「コーラス、フェイザー、フランジャー、ユニバイブ…モジュレーション系エフェクターを一通り揃えたいけど、全部買うと予算も場所も足りない」
「名機と呼ばれるペダルのサウンドを試してみたいけど、ヴィンテージ機材は高すぎる」——そんな悩みを抱えるギタリストは少なくないでしょう。
本記事では、約1万円という価格で8種類のクラシックなモジュレーションエフェクトを1台に凝縮した「NUX Mod Core Deluxe MKII」を徹底レビューします。
実際の使用感、メリット・デメリット、ユーザーからのリアルな評価まで詳しく解説しますので、購入を検討している方はぜひ参考にしてください。
NUX Mod Core Deluxe MKIIの特徴・概要
伝説的モジュレーションペダル8機種を1台に凝縮
NUX Mod Core Deluxe MKIIは、ギター史に名を刻む伝説的なモジュレーションペダルのサウンドを8種類搭載したマルチモジュレーションペダルです。
MXRステレオコーラス、BOSS CE-1、TC Electronic SCF(ステレオコーラスフランジャー)、Dunlop Uni-Vibe、MXR Phase 100といった、プロギタリストが愛用してきた名機のサウンドキャラクターを、NUX独自の「Core-Image」サウンドモデリング技術で再現しています。
1976年に登場し、コーラスエフェクターの原点となったBOSS CE-1の温かみのあるジャズコーラスサウンドから、ジミ・ヘンドリックスのプレイで有名になったUni-Vibeの立体的な揺らぎまで、モジュレーションエフェクトの歴史を1台で体験できる贅沢な仕様となっています。
ゼロから再設計されたMKIIの進化ポイント
本機は初代Mod Core Deluxeの単なるマイナーチェンジではなく、ゼロから完全に再設計されたモデルです。
最大の進化ポイントは、搭載アルゴリズムの刷新です。
初代モデルとは異なるエフェクトセットが採用され、より洗練されたサウンドクオリティを実現しています。
新たにタップテンポ機能が追加され、演奏中にリアルタイムでモジュレーション速度を調整できるようになりました。
50〜200BPMの範囲でテンポを設定でき、楽曲に合わせた正確なタイミングでエフェクトをかけることが可能です。
また、初代モデルで一部のユーザーから指摘されていたバイパス時のノイズ問題も改善されており、より実戦的なペダルへと進化しています。
高度なルーティング機能で自由自在な音作り
Mod Core Deluxe MKIIの大きな特徴として、Send/Returnを備えた高度なシグナルルーティング機能があります。
3ウェイトグルスイッチで「PRE」「POST」「PARALLEL」の3つのモードを切り替えることで、エフェクトループに接続した他のペダルとの組み合わせを柔軟にコントロールできます。
パラレルモードでは、モジュレーション信号とエフェクトループからの信号を並列でミックスすることが可能です。
この際、Tweakノブがブレンドコントロールとして機能し、2つの信号の比率を自在に調整できます。
モノラル出力はもちろん、ステレオ出力にも対応しているため、2台のアンプを使用したワイドなステレオサウンドも実現できます。
NUX Mod Core Deluxe MKIIのスペック・仕様
基本スペックと入出力構成
Mod Core Deluxe MKIIは、コンパクトながら本格的なスペックを備えています。
DSP処理は48kHz/32bitで行われ、A/D・D/A変換は48kHz/24bitを採用しています。
ダイナミックレンジは104dBを確保しており、ノイズを抑えたクリアなサウンドを実現しています。
入力インピーダンスは1MΩ、出力インピーダンスは1kΩで、一般的なギターやエフェクターとの接続に最適化されています。
入力は1系統の1/4インチジャック、出力は3系統の1/4インチジャックを搭載し、通常のモノラル/ステレオ出力に加えてエフェクトループ用のSend/Returnにも対応しています。
搭載エフェクトタイプ一覧
本機に搭載されている8種類のモジュレーションエフェクトは以下の通りです。
ST.CH(ステレオコーラス)はMXRステレオコーラスをベースにしたサウンドで、美しく広がりのあるコーラス効果が得られます。
CE-1は1976年発売のBOSS CE-1を再現し、ジャズアンプのような温かみのあるコーラスサウンドを提供します。
SCFシリーズとして、TC Electronic SCFをベースにしたSCF CHO(コーラス)、SCF FLG(フランジャー)、SCF P.M.(ピッチモジュレーション/ライトコーラス)の3タイプを搭載しています。
U-VIBEシリーズはDunlop Uni-Vibeを再現したもので、U-VIBE CHO(コーラスモード)とU-VIBE VIB(ビブラートモード)の2タイプから選択できます。
PH-100はMXR Phase 100をベースにした4段階の波形切り替えが可能なフェイザーです。
電源・サイズ・重量
電源は9V DCセンターマイナスで、消費電流は120mA以下と非常に省電力です。
一般的なペダル用パワーサプライから問題なく駆動できます。
本体サイズは122mm(長さ)×72mm(幅)×47mm(高さ)で、一般的なコンパクトエフェクターとほぼ同等のフットプリントです。
重量は270gと軽量で、ペダルボードへの組み込みも容易です。
USB-Cポートを搭載しており、将来的なファームウェアアップデートにも対応しています。
これにより、新しいエフェクトの追加や既存エフェクトの改善が期待できる、長く使える設計となっています。
NUX Mod Core Deluxe MKIIのおすすめポイント
圧倒的なコストパフォーマンス
Mod Core Deluxe MKIIの最大の魅力は、約1万円という価格で8種類のモジュレーションエフェクトを手に入れられる圧倒的なコストパフォーマンスです。
本機がモデリングしている名機を個別に揃えようとすると、それぞれ数万円から十数万円の投資が必要になります。
特にヴィンテージのBOSS CE-1やオリジナルのUni-Vibeは、中古市場でもプレミアム価格がついており、気軽に手を出せる価格ではありません。
本機は初心者や予算に限りのあるプレイヤーにとって、様々なモジュレーションサウンドを試すための入門機として最適です。
また、普段はあまり使わないエフェクト(フェイザーやフランジャーなど)をカバーする目的で、サブ機として導入するベテランプレイヤーも多いようです。
アナログドライスルーによる低ノイズ・ゼロレイテンシー
本機の技術的な強みとして、アナログドライスルー機能があります。
これは原音(ドライ信号)をデジタル変換せずにアナログのまま通過させる設計で、デジタルペダルにありがちなレイテンシー(遅延)やデジタル臭さを排除しています。
エフェクト音のみがデジタル処理され、原音と自然にブレンドされるため、ピッキングへの追従性が高く、演奏のダイナミクスを損なうことがありません。
104dBのダイナミックレンジと相まって、低ノイズでクリアなサウンドを実現しています。
MKII版では初代モデルで報告されていたバイパス時のノイズ問題も改善されており、ハイゲインセッティングでも安心して使用できます。
ステレオ対応とエフェクトループで拡張性抜群
ステレオ入出力に対応している点も、この価格帯のペダルとしては大きなアドバンテージです。
2台のアンプを使用したステレオリグを組んでいるプレイヤーにとって、広がりのあるコーラスやフェイザーサウンドを存分に活かすことができます。
さらに、Send/Returnを使ったエフェクトループ機能により、他のペダルとの組み合わせの自由度が大幅に向上しています。
モジュレーションの前後に別のエフェクトを配置したり、パラレルで2系統の信号をミックスしたりと、シンプルな見た目からは想像できない高度なルーティングが可能です。
この拡張性の高さは、システムの成長に合わせて長く使い続けられるポイントとなっています。
NUX Mod Core Deluxe MKIIの注意点・デメリット
初代モデルから削除されたエフェクト
MKII版への進化に伴い、初代Mod Core Deluxeに搭載されていたいくつかのエフェクトが削除されている点には注意が必要です。
具体的には、トレモロ、ロータリー(レズリースピーカーシミュレーション)、パン(左右の音量を交互に振る効果)の3種類が本機には搭載されていません。
初代モデルのロータリーサウンドは「非常にチューイー(濃厚)で印象的」と高い評価を得ていただけに、これらのエフェクトを目当てにしていたユーザーにとっては残念なポイントかもしれません。
トレモロやロータリーが必要な場合は、別途専用ペダルを用意するか、初代モデルの中古を探す必要があります。
フランジャーの評価とサウンドキャラクター
本機に搭載されているSCF FLG(フランジャー)については、「まあまあ」「可もなく不可もなく」といった評価が散見されます。
コーラスやフェイザー、Uni-Vibeのサウンドが高く評価されている一方で、フランジャーに関しては他のエフェクトほど際立った印象がないという意見が多いようです。
また、全体的なサウンドキャラクターについて、「若干人工的」「80年代的なデジタル感がある」と感じるユーザーもいます。
アナログペダル特有の温かみやオーガニックなサウンドを求める場合は、実機を試奏して自分の耳で確認することをおすすめします。
ただし、この「デジタル的なクリアさ」を好むプレイヤーも多く、好みの問題と言えるでしょう。
セットアップ環境による相性の違い
一部のユーザーからは、使用環境によってノイズが気になる場合があるという報告があります。
特にエフェクトループを持たないアンプに直接接続する場合や、オーディオインターフェースに直接録音する場合に、バックグラウンドヒス(ホワイトノイズ)が気になることがあるようです。
ただし、これはデジタルペダル全般に言える傾向であり、ライブ演奏時には会場のアンビエントノイズに紛れて気にならないレベルとの意見もあります。
レコーディング用途で使用する場合は、ノイズゲートとの併用を検討すると良いでしょう。
また、EQ調整なしだと音が細く感じる場合があるため、アンプやミキサー側での音作りが重要になります。
NUX Mod Core Deluxe MKIIの評判・口コミ
ユーザーが評価するおすすめな点
多くのユーザーが最も評価しているのは、やはり価格に対する価値の高さです。
「100ポンド以下で8つのモジュレーションを手に入れられるのは驚異的」「この価格でステレオ対応なのが素晴らしい」といった声が多数寄せられています。
特にコーラスとUni-Vibeのサウンドクオリティについては、価格を超えた完成度だと評価されています。
ビルドクオリティについても、金属製の堅牢な筐体が好評です。
「価格を考えると驚きの品質」「ソフトスイッチの踏み心地が良い」という意見が見られます。
2モードを切り替えるトグルスイッチによって同じエフェクトでも異なるキャラクターを楽しめる点や、T-Lock機能で設定をロックできる点も、ライブでの実用性を高めるポイントとして評価されています。
また、「このペダルで音楽制作への情熱が再燃した」「いじっているだけで楽しい」といった感想も多く、創作意欲を刺激するペダルとしての魅力も持ち合わせています。
以前フルトーン製の高価なユニバイブを手放して後悔していたユーザーが、本機で満足のいくサウンドを得られたという報告もあります。
購入前に確認すべき注意点
購入前に確認すべき点として、本機は「モジュレーション専用ペダル」であり、ディレイやリバーブは搭載されていないことが挙げられます。
空間系エフェクトが必要な場合は、同じCoreシリーズのTime Core Deluxe MKII(ディレイ)やVerb Core Deluxe(リバーブ)との組み合わせを検討する必要があります。
初代モデルとMKIIでは搭載エフェクトが異なるため、中古で購入する際は型番の確認が重要です。
初代モデルにはトレモロとロータリーがあり、MKIIにはタップテンポとエフェクトループがあるという違いがあります。
自分に必要な機能がどちらのモデルに搭載されているかを事前に確認しましょう。
ライブ・実戦での使用レポート
実際にライブで使用しているユーザーからは、高い信頼性が報告されています。
「100回以上のライブで使用しても問題なく動作している」「フライトケースに入れてバンに積み込む過酷な使用にも耐えている」といった実績があります。
週に1〜2回のペースで1年以上使用しても故障せず動作し続けているという報告もあり、耐久性については一定の信頼が置けそうです。
一方で、ごく一部のユーザーからは数ヶ月で故障したという報告もあります。
ただし、同時期に購入した同ブランドの他のペダル(Time Coreなど)は問題なく動作しているケースもあり、個体差やロットの問題である可能性が指摘されています。
心配な場合は、保証のしっかりした正規販売店での購入をおすすめします。
まとめ:NUX Mod Core Deluxe MKIIはこんな人におすすめ
総合評価と他製品との位置づけ
NUX Mod Core Deluxe MKIIは、「多機能・高コスパ・実用的」の三拍子が揃ったマルチモジュレーションペダルです。
約1万円という価格帯で、BOSS、MXR、TC Electronic、Dunlopといった名だたるブランドの名機サウンドを8種類も搭載しているのは、他に類を見ない圧倒的な価値提供と言えます。
競合製品と比較しても、ステレオ対応、エフェクトループ搭載、タップテンポ対応、USB-Cファームウェアアップデート対応と、この価格帯では考えられないほど充実した機能を備えています。
「バジェット/ビギナー向け」というカテゴリに分類されることが多いですが、機能面では中〜上位機種に匹敵するスペックを持っています。
購入判断のポイント
本機の購入をおすすめできるのは、モジュレーション系エフェクターをこれから揃えたい初心者、ペダルボードのスペースを節約したいプレイヤー、様々なモジュレーションサウンドを1台で試したい方、そしてコストを抑えつつ本格的なサウンドを求める方です。
一方、アナログペダル特有の温かみを最重視する方、トレモロやロータリーエフェクトが必須の方、レコーディング用途でノイズに敏感な方は、他の選択肢も検討した方が良いかもしれません。
総合評価まとめ:
- 8種類のクラシックなモジュレーションエフェクトを約1万円で入手可能
- BOSS CE-1、Uni-Vibe、MXR Phase 100など名機のサウンドを再現
- ステレオ入出力対応で広がりのあるサウンドを実現
- Send/Return搭載で高度なルーティングが可能
- タップテンポ機能で楽曲に合わせたテンポ設定が可能
- アナログドライスルーで低ノイズ・ゼロレイテンシーを実現
- USB-Cでファームウェアアップデートに対応し将来性あり
- コーラス、Uni-Vibe、フェイザーのサウンドは特に高評価
- 初代モデルにあったトレモロ・ロータリーは非搭載
- モジュレーション入門機として、またサブ機としても最適な一台

