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ギターにリバーブはいらない?必要性と使い方を徹底解説

ギターの音作りにおいて「リバーブ」は定番のエフェクトですが、「ギターにリバーブはいらない」という意見も少なくありません。

特にギターを始めたばかりの方にとっては、なぜそう言われるのか、その真意が分からず悩んでしまうポイントではないでしょうか。

この記事では、リバーブの効果や役割を基本から分かりやすく解説し、「いらない」と言われる理由についても客観的に深掘りします。

さらに、ディレイとの違いや賢い使い方、具体的なリバーブの設定方法、おすすめのエフェクターまで網羅的にご紹介します。

リバーブを本当に使うべきか迷っている方が、自分にとっての最適な答えを見つけられる内容となっています。

目次

「ギターにリバーブはいらない」は本当?その理由と必要性を徹底考察

「ギターにリバーブはいらない」という言葉は、多くのギタリストが一度は耳にしたことがあるかもしれません。

しかし、これはリバーブが全く不要だという意味ではなく、特定の状況や目的において使用を控えるべきだ、という意図が含まれています。

ここでは、その理由と、逆にリバーブが必要となるケースについて詳しく見ていきましょう。

「いらない」と言われる5つの理由とは?

リバーブが不要とされる主な理由は、サウンドや演奏そのものに与えるマイナスの影響が懸念されるためです。

具体的には、以下の5つの点が挙げられます。

  1. 音がこもる:リバーブをかけすぎると残響音が重なり、音の輪郭がぼやけて「もわっ」とした印象になります。
    特に歪みサウンドと合わせると、ギター本来の抜けの良さが失われがちです。
  2. 演奏が聴き取りづらい:残響が強いと、一音一音のアタックが曖昧になり、速いフレーズや細かいニュアンスが埋もれてしまいます。
    自分のプレイが正確に伝わりにくくなる可能性があります。
  3. ギターが上達しにくくなる:リバーブはピッキングのムラや小さなミスを覆い隠してくれる効果があります。
    そのため、自分の演奏の粗さに気づきにくくなり、技術的な成長の妨げになるという意見です。
  4. 宅録やモニター環境では邪魔:自宅での録音など、音がクリアに聴こえる環境では、わずかなリバーブでも過剰に響いてしまうことがあります。
    ミックス全体のバランスを崩す原因になりかねません。
  5. 必要なときだけ後から足せばいい:録音(DAW)の世界では、演奏時にはリバーブをかけず、後からミックス段階で加えるのが一般的です。
    この考え方が、演奏時にも適用されることがあります。

リバーブを使うとギターが下手になるって本当?

「リバーブを使うと下手になる」という説は、前述の「上達しにくくなる」という理由から来ています。

これは、リバーブが演奏のミスやノイズをごまかしてくれる性質を持つためです。

例えば、ピッキングの強弱が不安定でも、リバーブがかかっていると音が滑らかにつながり、一見すると上手に聞こえてしまいます。

この状態に慣れてしまうと、自分の技術的な弱点から目を背けることになりかねません。

結果として、基礎的な演奏力の向上が遅れるという意味で「下手になる」と言われるのです。

特に初心者のうちは、リバーブをオフにするか、ごく控えめにして練習することで、自分の出す音と真摯に向き合うことが上達への近道となります。

逆にリバーブが必要になるのはどんな時?

リバーブが不要とされる理由がある一方で、サウンドを劇的に向上させるために必要不可欠となる場面も多く存在します。

具体的には、以下のような状況でリバーブは大きな効果を発揮します。

  • 音がスカスカに感じるとき:ギターの音が薄っぺらく、物足りなく感じる場合、リバーブを加えることで音に厚みと広がりが生まれます。
  • ソロやアルペジオを弾くとき:単音弾きでは音と音の間に隙間ができますが、リバーブがその空間を美しく埋め、滑らかで感情的な表現を助けます。
  • ライブで音が埋もれがちなとき:バンドアンサンブルの中でギターの音が他の楽器に埋もれてしまう場合、適度なリバーブで音に立体感を出し、存在感を高めることができます。
  • 理想のサウンドに残響が含まれているとき:好きなアーティストの音源で聞こえるような、心地よい響きを再現したい場合にはリバーブが欠かせません。

【自己診断】あなたにリバーブは必要かチェックリスト

自分にリバーブが必要か迷ったら、以下の項目をチェックしてみましょう。

3つ以上当てはまるなら、リバーブを導入することであなたのギターサウンドは大きく向上する可能性があります。

  • □ ギターの音が薄い、味気ないと感じることがある
  • □ ギターソロやアルペジオを弾く機会が多い
  • □ バンドの中で自分のギターの音が聞こえにくいと感じる
  • □ バラードなど、余韻を活かした表現をしたい
  • □ 好きなギタリストがリバーブを使っている
  • □ 自宅での練習で、ヘッドホンや小さな音量だと味気なく感じる
  • □ 幻想的、浮遊感のあるサウンドを作ってみたい

そもそもリバーブとは?効果と役割を分かりやすく解説

リバーブは、音に深みや広がりを与える「空間系」と呼ばれるエフェクトの一種です。

単なる飾りではなく、ギターサウンドの雰囲気や質感を決定づける重要な要素と言えるでしょう。

ここでは、リバーブが持つ具体的な効果と役割について解説します。

リバーブがもたらす5つの効果【初心者向け】

リバーブには、ギターサウンドをより豊かにするための様々な効果があります。

主な効果として、以下の5点が挙げられます。

  1. 空間の広がりを演出する:音に「残響」を加えることで、まるで大きなホールや教会で演奏しているかのような、立体的な空間の広がりを生み出します。
  2. 音の輪郭を和らげる:ギターの音のアタックや「カド」が取れ、全体的に柔らかく滑らかな響きになります。
    耳に刺さるような鋭い音も、聴きやすいマイルドな印象に変わります。
  3. ノイズが目立たなくなる:ピッキングの際に生じるわずかなノイズやミスが残響音に溶け込み、目立ちにくくなります。
    演奏全体にまとまりが生まれる効果もあります。
  4. 音に余韻を加える:音が鳴り終わった後にも「ふわり」とした響きが残り、豊かな余韻を生み出します。
    これにより、単音弾きでも表現力が高まります。
  5. 統一感やまとまりが生まれる:バンド演奏など複数の音が混ざり合う場面で、それぞれの音を同じ空間で鳴っているように感じさせ、全体に一体感をもたらします。

リバーブの主な種類とサウンドの特徴

リバーブエフェクターには、様々な空間の響きをシミュレートした種類(モード)が搭載されています。

代表的なものを知っておくと、音作りの幅が広がります。

種類特徴
Room小さな部屋の自然な響きを再現。控えめで使いやすい。
Hallコンサートホールのような広く豊かな響き。壮大なサウンドに。
Plate鉄板を振動させて残響を作る方式。明るく滑らかな金属的な響き。
Springバネを揺らして残響を作る方式。ギターアンプ内蔵の定番サウンド。
Shimmerオクターブ上の音などを加えた幻想的でキラキラした響き。

リバーブをかけっぱなしにするとどうなる?

リバーブを常にかけっぱなしにしていると、いくつかの問題が生じることがあります。

まず、楽曲の全ての部分で残響がかかるため、サウンドにメリハリがなくなってしまいます。

また、部屋やスタジオなど、演奏する場所自体にも自然な響きがあるため、エフェクターのリバーブと混ざって音が濁ったり、不要な反響が生まれる原因にもなります。

リバーブは曲の展開やフレーズに合わせてオン・オフを切り替えたり、深さを調整したりすることで、その効果を最大限に発揮できるエフェクトです。

ディレイとリバーブ、どっちを選ぶべき?違いと使い分けを解説

リバーブと同じく空間系エフェクトの代表格に「ディレイ」があります。

どちらも音に広がりを与えますが、その効果と役割は全く異なります。

この違いを理解することが、効果的な音作りの第一歩です。

ディレイとリバーブの根本的な違いは?

ディレイとリバーブの最も大きな違いは、音の遅延のさせ方にあります。

  • ディレイ:入力された音を一定時間遅らせて、繰り返し再生します。
    「やまびこ」のように、元の音と同じ音がはっきりと繰り返されるのが特徴です。
  • リバーブ:入力された音が壁などに無数に反射して混ざり合った響きを再現します。
    「お風呂場での響き」のように、元の音の輪郭が曖昧になった複雑な残響音が特徴です。

簡単に言えば、ディレイは「点」、リバーブは「面」で音の広がりを作るイメージです。

どっちを選ぶ?シーン別の使い分けガイド

ディレイとリバーブは、作りたいサウンドによって使い分けるのが基本です。

ディレイが適しているシーン

  • U2のジ・エッジのような、リズミカルなフレーズを作りたいとき
  • ギターソロで音数を増やし、厚みを出したいとき
  • 音の輪郭をはっきりさせたまま、奥行きを出したいとき

リバーブが適しているシーン

  • サウンド全体に一体感や壮大な広がりを持たせたいとき
  • バラードなどで、音の余韻を美しく響かせたいとき
  • 音のアタックを和らげ、滑らかなサウンドにしたいとき

【接続順の正解】ディレイとリバーブはどっちが先?

エフェクターボードに両方を並べる場合、接続順序がサウンドに影響を与えます。

一般的には「ギター → ディレイ → リバーブ → アンプ」の順番で接続するのがセオリーです。

この順番にすると、ディレイによって作られたやまびこ音(繰り返し音)に対してリバーブがかかり、まるで広い空間でやまびこが響いているかのような、自然で立体的なサウンドになります。

逆に「リバーブ → ディレイ」の順にすると、残響音ごと繰り返されるため、やや不自然で混沌としたサウンドになりがちです。

ただし、これはあくまで基本であり、意図的に特殊な効果を狙って順番を入れ替えることもあります。

失敗しない!リバーブの賢い使い方とシーン別設定方法

リバーブは使い方次第で薬にも毒にもなるエフェクターです。

ただ何となくかけるのではなく、演奏シーンや出したい音のイメージに合わせて適切に設定することが重要です。

ここでは、具体的なシチュエーションごとの設定例と注意点を紹介します。

自宅練習で自然な響きを出す設定例

自宅での練習時、特にヘッドホンを使っていると音が直接的で味気なく感じることがあります。

この場合、RoomHallタイプのリバーブを薄くかけると、自然な部屋鳴りを再現でき、気持ちよく練習に集中できます。

設定の目安は、原音とエフェクト音のバランスを調整するMix(ミックス)を20~30%程度、残響の長さを決めるDecay(ディケイ)は短めにするのがポイントです。

あくまで演奏を邪魔しない程度に留めましょう。

ソロやバラードで感情を表現する設定例

ギターソロやバラードのように、一音一音を聴かせたい場面では、リバーブが感情表現を大きく助けてくれます。

HallPlateタイプのリバーブを選び、Decayをやや長めに、Mixは40〜50%を目安に設定してみましょう。

演奏の後に美しい余韻が残り、フレーズに深みと説得力が生まれます。

ただし、かけすぎると音の芯がぼやけてしまうため、他の楽器とのバランスを聴きながら丁寧に調整してください。

ライブで音が埋もれないための設定のコツ

ライブハウスやスタジオは、場所自体に自然な残響があります。

そのため、自宅と同じ感覚でリバーブをかけると音が飽和し、他の楽器の音と混ざって埋もれてしまう原因になります。

ライブでは、まずリハーサルで会場の響きを確認し、リバーブは普段より控えめに設定するのが基本です。

特に低音域がこもりやすいので、リバーブエフェクターにトーン調整機能があれば、低音域を少しカットするとスッキリしたサウンドになります。

リバーブをかける時の5つの注意点

リバーブを効果的に使うために、以下の5つのポイントに注意しましょう。

  1. かけすぎに注意:最も多い失敗例です。
    最初は物足りないくらいの設定から始め、少しずつ足していくのがコツです。
  2. 演奏場所に合わせる:響きの多い場所では控えめに、デッドな(響きのない)場所では少し多めに、と環境に応じて設定を変える柔軟性が大切です。
  3. ジャンルに合った使い方を:アタック感が重要なメタルやパンクでは浅めに、雰囲気を重視するアンビエント音楽では深めに、といったジャンルごとのセオリーも参考にしましょう。
  4. 録音時のかけ録りは慎重に:一度リバーブをかけて録音(かけ録り)してしまうと、後から消すことはできません。
    録音ではドライな音(リバーブなし)で録っておき、後から調整するのが安全です。
  5. 他のエフェクトとのバランス:ディレイやコーラスなど、他のエフェクトと組み合わせる際は、効果がぶつかり合わないように全体のバランスを考えて調整が必要です。

【2025年版】ギタリストにおすすめのリバーブエフェクター5選

これからリバーブを導入したい方へ向けて、初心者でも扱いやすく、プロの現場でも通用する高品質な定番エフェクターを5つ厳選してご紹介します。

【定番の安心感】BOSS / RV-6

コンパクトエフェクターの王道、BOSSが送る多機能リバーブペダルです。

定番のRoomやHallから、幻想的なShimmerまで8種類のリバーブモードを搭載しており、どんなジャンルにも対応できます。

操作がシンプルで音質も非常に高く、最初の一台として選んで間違いのないモデルです。

【シンプル高品質】Electro-Harmonix / Holy Grail Nano

3つのモード(Spring, Hall, Flerb)に絞ったシンプルな操作性が魅力のペダルです。

特に、ビンテージアンプのような温かみのあるSpringリバーブの再現度は高く評価されています。

直感的に使える高品質なリバーブを探している方におすすめです。

【多機能&高コスパ】TC Electronic / Hall of Fame 2

多彩なサウンドと革新的な機能で人気を博すペダルです。

ペダルを踏み込む強さでエフェクトをコントロールできる「MASH機能」や、プロギタリストの設定をスマホから転送できる「TonePrint機能」を搭載しています。

音作りの可能性を追求したいギタリストに最適です。

【クリアな音質】MXR / M300 Reverb

6種類のスタジオクオリティのリバーブモードを搭載したペダルです。

内部で電圧を昇圧する技術により、非常にクリアでダイナミックレンジの広いサウンドを実現しています。

原音を損なわない高品位なリバーブを求める方から絶大な支持を得ています。

【個性派サウンド】Walrus Audio / Slö

アンビエントやドリーミーといった、幻想的なサウンドスケープを描くために設計されたリバーブペダルです。

独特のモジュレーション(揺れ)を加えることができ、他のリバーブとは一線を画す独創的な音作りが可能です。

個性的なサウンドを求めるギタリストにぴったりの一台です。

まとめ:「ギターにリバーブはいらない」に対する最終結論

この記事を通して、「ギターにリバーブはいらない」という言葉が持つ多様な意味合いと、リバーブの正しい使い方について解説してきました。

最後に、これまでのポイントをまとめ、最終的な結論を示します。

結論:リバーブは「不要」ではなく「使い分け」が重要

ギターにリバーブが必要かどうかは、状況や目的によって変わります。

音が濁る、上達の妨げになるなどの理由で「いらない」とされる場面があるのは事実です。

しかし、音に深みや広がりを与え、表現力を高めるためには非常に有効なツールでもあります。

最終的な結論は、リバーブは単純に「いる・いらない」で判断するものではなく、その特性を理解した上で「賢く使い分ける」ことが最も重要だと言えるでしょう。

上達するためのリバーブとの正しい付き合い方

ギターの上達を目指す上では、リバーブとの付き合い方が鍵となります。

基礎練習や自分の演奏を客観的に確認したいときは、リバーブをオフにして素の音で弾くことを心がけましょう。

そして、楽曲の表現や音作りの段階で、リバーブを「サウンドを彩るための道具」として効果的に活用するのです。

このメリハリをつけることで、技術の向上と表現力の両方をバランス良く伸ばしていくことができます。

この記事のポイント総まとめ

  • リバーブは音に空間的な広がりや深みを与えるエフェクトである
  • かけすぎると音がこもり、演奏のニュアンスが失われることがある
  • 練習時に多用すると演奏の粗が見えにくくなり、上達を妨げる可能性がある
  • 宅録では後から加えることが多いため、演奏時には不要とされる場合がある
  • 音が薄いと感じる時や、ソロ演奏での表現力向上には非常に効果的である
  • ディレイは「繰り返し音」、リバーブは「残響」という明確な違いがある
  • 接続順は「ディレイ→リバーブ」が一般的で自然な響きが得られる
  • 演奏する場所の響きに合わせて、リバーブのかけ具合を調整することが重要である
  • リバーブは不要なのではなく、特性を理解し適切に使い分けるべきツールである
  • 練習ではオフ、表現ではオンというように、目的意識を持って使うことが上達の鍵となる
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