「いつかはPRSのギターを手に入れたい」と、美しいフォルムやサウンドに憧れを抱いている方も多いのではないでしょうか。
中でも、比較的手に入れやすい価格帯で人気の「SEシリーズ」は、多くのギタリストにとって魅力的な選択肢です。
しかし、「プロのアーティストは実際にSEを使っているの?」「上位モデルと比べてどうなの?」といった疑問を持つ方も少なくありません。
この記事では、「PRS SE 使用アーティスト」というキーワードで検索しているあなたに向けて、PRS SEシリーズを愛用する国内外のアーティストから、モデルの評価、そしてなぜプロに選ばれるのかという理由まで、詳しく解説していきます。
PRS SE Custom 24のような代表的なモデルの魅力や、上位機種との違いも掘り下げていきますので、あなたのギター選びの参考にしてください。
PRS SEを使用する日本人アーティストと海外ギタリスト

日本のPRS公式アーティストとPulseアーティスト
PRSギターは、日本国内でも多くのプロフェッショナルなアーティストに選ばれ、そのサウンドを響かせています。
PRSが公式に認める「オフィシャルアーティスト」には、日本の音楽シーンを牽引するトップギタリストたちが名を連ねています。
例えば、ロックバンド「ONE OK ROCK」のToruさんや、「BAND-MAID」のKANAMIさん、「SPYAIR」のUZさん、「Gacharic Spin」のTOMO-ZOさんなどがその代表格です。
彼らの多様な音楽スタイルの中で、PRSギターが持つ表現力の幅広さや信頼性の高さが証明されています。
また、PRSは次世代の才能を発掘し、支援するための「Pulse Artist Program」を世界規模で展開しています。
これは、今後の活躍が期待されるアーティストをサポートするプログラムで、選ばれたアーティストはPRSから様々なバックアップを受け、世界にその名を発信するチャンスを得ます。
2025年の日本のPulse Artistとしては、以下の7名のギタリストが選出されました。
- Ishiguri (終活クラブ)
- Jien Takahashi (MAJUSTICE / VIOLET ETERNAL)
- Nozoki “CANDY” Taira (Tha pino noir)
- Ao Hoshii
- masato (リールー)
- Min (amagoi)
- wata harikemu
このように、PRSはすでに確固たる地位を築いた公式アーティストだけでなく、これからシーンを創っていくPulse Artistまで、幅広い層の日本人ギタリストをサポートし、日本の音楽文化に貢献しているのです。
有名ギタリストのPRS SEシグネチャーモデル
PRS SEシリーズのクオリティを物語るものとして、世界的に有名なギタリストたちの「シグネチャーモデル」の存在が挙げられます。
シグネチャーモデルとは、特定のアーティストのこだわりやサウンドを再現するために共同開発された特別なモデルのことです。
SEシリーズにも、本家USAモデルに劣らない魅力的なシグネチャーモデルが多数ラインナップされており、多くのファンやギタリストに愛用されています。
その理由は、憧れのアーティストのサウンドやフィーリングを、非常に手頃な価格で体験できる点にあります。
例えば、現代の3大ギタリストの一人とも称されるジョン・メイヤーの「SE Silver Sky」は、USAモデルの設計思想を継承しつつ、多くの人が手に取れる価格を実現しました。
他にも、オルタナティブロックバンド「Creed」や「Alter Bridge」で活躍するマーク・トレモンティの「SE Mark Tremonti」は、彼のパワフルなリフや流麗なリードプレイを支えるヘヴィなサウンドが特徴です。
以下に、代表的なPRS SEシグネチャーモデルをいくつかご紹介します。
アーティスト名 | モデル名 | 主な特徴 |
John Mayer | SE Silver Sky | ヴィンテージテイストのシングルコイルサウンド、独自のネックシェイプ |
Mark Tremonti | SE Mark Tremonti | パワフルなハムバッカー、シングルカッタウェイボディ |
Zach Myers | SE Zach Myers | セミホロウボディ、サテンフィニッシュネック |
Mark Holcomb | SE Mark Holcomb | プログレッシブメタル向け、ドロップチューニング対応、20インチのフラットな指板R |
Carlos Santana | SE Santana | 象徴的なダブルカッタウェイボディ、滑らかなサスティン |
これらのモデルは、単なる廉価版ではありません。
各アーティストが監修に深く関わり、彼らの音楽に不可欠な要素がしっかりと詰め込まれています。
SEシリーズからこれほど多くのシグネチャーモデルが発売されていること自体が、PRS SEがプロの使用にも耐えうる高い品質を持っていることの証と言えるでしょう。
世界が認めるPRSギターというブランド
PRS(Paul Reed Smith)ギターが、なぜこれほどまでに世界中のアーティストから信頼され、多くのギタリストの憧れの的となっているのでしょうか。
その理由は、1985年の創業以来、創業者ポール・リード・スミス氏が一貫して持ち続けてきた品質への徹底したこだわりと、伝統を尊重しつつも常に新しいアイデアを取り入れる革新的な姿勢にあります。
PRSギターの最大の特徴の一つは、その芸術品のような美しいデザインです。
見る角度によって表情を変える杢目(もくめ)が美しい「10Top」と呼ばれる高品質なメイプル材や、指板を彩る鳥の形をした「バードインレイ」は、PRSの象EMBLEMとも言えるでしょう。
この見た目の美しさは、プレイヤーの所有欲を満たし、演奏へのモチベーションを高めてくれます。
もちろん、魅力は外見だけではありません。
サウンドと演奏性においても、一切の妥協がありません。
USAの工場で最高級の木材とパーツを使ってハンドメイドされる「Coreモデル」から、コストパフォーマンスに優れた「SEシリーズ」に至るまで、すべてのギターがPRSの厳しい品質基準のもとで製造されています。
特に近年、インドネシアに新設されたSEシリーズ専用工場では、最新の設備と徹底した品質管理により、安定して高品質なギターが生産されています。
この結果、PRSギターはロック、ブルース、ジャズ、メタル、ポップスといったあらゆる音楽ジャンルに対応できるサウンドの多様性を獲得しました。
カルロス・サンタナのようなレジェンドから、現代のテクニカルなギタリストまで、多種多様なアーティストがPRSを愛用している事実が、その実力を何よりも雄弁に物語っているのです。
初心者からプロまで!PRSギターの評価
PRSギターは、そのラインナップの広さから、ギターを始めたばかりの初心者から、世界のステージで活躍するプロフェッショナルまで、あらゆる層のプレイヤーから高い評価を得ています。
それぞれのレベルやニーズに応じたモデルが用意されているのが、PRSの大きな強みです。
プロからの評価
プロの現場では、何よりも「信頼性」が求められます。
ツアーやレコーディングといった過酷な環境でも、常に安定したパフォーマンスを発揮できなければなりません。
PRSギターは、チューニングの安定性、頑丈な作り、そしてどんなアンプや機材と組み合わせても破綻しないサウンドバランスが高く評価されており、多くのプロがメインギターとして、あるいは信頼できるサブギターとして導入しています。
中級者・アマチュアからの評価
「そろそろ本格的な一本が欲しい」と考える中級者やアマチュアのギタリストにとって、PRSのS2シリーズやSEシリーズは非常に魅力的な選択肢です。
USA製のS2シリーズは、Coreモデルの品質をより手頃な価格で実現した実用的なモデルとして人気があります。
また、SEシリーズは、10万円前後という価格帯でありながら、見た目の美しさ、サウンドの良さ、演奏性の高さから「価格以上の価値がある」と絶大な支持を集めています。
初心者からの評価
「最初のギター選びで失敗したくない」という初心者にとって、PRS SEシリーズは最高の選択肢の一つと言えるでしょう。
「SE」が “Student Edition” の略であることからもわかるように、これからギターを学ぶ人のために設計されています。
握りやすいネック、バランスの良いボディ、そして何より弾いていて楽しくなるような美しい見た目とサウンドが、上達へのモチベーションを強力に後押ししてくれます。
インターネット上のレビューや口コミを見ても、「見た目がとにかく美しい」「クリーンから歪みまで良い音がする」「価格を考えれば非常に弾きやすい」といったポジティブな評価が大多数を占めます。
もちろん、「上位機種に比べるとサウンドの深みに欠ける」といった声もありますが、それは価格差を考えれば当然のことです。
総じて、PRSギターはどのモデルを選んでも高い満足感が得られる、信頼のおけるブランドとして評価されています。
なぜプロもPRS SEを使用?アーティストに選ばれる理由

なぜ「PRS SEで十分」と言われるのか?
「PRS SEで十分」という言葉を、楽器店のレビューやギタリストの会話で耳にすることがあります。
これは決して「妥協の選択」という意味ではなく、SEシリーズがその価格帯において驚くべきクオリティとパフォーマンスを持っていることへの賞賛の言葉です。
では、なぜ多くの人が「SEで十分」と感じるのでしょうか。
第一に、その圧倒的なコストパフォーマンスが挙げられます。
前述の通り、PRSの最上位ラインであるCoreモデルは、新品で50万円以上するのが当たり前の高級品です。
それに対してSEシリーズは、10万円前後という価格でありながら、PRSの設計思想やサウンドのエッセンスを色濃く受け継いでいます。
見た目の美しさ、演奏性の高さ、そしてサウンドの核となる部分がしっかりと作り込まれているため、「この価格でこの品質なら、もはやSEで十分満足できる」と感じるプレイヤーが多いのです。
第二に、プロの現場でも通用する品質と信頼性が確保されている点です。
特に近年、インドネシアに設立されたPRS SE専用工場での生産体制は高く評価されています。
徹底した品質管理のもと、木材の加工から組み込み、塗装、セットアップに至るまで、PRSの厳しい基準をクリアしたギターだけが出荷されます。
これにより、個体ごとの品質のばらつきが少なく、どのギターを手に取っても安定したパフォーマンスが期待できます。
プロがツアー用のサブギターとしてSEを選ぶことがあるのも、この信頼性の高さが理由の一つです。
高価なCoreモデルをツアーで持ち運ぶリスクを避けつつ、PRSらしいサウンドとプレイフィールをステージで再現できるSEは、非常に合理的な選択肢なのです。
最後に、カスタマイズのベースとしてのポテンシャルの高さも魅力です。
元々の作りがしっかりしているため、ピックアップやペグ、ナットといったパーツを自分好みのものに交換することで、さらにサウンドをグレードアップさせることが可能です。
「基本性能が高いSEを、自分仕様に育てていく」という楽しみ方ができるのも、「SEで十分」と言われる理由の一つでしょう。
SEの代表格、PRS SE Custom 24とは
PRS SEシリーズの中に数あるモデルの中でも、最も象徴的で、絶大な人気を誇るのが「SE Custom 24」です。
このモデルは、PRSブランドそのものの顔とも言えるUSA製「Custom 24」の設計思想を、SEシリーズに忠実に落とし込んだものです。
なぜSE Custom 24がこれほどまでに支持されるのか、そのスペックと特徴から探ってみましょう。
まず目を引くのは、その美しいルックスです。
ボディトップにはフレイムメイプル(Veneer:化粧板)が貼られ、PRSならではの高級感を演出しています。
また、指板に施されたバードインレイは、一目でPRSとわかる象徴的なデザインです。
サウンドの心臓部であるピックアップには、PRSが設計した「85/15 “S”」を2基搭載しています。
このピックアップは、クリアで抜けの良い高音域と、パワフルで豊かな中低音域を両立しており、ヴィンテージトーンとモダントーンの良いところを併せ持ったサウンドが特徴です。
さらに、トーンノブを引っ張り上げる(プッシュ/プルする)ことで、ハムバッカーピックアップの片側のコイルをキャンセルする「コイルタップ」が可能になります。
これにより、ハムバッカーの太く甘いサウンドと、シングルコイルのようなシャープで歯切れの良いサウンドを瞬時に切り替えることができ、一本で非常に幅広い音作りを実現します。
スペック項目 | 主な仕様 |
ボディトップ | メイプル w/ フレイムメイプル化粧板 |
ボディバック | マホガニー |
ネック | メイプル |
指板 | ローズウッド |
フレット数 | 24 |
スケール | 25インチ (約635mm) |
ネック形状 | Wide Thin |
ピックアップ | 85/15 “S” (Treble & Bass) |
コントロール | 1 Volume, 1 Push/Pull Tone, 3-Way Blade Switch |
ブリッジ | PRS Patented Tremolo, Molded |
これらの仕様が組み合わさることで、SE Custom 24はジャンルを選ばない万能性を手に入れています。
クリーントーンでの美しいアルペジオから、ロックでの力強いコードリフ、メタルでのテクニカルなリードプレイまで、あらゆるシーンでその実力を発揮する、まさにSEシリーズの代表格と呼ぶにふさわしいモデルです。
PRS SE Custom 24は弾きやすい?
ギター選びにおいて、サウンドやルックスと同じくらい重要なのが「弾きやすさ」、すなわちプレイヤビリティです。
結論から言うと、PRS SE Custom 24は多くのギタリストにとって非常に弾きやすいと感じられるギターです。
その理由は、長年の研究に基づいて設計された、プレイヤーのことを考え抜いた工夫が随所に施されているからです。
握りやすい「Wide Thin」ネック
SE Custom 24に採用されているネックシェイプは「Wide Thin」と呼ばれるタイプです。
これはその名の通り、比較的幅が広く(Wide)、薄い(Thin)形状をしています。
この薄いネックは握り込みやすく、手の小さい方でもスムーズなフィンガリングが可能です。
また、ある程度の幅があることで、弦と弦の間隔に余裕が生まれ、指が窮屈になりにくく、テクニカルな速いフレーズや複雑なコードフォームでもミスタッチを減らす効果が期待できます。
絶妙な「25インチスケール」
スケールとは、ナットからブリッジまでの弦の長さのことで、これがギターの弾き心地やサウンドに大きく影響します。
フェンダー社の代表的なギターが25.5インチ、ギブソン社が24.75インチであるのに対し、PRSは両者の中間である25インチスケールを採用しています。
この絶妙な長さが、弦のテンション(張り具合)とフレット間の距離の完璧なバランスを生み出します。
適度なテンション感はチョーキングしやすく、それでいてサウンドにはハリがあります。
フレットの間隔も広すぎず狭すぎず、多くの人にとって快適な運指を可能にします。
体にフィットするボディ形状
SE Custom 24のボディは、体に当たる部分が滑らかに削り出されたアーチトップ形状になっています。
これによりギターが体に自然にフィットし、立って弾いても座って弾いても安定した構えを保つことができます。
また、比較的軽量に設計されているため、長時間の練習やライブパフォーマンスでの体への負担が少ないのも、弾きやすさに繋がる重要なポイントです。
もちろん、弾きやすさの感じ方には個人差があります。
これまでギブソン系の太いネックに慣れている方にとっては、最初は少し薄く感じられるかもしれません。
しかし、これらの設計思想により、PRS SE Custom 24は初心者から上級者まで、多くのプレイヤーがストレスなく演奏に集中できる、優れたプレイアビリティを実現しているのです。
上位機種PRS Custom24との違いを解説
PRS SE Custom 24のクオリティが高いことは間違いありませんが、最上位機種であるUSA製のCoreモデル「Custom 24」とは、具体的にどのような違いがあるのでしょうか。
両者の違いを理解することは、あなたがどちらのモデルを選ぶべきかを判断する上で非常に重要です。
最大の違いは、やはり「生産国」「使用される素材やパーツのグレード」、そしてそれに伴う「価格」です。
Coreモデルはアメリカ・メリーランド州の工場で、熟練の職人たちが最高級の素材を用いて、手間と時間をかけて製造します。
一方、SEモデルはインドネシアの工場で、品質管理のもと効率的な生産体制で製造することで、高いコストパフォーマンスを実現しています。
両者の主な違いを以下の表にまとめました。
項目 | PRS Core Custom 24 | PRS SE Custom 24 |
生産国 | アメリカ | インドネシア |
価格帯 | 約50万円~ | 約10万円前後 |
トップ材 | ソリッド・フィギュアドメイプル (10Topオプションあり) | メイプル w/ フレイムメイプル化粧板 |
ピックアップ | 85/15 | 85/15 “S” |
ブリッジ | PRS Patented Tremolo, Gen III (削り出し) | PRS Patented Tremolo, Molded (鋳造) |
ペグ | PRS Phase III Locking Tuners | PRS Designed Tuners |
塗装 | ニトロセルロース・ラッカー (V12フィニッシュ等) | ポリウレタン |
付属ケース | ハードケース | ギグバッグ |
サウンド面での違い
これらの素材やパーツの違いは、サウンドにも明確な差として現れます。
Coreモデルは、削り出しのブリッジや高品質な木材、薄いラッカー塗装などにより、非常に豊かで複雑な倍音と長いサスティンを持ちます。
ピッキングのニュアンスに対する反応性も非常に高く、プレイヤーの感情を繊細に表現することが可能です。
一方、SEモデルのサウンドは、よりクリアでまとまりがあり、モダンで扱いやすいキャラクターと言えます。
決してCoreモデルに劣るというわけではなく、異なる魅力を持ったサウンドなのです。
どちらを選ぶべきか?
もしあなたが、予算に上限を設けず、一生ものの究極のギターを求めるのであれば、CoreモデルのCustom 24は最高の選択となるでしょう。
そのサウンド、美しさ、演奏性は、所有する喜びを存分に味あわせてくれます。
しかし、限られた予算の中で、できる限り高品質で信頼できる万能なギターを手に入れたいのであれば、SE Custom 24はこれ以上ないほど優れた選択肢です。
初めての本格的な一本としても、プロのサブギターとしても、その役割を十二分に果たしてくれます。
SE Custom 24でPRSの魅力を存分に味わい、将来的にCoreモデルへステップアップするというのも、素晴らしいギターライフの歩み方ではないでしょうか。
まとめ:PRS SEを使用するアーティストとモデルの評価
- PRSは日本の公式アーティストや次世代のPulseアーティストにも広く使用されている
- ジョン・メイヤーなど海外の有名アーティストのSEシグネチャーモデルも多数存在する
- SEシリーズはプロのサブ機としても通用する高い品質と信頼性を持つ
- 「PRS SEで十分」とは品質への賞賛であり、圧倒的なコストパフォーマンスを意味する
- SEシリーズの代表格は、万能モデルである「SE Custom 24」である
- SE Custom 24は握りやすいネックと絶妙な設計で非常に弾きやすい
- 上位のCoreモデルとの主な違いは生産国、素材グレード、そして価格にある
- SEのサウンドはクリアで扱いやすく、Coreはより豊かで繊細な表現力を持つ
- 基本性能が高いため、自分好みにパーツを交換するカスタムベースとしても優秀である
- PRS SEは初心者からプロまで、あらゆるレベルのギタリストにおすすめできる