくなくなっていませんか。

特に初心者のうちは、強く弾くとビビることも多く、モチベーションの低下につながりがちです。

しかし、ギターのビビリは必ずしも悪いものではなく、ある程度の許容範囲も存在します。

この記事では、ギターのビビリが起きる原因から、気にしないで良いケース、自分でできる直し方、プロに修理を依頼する目安まで、網羅的に解説します。

この記事を読めば、ビビリの正体と正しい付き合い方がわかり、安心してギター練習に打ち込めるようになるでしょう。

目次

ギターのビビリ、気にしないは間違い?許容範囲と正しい付き合い方

ギターのビビリは、一概に「悪」とは言えませんが、「気にしない」のが常に正解というわけでもありません。

大切なのは、そのビビリが許容範囲内なのか、それとも対処すべき問題なのかを見極めることです。

多くのギタリストが悩む「ビビリ」は気にしすぎなくても大丈夫

結論から言うと、ギターのビビリを気にしすぎる必要はありません。

ギターという楽器の構造上、弦の振動がフレットにわずかに触れてしまうことは避けられず、プロのギタリストでも完璧にビビリをなくしているわけではないからです。

特に、低い弦高で弾きやすさを追求するセッティングでは、多少のビビリはつきものです。

問題なのは、明らかに音が詰まってサステイン(音の伸び)が失われたり、演奏の妨げになったりするケースです。

エレキギターはビビリやすい?アンプを通した音が本当の答え

エレキギターは、アコースティックギターに比べて弦が細く張力も弱いため、構造的にビビリやすい楽器です。

しかし、最も重要なのは「アンプから出る音」です。

生音で多少チリチリとビビっていても、ピックアップがその音を拾わず、アンプからの出音に影響がなければ、それは問題のないビビリと判断できます。

練習の際は、生音だけでなく、実際にアンプやヘッドホンを通して音を確認する習慣をつけましょう。

ビビリの許容範囲はどこまで?プロが判断する基準とは

ビビリの許容範囲は、演奏する音楽ジャンルや個人の好みによって異なります。

一般的に、クリーンなサウンドが求められる静かな曲ではビビリが目立ちやすく、歪ませたロックサウンドではほとんど気にならないことが多いです。

プロが判断する基準としては、以下の点が挙げられます。

  • アンプからの出音にビビリ音が混じっていないか
  • 音が詰まったり、サステインが極端に短くなったりしていないか
  • チョーキング(弦を持ち上げる奏法)した時に音が途切れないか

これらの症状が出ていなければ、多くの場合、許容範囲内のビビリと考えてよいでしょう。

そもそもギターの「ビビリ」とは?音が鳴る仕組みと主な原因

ビビリの正体を知ることは、適切な対処への第一歩です。

ここでは、ビビリがなぜ発生するのか、その仕組みと主な原因について解説します。

「ビビリ(フレットバズ)」の正体とは?

ギターのビビリとは、弾いた弦が振動する際に、指で押さえているフレット以外のフレットに触れてしまうことで発生する異常な振動音のことです。

この現象は専門的には「フレットバズ」と呼ばれます。

正常な状態では、弦はナット(または押さえたフレット)からブリッジサドルまでの間で綺麗に振動し、クリアな音が出ます。

しかし、何らかの原因で弦の振動がフレットに干渉すると、「ジジッ」「ビリビリ」といったノイズが発生します。

なぜビビるの?考えられる5つの原因

ギターがビビる原因は一つではなく、複数の要因が絡み合っていることも少なくありません。

主な原因としては、以下の5つが挙げられます。

  1. 弦高が低すぎる: 弦とフレットの距離が近すぎると、弦が振動するスペースがなくなりビビリやすくなります。
  2. ネックが反っている: ネックが逆反り(弦の張力に負けている状態と逆)していると、特に低いフレットでビビリが発生します。
  3. フレットの高さが不均一: 特定のフレットだけが高い、またはすり減って低くなっていると、その周辺でビビリが起こります。
  4. ナットの溝が深い: ナットの溝が削れすぎていると、開放弦を弾いた時に1フレットに弦が触れてビビることがあります。
  5. 弾き方(フォームやピッキング)の問題: 弦をしっかり押さえられていない、またはピッキングが強すぎるとビビリの原因になります。

初心者によくある原因は「押さえ方」と「ピッキングの強さ」

ギターを始めたばかりの初心者の場合、楽器本体の問題よりも、演奏技術が原因でビビることが非常に多いです。

特に、「弦を押さえる力が足りない」「フレットから遠い位置を押さえている」「ピッキングが強すぎる」という3点は、ビビリを引き起こす典型的な例です。

楽器の調整を疑う前に、まずは自分の弾き方を見直してみることをおすすめします。

あなたのビビリはどのタイプ?原因を特定する簡単セルフチェック

ビビリの原因を特定するために、簡単なセルフチェックを行ってみましょう。

どの状況でビビリが発生するかを確認することで、原因を絞り込むことができます。

楽器のせい?演奏のせい?原因を切り分ける確認方法

まず、楽器の問題か演奏技術の問題かを見極めましょう。

例えば、Cコードを押さえた時に5弦3フレットがビビるとします。

その場合、コードではなく、5弦3フレットだけを人差し指などでしっかりと押さえて、少し強めにピッキングしてみてください。

この時にビビらなければ、原因はコードを押さえる際のフォームや力不足にある可能性が高いです。

もし、単音でしっかり押さえてもビビる場合は、楽器本体に何らかの問題があると考えられます。

開放弦でビビる場合にチェックすべきポイント

弦を何も押さえない「開放弦」の状態でビビる場合は、原因が限定されやすくなります。

チェックすべきポイントは以下の通りです。

  • ナットの溝: ナットの溝が深くなりすぎて、1フレットに弦が当たっていませんか。
  • ネックの反り: ネックが逆反りしていませんか。
  • ブリッジ周り: ブリッジのパーツやネジが緩んで共振していませんか。

特定のフレットだけビビる場合に考えられること

特定のフレット、または特定のポジションを押さえた時だけビビる場合は、フレットの高さに問題がある可能性が考えられます。

長年使用していると、よく使うポジションのフレットだけが摩耗して低くなることがあります。

また、湿度変化などの影響でフレットの一部が浮き上がってしまう「フレット浮き」も原因の一つです。

この場合は、専門家によるフレットのすり合わせや打ち替えが必要になることもあります。

強く弾くとビビるのはギターの異常?

ピッキングの力加減によってビビリが発生するのは、異常ではありません。

強く弾けば弦の振幅は大きくなるため、適正な弦高にセッティングしていてもフレットに当たりやすくなります。

すべてのピッキング強度でビビリをゼロにするのは非常に困難です。

自分の演奏スタイルに合わせて、心地よいと感じる範囲で弦高などを調整し、妥協点を見つけることが大切になります。

やっぱり気になる!自分でできるギターのビビリ直し方と調整の基本

原因がある程度特定できたら、自分でできる範囲での調整に挑戦してみましょう。

簡単な調整で、気になるビビリが解消されることも少なくありません。

まずは弦の交換から!古い弦がビビリの原因になることも

ビビリが気になったら、まず試してほしいのが弦の交換です。

古い弦や錆びた弦は張りが弱くなり、振動が不安定になるためビビリやすくなります。

また、弦に傷や折れ目がついていると、それが原因で異常な振動を起こすこともあります。

定期的に弦を交換するだけで、ギターのコンディションは大きく改善されます。

正しい押さえ方をマスターするコツ|指を立ててフレットの際を押さえる

演奏技術が原因の場合、押さえ方を見直すことが最も効果的です。

弦を押さえる際は、以下の2点を意識してください。

  1. フレットのすぐ際(きわ)を押さえる: フレットから離れた位置を押さえると、ビビリやすくなるだけでなく、余計な力が必要になります。
  2. 指を立てて押さえる: 指を立てることで、狙った弦をしっかり押さえられるだけでなく、隣の弦に指が触れて音がミュートされてしまうのを防げます。

自分でできる弦高調整のやり方と注意点

弦高が低すぎることが原因の場合、ブリッジサドルの高さを調整します。

エレキギターの多くは、サドルについている小さなネジを六角レンチやドライバーで回すことで、各弦の弦高を個別に調整できます。

時計回りに回すと弦高が上がり、反時計回りに回すと下がります。

一度に回しすぎず、少しずつ調整しては音を出し、ビビリが解消される最適なポイントを探しましょう。

ネックの反りを確認する方法とトラスロッド調整の基礎知識

ネックの反りは、ギターのヘッド側からボディ方向を見て確認したり、弦を押さえて隙間を見たりすることでチェックできます。

6弦の1フレットと最終フレットを同時に押さえ、その中間あたり(12フレット付近)の弦とフレットの隙間を確認します。

名刺1枚分程度の隙間があれば「順反り」で適正範囲、隙間が全くなければ「逆反り」の可能性があり、ビビリの原因となります。

ネックの反りはトラスロッドで調整しますが、非常にデリケートな部分なので、自信がない場合は無理せずプロに任せるのが賢明です。

自分での調整は限界?プロに修理を依頼する判断基準と費用

セルフチェックや調整を試みても改善しない場合は、専門家であるリペアマンに相談しましょう。

無理な調整は、かえってギターを傷つけてしまう可能性があります。

修理が必要な症状とは?フレット浮きやナットの摩耗

以下のような症状が見られる場合は、プロによる修理が必要です。

  • フレットが浮いている、または高さが明らかに不均一: フレットのすり合わせや打ち替えが必要。
  • ナットの溝が明らかに深い、または割れている: ナットの交換が必要。
  • トラスロッドを調整してもネックの反りが直らない: ネック自体に問題がある可能性。
  • どこをどう調整してもビビリが解消されない: 複数の原因が複合している可能性。

ギターのビビリ修理にかかる値段の目安は?

修理費用は、原因や修理内容によって大きく異なります。

以下は一般的な費用の目安です。

修理内容費用の目安
ネック反り調整(トラスロッド)2,000円~5,000円
ナット交換・調整5,000円~10,000円
フレットすり合わせ10,000円~15,000円
フレット交換(リフレット)30,000円~

まずは楽器店やリペアショップで見積もりを依頼し、費用と修理内容をしっかり確認してから判断しましょう。

どこに頼めばいい?リペアショップの選び方

信頼できるリペアショップを選ぶことは非常に重要です。

購入した楽器店に相談するのが最も手軽な方法ですが、インターネットの口コミを参考にしたり、複数のショップに見積もりを依頼したりして比較検討するのも良いでしょう。

修理内容や料金体系を丁寧に説明してくれる、信頼できる技術者に大切なギターを預けたいものです。

ビビリと上手に付き合ってギター挫折を乗り越えよう

最後に、ビビリに対する考え方についてお伝えします。

気にしすぎてしまうことが、ギターを楽しむ気持ちを妨げ、挫折の原因になることもあるのです。

ビビリは上達の過程のサイン!気にしすぎがモチベーション低下の原因に

ギターのビビリは、多くの場合、上達していく過程で誰もが通る道です。

完璧な音を求めすぎるあまり、小さなビビリに神経質になり、「自分には才能がない」と感じてしまうのは非常にもったいないことです。

ある程度のビビリは「楽器の個性」と捉え、まずは曲を弾き通す楽しさを優先させましょう。

弾けないフレーズは後回しでもOK!ビビリ解消も同じ考え方で

難しいフレーズが弾けない時、少し簡単な練習に戻ってから再挑戦すると、すんなり弾けることがあります。

ビビリの解消もこれと同じで、今すぐ完璧に直そうと躍起になる必要はありません。

他の練習を続けているうちに指の力がついたり、フォームが安定したりして、自然とビビリが解消されることもよくあります。

焦らず、長い目でギターと付き合っていくことが上達の秘訣です。

日々のメンテナンスでビビリを防ぐ習慣をつけよう

ビビリを未然に防ぐためには、日々のメンテナンスが欠かせません。

演奏後に弦や指板をクロスで拭くだけでも、弦の寿命を延ばし、良好なコンディションを保つ助けになります。

また、ギターを適切な温度・湿度で保管することも、ネックの反りを防ぐ上で非常に重要です。

大切な楽器を労わる習慣が、結果的にビビリの少ない快適な演奏環境につながります。

まとめ:ギターのビビリを気にしないための全知識

この記事では、ギターのビビリについて、その原因から許容範囲、対処法までを詳しく解説しました。

ビビリは多くのギタリストが経験する現象であり、必ずしも異常ではありません。

大切なのは、その原因を見極め、適切に対処することです。

気にしすぎて練習が嫌になってしまう前に、この記事で紹介した知識を活用して、ビビリと上手に付き合っていきましょう。

  • ギターのビビリは弦がフレットに触れる現象でフレットバズとも呼ばれる
  • エレキギターは構造上ビビリやすくアンプからの出音で判断することが重要である
  • 音が詰まったりサステインが失われたりしない限り多少のビビリは許容範囲内である
  • ビビリの主な原因は弦高、ネックの反り、フレット、ナット、そして演奏技術にある
  • 初心者のビビリは押さえ方やピッキングの強さが原因であることが多い
  • 単音で弾いてもビビる場合は楽器本体の問題を疑うべきである
  • 自分でできる対処法として弦交換、フォームの見直し、弦高調整などがある
  • フレット浮きやナット摩耗など専門的な修理が必要なケースもある
  • 修理費用はネック調整なら数千円、フレット交換になると数万円かかる場合がある
  • ビビリを気にしすぎず上達の過程と捉え、ギターを楽しむことが挫折しないコツである
よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!
目次