「ワウペダルが欲しいけれど、種類が多すぎてどれを選べばいいかわからない」
「定番のCryBabyシリーズの中でも、通常モデルとClassicモデルは何が違うのか知りたい」——そんな悩みを抱えているギタリストは少なくないでしょう。
Jim Dunlop CRYBABY CLASSIC WAH WAH GCB-95Fは、1960年代のオリジナルCryBabyの音色を現代に蘇らせたモデルとして、ロックやブルースを愛するプレイヤーから根強い支持を集めています。
この記事では、GCB-95Fの特徴やスペック、実際の使用感に基づくおすすめポイントと注意点、そしてユーザーのリアルな口コミまでを徹底的に解説します。
購入を迷っている方が、自分に合ったワウペダルかどうかを判断できる内容になっていますので、ぜひ最後までお読みください。
Jim Dunlop CRYBABY CLASSIC WAH WAH GCB-95Fの特徴・概要
Faselインダクターが生む”本物の”ヴィンテージワウサウンド
GCB-95F最大の特徴は、イタリア製Fasel赤インダクターを搭載している点です。
1960年代、Eric ClaptonやJimi Hendrix、Buddy Guyといった伝説的ギタリストたちが愛用した初期のワウペダルには、このFasel社のインダクターが使われていました。
長年にわたって入手困難とされてきたこの部品をDunlop社が確保し、回路に組み込んだのがGCB-95Fです。
インダクターはワウペダルの音色を左右する心臓部ともいえるパーツです。
部品点数が少ないワウペダルの回路において、ひとつのパーツが全体のサウンドキャラクターに与える影響は非常に大きく、Faselインダクターが生み出す「ヴォーカルライクなスウィープ」と「豊かなハーモニクス」は、他のインダクターでは得られない独特の質感を持っています。
GCB-95Fのサウンドを一言で表現するなら、「温かみがあり、中低域に厚みのある太いワウ」です。
高音域がキンキンと鳴るタイプではなく、ギターのおいしい帯域をじっくりと強調するような、品のあるヴィンテージトーンが特徴です。
通常モデルGCB-95との違いとは?
CryBabyシリーズの中で最も広く普及しているのが通常モデルのGCB-95ですが、GCB-95Fとはいくつかの明確な違いがあります。
まずサウンド面では、GCB-95Fは周波数の中心がGCB-95よりも低く設定されています。
GCB-95が比較的ブライトで高域寄りのワウサウンドを持つのに対し、GCB-95Fはローミッドに重心を置いた太くマイルドな音色です。
同一環境で両者を切り替えて比較すると、その違いは明確に聴き取ることができます。
回路設計にも違いがあります。
GCB-95Fは単にFaselインダクターを載せ替えただけではなく、よりヴィンテージライクなサウンドに仕上げるために基板デザインそのものを新たに設計し直しています。
インダクターが同じであっても周辺回路が異なれば音は変わるため、GCB-95Fはトータルとしてヴィンテージワウの再現を目指したチューニングが施されているわけです。
さらに、GCB-95Fはトゥルーバイパス方式を採用しています。
エフェクトOFF時に信号経路から完全に切り離されるため、バイパス音への影響が最小限に抑えられます。
この点は音質にこだわるギタリストにとって大きなアドバンテージといえるでしょう。
どんなギタリストに向いているのか
GCB-95Fは、特にロックやブルースを演奏するギタリストに強くおすすめできるモデルです。
クランチ〜オーバードライブ設定のアンプと組み合わせた際の相性が抜群で、パワーコードでのリフワークに筋肉質な存在感を、レガートソロには艶やかなヴォーカル感を加えてくれます。
Cream時代のClaptonサウンドやHendrixのワウトーンを目指す方にとっては、まさに「あの音」に最も近づけるペダルのひとつです。
一方で、高域のキレを活かしたファンキーなカッティングを主体とするプレイヤーや、幅広い音作りのためにパラメーター調整機能を求める方には、別のモデルの方が適している場合もあります。
GCB-95Fは「シンプルに最高のヴィンテージワウサウンドを出す」ことに特化したペダルであり、その潔い設計思想が魅力でもあり、用途を選ぶ部分でもあります。
Jim Dunlop CRYBABY CLASSIC WAH WAH GCB-95Fのスペック・仕様
基本スペックと外観・サイズ
GCB-95Fの外観は、CryBabyシリーズ共通のオールブラックの金属筐体に白いロゴという、シンプルかつ精悍なデザインです。
前面には「Classic」の文字が刻まれており、背面には「FASEL」のロゴが配されています。
見た目こそ通常のCryBabyとほぼ同一ですが、これらの刻印がClassicモデルである証です。
寸法は102 × 64 × 280mm(幅×高さ×奥行き)、重量は約1.7kgです。
ワウペダルとしては標準的なサイズですが、ペダルボード上では相応のスペースを必要とします。
筐体はダイキャスト製で非常に頑丈な作りになっており、ライブやスタジオでのハードな使用にも十分耐える堅牢性を備えています。
回路設計・バイパス方式の詳細
回路の核となるのは、前述のイタリア製Fasel赤インダクターです。
ポテンショメーターには100kΩのものが採用されており、これはオリジナルのCryBabyと同じ値です。
この仕様により、滑らかでグラデュアルなスウィープレンジが得られ、ペダル操作に対するレスポンスが精密になっています。
バイパス方式はトゥルーバイパス(ハードワイヤーバイパス)です。
エフェクトOFF時には信号が回路を一切通らないため、ペダルボードに組み込んだ際の音質劣化を気にする必要がありません。
Dunlop社はバイパス方式を5種類にカテゴリー分けしていますが、GCB-95Fはその中で最もシンプルかつピュアなトゥルーバイパスに分類されます。
なお、GCB-95FにはON/OFFを示すLEDインジケーターは搭載されていません。
これは後述するデメリットのひとつでもありますが、回路のシンプルさを優先した設計上の判断といえます。
電源仕様と対応アクセサリー
電源は、9V電池(006P型)またはDCアダプター(2.1mmセンターマイナス)の2種類に対応しています。
裏蓋を開けて電池を交換する方式で、電池蓋が設けられているためアクセスは容易です。
ライブなどで安定した電源供給を求める場合は、Dunlop ECB03などの対応ACアダプターの使用が推奨されます。
一般的なエフェクター用のパワーサプライからも問題なく駆動できるため、既存のペダルボードへの組み込みもスムーズです。
Jim Dunlop CRYBABY CLASSIC WAH WAH GCB-95Fのおすすめポイント
中低域の太さと歪みサウンドとの抜群の相性
GCB-95Fの最も魅力的なポイントは、中低域に重心を置いた太く力強いワウサウンドです。
通常のGCB-95が比較的ブライトで高域が目立つのに対し、GCB-95Fはギターの「おいしい帯域」であるローミッド〜ミッドレンジをしっかりと強調してくれます。
この特性は、歪みサウンドとの相性において圧倒的な威力を発揮します。
クランチ設定のアンプにGCB-95Fを組み合わせると、パワーコードのリフには筋肉質で攻撃的な存在感が加わり、レガートソロには人の声のようなエモーショナルな表現力が生まれます。
ハムバッカーを搭載したギターとゲインチャンネルの組み合わせでは、とりわけその真価が発揮されるとされており、「ロックのリードギターのために生まれてきたワウ」と形容しても過言ではありません。
5〜6弦を使ったヘヴィなリフワークでも音が潰れずにしっかりとワウがかかるため、ダウンチューニングを多用するプレイヤーにも心強いペダルです。
トゥルーバイパスによる音痩せの少なさ
ワウペダルを選ぶ際に多くのギタリストが気にするのが、エフェクトOFF時の音痩せ問題です。
非トゥルーバイパスのワウペダルでは、エフェクトを使っていない状態でも信号が回路内を通過するため、高域の減衰やトーンの変化が生じることがあります。
GCB-95Fはトゥルーバイパス方式を採用しているため、OFF時には信号が完全にバイパスされ、原音への影響がほぼありません。
この特性は、ペダルボードに複数のエフェクターを組み込んでいるギタリストにとって特に重要です。
VOXのワウペダルなど非トゥルーバイパスのモデルと比較した場合、バイパス音のクリアさにおいてGCB-95Fに軍配が上がるという評価が多く見られます。
以前のワウペダルで音痩せに悩んでいた方にとって、乗り換えの大きな動機になるポイントです。
半止めワウとしても優秀なスムーズなスウィープ
GCB-95Fのもうひとつの強みは、ペダルのスウィープが非常に滑らかである点です。
VOXのワウペダルが「ンキャッ」と素早く変化する印象なのに対し、GCB-95Fは「ワ〜〜〜ウ」とゆったりと低域から高域へ変化していきます。
この特性により、ワウの途中の「おいしい周波数帯」をじっくり探ることができ、いわゆる「半止めワウ」としての使い方にも非常に適しています。
半止めワウとは、ペダルを特定の位置で固定して、トーンフィルターのように音色を調整するテクニックです。
Michael Schenkerのようにペダルを中間位置に設定して鋭いミッドレンジブーストを得るスタイルや、ギターソロ時にペダルで微妙な音色調整を行うスタイルとの相性が抜群です。
ペダルの反応が繊細で、わずかな足の動きにも正確に応答してくれるため、表現力の幅が大きく広がります。
Jim Dunlop CRYBABY CLASSIC WAH WAH GCB-95Fの注意点・デメリット
LEDインジケーター非搭載でON/OFF視認が困難
GCB-95Fの最大の弱点として挙げられるのが、ON/OFF状態を示すLEDインジケーターが搭載されていないことです。
薄暗いステージ上では、ペダルが現在ONなのかOFFなのかを足の感覚だけで判断しなければなりません。
リハーサルや自宅練習では大きな問題にならないかもしれませんが、ライブパフォーマンスでは致命的な不便さにつながる場合があります。
実際に、この問題を解消するためにLEDを後付けするモディファイを行うユーザーも多く、LED増設の手順を解説するコンテンツも複数存在しています。
ただし、改造を行うと保証が無効になる可能性があるため、購入時にこの仕様を許容できるかどうかは事前に検討しておくべきでしょう。
ファンク・カッティング用途ではキレ不足を感じる可能性
GCB-95Fの中低域の太さは、ロックやブルースでは大きな武器ですが、ファンクやカッティング主体の演奏ではデメリットに転じることがあります。
シャキッとしたキレのある「チャカチャカ」としたファンキーなワウサウンドを求める場合、GCB-95Fの太くマイルドなキャラクターでは物足りなさを感じる可能性があります。
ファンク用途であれば、より高域寄りでブライトなGCB-95(通常モデル)やVOX V847の方が適しているという声は少なくありません。
また、GCB-95Fはスウィープの可変幅が通常モデルよりもやや狭く感じるという意見もあり、高音域をギャンギャンと鳴らすようなワイドレンジの使い方には向いていない側面があります。
GCB-95Fは「ロック向きのワウ」と割り切って選ぶのが賢明です。
ポットのガリ・メンテナンスの必要性
長期間使用していると、ポテンショメーター(ボリュームポット)にガリ(スクラッチノイズ)が発生するという報告があります。
これはワウペダル全般に共通する宿命的な問題ではありますが、GCB-95Fでも例外ではなく、数ヶ月おきに接点復活剤(DeoxIT等)を塗布するメンテナンスが必要になるケースがあるようです。
また、ごく少数ではあるものの、購入直後からポットにスクラッチノイズが発生していたという事例や、フットスイッチの動作が不安定になったという報告もあります。
個体差の問題である可能性が高いですが、初期不良の可能性を考慮して、信頼できる販売店での購入と保証内容の確認をおすすめします。
筐体自体は非常に頑丈で、本体が壊れるような心配はまずありませんが、消耗品であるポットについては定期的なケアを前提として使うのが良いでしょう。
Jim Dunlop CRYBABY CLASSIC WAH WAH GCB-95Fの評判・口コミ
ユーザーが評価するおすすめな点
GCB-95Fに対するユーザー評価は全体的に非常に高く、主要なレビューサイトでは平均4.5〜5.0という高水準のスコアを獲得しています。
最も多くのユーザーが称賛するのは、やはりそのサウンドの質です。
「35年以上ワウを使ってきたが、これが最も本格的なクラシックワウ」「Hendrix、Cream時代のClapton、Shaftの音がそのまま出る」「太くてヴォーカルライクで、音を薄くしない」といった声が多く、特にヴィンテージロックのトーンを求めるギタリストからの満足度が際立っています。
操作面では「箱出しですぐに完璧なサウンドが出る」「ノブやスイッチで調整する必要がなく、シンプルに踏むだけ」というシンプルさが好評です。
多機能なワウペダルで音作りに時間を取られるのが嫌だというユーザーからは、「プラグインして1秒で”あの音”が出る」という手軽さが高く評価されています。
コストパフォーマンスへの言及も目立ちます。
ブティック系ワウペダルの数分の一の価格でありながら、ヴィンテージトーンの再現性においては勝るとも劣らないという評価が多く、「この価格でこの性能は文句なし」「ブティック系をいろいろ試したが、結局このペダルに戻ってきた」という長年のギタリストの声は、GCB-95Fの実力を物語っています。
さらに、トゥルーバイパスの恩恵を実感するユーザーも多く、「以前のワウで気になっていた音痩せがなくなった」「エフェクトOFF時の音が圧倒的にクリア」という声が寄せられています。
購入前に確認すべき注意点
高評価の一方で、購入前に認識しておくべきポイントも複数報告されています。
最も頻繁に言及されるのはLED非搭載の問題です。
「ステージでON/OFFがわからず困る」「なぜこの時代にLEDを付けないのか理解できない」という率直な不満は根強く、この一点で星をひとつ減らすユーザーもいます。
サウンドの方向性に関しては、「ファンキーなカッティングには太すぎる」「高音域のシャープさが足りない」「スウィープ幅が狭く感じる」という声があります。
また、VOXのワウペダルやJen製ヴィンテージワウと比較して「クリーンで使った場合の切れ味ではVOXに劣る」「Jenのようなシャープさは再現できていない」という評価もあり、GCB-95Fは万能型ではなくロック・ブルース特化型であることが改めて確認できます。
エフェクトON時にわずかな音量ブーストがかかるという指摘もあります。
通常の使用ではむしろプラスに働く場合が多いですが、ファズペダルをワウの後段に接続した際に入力オーバー気味になるケースが報告されており、ペダルの接続順序には注意が必要です。
他のワウペダル(GCB-95・VOX V847)との比較での評判
GCB-95Fの購入を検討する際、最も頻繁に比較対象となるのがGCB-95(通常モデル)とVOX V847です。
GCB-95との比較では、「GCB-95Fの方が明らかに太くマイルド」「中低域の存在感が別次元」という評価が一般的です。
ただし「通常のGCB-95の方がレンジが広く、ファンクからロックまで汎用的に使える」という見方もあり、用途に応じた選び分けが推奨されています。
なお、現行のGCB-95にもFasel赤インダクターが搭載されていますが、周辺回路の設計が異なるため、両者のサウンドキャラクターは明確に異なります。
VOX V847との比較では、「クリーンで上品なワウが欲しいならVOX、ダーティーで太いワウが欲しいならGCB-95F」という棲み分けが広く支持されています。
VOXは高域寄りで反応が鋭く、GCB-95Fは低域に重心があり変化が滑らかです。
「Jimi HendrixはVOXのワウ、Cream時代のClaptonはCryBabyのワウ」というキャラクターの違いは、多くのユーザーが体感的に納得しているようです。
両方の個性を理解した上で、自分の演奏スタイルに合ったモデルを選ぶのが最善の選択といえるでしょう。
まとめ:Jim Dunlop CRYBABY CLASSIC WAH WAH GCB-95F
総合評価:ロック・ブルース志向なら第一候補の王道ワウ
Jim Dunlop CRYBABY CLASSIC WAH WAH GCB-95Fは、ヴィンテージワウサウンドの再現という明確な目標に対して、極めて高い完成度で応えているペダルです。
派手な多機能性やモダンな利便性よりも、「最高の音を最もシンプルな形で届ける」という設計思想が貫かれており、その潔さこそがこのペダル最大の魅力といえます。
- Faselインダクター搭載により、1960年代のオリジナルCryBabyに迫るヴィンテージワウサウンドを再現している
- 中低域に重心を置いた太くマイルドなサウンドキャラクターで、歪みとの相性が抜群に良い
- トゥルーバイパス採用により、エフェクトOFF時の音痩せが極めて少ない
- スウィープが滑らかで、半止めワウやトーンフィルター的な使い方にも優れている
- ダイキャスト製の堅牢な筐体で耐久性が高く、ライブでも安心して使用できる
- 9V電池とDCアダプターの両方に対応し、電源の柔軟性が高い
- LEDインジケーター非搭載のため、ステージ上でのON/OFF視認が難しい点は要注意
- ファンクやカッティング用途には音の太さがキレ不足に感じられる場合がある
- ポテンショメーターのガリが発生する可能性があり、定期的なメンテナンスを想定しておくべき
- 主要レビューサイトで平均4.5〜5.0の高評価を獲得しており、特にロック・ブルース志向のギタリストからの満足度は極めて高い
こんな人に買ってほしい/こんな人は別モデルを検討すべき
GCB-95Fは、クラシックロックやブルースのワウサウンドを求めるギタリスト、歪みサウンドとワウを組み合わせた太いリードトーンが欲しい方、シンプルに「踏んだらすぐに最高の音が出る」ペダルが欲しい方に自信をもっておすすめできます。
ヴィンテージワウの名機と比較しても遜色のないサウンドを、手の届きやすい価格で手に入れられる貴重なモデルです。
一方で、ファンキーなカッティングで高域のキレを重視する方、幅広い音色調整機能を求める方、ステージでのLED視認性を重視する方は、GCB-95(通常モデル)やVOX V847、あるいは調整機能の豊富な上位モデルも併せて検討してみてください。
自分の演奏スタイルと求めるサウンドの方向性が合致するなら、GCB-95Fはきっと長く愛用できる相棒になるはずです。

