これからエレキギターを始めようと考えている方が楽器を探し始めると、驚くほど手頃な価格の「Selder(セルダー)」というブランドが目に入るかもしれません。
特に、必要なものが一式揃った初心者セットは、1万円台から購入できるため非常に魅力的です。
しかし、その安さゆえに「Selderは一体どこの国のブランドなのだろう?」「品質は大丈夫なのか?」といった疑問や不安を感じる方も少なくないでしょう。
また、インターネットで検索すると、Selderのエレキギターの評判は賛否両論で、特に代表モデルである「ST-16」については良い評価もあれば、「悪い」という厳しい意見も見受けられます。
この記事では、「Selderはどこの国?」という疑問への回答から、具体的な会社情報、初心者におすすめされる理由、そして気になる評判や中古市場での価値まで、Selderというブランドをあらゆる角度から徹底的に解説していきます。
この記事を読めば、あなたがSelderのギターを選ぶべきかどうかの判断材料がすべて揃うはずです。
Selderはどこの国のギター?会社概要と特徴

SELDERの会社はどこ?日本のブランドです
Selder(セルダー)は、海外のブランドだと思われがちですが、実は日本の企業が企画・販売しているブランドです。
具体的には、愛知県に本社を置く楽器の卸売・小売企業である「株式会社キョーリツコーポレーション」が展開しています。
同社が運営するインターネット通販サイト「サクラ楽器」などで、主力商品として販売されているプライベートブランドという位置づけになります。
つまり、企画や設計は日本で行われ、日本の会社によって品質管理の基準が設けられています。
ただし、注意点として、製造そのものはコストを抑えるために中国などのアジア諸国にある提携工場で行われています。
そのため、「日本製(Made in Japan)」というわけではありません。
「日本の会社が、初心者向けに企画・販売している海外製造のブランド」と理解するのが最も正確です。
この生産体制によって、初心者でも手が出しやすい驚きの低価格が実現されているのです。
セルダーギターとはどんなギターですか?
セルダーギターとは、一言で表すなら「ギターを始めるための第一歩に特化した、究極のエントリーモデル」です。
その最大の特徴は、ギター本体だけでなく、演奏に最低限必要なアイテムがすべて同梱された「初心者セット」として販売されている点にあります。
このセットには通常、以下のものが含まれています。
- エレキギター本体
- ミニアンプ
- ソフトケース
- チューナー(音を合わせる機械)
- ストラップ
- ピック
- シールドケーブル(ギターとアンプを繋ぐ線)
- 交換用の弦
- 教則DVD など
これからギターを始めたいけれど、何を揃えれば良いのか全くわからないという人にとって、このセット一つで練習を開始できるのは大きな魅力です。
価格帯は1万円台から2万円台が中心で、とにかく初期投資を抑えたいというニーズに完璧に応えています。
代表的なモデルには、Fender(フェンダー)社のストラトキャスターを模した「ST-16」や、テレキャスタータイプの「TC-18」、レスポールタイプの「LP-30」などがあり、ロックやポップスでよく使われる定番の形が揃っています。
なぜセルダーはエレキギター初心者におすすめ?
セルダーがエレキギター初心者におすすめされる理由は、主に「圧倒的な価格の安さ」と「必要なものが全て揃う手軽さ」の2点に集約されます。
まず、最大のメリットは、前述の通り1万円台という低価格でスタートできることです。
高価なギターを購入しても、練習が続かずに挫折してしまった場合、経済的な負担だけでなく精神的なダメージも大きくなりがちです。
セルダーであれば、万が一ギターを弾かなくなってしまっても「この価格なら諦めがつく」と感じる人が多く、趣味を始める上での心理的なハードルを大きく下げてくれます。
次に、オールインワンのセットであることも重要なポイントです。
初心者が自分でギター、アンプ、シールド、チューナーなどを一つ一つ選ぶのは非常に困難です。
相性の問題や、必要なものを買い忘れるといった失敗も起こりがちですが、セルダーのセットならその心配がありません。
届いたその日からすぐに練習を始められる手軽さは、ギターへのモチベーションを維持する上でとても役立ちます。
さらに、カラーバリエーションが豊富な点や、市場に少ない左利き用のモデル(レフティモデル)が用意されている点も、幅広い初心者のニーズに応える要素となっています。
気になるselderのエレキギターの評判
Selderのエレキギターの評判は、インターネット上ではっきりと二分される傾向にあります。
これは購入者のギターに対する期待値や知識レベルによって、評価軸が大きく異なるためです。
肯定的な意見と否定的な意見、それぞれの要点をまとめると以下のようになります。
良い評判
良い評判の多くは、その圧倒的なコストパフォーマンスに集中しています。
「この価格でこれだけ弾ければ文句なし」「子供の初めてのギターとしてプレゼントしたが、とても喜んで練習している」「改造や塗装の練習台として気軽に使えるのが良い」といった声が多く見られます。
「続くかわからない趣味」への入り口として、また「気軽に扱える2本目のギター」として、その安さを最大のメリットと捉えるユーザーからは高く評価されています。
悪い評判
一方、悪い評判は品質面、特に個体差やパーツの精度に関するものが中心です。
「チューニングがすぐに狂って安定しない」「フレットの端の処理が甘く、指が引っかかって痛い」「アンプに繋ぐとノイズがひどい」「届いた状態では弦高が高すぎて弾きにくく、調整が必要だった」といった内容です。
ある程度の知識があり、自分でメンテナンスや調整ができる人にとっては許容範囲内の問題かもしれませんが、全くの初心者にとっては、これらが原因で練習が嫌になってしまう可能性も否定できません。
評判のまとめ
評価のポイント | 良い評判の要約 | 悪い評判の要約 |
価格 | とにかく安い。初期投資を最大限に抑えられる。 | 安すぎて品質が不安。安物買いの銭失いになる可能性。 |
品質・作り | 価格の割にはしっかりしていて、普通に弾けるレベル。 | 個体差が大きい。フレット処理や塗装に甘さが見られる。 |
演奏性 | 軽量でネックも細めに作られており、初心者でも扱いやすい。 | チューニングが不安定。届いたままでは弾きにくい場合がある。 |
サウンド | クリーンな音は意外と悪くない。練習用には十分。 | 音が薄っぺらく、安っぽい。付属アンプの音質は期待できない。 |
セット内容 | 必要なものが一式揃っており、他に何も買わずに始められる。 | 付属品はあくまで「オマケ」レベル。特にアンプは早期の買い替え推奨。 |
このように、Selderの評判は光と影の両面があります。
購入を検討する際は、これらの点を総合的に理解しておくことが重要です。
セルダーのベースの評判もチェック
Selderはエレキギターだけでなく、エレキベースも同様に初心者向けのセットを販売しており、その評判もギターとほぼ同じ傾向にあります。
結論から言うと、ベースに関しても「価格を考えれば十分な性能」という評価が一般的です。
ベースを始めたい初心者にとって、ジャズベースタイプの「JB-30」やプレシジョンベースタイプの「PB-30」などが、ギターと同じく1万円台のセットで手に入ります。
これもまた、初期投資を抑えたいというニーズに完全に応えるものです。
良い評判としては、「手軽にベースという楽器を始められた」「見た目もかっこよく、練習のモチベーションが上がる」「基本的な演奏は問題なくできる」といった声が挙げられます。
一方で、やはり品質面でのネガティブな評判も存在します。
具体的には、「弦高が高く、指の力が弱い初心者には押さえるのが大変」「ノイズが気になる」「付属のアンプではまともなベース音は出ない」といった意見です。
特にベースはギターよりも弦が太く、しっかりとした調整がされていないと演奏のしやすさに大きく影響します。
そのため、もし可能であれば購入後に楽器店などで一度、弦高調整などの基本的なセッティングを見てもらうと、より快適に練習をスタートできるでしょう。
Selderがどこの国かより重要な評価と注意点

代表モデルselder st-16の評価とは
Selder ST-16は、ブランドの顔とも言える最も代表的なモデルであり、その評価はSelderブランド全体の評価に直結します。
このモデルは、エレキギターの王道であるFender社の「ストラトキャスター」をモデルにしており、その汎用性の高さから多くの初心者セットに採用されています。
ST-16の評価を理解する上で、まずはその仕様を知ることが重要です。
ボディ材には比較的安価で加工しやすい「バスウッド」、ネックには「メイプル」、指板には「ローズウッド」またはそれに代わる木材が使われるのが一般的です。
ピックアップ(弦の振動を電気信号に変えるマイク)は、シングルコイルが3つ搭載されており、セレクターを切り替えることでシャープな音から少し甘い音まで、5通りのサウンドを出すことができます。
この仕様自体は、高価なギターではありませんが、エレキギターの基本を学ぶ上では十分なものです。
評価としては、「この価格でストラトキャスターの多様なサウンドを体験できるのは素晴らしい」という肯定的な意見があります。
一方で、「本物のストラトキャスターとは似て非なるもの」「各パーツの精度が低く、ポテンシャルを十分に発揮できない」という厳しい評価も存在します。
結局のところ、ST-16は「ギターの楽しさを知るための入り口」としての役割に徹したモデルであり、プロが使用するような楽器のクオリティを期待するべきではない、というのが客観的な評価と言えるでしょう。
「selder st-16は悪い」と言われる理由
「Selder ST-16は悪い」という評価が生まれるのには、いくつかの明確な理由が存在します。
これらは低価格を実現するための代償とも言える部分で、購入前に必ず理解しておくべき注意点です。
理由1:チューニングの不安定さ
最も多く指摘されるのが、チューニングの不安定さです。
これは、弦を巻き取る「ペグ」というパーツの精度が低いことに起因します。
演奏中に少し激しく弦を弾いたり、アームを使ったりすると、すぐに音がズレてしまうことがあります。
初心者は音のズレに気づきにくいため、知らず知らずのうちに間違った音程で練習してしまうリスクがあります。
理由2:フレット処理の甘さ
次に挙げられるのが、フレット(指板に打ち込まれた金属の棒)の処理の問題です。
特にネックの側面で、フレットの端がヤスリで十分に滑らかにされておらず、尖っていることがあります。
これを「フレットのバリ」と呼び、演奏中に指板の端を握り込んだりスライドさせたりすると、指が引っかかり、場合によっては怪我をする可能性もあります。
全ての個体がそうであるわけではありませんが、報告例は少なくありません。
理由3:電気系統のノイズ
ピックアップや内部の配線、シールドジャックといった電気系統のパーツが安価なため、アンプに繋いだ際に「ジー」というハムノイズが乗りやすい傾向があります。
特に、音を歪ませる(ロックなどで使われるギャンギャンとした音にする)と、ノイズはさらに目立ちます。
静かな環境での練習や、レコーディングを考えている場合には、このノイズが大きなストレスになる可能性があります。
これらの理由は、Selderが「悪い」というよりも、「価格相応のクオリティ」であることを示しています。
幸い、これらの問題点の多くは、適切な調整やパーツ交換(アップグレード)によって改善することが可能です。
知恵袋で見るセルダーギターのリアルな口コミ
Yahoo!知恵袋などのQ&Aサイトは、ユーザーのリアルな疑問や本音が見える貴重な情報源です。
Selderのギターに関しても、購入を検討している初心者からの質問が数多く投稿されており、それに対する経験者からの回答は非常に参考になります。
よく見られる質問は、「Selderの初心者セットを買おうと思うのですが、本当に大丈夫でしょうか?」「YAMAHAやSquierなどのブランドと比べて、Selderはどう違いますか?」といった内容です。
これらの質問に対する回答の多くは、非常に現実的でバランスの取れたものです。
代表的な回答の傾向をまとめると、以下のようになります。
- 「練習用と割り切って、最初の1本として買うならアリ。ただし、過度な期待は禁物」
- 「セットに付属してくるミニアンプやチューナーは、あくまでオマケ程度と考えた方が良い。特にアンプはすぐに物足りなくなる可能性が高い」
- 「もし予算がもう少しあるなら(2万円〜3万円台)、楽器店でSquier、Busker’s、Photogenicといった他のエントリーブランドのギターと弾き比べてみることを強くおすすめする」
- 「届いたら、まず弦を新しいものに交換し、可能であれば楽器店で基本的な調整(弦高、オクターブ調整など)をしてもらうと格段に弾きやすくなる」
このように、知恵袋では「完全にダメ」と切り捨てる意見は少なく、むしろ「使い方や目的を限定すれば、有効な選択肢である」という見方が大半です。
購入後の後悔を避けるためにも、こうした先輩ユーザーの客観的なアドバイスに目を通しておくことは非常に有益です。
selderのエレキギターの中古価格と買取相場
Selderのエレキギターの購入を検討する際、将来的に手放す可能性も考えて、中古市場での価値を知っておくことは大切です。
結論として、Selderのギターのリセールバリュー(再販価値)は、極めて低いと言わざるを得ません。
中古での販売価格
メルカリやヤフオク、ハードオフなどのリサイクルショップでは、Selderのギターは非常に安価で取引されています。
ギター本体のみであれば3,000円〜7,000円程度、アンプなどがついたセット品でも1万円前後が相場です。
新品の価格が元々安いため、中古品を求める人も多くはなく、供給過多な状態になりがちです。
そのため、中古で購入する側にとっては非常に手頃ですが、売却する側にとっては厳しい価格となります。
楽器店での買取価格
楽器店に買取を依頼した場合の価格は、さらにシビアになります。
ギターの状態にもよりますが、数百円から高くても2,000円程度というのが現実的な相場です。
店舗によっては、買取自体を断られたり、「無料での引き取り」となったりするケースも珍しくありません。
これは、店側が再販するために必要なクリーニングや調整のコストを考えると、利益が出にくいためです。
これらの事実から、Selderのギターは「購入したら、弾き潰すか、誰かに譲るか、処分する」という前提で考えるのが賢明です。
投資対象としての価値はほぼゼロであり、純粋に「ギターを始めるための道具」としての価値にお金を払う、と割り切ることが重要になります。
総括!SELDERの本当の評判とは
ここまで様々な角度からSelderのギターを分析してきましたが、その本当の評判を総括すると「ギターを始めるための最低限の機能を、考えうる限り最低限の価格で提供してくれるブランド」という評価に落ち着きます。
高品質なサウンドや、末永く愛用できる所有満足度を求める楽器ではありません。
Selderの真価は、そこにはないのです。
このブランドの最大の功績は、「ギターを弾いてみたい」という漠然とした憧れを、「実際にギターを弾いてみる」という具体的な行動に変えるための、金銭的・心理的なハードルを劇的に下げた点にあります。
もしSelderが存在しなければ、経済的な理由でギターを始めること自体を諦めていたかもしれない人が、数多くいたはずです。
確かに、品質にばらつきがあり、ある程度の「当たり外れ」は覚悟しなければなりません。
チューニングの不安定さや弾きにくさを感じることもあるでしょう。
しかし、それはあくまで「本格的な楽器」と比較した場合の話です。
「ギターという楽器の仕組みを学び、指を動かして音を出す練習をする」という、最初のステップを踏むための道具としては、十分すぎるほどの機能を備えています。
Selderは、いずれ本格的なギターへステップアップしていくための「最高の踏み台」であり、「最良の練習相手」なのです。
この役割を理解した上で選ぶのであれば、Selderは決して「悪いギター」ではなく、「目的を限定すれば、非常に優れた選択肢」と言うことができるでしょう。
まとめ:Selderはどこの国のギター?評判と購入時のポイント
- Selderは日本の企業「キョーリツコーポレーション」が企画するブランドである
- 製造はコスト削減のため中国などの海外工場で行われている
- 主に1万円台の初心者向けセットが主力商品である
- 最大のメリットは圧倒的な価格の安さと手軽さにある
- 良い評判は「価格の割に弾ける」というコストパフォーマンスに関するものが多い
- 悪い評判はチューニングの不安定さやフレット処理の甘さなど品質面が中心である
- 代表モデル「ST-16」はストラトキャスタータイプで汎用性が高い
- 品質には個体差があるため「当たり外れ」があることを理解する必要がある
- 中古市場での価格は非常に安く、リセールバリューはほとんど期待できない
- ギターを始める最初のステップ、練習用と割り切れば非常に有効な選択肢である