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NUX 63′ Diamond NRO-6 レビュー解説|7千円で手に入るVOXトーンの実力

「VOX AC30のあのチャイム感が欲しいけど、本物のアンプは高すぎるし重すぎる…」「手持ちのFenderアンプにブリティッシュな味付けを加えたい」——そんな悩みを抱えるギタリストに注目されているのが、NUXの「63′ Diamond NRO-6」です。

約7,000円という手頃な価格ながら、1963年製VOX AC30のトーンを再現するこのペダルは、本当に期待通りのサウンドを出せるのでしょうか。

この記事では、製品スペックから実際のユーザー評価、競合製品との比較まで、購入前に知っておきたい情報を徹底的に解説します。

目次

NUX 63′ Diamond NRO-6の特徴・概要

1963年製VOX AC30をペダルで再現するコンセプト

NUX 63′ Diamond NRO-6は、「Reissue Series」と呼ばれるNUXのビンテージアンプ再現ラインナップの一つです。

その名の通り、1963年製のVOX AC30——ブリティッシュ・インヴェイジョンを象徴する伝説的なアンプのサウンドを、コンパクトなペダルで再現することを目指して開発されました。

ビートルズ、クイーン、ザ・フーなど、数々の伝説的なバンドが愛用したVOX AC30は、その独特のチャイム感と中域の豊かさで知られています。

しかし、実機は重量があり価格も高額で、自宅練習には音量も大きすぎるという問題がありました。

63′ Diamondは、そうしたハードルを取り払い、どんなクリーンアンプにもVOXの風味を加えられるペダルとして設計されています。

VolumeとMasterの2ノブ構成が生む本格的なアンプライクな操作感

本製品の大きな特徴は、実際のAC30と同様に「Volume」と「Master」という2つのノブを搭載している点です。

一般的なオーバードライブペダルでは「Gain」と「Level」という構成が多いですが、63′ Diamondはあえてアンプのコントロール名称を踏襲しています。

Volumeノブはプリアンプ段のゲインを調整し、Masterノブは最終的な出力レベルをコントロールします。

この2つを組み合わせることで、クリーンなブースターサウンドから、クランチ、そしてオーバードライブまで、AC30が持つ音色のグラデーションを再現できる設計となっています。

加えて、「Cut」ノブで高域を調整し、「Top Boost」トグルスイッチでAC30特有のブライトなトーンを呼び出すことが可能です。

Top Boostは、AC30の歴史の中で追加された回路で、よりエッジの効いた高域を得るために多くのギタリストが愛用してきた機能です。

Reissue Seriesとしてのデザイン哲学とビンテージ志向

NUX Reissue Seriesは、クラシックなアンプサウンドをアナログ回路で再現するというコンセプトのもとに展開されています。

63′ Diamondもその哲学に則り、完全アナログ回路を採用。

デジタル処理を介さないことで、弾き手のタッチに対するレスポンスの良さや、自然なコンプレッション感を実現しています。

外観もビンテージ機材を彷彿とさせるデザインで、チキンヘッドノブと呼ばれるクラシックなスタイルのツマミを採用。

フットスイッチが筐体にやや埋め込まれた設計になっており、誤操作を防ぐと同時に、堅牢性も確保されています。

この価格帯のペダルとしては、製造品質と仕上げの良さが際立つ製品と言えるでしょう。

NUX 63′ Diamond NRO-6のスペック・仕様

基本スペックと回路構成

NUX 63′ Diamond NRO-6の核となるのは、完全アナログ回路による信号処理です。

デジタルモデリングを使用せず、アナログ回路のみでVOX AC30のプリアンプ特性を再現しています。

バイパス方式にはトゥルーバイパスを採用。

ペダルをオフにした際、信号はエフェクト回路を通らずに直接出力されるため、原音への影響を最小限に抑えることができます。

これはハードウェアスイッチングによる物理的なバイパスなので、デジタルペダルにありがちなレイテンシーの問題もありません。

入力インピーダンスは1MΩで、ギターのパッシブピックアップを直接接続しても信号の劣化が起きにくい設計です。

出力インピーダンスは1kΩと低めに設定されており、後段のペダルやアンプに安定した信号を送ることができます。

コントロール詳細と各ノブの役割

本製品には4つのコントロールが搭載されています。

「Volume」ノブは、プリアンプ段のゲイン量を調整します。

右に回すほど歪みが増し、AC30を音量で歪ませた時のようなオーバードライブサウンドが得られます。

低めに設定すれば、クリーンブースターやローゲインオーバードライブとしても機能します。

「Master」ノブは、最終的な出力音量をコントロールします。

Volumeで歪み量を決め、Masterで実際の音量を調整するという、本物のアンプと同じ操作体系になっています。

「Cut」ノブは、高域をカットするためのコントロールです。

AC30実機にも搭載されているCutコントロールを再現しており、右に回すほど高域がロールオフされ、温かみのあるサウンドになります。

逆に左に回し切ると、ブライトでエッジの効いたトーンが得られます。

「Top Boost」トグルスイッチは、AC30の象徴的な機能を再現したものです。

スイッチをオン(下向き)にすると、高域がブーストされ、VOX特有のチャイム感やジャングル感が強調されます。

ブリティッシュ・インヴェイジョンのあのサウンドを出したい場合は、このスイッチをオンにするのが基本です。

電源・サイズ・重量などの実用仕様

電源は9V電池(付属)または9V DCアダプター(センターマイナス、別売り)に対応しています。

消費電流は10mA以下と非常に省エネ設計で、電池駆動でも長時間の使用が可能です。

アダプターを使用する場合は、300mA以上の出力を持つものが推奨されています。

本体サイズは121mm(奥行き)× 77mm(幅)× 48mm(高さ)で、標準的なコンパクトエフェクターサイズです。

ペダルボードへの収まりも良く、省スペースで使用できます。

重量は230gと軽量で、持ち運びにも便利です。

日本での発売は2024年10月上旬で、比較的新しい製品です。

国内正規品はARIA(荒井貿易)が輸入代理店として取り扱っています。

NUX 63′ Diamond NRO-6のおすすめポイント

7,000円以下で手に入るVOXトーンの圧倒的コストパフォーマンス

NUX 63′ Diamond NRO-6の最大の魅力は、そのコストパフォーマンスの高さです。

日本国内での販売価格は約6,980円〜7,980円程度で、VOX系サウンドを再現するペダルとしては破格の価格設定となっています。

競合製品と比較すると、その価格優位性は明確です。

同じくVOX AC30サウンドを狙ったJOYO AC Toneが3,000〜5,000円程度、TC Electronic DC30が8,000〜10,000円程度、Vox自身が手がけるValvenergy Mystic Edgeが15,000〜20,000円程度、そしてハイエンドのUA Rubyになると40,000〜50,000円にも達します。

63′ Diamondは、JOYO AC Toneよりもやや高価ですが、多くのユーザーから「よりAC30らしいサウンドが得られる」と評価されています。

特にVOX特有のチャイム感の再現度において、同価格帯では頭一つ抜けた存在と言えるでしょう。

Top Boostスイッチで実現するブリティッシュ・チャイムサウンド

Top Boostスイッチの存在は、63′ Diamondを単なる「安いオーバードライブ」から「AC30を意識した専用ペダル」へと昇華させています。

このスイッチをオンにすることで得られる、キラキラとした高域のチャイム感は、VOXアンプを象徴するサウンドそのものです。

ブリティッシュ・インヴェイジョン期のジャングリーなサウンドから、Brian Mayのような太くも煌びやかなロックトーンまで、Top Boostのオン・オフとCutノブの調整で幅広い音色をカバーできます。

さらに、Cutノブを絞ることで、AC30のノーマルチャンネルに近いウォームなサウンドも作り出せます。

これは、明るい音色のギターとの相性を調整したい場合や、バンドアンサンブルの中で落ち着いたポジションを取りたい場合に重宝する機能です。

幅広いアンプ・ギターとの相性の良さと汎用性

63′ Diamondは、さまざまなアンプやギターとの組み合わせで良好な結果を出せる汎用性の高いペダルです。

特にFender系のクリーンアンプとの相性が良いと評価されています。

Fender Blues Junior、Hot Rod Deluxe、さらにはPeavey Envoy 110のようなソリッドステートアンプでも、「アンプに新しい声を追加できた」という報告が多数あります。

Supro 1624tのようなアメリカンなアンプにブリティッシュな風味を加える使い方も好評です。

ギターについても、シングルコイルとハムバッカーの両方で良好なサウンドが得られます。

TelecasterやStratocasterのシングルコイルではカントリー、インディー、ブルースに最適なトーンが、Les Paulのハムバッカーではクラシックロックやハードロックに適した太いサウンドが得られます。

ブーストペダルとのスタッキングも良好で、十分なヘッドルームを持っています。

NUX Boost Core、MXR GT-OD、NUX Horsemanなど、さまざまなブースターと組み合わせても破綻せず、良質なトーンを維持できます。

NUX 63′ Diamond NRO-6の注意点・デメリット

アンプシミュレーターではなくオーバードライブペダルである点

購入を検討する際に最も重要な注意点は、63′ Diamondは「アンプシミュレーター」ではなく「オーバードライブ/プリアンプペダル」であるということです。

これは、アンプなしでヘッドフォンやPA直結で使用することを想定した製品ではないことを意味します。

本製品の真価を発揮するには、クリーンセッティングのギターアンプと組み合わせて使用することが前提となります。

自宅でのサイレント練習やライブでのアンプレス運用を主目的とする場合は、キャビネットシミュレーター内蔵のStrymon IridiumやUA Ruby、あるいはIRローダーとの併用を検討する必要があります。

JOYO AC Toneのようにキャビネットシミュレーターを内蔵した競合製品もありますが、63′ Diamondにはその機能がありません。

ダイレクトレコーディングに使用する場合は、別途キャビネットシミュレーターやIRローダーを用意する必要があることを念頭に置いてください。

本物のAC30やハイエンドペダルとの音質差

価格相応の限界として、本物のVOX AC30や、高価格帯のブティックペダルと比較した場合の音質差は認識しておく必要があります。

実際のAC30を所有していたユーザーからは「VOXとは違うな、という印象」という率直な意見も聞かれます。

特に、より高価なペダル(Tanabe May Queenなど)と比較すると、「振動感やテクスチャーの豊かさで劣る」「指の下の感触が異なる」といった評価があります。

また、クリーンセッティングのアンプに直接接続した場合、音の弱点が露呈しやすいという指摘もあります。

アンプ側をある程度クランチさせた状態でブースター的に使用した方が、満足度の高い結果が得られるケースもあるようです。

ただし、これらは価格が4〜5倍以上する製品との比較での話です。

7,000円前後という価格を考慮すれば、十分に満足できるクオリティであるという評価が大勢を占めています。

ゲイン幅の制限とBrian Mayサウンド再現の限界

63′ Diamondは、基本的にローゲインからミッドゲインの範囲でのサウンドメイキングを得意としています。

クリーンブースト、クランチ、軽めのオーバードライブは得意ですが、ハイゲインディストーションのような激しい歪みは守備範囲外です。

特に、Brian May(Queen)のような太く歪んだリードサウンドを再現したい場合、63′ Diamond単体では「ゲインが足りない」という声があります。

これは実機のAC30でも同様で、Brian MayはトレブルブースターをAC30の前段に接続することで、あの特徴的なサウンドを作り出していました。

63′ Diamondでも同様に、トレブルブースターや別のオーバードライブをスタッキングすることで、よりアグレッシブなサウンドを作ることは可能です。

NUX 63′ Diamond NRO-6の評判・口コミ

ユーザーが評価するおすすめな点

63′ Diamondに対する肯定的な評価として、最も多く聞かれるのは「VOXのチャイム感を本当に再現している」という声です。

競合のJOYO AC Toneと比較して、「63 DiamondはVOXのチャイム感を正確に再現しており、JOYOは汎用的なオーバードライブに聞こえる」という評価は、多くのユーザーに共通しています。

サウンド面では「低ゲイン設定での満足度が特に高い」「ダイナミクスが良く、弾いていて楽しい」という意見が目立ちます。

16年前に所有していたAC30 CC1を思い出させるサウンドだという感想や、「インスピレーションを与えてくれるペダル」という評価は、音楽的な満足度の高さを示しています。

使い勝手の面では「常時ONのペダルとしても使える」という点が好評です。

クリーントーンでもオンにしておくことで、アンプの基本サウンドにVOXの風味を常に加えることができます。

また、「Blues Driverとのスタッキングも良好」「ベース用オーバードライブとしても優秀」など、幅広い用途での活用報告も見られます。

ビルドクオリティについても「価格に対して製造品質・仕上げは非常に良好」「フットスイッチが埋め込まれた設計が良い」と評価されています。

この価格帯の製品としては、外装・内装ともに高品質だという意見が多数です。

購入前に確認すべき注意点

一方で、注意すべき点として挙げられるのは「実機のAC30とは異なる」という声です。

実際のAC30を所有していた経験を持つユーザーからは、「VOXとは違うなあ、が率直な感想」という意見があります。

ただし、同じユーザーも「ブースターやオーバードライブとして使えば、キンキンしないプレゼンスの効いた滑らかな歪みで良い」と評価しており、使い方次第で満足度が変わることを示唆しています。

「ゲインが足りない」という指摘も見られます。

Brian Mayのようなサウンドを求める場合、トレブルブースターの追加が必要になります。

これは本物のAC30でも同様ですが、63′ Diamond単体では再現できない領域があることは認識しておくべきでしょう。

また、高価格帯のブティックペダルとの比較では「振動感やテクスチャーの豊かさで劣る」という評価があります。

これは価格差を考えれば当然ではありますが、「最高のVOXサウンド」を求める場合は、より上位の製品を検討する必要があるかもしれません。

競合ペダルとの比較で見えてくる立ち位置

VOX AC30系ペダルの中で、63′ Diamondがどのような立ち位置にあるのかを整理します。

最も安価なJOYO AC Tone(3,000〜5,000円)は、Tech 21 Liverpoolのクローンとして知られ、キャビネットシミュレーターを内蔵しています。

価格は63′ Diamondより安いですが、「VOXらしさ」という点では63′ Diamondに軍配が上がるという評価が多いです。

ただし、アンプレス運用にはJOYOの方が向いている場合もあります。

中価格帯のTC Electronic DC30(8,000〜10,000円)やVox Valvenergy Mystic Edge(15,000〜20,000円)は、63′ Diamondより高価ですが、より洗練されたサウンドや追加機能を提供します。

特にMystic Edgeは実際に真空管を搭載しており、アナログの温かみを重視するユーザーに支持されています。

ハイエンドのUA Ruby(40,000〜50,000円)やStrymon Iridium(50,000〜60,000円)は、「究極のデジタルAC30ペダル」として評価されていますが、価格は63′ Diamondの5〜8倍です。

結論として、63′ Diamondは「低価格帯でVOXらしさを最も感じられるペダル」という立ち位置にあります。

予算に制約があり、かつVOXサウンドの本質を味わいたいユーザーにとって、最有力の選択肢と言えるでしょう。

まとめ:NUX 63′ Diamond NRO-6

こんな人におすすめ/おすすめしない人

おすすめな人:

  • 手持ちのクリーンアンプにVOXの風味を加えたい人
  • 低予算でブリティッシュ・チャイムサウンドを手に入れたい人
  • ビートルズやQueenに憧れてVOXトーンを体験したい初心者〜中級者
  • ペダルボードにVOX系オーバードライブを追加したい人
  • シングルコイルギターでインディー、ブルース、カントリーを演奏する人

おすすめしない人:

  • アンプなしでヘッドフォン練習やPA直結を主目的とする人
  • 本物のAC30と同等のサウンドクオリティを求める人
  • ハイゲインディストーションを求める人
  • 最高品質のVOX系ペダルを求め、予
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