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Ibanez AZ2402を徹底レビュー!評判やPrestigeとの違いも解説

Ibanezの「AZシリーズ」は、新世代のギタリストに向けたスタンダードモデルとして、登場以来絶大な人気を誇っています。

その中でも日本製Prestigeラインに位置する「AZ2402」は、卓越した演奏性と多彩なサウンドバリエーションで多くのギタリストから高い評価を得ています。

しかし、一方で「ネックが太いのでは?」「クリーントーンが作りにくい?」といった評判や、下位グレードであるPremiumシリーズとの具体的な違いについて、気になる方も多いのではないでしょうか。

この記事では、Ibanez AZ2402について、基本的なスペックから実際のサウンド、演奏性に関する詳細なレビュー、そしてPrestigeとPremiumの違いまで、あらゆる情報を網羅的に解説します。

購入を検討している方はもちろん、AZシリーズに興味があるすべての方にとって、有益な情報となるはずです。

目次

Ibanez AZ2402とは?まず知りたい基本スペックと特徴を解説

どんなコンセプトのギター?新世代のスタンダードモデル「AZシリーズ」

Ibanez AZシリーズは、「AからZまで」つまり、あらゆるジャンルやプレイスタイルに対応できる新世代のスタンダードモデルを目指して開発されました。

従来のIbanezが持つテクニカルなイメージを踏襲しつつも、よりヴィンテージライクなフィーリングやサウンドの多様性を取り入れているのが特徴です。

特定のジャンルに特化するのではなく、ギタリストの表現力を最大限に引き出すための「万能なツール」であることが、AZシリーズの核となるコンセプトと言えるでしょう。

ボディ材(アルダー)とカラーバリエーション(GRMモデルなど)

AZ2402のボディ材には、クセが少なく中音域に特徴のある「アルダー」が採用されています。

これにより、バランスの取れたサウンドを実現しています。

カラーバリエーションも豊富で、定番の「Tri-fade Burst Flat (TFF)」や「Ice Blue Metallic (ICM)」に加え、スポットモデルとして重厚感のある「Gray Metallic (GRM)」などもラインナップされており、プレイヤーの好みに合わせて選ぶことが可能です。

ボディは人間工学に基づいて設計されたコンター加工が施され、立奏時・座位時を問わず高いフィット感を得られます。

S-TECH WOODローステッドメイプルネックとステンレスフレット

ネックと指板には、Ibanez独自の窒素加熱処理技術「S-TECH WOOD」が施されたローステッドメイプルが使用されています。

この処理により、ネックの剛性や形状安定性、耐水性が向上し、温度や湿度の変化に強いという大きなメリットがあります。

ネックシェイプは、Ibanezの従来の極薄ネックとは異なり、適度な厚みを持つ「AZ Oval C」シェイプを採用。

フレットには、耐久性が高くスムーズな弾き心地のステンレスフレットが採用されています。

Seymour Duncan製Hyperionピックアップとdyna-MIX 10スイッチ

ピックアップには、Seymour Duncan社と共同開発されたAZ専用の「Hyperion」ハムバッカーが2基搭載されています。

出力を抑えめに設計することで、ピッキングのニュアンスを忠実に再現し、クリーンからディストーションまでバランスの取れたサウンドを出力します。

さらに、ミニスイッチ(Alter Switch)と5ウェイセレクターを組み合わせた「dyna-MIX 10 switching system」により、合計10種類ものサウンドバリエーションを切り替え可能です。

特に、ハムバッカーの片方のコイルをタップしつつ、もう片方の低音域を活かす「Power Tapモード」は、リアルなシングルコイルサウンドを実現します。

GOTOH製T1802トレモロブリッジとハードウェア

ブリッジには、GOTOH製の「T1802」シンクロナイズドトレモロブリッジを搭載。

硬質なチタン製サドルとスチール製イナーシャブロックの組み合わせにより、優れた音の立ち上がりと豊かなサステインを両立しています。

ペグには、チューニングの安定性に定評のあるGOTOH製のロック式ペグ「Magnum Lock」が採用されており、弦交換が容易な点も魅力です。

サイドポジションマークには蓄光素材の「Luminlay」が使われており、暗いステージ上での視認性も確保されています。

【実機レビュー】Ibanez AZ2402のサウンドと演奏性を徹底検証

実際のサウンドは?ブライトでアンサンブルに埋もれにくいトーン

Ibanez AZ2402のサウンドは、アルダーボディとチタンサドルの影響か、全体的にブライトで明瞭なキャラクターを持っています。

特に歪ませた際の音の粒立ちが良く、ロック系のリフやソロにおいて、アンサンブルの中でも埋もれにくい存在感を発揮します。

搭載されているHyperionピックアップは、出力を抑えめにしているため、ピッキングの強弱に素直に反応し、プレイヤーのニュアンスを表現しやすいのが特徴です。

10通りの音が出せるAlterスイッチの使い勝手と音作りのコツ

dyna-MIX 10スイッチングシステムは、AZ2402のサウンドバリエーションを飛躍的に高める機能です。

ハムバッカーサウンドはもちろん、Power Tapモードによるリアルなシングルコイル風サウンドまで、1本で多彩な音作りが可能です。

ただし、HHレイアウトのAZ2402でフロントのシングル風サウンドとリアのハムバッカーサウンドを瞬時に切り替えるには、ピックアップセレクターとAlterスイッチの両方を操作する必要があり、ライブでの素早い切り替えには慣れが必要かもしれません。

クリーントーンは作りにくい?AZ-Nシリーズとの比較

AZ2402は歪ませたサウンドに定評がある一方、一部のレビューでは「クリーントーンの音作りの幅が狭い」という意見も見られます。

これは、ボディの鳴りやHyperionピックアップの特性上、中低音がやや控えめであることに起因する可能性があります。

もし、より豊かで幅の広いクリーントーンを重視する場合は、2021年に登場した「AZ-Nシリーズ」を検討するのも一つの選択肢です。

AZ-Nシリーズは、ローズウッド指板を採用するなど、よりウォームで豊かなクリーントーンをコンセプトに設計されています。

巷で言われる「ネックは太い」は本当?RGシリーズとの比較

Ibanezといえば極薄の「Wizardネック」のイメージが強いですが、AZシリーズの「AZ Oval C」シェイプはそれとは一線を画し、しっかりとした厚みを持っています。

そのため、RGシリーズに慣れているプレイヤーからは「ネックが太い」と感じられることがあります。

しかし、これは決して弾きにくいという意味ではなく、むしろ適度な厚みが握り込みやすく、シェイクハンドでのチョーキングやビブラート時に安定感をもたらすという評価が多いです。

一般的なCシェイプに近いため、多くのギタリストにとって馴染みやすいネックと言えるでしょう。

ハイポジションの演奏性とボディのフィット感

AZ2402のネックジョイント部には、Ibanez独自の「Super All Access Neck Joint」が採用されています。

ボディとの接合部が滑らかな球面状に加工されており、ハイポジションでもストレスなくスムーズなフィンガリングが可能です。

また、人間工学に基づいて設計されたボディコンターと深めのカッタウェイにより、ギターを構えた際のフィット感は抜群で、長時間の演奏でも疲れにくい設計になっています。

ブリッジはベタ付け?フローティング?チューニングの安定性は?

AZ2402に搭載されているGOTOH製T1802ブリッジは、アームアップ・ダウンが可能な2点支持のフローティングセッティングが標準です。

もちろん、好みに応じてスプリングの本数を調整し、アームダウンのみ可能な「ベタ付け」に近いセッティングにすることも可能です。

GOTOH製のロック式ペグと、スタッドロック機構を備えたブリッジにより、アーミング時のチューニングの安定性は非常に高いと評価されています。

【徹底比較】PrestigeとPremiumモデルは何が違う?価格差の価値は?

生産国(日本製 vs インドネシア製)と仕上げの品質の違い

Ibanez AZシリーズには、日本製の「Prestige」とインドネシア製の「Premium」という2つのグレードが存在します。

AZ2402はPrestigeに属します。

両者の最も大きな違いは生産国であり、それが品質にも影響を与えています。

一般的に、日本製のPrestigeモデルの方が、フレットの端処理やネックのセットアップといった細部の仕上げがより丁寧で、工場出荷段階での完成度が高いと評価されています。

ネック材(S-TECH WOOD)とフレット処理の違い

ネック材にも違いがあります。

Prestigeモデルのネックには、前述の通り窒素加熱処理が施された「S-TECH WOOD」ローステッドメイプルが使用されています。

一方、Premiumモデルもローステッドメイプルネックですが、S-TECH WOODではありません。

S-TECH WOODは、より高い形状安定性や耐久性を誇り、環境の変化に強いとされています。

ただし、個体差によってはPrestigeモデルでもネックが動く可能性はゼロではないため、過度な期待は禁物という意見もあります。

ブリッジのサドル(チタン vs スチール)がサウンドに与える影響

搭載されているブリッジも、グレードによって仕様が異なります。

グレードモデルサドル材質
PrestigeT1802チタン
PremiumT1502スチール

Prestigeに搭載されているT1802ブリッジのチタンサドルは、サウンドに大きな影響を与えます。

チタンは硬質で軽量なため、音の立ち上がりが速く、よりブライトで高音域の伸びが良いサウンドになる傾向があります。

これが、Prestigeモデルのサウンドが「アンサンブルで埋もれにくい」と評される一因と考えられます。

ナットの材質(牛骨 vs Graph Tech)の違い

ナットの材質も、PrestigeとPremiumで異なります。

Prestigeモデルには「牛骨ナット」が、Premiumモデルには「Graph Tech TUSQ XLナット」が採用されています。

牛骨ナットは、自然な響きと豊かなサステインが特徴で、伝統的に高級モデルに採用されてきました。

一方、Graph Techナットも自己潤滑性に優れ、チューニングの安定性に貢献する高品質なパーツです。

結論:約10万円の価格差はどこにある?どっちを選ぶべき?

PrestigeとPremiumの価格差は、おおよそ10万円前後です。

この価格差は、主に「生産国(人件費や品質管理)」「ネック材の加工(S-TECH WOOD)」「パーツの材質(チタンサドル、牛骨ナット)」といった要素から生まれています。

基本的な演奏性やピックアップの仕様は共通しているため、Premiumシリーズのコストパフォーマンスの高さは非常に魅力的です。

しかし、よりブライトで抜けの良いサウンド、細部の仕上げの丁寧さ、そして所有欲を満たす「日本製」という付加価値を求めるのであれば、Prestigeモデルを選ぶ価値は十分にあると言えるでしょう。

Ibanez AZ2402の価格相ばと中古市場での賢い買い方

新品の価格はどれくらい?販売店の情報

Ibanez AZ2402の新品価格は、販売店にもよりますが、おおよそ20万円台前半から中盤で取引されています。

日本製Prestigeモデルとしての品質を考慮すれば、コストパフォーマンスは非常に高いと言えます。

島村楽器やイケベ楽器などの大手楽器店で取り扱いがあり、試奏することも可能です。

中古の価格相場と購入時の注意点

中古市場では、AZ2402は16万円台から20万円前後で取引されることが多いようです。

状態の良い個体を安価に入手できる可能性があるため、中古での購入も有効な選択肢です。

ただし、中古で購入する際は、ネックの状態(反りやねじれ、ハイ起き)やフレットの減り具合を特に注意深くチェックすることが重要です。

可能であれば、実際に試奏してコンディションを確認することをおすすめします。

付属品(ハードケースなど)の内容は?

Ibanez AZ2402を新品で購入すると、持ち運びや保管に安心な高品質な専用ハードケースが付属します。

その他、アームや調整用の工具なども同梱されており、購入後すぐに演奏を楽しむことができます。

中古品の場合は、これらの付属品が揃っているかも確認しておくと良いでしょう。

Ibanez AZ2402の評判・口コミまとめ

良い評判:「弾きやすい」「サウンドが万能」「見た目が良い」

Ibanez AZ2402は、多くのユーザーから高い評価を得ています。

特に、「ネックの握り心地が良く、ハイポジションまで非常に弾きやすい」「Alterスイッチのおかげで、1本で様々なジャンルに対応できるサウンドが出せる」「ローステッドメイプルの質感やデザインが美しい」といった点が、良い評判として多く挙げられています。

悪い評判:「クリーントーンが微妙」「ネックが動く個体も?」

一方で、いくつかの懸念点も指摘されています。

最も多いのが「クリーントーンの音作りの幅が狭い」という意見です。

また、「S-TECH WOODネックでも、個体によっては反りやハイ起きが発生することがある」というレビューも見られます。

これらはギターの個体差やセッティングにも左右されるため、購入前には試奏して自身の好みに合うかを確認することが大切です。

どんなギタリストにおすすめ?向いているジャンルは?

Ibanez AZ2402は、その万能性から幅広いギタリストにおすすめできるモデルです。

特に、ロック、フュージョン、ポップスなど、クリーンからハイゲインまで多彩なサウンドを1本でカバーしたいギタリストに最適です。

また、テクニカルなプレイを多用するプレイヤーにとっても、その卓越した演奏性は大きな武器となるでしょう。

逆に、ヴィンテージライクな枯れたクリーントーンや、極端なヘヴィサウンドのみを追求する場合には、他の選択肢の方が適している可能性もあります。

まとめ:ibanez az2402 レビュー 解説の完全ガイド

  • AZ2402はあらゆるジャンルに対応するIbanezの新世代スタンダードモデル
  • S-TECH WOODローステッドメイプルネックは環境変化に強く安定性が高い
  • ネックはRGシリーズより厚いが、多くのプレイヤーにとって握りやすいと評判
  • HyperionピックアップとAlterスイッチで10通りの多彩なサウンドメイクが可能
  • サウンドはブライトで抜けが良く、特にロック系の歪みと相性が良い
  • PrestigeとPremiumの主な違いは生産国、ネック材、パーツの材質にある
  • Prestigeのチタンサドルは、よりブライトなサウンドに貢献する
  • 新品価格は約20万円台、中古なら10万円台後半から入手可能
  • クリーントーンの幅が狭い、ネックが動く個体がある、という懸念点も存在する
  • 1本で様々なジャンルをこなしたい、テクニカルなギタリストに特におすすめ
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