ヒストリー(HISTORY)のギターについて調べると、「品質が良い」という肯定的な意見と、「ダサい」といった少しネガティブな評判が混在しており、実際の評価が気になる方も多いのではないでしょうか。
島村楽器のオリジナルブランドとして全国の店舗でよく見かけるものの、その実力やブランドイメージについて、判断に迷うこともあるかもしれません。
この記事では、ヒストリーギターの評判について、良い点と悪い点の両方から深く掘り下げていきます。
フジゲン製造による確かな品質、愛用するアーティスト、代表的なモデルの特徴から価格帯まで、あらゆる情報を網羅的に解説し、あなたがギターを選ぶ上での疑問をすべて解消します。
結論から解説:ヒストリーギターの評判は「品質は本物、でもブランドイメージで損してる」
良い評判の理由:フジゲン製造による確かな品質と高いコストパフォーマンス
ヒストリーギターが良いと評価される最大の理由は、その卓越した品質とコストパフォーマンスにあります。
多くのモデルが、世界的に評価の高い日本のギター工場「フジゲン」によって製造されています。
そのため、作りは非常に丁寧で、同価格帯の海外製ギターと比較しても遜色のない、あるいはそれ以上のクオリティを実現しているのです。
独自の技術や厳選された木材を使用しながらも、自社ブランドであるため価格を抑えることが可能で、これが高い満足度に繋がっています。
悪い評判の理由:「ダサい」と言われる島村楽器のブランドイメージと販売戦略
一方で、ヒストリーギターには「ダサい」という評判がついて回ることがあります。
これは、楽器そのものの品質ではなく、島村楽器のプライベートブランドであるというイメージに起因する部分が大きいです。
一部の店舗での積極的な販売方法が「押し売り」と捉えられたり、有名ブランドのデザインに似ている点が「パクリ」と揶揄されたりすることが、ブランドイメージを損なう一因となっています。
どんな人におすすめ?初心者から経験者まで目的別に対象者を解説
ヒストリーギターは、その品質と特性から幅広い層におすすめできます。
まず、これからギターを始める初心者の方には、弾きやすさと安定した品質から「最初の⼀本」として非常に適しています。
また、すでにギターを持っている中級者以上の方にとっては、メインとは違うタイプのギターを探す際の「2本目・サブギター」として、あるいは多様なジャンルに対応できる万能な⼀本として活躍するでしょう。
ブランド名に強いこだわりがなく、純粋に「良い音で弾きやすいギター」を求めるすべての人にとって、検討する価値のある選択肢だといえます。
ヒストリーギターの悪い評判・「ダサい」と言われる3つの理由とは?

理由1:島村楽器のプライベートブランドというイメージと「押し売り」の口コミ
ヒストリーが「ダサい」と言われる背景には、まず「島村楽器のオリジナルブランド」という出自が関係しています。
フェンダーやギブソンのような長い歴史を持つブランドへの憧れが強いギタリストにとって、楽器店のプライベートブランドは魅力的に映りにくい傾向があります。
加えて、店舗で初心者に対して熱心に勧められることが多く、その経験が「押し売りされた」というネガティブな口コミに繋がり、ブランドイメージに影響を与えている側面も否定できません。
理由2:有名ブランドに似た「パクリ」と見られてしまうデザイン性
ヒストリーのギターは、ストラトキャスターやレスポールといった伝統的なギターの形状をベースにしています。
多くのギターブランドが同様のモデルを製造しているため、これ自体は珍しいことではありません。
しかし、プライベートブランドという色眼鏡で見られることで、そのデザインが「オリジナリティがない」「有名ブランドの模倣(パクリ)」と厳しく評価されてしまうことがあります。
特に、一部のモデルが他社の特徴的なデザインと似ていると指摘されることも、この評判を後押ししています。
理由3:個性や特徴が「つまらない音」と感じる人もいる
ヒストリーのサウンドは、多くのジャンルに対応できるよう、素直で癖のないバランスの取れた音作りがされています。
これは、エフェクターやアンプの特性を活かしやすいという大きなメリットです。
しかし、特定のジャンルに特化した強烈な個性を求めるプレイヤーからは、その優等生的なサウンドが「面白みに欠ける」「つまらない音」と評価されることがあります。
あくまで音の好みは人それぞれですが、この万能性が一部ではデメリットとして捉えられているのです。
ヒストリーギターの良い評判・「すごい」と言われる5つの特徴

特徴1:フジゲン製造による「メイドインジャパン」の圧倒的な信頼性
ヒストリーギターの品質を語る上で欠かせないのが、製造を担う「フジゲン」の存在です。
フジゲンは、数々の有名ブランドのOEM生産を手掛けてきた実績を持つ、日本が世界に誇るギター工場です。
その高い技術力によって生み出されるヒストリーのギターは、ネックの握り心地、フレットの処理、塗装の仕上げなど、細部に至るまで非常に丁寧な作りが特徴です。
この「メイドインジャパン」ならではの信頼性が、多くのプレイヤーから高く評価されています。
特徴2:「ヘリテイジウッド」等の希少材が生み出す豊かなサウンドと安定性
上位モデルであるHSシリーズなどには、「ヘリテイジウッド」と呼ばれる特別な木材が使用されています。
これは、湖の底に⻑期間眠っていたことで不純物が取り除かれ、密度が高くなったヴィンテージ材です。
このヘリテイジウッドは、通常の木材に比べてネックの強度や安定性が高く、狂いが生じにくいという利点があります。
サウンド面では、豊かな倍音と艶のあるトーンを生み出し、ギターの「鳴り」を格段に向上させています。
特徴3:C.F.S.など独自の技術による正確なピッチと演奏性
フジゲンが開発した独自技術「サークル・フレッティング・システム(C.F.S.)」の採用も、ヒストリーの大きな特徴です。
フレットを円弧状に打つことで、各弦がフレットと直角に交差し、ポジションによるピッチのズレを解消します。
これにより、コードの響きがクリアになり、音の立ち上がりやサスティーンも向上します。
また、フレットの端を滑らかに仕上げる「エリートフィニッシュ」など、演奏性を高めるための工夫が随所に施されています。
特徴4:出荷前の徹底した検品とプロによるセットアップの安心感
ヒストリーのギターは、工場から出荷される前に全数検品が行われます。
さらにHSシリーズ以上のモデルでは、専門の職人が1本あたり40分以上かけてセットアップを施します。
弦高やネックの反り、ナットの溝などが最適な状態に調整されているため、購入したその瞬間から最高の弾き心地を体感できます。
初心者にとっては調整の不安がなく、経験者にとっても即戦力となるこの徹底した品質管理は、大きな安心材料です。
特徴5:幅広いジャンルに対応できる素直で癖のないサウンド
前述の通り、ヒストリーのサウンドは特定のジャンルに偏らない、バランスの良さが魅力です。
ピックアップは極端な高出力でも低出力でもなく、ワイドレンジで素直な特性を持っています。
このため、ポップスからロック、ジャズ、メタルまで、アンプやエフェクター次第で多彩な音作りが可能です。
「この1本で色々な曲を弾きたい」というニーズに応えることができる、まさに万能型のギターといえるでしょう。
【シリーズ・値段別】HISTORYギターの主要ラインナップと価格帯
HSシリーズ:ヘリテイジウッドを採用したスタンダードモデル【価格帯:16万円~】
HSシリーズは、ネックにヘリテイジウッドを採用したヒストリーのスタンダードにして中心的なラインナップです。
フジゲンによる高品質な作りと、ヴィンテージ材ならではの豊かな鳴りを両立させています。
プロクオリティの仕様を持ちながら、価格は16万円台からと、非常にコストパフォーマンスに優れたシリーズです。
CZシリーズ:純国産にこだわった高コスパモデル【価格帯:8万円~】
CZシリーズは、「純国産の品質をより⼿の届きやすい価格で」というコンセプトのもと開発されました。
HSシリーズと同じ国内工場で生産されており、そのノウハウを活かした確かな作りが魅力です。
価格は10万円を切るモデルもあり、本格的な国産ギターを初めて⼿にする方に最適なシリーズといえます。
CVシリーズ:価格を抑えたエントリーモデル【価格帯:5万円~】
シリーズの中で最も安価なのがCVシリーズです。
ボディは海外工場で製作し、ネックの製造や組み込みは国内で行うことでコストダウンを実現しています。
演奏性や耐久性に関わる重要な部分は国内で仕上げられているため、同価格帯の海外製ギターと比較しても安心感が高いのが特徴で、これからギターを始める方にぴったりです。
HGシリーズ:希少材や特別仕様を盛り込んだフラッグシップモデル
HGシリーズは、希少な木材やこだわりのパーツ、特別な仕様などを盛り込んだ最上位ラインナップです。
ブランドの技術の粋を集めたフラッグシップとして、数量限定モデルなどが展開されます。
まさにプレミアムな一本を求めるプレイヤー向けのシリーズです。
中古市場での価格は?購入時の注意点も解説
ヒストリーのギターは中古市場でも流通していますが、注意点があります。
プライベートブランドという特性上、フェンダーなどの人気ブランドに比べてリセールバリュー(再販価値)は低くなる傾向にあります。
これは売る側にとってはデメリットですが、買う側にとっては高品質なギターを安く⼿に入れるチャンスでもあります。
中古で購入する際は、ネックの状態やフレットの減り具合などをしっかり確認することが重要です。
ヒストリーの人気モデル3選とそれぞれの評判(レスポールタイプなど)
HS-SV (ストラトタイプ):最もバランスが良く万能な一本
HS-SVは、いわゆるストラトキャスタータイプのモデルです。
ヘリテイジウッドネックによる艶やかでニュアンスの出やすいサウンドが特徴で、あらゆるジャンルにマッチします。
エフェクターのノリも良く、ポップスやギターロック、カッティングなど、多彩なプレイスタイルに対応できる万能性が高く評価されています。
HS-TV (テレキャスタイプ):歪みのノリが良くロック向け
HS-TVは、テレキャスタータイプのモデルです。
シンプルな構造とメイプル指板による、立ち上がりが早くコシのあるサウンドが持ち味です。
特に歪ませた時のサウンドは心地よく、前に出やすいキャラクターのため、ギターロックなどには最適です。
エフェクターやアンプを選ぶ楽しみも広がる一本として人気があります。
HS-LS (レスポールタイプ):音抜けの良い現代的なサウンド
HS-LSは、レスポールタイプのモデルです。
国産ならではの精巧な作りで、USA製の無骨さとはまた違った魅力を持ちます。
サウンドは、モコモコ感を排したスッキリと音抜けの良いハムバッカーサウンドが特徴です。
コイルタップ機能も搭載しており、パワフルなハードロックから繊細なジャズ、シングルコイル風の軽快なサウンドまでカバーできる、まさに「万能型ハムバッカーギター」です。
HISTORYを愛用するアーティストはいる?あいみょんも使っていた?

プロも認める品質:公式サイトで紹介されているアーティスト一覧
ヒストリーは、プロのミュージシャンやアーティストにも愛用者が多数存在します。
島村楽器の公式サイトでは、ギタリストの宮脇俊郎氏をはじめ、様々なジャンルで活躍するアーティストが使用していることが紹介されています。
現場で様々なギターに触れるプロが選ぶという事実は、ヒストリーの品質が本物であることの証明といえるでしょう。
あいみょんが使用したモデルはアコギの「NT-301」とその評判
シンガーソングライターのあいみょんさんが、デビュー初期にヒストリーのギターを使用していたことは有名です。
彼女が愛用していたのは、エレキギターではなくアコースティックギターの「NT-301」というモデルです。
あいみょんさんは、その音色に一目惚れして購入を決めたと語っており、このエピソードによってヒストリーブランドの知名度と信頼性は大きく向上しました。
まとめ:ヒストリーギターの評判を多角的に分析
最初の1本にこそ質の良いものを。初心者におすすめな理由
これからギターを始める初心者にとって、ヒストリーは非常におすすめできる選択肢です。
弾きやすく、音程も正確で、作りもしっかりしているため、練習のモチベーションを維持しやすくなります。
最初に質の高いギターを⼿にすることで、上達のスピードが早まり、ギターの楽しさをより深く感じられるはずです。
2本目・サブギターを探す中〜上級者にとっての魅力と注意点
すでにギターを所有している中〜上級者にとっても、ヒストリーは魅力的な存在です。
現在持っているギターとは違うタイプのモデル(ストラトタイプに対するレスポールタイプなど)を、高品質かつ手頃な価格でラインナップに加えることができます。
また、ネックの安定性が高いため、ライブやレコーディングで安心して使えるサブギターとしても非常に優秀です。
ブランドイメージを気にせず、純粋に品質で選ぶなら「最高の選択肢」
最終的に、ヒストリーギターは「ブランドイメージを気にしないのであれば、非常に優れたギター」であると言えます。
一部のネガティブな評判は、その品質よりもブランドの成り立ちやイメージに起因するものがほとんどです。
純粋に楽器としての性能、つまり「作りの良さ」「音の良さ」「弾きやすさ」を重視するならば、同価格帯の他のブランドと比較しても、ヒストリーは最高の選択肢の一つになるでしょう。
- ヒストリーは島村楽器の高品質なプライベートブランドである
- 良い評判はフジゲン製造による確かな品質とコストパフォーマンスに由来する
- 悪い評判は「ダサい」といったブランドイメージや販売戦略が原因である
- 上位モデルには「ヘリテイジウッド」という希少なヴィンテージ材が使用される
- フジゲン独自のC.F.S.技術によりピッチの正確性と演奏性が高い
- 出荷前の全数検品とプロによるセットアップが行われ安心感がある
- サウンドは癖がなく、あらゆるジャンルに対応できる万能性が特徴
- HSシリーズ(スタンダード)、CZシリーズ(高コスパ)など複数のラインナップが存在する
- あいみょんが使用したのはアコースティックギターの「NT-301」である
- ブランドイメージを気にしなければ、品質で選ぶなら最高の選択肢の一つ