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マルチエフェクターのつなぎ方!インプットとリターン挿しの違いを解説

マルチエフェクターを手に入れたものの、スタジオのアンプにつなぐと「自宅でヘッドホンで聴いていた音と全然違う」と戸惑うことはありませんか。

実は、マルチエフェクターには大きく分けて2種類のつなぎ方が存在し、どちらを選ぶかによって出てくるサウンドのクオリティが劇的に変化します。

この記事では、マルチエフェクターのポテンシャルを最大限に引き出すための正しいつなぎ方と設定方法を、初心者の方にもわかりやすく解説します。

スタジオの大型アンプでも、自宅で作った理想のサウンドをそのまま再現できるようになりましょう。

目次

マルチエフェクターのつなぎ方は主に2種類!インプット挿しとリターン挿しの違い

マルチエフェクターをギターアンプに接続する方法は、大きく分けて「インプット挿し」と「リターン挿し」の2つがあります。

それぞれの特徴を理解し、自分の機材や目的に合った方法を選ぶことが、良い音作りへの第一歩です。

【基本】インプット挿しとは?(アンプの前面につなぐ方法)

インプット挿しとは、ギターアンプの前面にある「INPUT(インプット)」端子にシールドを接続する、最も一般的な方法です。

ギターからコンパクトエフェクターをつなぐのと同じ感覚で接続できるため、初心者の方でも迷わずにセッティングできるのが特徴です。

この方法は、スタジオにあるアンプ(JC-120やマーシャルなど)自体のキャラクターを活かしたい場合に適しています。

例えば、アンプ側で歪みやクリーンサウンドを作り、マルチエフェクターは空間系(ディレイやリバーブ)やモジュレーション(コーラスなど)のエフェクトのみを足すといった使い方が一般的です。

【推奨】リターン挿しとは?(アンプの背面につなぐ方法)

リターン挿しとは、ギターアンプの背面にある「RETURN(リターン)」端子に接続する方法です。

この方法の最大の特徴は、アンプの「プリアンプ(音色を作る回路)」を通らずに、直接「パワーアンプ(音を増幅する回路)」に信号を送れる点にあります。

近年のマルチエフェクターは、高性能なアンプシミュレーターを内蔵しているものがほとんどです。

リターン挿しをすることで、スタジオのアンプの個性に邪魔されることなく、マルチエフェクター内部で作ったアンプの音をそのままスピーカーから出力することが可能になります。

どっちがいいの?自分のスタイルに合わせた接続方法の選び方

結論から言うと、マルチエフェクターのアンプシミュレーター機能を使うなら「リターン挿し」、使わないなら「インプット挿し」がおすすめです。

もしあなたが、マルチエフェクター内で「フェンダーアンプの音」や「メサ・ブギーの音」を作り込んでいるのであれば、リターン挿しを選んでください。

インプット挿しをしてしまうと、マルチエフェクターで作ったアンプの音に、さらにスタジオのアンプの回路を通すことになり、音がこもったり意図しない歪みが加わったりする「二重アンプ状態」になるからです。

逆に、スタジオのアンプの音が好きで、マルチエフェクターはあくまで足元のエフェクターボードとして使いたい場合は、インプット挿しが正解となります。

【インプット挿し】アンプのInputにつなぐ手順と必須設定

ここでは、アンプの前面(Input)につなぐ場合の正しい手順と、音質を損なわないための重要な設定について解説します。

特に「音の抜けが悪い」と感じている方は、設定を見直すだけで劇的に改善する可能性があります。

ギター・マルチ・アンプの正しい接続順序(シールドをつなぐ流れ)

機材を破損させないためにも、正しい順序で接続を行いましょう。

まず、ギターの出力ジャックからシールドを伸ばし、マルチエフェクターの「INPUT」端子に接続します。

次に、マルチエフェクターの「OUTPUT(L/MONO)」端子から別のシールドを伸ばし、ギターアンプの「INPUT(LowまたはHigh)」端子に接続してください。

最後にアンプの電源を入れますが、この時必ずアンプとマルチエフェクター双方のボリュームがゼロになっていることを確認してから電源をオンにすることが重要です。

音が悪い原因はこれ!「アウトプットセレクト(出力設定)」を必ず合わせよう

インプット挿しをする場合、マルチエフェクター側で「アウトプットセレクト(Output Select)」という設定を必ず変更してください。

多くのマルチエフェクターは、接続する機器に合わせて出力する音質を自動補正する機能を持っています。

例えば、JC-120につなぐなら「JC-120」、マーシャルのようなスタックアンプなら「STACK AMP」、小型アンプなら「SMALL AMP」といった項目を選択します。

この設定が「LINE/PHONES(ヘッドホン用)」のままになっていると、高域が耳に刺さるような音や、逆にモコモコした音になりやすいため注意が必要です。

インプット挿しの場合、アンプシミュレーターとキャビネットはOFFにするべき?

インプット挿しをする場合は、原則としてマルチエフェクター内部の「アンプシミュレーター」と「キャビネットシミュレーター」はOFFにすることをおすすめします。

前述の通り、これらをONにしたままアンプのインプットにつなぐと、プリアンプが二重にかかった状態になり、音が濁る原因になります。

ただし、あえて「エフェクターとしての歪み」としてアンプシミュレーターを使いたい場合は、キャビネットシミュレーターだけをOFFにすると、比較的自然なサウンドが得られることもあります。

基本的には、アンプ側でクリーントーンを作り、マルチエフェクターは歪みエフェクターや空間系エフェクターとして機能させるのがセオリーです。

【リターン挿し】スタジオのアンプで良い音を出すための「センドリターン」活用術

リターン挿しは、マルチエフェクターで作った「理想の音」をスタジオやライブハウスで再現するための最強の方法です。

ここでは、代表的なスタジオ常設アンプであるRoland JC-120とMarshallアンプへの具体的な接続手順を解説します。

なぜリターン挿し(Return)だと音が良くなるのか?(プリアンプのバイパス)

リターン挿しを行うと、ギターアンプに搭載されている「プリアンプ部(TREBLE、MIDDLE、BASSなどのつまみがある部分)」をスキップできます。

通常、アンプのインプットに接続すると、そのアンプ特有のイコライジングや色付けが強制的に加わってしまいます。

しかしリターン端子はパワーアンプ(音を増幅するだけの回路)に直結しているため、アンプによる余計な色付けを極力排除できます。

これにより、マルチエフェクター内部で緻密に作り込んだアンプモデルのサウンドを、そのままスピーカーから出力できるようになるのです。

Roland JC-120(ジャズコ)へのリターン挿しのやり方とループスイッチ設定

スタジオの定番アンプ、JC-120の背面を見てみましょう。

背面に「RETURN」と書かれた端子(L/MONO)がありますので、ここにマルチエフェクターのOUTPUTからのシールドを接続します。

次に、近くにある「LOOP」スイッチを確認し、「SERIES(シリーズ/直列)」に設定してください。

さらに「LEVEL」スイッチがある場合は、「+4dBm」に設定するのが一般的ですが、音が小さいと感じる場合は「-20dBm」に切り替えて調整します。

この接続をした場合、JC-120前面のつまみは一切効かなくなるため、音量や音質調整はすべてマルチエフェクター側で行います。

Marshall(マーシャル)JCM900/2000へのリターン挿しのやり方と裏側のスイッチ設定

マーシャルアンプの場合も同様に背面の「RETURN」端子を使用します。

JCM900の場合は、「RETURN」端子に接続した後、その近くにある「LOOP LEVEL」というつまみを回して音量を調整する必要がある場合があります。

JCM2000の場合は、背面にある「LOOP LEVEL」スイッチを押し込んで「+4dB」に設定するのが基本です。

マーシャルの場合、リターン挿しをしても前面の「PRESENCE(プレゼンス)」や「RESONANCE(レゾナンス)」といった超高域・低域のつまみは機能することが多いため、最終的な出音の微調整に活用できます。

リターン挿しで「音が出ない・小さい」時の対処法(LOOP MIXとレベル調整)

リターン挿しをしたのに音が出ない、または極端に音が小さい場合、アンプ側の「LOOP MIX(ループミックス)」や「FX MIX」というつまみが原因であることが多いです。

一部のアンプでは、センドリターンの信号と原音のバランスを調整するつまみがついており、これが「DRY(原音)」側になっているとリターンの音が聞こえません。

このつまみを「WET(エフェクト音)」または最大まで回すことで、リターンに入力された音が正常に出力されるようになります。

また、マルチエフェクター自体の出力レベルが低すぎる可能性もあるため、本体のマスターボリュームも確認しましょう。

マルチエフェクター内部のエフェクトをつなぐ順番(接続順)のセオリー

マルチエフェクターでは、画面上で自由にエフェクターの順番を入れ替えることができます。

正しい順番でつなぐことは、ノイズを減らし、各エフェクトの効果を正しく発揮させるために不可欠です。

基本的な接続順序(ダイナミクス→歪み→モジュレーション→空間系)

エフェクターをつなぐ順番には、古くからの「セオリー」があります。

基本的には、ギターに近い側から「ダイナミクス系(コンプレッサー、ワウ)」→「歪み系(オーバードライブ、ディストーション)」→「モジュレーション系(コーラス、フランジャー)」→「空間系(ディレイ、リバーブ)」の順につなぎます。

例えば、歪み系の後にリバーブをつなぐと、綺麗に響いた残響音が得られますが、逆にリバーブの後に歪みをつなぐと、残響音ごと歪んでしまい、ぐしゃぐしゃとしたノイズのような音になってしまいます。

まずはこの基本順序を守り、慣れてきたらあえて順番を変えて独創的なサウンドを狙ってみると良いでしょう。

ワウペダルやボリュームペダルはどこに配置するのが正解?

ワウペダルは、一般的に歪み系エフェクターの「前」に配置します。

歪みの前につなぐことで、ワウのフィルター変化が強調され、エモーショナルなサウンド変化が得られるからです。

ボリュームペダルについては、目的によって配置場所が変わります。

歪みの前に置けば、ペダルを絞ることで「歪みの量(ゲイン)」をコントロールでき、歪みの後に置けば、音色はそのままに「全体の音量」をコントロールすることができます。

マルチエフェクター内のボリュームペダル機能を使う際は、歪みエフェクターの後段、空間系エフェクターの前段に配置するのが扱いやすくおすすめです。

コンパクトエフェクターと併用する場合のつなぎ方(前段か後段か)

お気に入りのコンパクトエフェクターをマルチエフェクターと組み合わせて使う場合も、基本の接続順序の考え方は同じです。

お気に入りの歪みペダルを使いたい場合は、ギターとマルチエフェクターの間に接続(マルチの前段)します。

逆に、お気に入りの空間系ペダルを使いたい場合は、マルチエフェクターの後に接続(マルチの後段)します。

マルチエフェクターに「センドリターン(SEND/RETURN)」端子がついている機種であれば、そのループの中にコンパクトエフェクターを組み込むことで、プリセットごとにオンオフを制御することも可能です。

自宅とスタジオで音が変わる?環境別のつなぎ方と設定のコツ

自宅で完璧に作り込んだはずの音が、スタジオで鳴らすと別物になってしまうのは、再生環境の違いが原因です。

環境に合わせて適切な設定を切り替えることで、常に安定したサウンドを得ることができます。

自宅練習(ヘッドホン・PC/DAW)につなぐ場合の設定

自宅でヘッドホンやモニタースピーカー、あるいはPCのオーディオインターフェースにつなぐ場合は、アウトプットセレクトを「LINE/PHONES」に設定します。

そして重要なのが、「キャビネットシミュレーター」を必ずONにすることです。

ギターアンプのスピーカーを通さないライン接続の場合、キャビネットシミュレーターがないと、ジリジリとした耳障りで薄っぺらい音になってしまいます。

自宅練習では、マイクで拾ったような空気感を再現するためにも、キャビネット設定までこだわって音作りをしましょう。

自宅で作った音がスタジオで「こもる」「抜けない」原因と解決策

スタジオで音がこもる最大の原因は、音量差による「聞こえ方の違い」と「不要な低音」です。

人間の耳は、音量が小さいときは低音と高音が聞こえにくく、音量が大きいときはそれらが強調されて聞こえる特性があります。

自宅の小音量で作ったドンシャリサウンドをスタジオの大音量で鳴らすと、低音が過剰になり、ベースやドラムと被って音が埋もれてしまいます。

また、リバーブのかけすぎも音が奥に引っ込んでしまう原因となるため、スタジオでは自宅の設定よりもエフェクトを薄めに調整するのがコツです。

グローバルEQ(Master EQ)で現場ごとの音質補正をする方法

スタジオごとに個別のプリセットを修正するのは大変手間がかかります。

そこで活用したいのが、多くのマルチエフェクターに搭載されている「グローバルEQ(またはMaster EQ)」機能です。

これは、すべてのプリセットの最終的な出音を一括で補正できるイコライザーです。

スタジオに入ったら、まずこのグローバルEQを使って、こもる場合は低域(Bass)を少し下げ、抜けが悪い場合は中高域(High Mid)を少し上げるなどして調整します。

こうすることで、苦労して作ったプリセットの中身を崩すことなく、その場の環境に合わせた最適なサウンドを作ることができます。

マルチエフェクターのつなぎ方に関するよくある質問(Q&A)

最後に、マルチエフェクターの接続や設定に関して、初心者の方がよく疑問に思うポイントをQ&A形式でまとめました。

音量レベル(レベル合わせ)はどこで調整するのが正解ですか?

基本的には、マルチエフェクターの最終段にある「マスターボリューム」や、パッチごとの「パッチレベル」で調整します。

リターン挿しの場合、アンプ側のマスターボリュームが効かない機種が多いため、マルチエフェクター側での音量管理が必須となります。

いきなり大音量が出ないよう、最初はマルチ側のボリュームを絞った状態で接続し、徐々に上げていくのが安全です。

4ケーブルメソッド(4CM)とはどのようなつなぎ方ですか?

4ケーブルメソッドとは、アンプのプリアンプ部分とマルチエフェクターのエフェクト部分を、4本のシールドを使って完全に統合する高度なつなぎ方です。

これにより、「アンプの歪み」の前段にワウやブースターをかけ、後段(センドリターン)にディレイやリバーブをかけるといった、理想的なルーティングが可能になります。

アンプの歪みとマルチエフェクターの空間系を両立させたい上級者向けの接続方法です。

電源(ACアダプター)を入れる順番と切る順番は?

機材を保護するために、電源を入れる順番は「ギターに近いものから」、切る順番は「スピーカーに近いものから」が鉄則です。

電源を入れる時は、ギター → マルチエフェクター → アンプ の順です。

電源を切る時は、アンプ → マルチエフェクター → ギター(シールド抜く) の順です。

アンプのボリュームが上がった状態でエフェクターの電源を入れると、「ボン!」という大きなノイズが発生し、スピーカーを傷める原因になるため注意しましょう。

まとめ:マルチエフェクターのつなぎ方をマスターして理想の音へ

  • マルチエフェクターのつなぎ方には「インプット挿し」と「リターン挿し」の2種類がある
  • アンプシミュレーターを使うなら、アンプ背面の「リターン挿し」が推奨される
  • インプット挿しをする場合は、マルチ側のアンプシミュレーターをOFFにするのが基本
  • リターン挿しは、アンプのプリアンプを通さないため、マルチで作った音をそのまま出力できる
  • JC-120にリターン挿しをする際は、背面のループスイッチを「SERIES」に設定する
  • 音が出ない時は、アンプ側の「LOOP MIX」つまみやレベルスイッチを確認する
  • エフェクターの接続順は、ダイナミクス→歪み→モジュレーション→空間系がセオリー
  • 自宅とスタジオでは音の聞こえ方が変わるため、グローバルEQでの補正が有効
  • 自宅練習ではキャビネットシミュレーターをON、アンプにつなぐ時はOFF(または調整)にする
  • 正しい電源のオンオフ順序を守り、大切な機材を故障から守る

マルチエフェクターは、つなぎ方ひとつでその性能が大きく変わります。

今回ご紹介した「リターン挿し」や「アウトプットセレクト」の設定を試して、ぜひあなたの理想のギターサウンドをスタジオ中に響かせてください。

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