「ベースの音粒を揃えたいけど、コンプ特有のペチャッとした不自然な音になるのは避けたい」
「ライブでもレコーディングでも信頼できる本格的なコンプレッサーが欲しいけど、どれを選べばいいのか分からない」——そんな悩みを抱えるベーシストは少なくないでしょう。
Jim Dunlop(MXR)のM87 Bass Compressorは、スタジオ用ラックマウント機に匹敵する精密なコントロールをコンパクトなペダルに凝縮し、プロ・アマ問わず長年にわたり高い支持を集め続けている定番モデルです。
この記事では、M87の特徴・詳細スペック・メリット・デメリット、そして実際のユーザーから寄せられているリアルな評判を徹底的に掘り下げます。
読み終えるころには、この一台があなたのペダルボードに必要かどうか、確信を持って判断できるはずです。
Jim Dunlop Bass Compressor M87の特徴・概要
スタジオグレードのコンプレッションをペダルサイズに凝縮
M87 Bass Compressorの最大の特徴は、レコーディングスタジオで使用されるラックマウント・コンプレッサーと同等のコントロール体系を、MXR標準サイズのコンパクトな筐体に収めている点です。
Attack、Release、Ratio、Input(スレッショルド相当)、Outputという5つの独立したパラメーターを搭載しており、コンプレッションの挙動をきわめて細かくコントロールできます。
一般的なベース用コンプレッサーペダルでは、操作を簡略化するために2〜3ノブ構成に留めている製品が多い中、M87はプロのエンジニアが求めるパラメーターをフルに装備しています。
これにより、「ほんのわずかにピークを抑えるだけの透明な補正」から「20:1のレシオで壁のように音を潰すリミッティング」まで、一台で幅広い用途に対応できるのです。
内部回路にはConstant Headroom Technology(CHT)が採用されており、ヘッドルームに余裕を持たせることでクリーンで歪みのない圧縮を実現しています。
ホットな出力を持つアクティブベースを接続しても、入力段でクリップすることなく安定した動作が得られる設計です。
視覚的にコンプの効きがわかるLEDゲインリダクションメーター
M87のもう一つの際立った特徴が、本体上面に搭載された10セグメントのLEDゲインリダクションメーターです。
緑、オレンジ、赤のLEDがリアルタイムでゲインリダクション量を表示し、コンプレッションがどの程度かかっているかを一目で把握できます。
コンプレッサーというエフェクターは「耳で聴いても効果が分かりにくい」と言われることが多く、特に初めてコンプを導入するプレイヤーにとっては、自分の設定が正しく機能しているのか不安になりがちです。
M87のLEDメーターはその不安を解消してくれる存在であり、AttackやReleaseの設定変更がどのようにコンプの挙動に影響するかを視覚的に学ぶことができます。
ステージ上の暗い環境でも視認しやすく、ライブ中のセッティング確認にも役立ちます。
なお、LEDの光が眩しすぎると感じる場合は、裏蓋を外して内部の小型スイッチを切り替えることでメーターをオフにすることも可能です。
ジャンルを問わない汎用性——軽い補正からリミッターまで対応
M87は特定のジャンルやプレイスタイルに特化したペダルではなく、あらゆる場面で活用できる汎用性の高さが魅力です。
Ratioは4:1、8:1、12:1、20:1の4段階から選択でき、用途に応じた使い分けが可能です。
たとえば4:1の設定では、指弾きのダイナミクスを自然に整えながら原音の表情を残す「常時ON」の音色補正として機能します。
一方、20:1に設定すればスラップ奏法の激しい音量差を強力に抑え込むリミッターとして働きます。
ワーシップ音楽のような繊細なサウンドから、ファンクやロックのアグレッシブなプレイまで、Ratioとその他のパラメーターの組み合わせ次第で対応力は非常に広いものがあります。
また、InputとOutputが独立しているため、出力の異なる複数のベースを持ち替えて使う場面でも、Inputノブの調整だけでコンプレッションの効き具合を素早く最適化できます。
「ライブでパッシブのプレシジョンベースとアクティブのジャズベースを曲ごとに持ち替える」といったシチュエーションでも、柔軟に対応できる点は見逃せません。
Jim Dunlop Bass Compressor M87のスペック・仕様
基本スペック・コントロール構成
M87の基本仕様をまとめると以下のとおりです。
コントロールは5つのノブと1つのRatioセレクターで構成されており、一般的なコンパクトペダルの中ではかなり充実した操作系を備えています。
コントロール構成は、Input(入力ゲイン/スレッショルド相当)、Output(出力ゲイン/メイクアップゲイン)、Attack(圧縮開始時間:20μs〜800μs)、Release(圧縮解放時間:50ms〜1.1s)、Ratio(圧縮比セレクター:4:1 / 8:1 / 12:1 / 20:1)の5パラメーターです。
ここで注目すべきは、独立したスレッショルド(Threshold)ノブが存在しない点です。
M87ではInputノブがその役割を兼ねており、入力ゲインを上げることで固定のスレッショルドを超えさせ、コンプレッションを発動させる仕組みになっています。
この設計は名機UREI 1176の操作思想を踏襲したもので、コンプレッサーの扱いに慣れたプレイヤーにとっては直感的に操作できる構成です。
入出力・電源・筐体の仕様
入出力および電源に関する主な仕様として、入力インピーダンスは1MΩ、出力インピーダンスは600Ω、最大入力レベルは+14dBVとなっています。
周波数応答は20Hz〜20kHzをカバーしており、ベースの低域から倍音成分の高域まで余すことなく通過させます。
ノイズフロアは-90dBVと非常に低く、静粛性の高さは数値でも裏付けられています。
電源は9VDC(センターマイナス)で、消費電流は最大19mA(LED点灯時)です。
消費電力が小さいため、マルチ電源ユニットでの運用においても他のペダルへの影響を心配する必要がほとんどありません。
9V電池での駆動も可能ですが、バッテリー交換時には裏蓋を外す必要があります。
バイパス方式はトゥルーハードワイヤーバイパスを採用しており、エフェクトOFF時に信号が一切回路を経由しないため、音質劣化の心配がありません。
筐体はMXR標準のダイキャスト・メタルケースで、約350g前後の重量に収まるコンパクトな設計です。
入出力ジャックおよびDC電源ジャックはすべて側面に配置されています。
競合モデルとのスペック比較(BOSS BC-1X / Empress / Cali76)
M87の立ち位置をより明確にするために、主要な競合モデルとの比較を見てみましょう。
BOSS BC-1Xはマルチバンド方式のデジタルコンプレッサーで、インテリジェントな自動処理により、ノブが少なくても高品質な結果が得られるのが強みです。
ただし、パラメーターを自分で追い込みたいプレイヤーには物足りなさを感じることがあります。
価格帯はM87とほぼ同等です。
Origin Effects Cali76は、まさに1176コンプレッサーの忠実な再現を目指したペダルで、独特の「スナップ感」と音楽的な色付けが高く評価されています。
HPFやクリーンブレンドを備えたモデルもあり、機能面ではM87を上回りますが、価格は約2倍以上です。
Empress Bass Compressorは、HPF、クリーンブレンド、サイドチェイン機能など、M87にはない機能を豊富に備えた多機能モデルです。
価格はCali76よりやや安いものの、M87と比較すると100〜150ドルほど高くなります。
M87は、これらの競合と比べると機能面ではシンプルですが、スタジオライクなコントロール体系、視認性の高いLEDメーター、そして圧倒的なコストパフォーマンスにおいて独自のポジションを確立しています。
「必要十分な機能を、手の届く価格で」という選択肢として、非常に合理的なモデルです。
Jim Dunlop Bass Compressor M87のおすすめポイント
原音を損なわない透明なコンプレッション
M87を語る上で最も多くのユーザーが一致して称賛するのが、その透明性です。
コンプレッサー特有の「音が潰れる」「ペチャッとする」「高域が削られる」といったネガティブな変化がきわめて少なく、原音のキャラクターをそのまま保ちながら音の粒立ちだけを整えてくれます。
この透明性は、20Hz〜20kHzという広帯域な周波数応答と-90dBVの低ノイズフロアによって裏付けられています。
ベースの太い低域も、弦の擦れる繊細な高域も、等しく通過させながらダイナミクスだけをコントロールする——これがM87の本領です。
「コンプをONにしていることに気づかない。
でもOFFにした瞬間に違いが分かる」——これは多くのユーザーが口を揃える表現であり、M87の透明なコンプレッションの本質を端的に言い表しています。
原音を大切にしたいプレイヤーにとって、この特性は何よりも心強いものです。
Input/Output独立コントロールによるパッシブ・アクティブ両対応
ベーシストの多くは、曲やジャンルに応じて異なるベースを使い分けます。
パッシブピックアップの楽器とアクティブピックアップの楽器では出力レベルが大きく異なるため、コンプレッサーの設定をそのまま流用できないことが悩みの種になりがちです。
M87ではInputノブとOutputノブが独立しているため、ベースを持ち替えた際にもInputノブを調整するだけでコンプレッションの効き具合を最適化できます。
さらに、内部基板上にはアクティブベース用のゲイン切り替えスイッチが搭載されており、ホットな出力を持つ楽器にも対応可能です。
この設計の恩恵は、複数のベースを使うプレイヤーに限りません。
Outputノブを使ってエフェクトON時とバイパス時の音量差をなくすことで、シームレスなON/OFF切り替えが実現します。
また、コンプレッションを軽めに設定しつつOutputを少し上げればクリーンブースターとしても機能するなど、柔軟な運用が可能です。
価格対性能で群を抜くコストパフォーマンス
ベース用コンプレッサーの市場において、M87は約31,900円(国内参考価格)、米国では約190ドル前後で販売されています。
この価格帯で、5パラメーターのフルコントロール、LEDゲインリダクションメーター、トゥルーバイパス、Constant Headroom Technologyを備えたペダルは他にほとんど見当たりません。
Origin Effects Cali76が400ドル以上、Empress Bass Compressorが300ドル前後であることを考えると、M87は半額以下の投資でスタジオグレードのコンプレッションを手に入れられる計算です。
もちろん、上位機種にはHPFやクリーンブレンドといった追加機能がありますが、「純粋なコンプレッション品質」において、M87は価格差を感じさせないレベルに達しているというのが多くのユーザーの共通認識です。
プロの現場で実際に使用されている実績も豊富で、PAエンジニアからの評価も高いことから、「プロ用機材が必ずしも高価である必要はない」ことをM87は体現していると言えるでしょう。
Jim Dunlop Bass Compressor M87の注意点・デメリット
Inputノブの過敏さとAttack可変幅の狭さ
M87の操作で最も注意が必要なのがInputノブの感度です。
このノブは実質的にスレッショルドの役割を担っているため、コンプレッションの効き具合を根本的に左右します。
特に1時〜2時付近ではわずかな回転で効果が劇的に変化するため、「効いていないか、効きすぎるかの両極端になりやすい」という声が少なくありません。
ライブ中に微調整を試みたものの、ちょうどよいポイントを見つけられなかったという体験談もあり、スイートスポットを見つけたらマーカーなどでノブに印をつけておくことが実用的な対策として推奨されています。
また、Attackノブの可変幅が20μs〜800μsと比較的狭い点も把握しておくべきです。
これは「速いアタック」から「やや速いアタック」までの範囲であり、遅いアタック設定でトランジェント(弦を弾いた瞬間のアタック音)をしっかり通したいプレイヤーにとっては、十分なレンジとは言えません。
スラップ奏法でアタックのパンチ感を前面に出したい場合や、指弾きの自然な立ち上がりを重視する場合には、事前に試奏して自分の好みに合うかを確認しておくことをおすすめします。
HPF・クリーンブレンド非搭載による低域の扱いにくさ
M87に搭載されていない機能として、HPF(ハイパスフィルター)とクリーンブレンドが挙げられます。
この2つの機能は、上位価格帯のCali76 CBやEmpress Bass Compressorには搭載されており、M87との明確な差別化ポイントになっています。
HPFが搭載されていないことで、ベースの極低域がそのままコンプレッサーの検出回路に入力されます。
特にダウンチューニングや5弦ベースを使用する場合、低域の大きなエネルギーがコンプを過度に反応させ、不自然なポンピング(音の揺れ)を引き起こすことがあります。
この問題に対しては、M87の前段にHPFペダルを接続して低域をフィルタリングする方法が有効であり、実際にそのような運用を行っているユーザーも存在します。
クリーンブレンドがないことは、「原音の芯を残しつつ圧縮感を加えたい」というニーズに対してやや不便です。
もっとも、M87自体が非常に透明なコンプレッサーであるため、適切に設定すれば原音感の喪失はかなり抑えられます。
しかし、原音ミックスの柔軟性を重視するプレイヤーにとっては、この点が購入の判断材料になり得るでしょう。
電源ジャック配置とフットスイッチのクリック音
実際の使用環境で気になるポイントとして、DC電源ジャックの配置が挙げられます。
M87ではDCジャックがINPUTジャックのすぐ隣に配置されており、L字型プラグを使用する場合にはINPUTケーブルの下をくぐらせる必要があります。
ペダルボード上でのケーブル取り回しにやや工夫が求められる設計です。
フットスイッチは機械式のトゥルーバイパススイッチで、踏み込み時にカチッというクリック音が発生します。
近年はサイレントスイッチを採用するペダルも増えているため、静かなステージ環境やレコーディングの場面では、このクリック音が気になるケースもあるかもしれません。
さらに、少数ではあるものの耐久性に関する不満の声も確認されています。
数年間の使用後に突然動作しなくなったという報告が複数存在しており、またRatioセレクターのノブが容易に外れてしまうという指摘もあります。
全体としては堅牢な筐体で長寿命の製品ですが、こうした個体差やパーツの経年劣化のリスクは頭に入れておくべきでしょう。
Jim Dunlop Bass Compressor M87の評判・口コミ
ユーザーが評価するおすすめな点
M87に対するユーザー評価で最も多く聞かれるのは、「透明で自然なコンプレッション」への称賛です。
「原音の質感をそのまま保ちながら音の粒を揃えてくれる」「コンプ臭さがなく、ON/OFFの切り替えで音色が変わらない」という声が圧倒的に多く、トランスペアレント系コンプレッサーとしての評価は非常に高いものがあります。
LEDゲインリダクションメーターに対する支持も根強く、「このメーターのおかげでコンプレッサーの仕組みを初めて理解できた」「セッティングに迷ったときに視覚的な手がかりがあるのは心強い」といった声が寄せられています。
コンプ初心者の学習ツールとしても、経験者の精密な追い込みツールとしても、メーターは高い実用価値を発揮しているようです。
ノイズの少なさも多くのユーザーが一致して評価するポイントで、「今まで使ったコンプの中で最もノイズレス」「サスティンを深くかけてもヒスノイズがほとんど聞こえない」という報告が目立ちます。
PAエンジニアから「扱いやすい信号を送ってくれる」と褒められたという声も複数あり、ライブの現場での信頼性の高さがうかがえます。
長期使用者からは「4年以上メインボードに入れているが全く問題ない」「もし1台だけペダルを選べと言われたらこれを選ぶ」という声もあり、一度導入すると手放せなくなる満足度の高さが伝わってきます。
購入前に確認すべき注意点
一方で、M87に対する不満の声もいくつかのパターンに集約されます。
最も多いのはInputノブの扱いにくさに関するもので、「ちょうどよいポイントが見つからず、効かないか効きすぎるかの二択になる」「ライブ中にFOHエンジニアと一緒に調整したが、結局うまくいかなかった」という体験談があります。
光学式(Opto)コンプレッサーのスムーズな効き方に慣れているプレイヤーにとっては、M87のVCA方式の挙動に違和感を覚えることがあるようです。
スラップ奏法との相性については慎重に検討すべきという声もあります。
高音の連続プルでVCAが過剰にクランプダウンし、一瞬音が途切れるという報告があり、スラップを多用するプレイヤーは購入前の試奏が強く推奨されます。
HPFとクリーンブレンドの非搭載については、「この価格帯なら仕方ない」と理解を示すユーザーがいる一方、「結局これが理由でCali76やEmpressに乗り換えた」という声も一定数存在します。
特にダウンチューニングや5弦ベースを常用するプレイヤーは、低域のポンピング対策としてHPFの有無を重視する傾向があります。
こんなベーシストに向いている・向いていない
ここまでの情報を総合すると、M87が特に向いているのは以下のようなプレイヤーです。
原音の質感を最大限に活かしたいナチュラル志向のベーシスト、コンプレッサーのパラメーターを自分で追い込みたい経験者や学びたい意欲のある初心者、複数のベースを使い分けるライブプレイヤー、そしてプロ品質のコンプを手頃な予算で導入したいプレイヤーです。
ジャンルとしてはワーシップ、ジャズ、ポップス、ブルース、カントリーなど、クリーントーンを基調とするスタイルとの相性が特に良いと言えます。
一方、M87がやや不向きなのは、スラップを主体とするファンキーなスタイルでアタックの「パキッ」とした質感を最重視するプレイヤー、光学式コンプレッサーの滑らかでミュージカルな圧縮感を好むプレイヤー、HPFやクリーンブレンドの機能を必須と考えるプレイヤー、そしてノブを回さずにすぐ使える「プラグアンドプレイ」の手軽さを求めるプレイヤーです。
自分のプレイスタイルと求めるサウンドがM87の得意領域と一致するかどうか、この点が購入判断の最も重要な基準になるでしょう。
まとめ:Jim Dunlop Bass Compressor M87
総合評価——「見えるコンプ」がもたらす安心感と実力
M87 Bass Compressorは、「透明性」「操作性」「コストパフォーマンス」の三拍子が揃った、ベース用コンプレッサーの定番と呼ぶにふさわしいペダルです。
LEDゲインリダクションメーターによって「見える化」されたコンプレッションは、初心者には学びを、経験者には確信を与えてくれます。
派手な個性やマジカルな音色変化を求めるペダルではありませんが、原音を尊重しながら確実に仕事をこなす実直さこそが、長年プロの現場で信頼され続けている理由です。
購入判断のポイント——あなたに合うコンプレッサーか見極めるために
本記事の内容を踏まえ、M87の総合評価と購入判断のポイントを以下にまとめます。
- 原音の透明性を保ったまま音粒を揃えるナチュラル系コンプレッサーの代表格である
- Attack / Release / Ratio / Input / Outputの5パラメーターにより、スタジオ機器並みの精密な調整が可能である
- 10セグメントLEDゲインリダクションメーターが、セッティングの追い込みと効果の確認を強力にサポートする
- ノイズフロア-90dBVの静粛性により、常時ONの運用でもノイズの心配がほとんどない
- InputとOutput独立コントロールにより、パッシブ・アクティブベースの両方にシームレスに対応できる
- 約31,900円(国内参考価格)という価格で、この機能と品質を実現しているコストパフォーマンスは秀逸である
- Inputノブの感度が高く、スイートスポットの発見には慣れと丁寧な調整が必要である
- HPF・クリーンブレンドは非搭載のため、ダウンチューニングや5弦ベースの低域処理には別途対策が求められる
- Attackの可変幅が狭めなため、スラップ主体のプレイヤーは事前の試奏を強く推奨する
- 「とりあえず繋げば良い音になる」タイプのペダルではなく、コンプレッサーの基本を理解し自分で追い込む意志のあるプレイヤーにこそ真価を発揮する一台である
M87は万人向けの「簡単コンプ」ではありません。
しかし、コンプレッサーと正面から向き合い、自分の音を自分の手で磨き上げたいベーシストにとっては、この価格帯で最も信頼できるパートナーになり得る存在です。
あなたのペダルボードに「プロの基準」を加える一歩として、M87は間違いなく検討に値するペダルでしょう。

