「Vox AC30のあのブリティッシュサウンドが欲しいけど、本物のアンプは高価で場所も取る…」
「ライブやレコーディングで手軽にQueenやU2のようなトーンを出したい」そんな悩みを抱えるギタリストは多いのではないでしょうか。
TECH21 Mop Top Liverpoolは、Voxスタイルのアンプサウンドとレンジマスターブースターを1台に凝縮したコンパクトペダルです。
この記事では、サウンドの特徴から使い勝手、メリット・デメリットまで詳しく解説します。
購入を検討している方が自分に合った選択ができるよう、必要な情報をすべてお伝えします。
TECH21 Mop Top Liverpoolの特徴・概要
Vox AC30サウンドを再現するアナログアンプシミュレーター
TECH21 Mop Top Liverpoolは、1960年代の英国を代表するVoxアンプのサウンドを完全アナログ回路で再現したペダルです。
ビートルズの「ブリティッシュ・インヴェイジョン」時代のジャングリーなクリーントーンから、Brian May(Queen)やThe Edge(U2)が愛用したクランチ〜オーバードライブサウンドまで、幅広いVoxトーンをカバーします。
デジタルモデリングではなくアナログ回路を採用していることが最大の特徴です。
これにより、ノブを回した瞬間に音が変化する即座の反応性と、温かみのある音楽的なサウンドを実現しています。
SansAmpテクノロジーによるアンプエミュレーションと、専用設計のスピーカーキャビネットシミュレーションが組み合わさることで、実機のVoxアンプをマイキングしたような説得力のあるトーンが得られます。
Rangemasterスタイルのブースター内蔵で多彩な音作り
本機の「Plus」たる所以が、内蔵のRangemasterスタイルブースターです。
1960〜70年代に多くのブリティッシュロックギタリストが愛用したトレブルブースターのサウンドを、1つのノブで自在にコントロールできます。
ブーストノブは12時の位置でフラット、時計回りに回すと最大12dBのトレブルブーストが得られ、70年代のクラシックロックサウンドを再現できます。
反対に反時計回りでは最大12dBのミッドレンジブーストとなり、よりモダンで太いサウンドを作り出せます。
このブースターはチャンネルA/Bどちらでも使用可能で、リードトーンに艶やかなサスティンを加えたり、バッキングに存在感をプラスしたりと、多彩な活用法があります。
プロのツアーにも耐える堅牢なビルドクオリティ
TECH21はプロミュージシャンからの信頼が厚いブランドであり、Mop Top Liverpoolもその期待を裏切らない堅牢な作りとなっています。
筐体は頑丈なメタル構造で、ツアーでの過酷な使用にも耐える設計です。
実際にRichie KotzenをはじめとするプロギタリストがツアーでTECH21製品を愛用していることからも、その信頼性の高さがうかがえます。
フットスイッチも堅牢で、長期間の使用でもガタつきや接触不良が起きにくい設計になっています。
コンパクトなサイズながら、ノブの配置も適切で操作しやすく、ステージ上での素早いセッティング変更にも対応できます。
TECH21 Mop Top Liverpoolのスペック・仕様
入出力端子・電源仕様
Mop Top Liverpoolは、多様な使用シーンに対応する入出力端子を備えています。
入力は1MΩのハイインピーダンス仕様の1/4インチ(6.35mm)フォンジャックで、パッシブピックアップからアクティブピックアップまで幅広いギターに対応します。
出力端子は2種類用意されています。
1つは通常のアンバランス1/4インチフォンジャック出力で、アンプのインプットやエフェクトリターンへの接続に使用します。
もう1つはバランス仕様のXLR出力で、ミキサーやオーディオインターフェースへのダイレクト接続に最適です。
XLR出力にはスピーカーキャビネットシミュレーションが適用されており、別途キャビネットシミュレーターを用意することなく、そのままレコーディングやPA送りが可能です。
電源は9VDC、200mAの外部アダプターで動作します。
製品には専用の9Vアダプターが付属しており、耐久性の高い編み込みケーブルを採用しているため、断線の心配が少なく長期間使用できます。
一般的な9Vセンターマイナスのペダル用パワーサプライからも電源供給が可能ですが、200mAの電流容量を確保できるものを選ぶ必要があります。
コントロール・操作系の詳細
本機には12個のセルフイルミネーション式ロータリーコントロールと3つのフットスイッチが搭載されています。
2チャンネル仕様となっており、各チャンネルにはDrive、Character、Levelの3つのノブが独立して用意されています。
Driveノブはプリアンプ段のゲイン量を調整し、クリーンからクランチ、さらにオーバードライブまでをカバーします。
Characterノブは本機の要となるコントロールで、チャンネルAとBで異なる動作をします。
チャンネルAのCharacterは12時以下でTop Boost回路を9に設定したようなパンチのあるクリーン〜ウォームクランチ、12時を超えるとクラシックなブリティッシュミッドレンジが強調され、フルアップではプッシュされたアルニコスピーカーの上部中域のクラックル感が得られます。
チャンネルBは12時以下でTop Boost回路を3に設定したようなローとハイのディテールが豊かなクリーントーン、12時以上でボーカルライクなサスティン、フルアップではnon-Top Boost AC30のようなローミッドが強調されたトーンになります。
3バンドEQ(Treble、Middle、Bass)は両チャンネル共通で、±12dBの調整幅があります。
EQはアンプ/スピーカーシミュレーションの後段に配置されており、ミキサーでマイク録りのソースをEQ処理するような感覚で使用します。
周波数はTrebleが3.2kHz、Middleが1kHz、Bassが125Hzを中心としています。
フットスイッチは左からBypass、Channel A/B切り替え、Boostの3つです。
Bypassスイッチはバッファードバイパス方式で、アンプ/スピーカーエミュレーション全体をオン/オフします。
なお、BoostはBypass時でも動作するため、単体のブースターペダルとしても使用可能です。
サイズ・重量・付属品
Mop Top Liverpoolのサイズは約178mm(幅)× 51mm(奥行)× 38mm(高さ)で、TECH21のFly Rigシリーズよりもさらにコンパクトな設計です。
一般的なエフェクターと比較すると横長の形状ですが、ペダルボード上ではそれほど場所を取りません。
重量は軽量で、ギグバッグのポケットにも余裕で収まるサイズ感です。
付属品は専用9Vアダプターのみですが、前述の通り耐久性の高いケーブルを採用した高品質なものが同梱されています。
TECH21 Mop Top Liverpoolのおすすめポイント
2チャンネル仕様で瞬時にサウンド切り替えが可能
Mop Top Liverpoolの大きな魅力は、2チャンネル仕様によるサウンドの使い分けです。
チャンネルAとBにはそれぞれ独立したDrive、Character、Levelコントロールがあり、まったく異なるセッティングを保存しておくことができます。
例えば、チャンネルAをクリーン〜軽いクランチに設定してバッキング用に、チャンネルBをハイゲインに設定してリード用に、といった使い方が可能です。
フットスイッチ一発で切り替えられるため、曲中でのサウンドチェンジもスムーズに行えます。
また、両チャンネルのCharacterコントロールは異なるトーンレンジをカバーするため、実質的に4種類以上のVoxサウンドを1台で使い分けることができます。
さらにブースターを組み合わせれば、クリーン、クランチ、クランチ+ブースト、ハイゲイン、ハイゲイン+ブーストと、非常に多彩なサウンドバリエーションを構築できます。
これは複数のペダルを組み合わせなければ実現できない機能性であり、ペダルボードの省スペース化にも大きく貢献します。
XLRダイレクトアウトでレコーディング・ライブに即対応
バランスXLR出力の搭載は、現代のギタリストにとって非常に実用的な機能です。
この出力にはアンプのキャラクターに合わせたスピーカーキャビネットシミュレーションが内蔵されており、Voxで定番のCelestionアルニコスピーカーをマイキングしたようなサウンドが得られます。
レコーディングでは、オーディオインターフェースに直接接続するだけで、すぐに録音可能な状態になります。
深夜の自宅録音でもアンプを鳴らす必要がなく、近隣への騒音を気にせずに制作作業が行えます。
ライブでは、PA卓へダイレクトに送ることで、ステージ上のアンプ音量に左右されない安定したサウンドをFOHに届けられます。
会場のバックラインを使用する際にも威力を発揮します。
どんなアンプが用意されていても、Mop Top Liverpoolを通せば自分のVoxトーンを維持できるため、毎回異なる機材環境で演奏するギタリストにとって心強い味方となります。
Characterコントロールによる幅広いVoxトーンのバリエーション
Voxアンプは、TrebleとBassのコントロールの設定によって劇的にサウンドが変化することで知られています。
Mop Top LiverpoolのCharacterコントロールは、この特性を1つのノブに凝縮しています。
チャンネルAのCharacterは、Vox Top Boostのコントロールを高めに設定したようなブライトでパンチのあるサウンドから、ミッドレンジが前に出たクラシックなブリティッシュトーンまでをカバーします。
一方、チャンネルBのCharacterは、より暗めでウォームなトーンから、ボーカルライクなサスティンを持つリードトーンまでを担当します。
この設計により、60年代のビートルズ的なジャングリーサウンドから、Brian Mayの「Bohemian Rhapsody」で聴けるような艶やかなリードトーン、さらにはThe Edgeのようなエッジの立ったクランチまで、Voxアンプの歴史を網羅するサウンドパレットが手に入ります。
実際に、Queen、U2、さらにはEddie Van Halenのサウンド再現にも使用されており、その汎用性の高さが評価されています。
TECH21 Mop Top Liverpoolの注意点・デメリット
スピーカーシミュレーションのバイパス機能がない
Mop Top Liverpoolの設計上の制約として、スピーカーキャビネットシミュレーションのみをバイパスする機能がありません。
XLR出力を使用する際には必ずキャビネットシミュレーションがかかった状態になります。
これは、外部のIRローダー(インパルスレスポンス)を使用して好みのキャビネットサウンドを適用したいユーザーにとっては不便な点です。
ただし、1/4インチのアンバランス出力を使用し、別途キャビネットシミュレーターを接続する方法で回避は可能です。
また、アナログスピーカーシミュレーションは、デジタルIRほど複雑なピークやディップがないため、リアルアンプのインプットに接続しても比較的馴染みやすいという利点もあります。
なお、実際のギターアンプに接続する場合は、本機内蔵のスピーカーシミュレーションが適用された状態でも、EQを調整することでバランスの取れたサウンドを得ることは可能です。
空間系エフェクトは別途用意が必要
Mop Top Liverpoolには、リバーブやディレイといった空間系エフェクトが搭載されていません。
Voxアンプにはスプリングリバーブが内蔵されているモデルも多いため、この点を惜しむユーザーも少なくありません。
また、本機にはエフェクトループ(インサートポイント)がないため、アンプシミュレーションの後段、XLR出力の前に外部エフェクトを挿入することができません。
空間系エフェクトを使用したい場合は、本機の前段に接続するか、DAW上でプラグインを使用する必要があります。
ただし、この点はコンパクトさとのトレードオフとも言えます。
エフェクトループやリバーブを搭載すれば筐体サイズは大きくなり、価格も上昇します。
TECH21はあえて機能を絞ることで、携帯性と価格のバランスを取った設計としています。
ベース用途ではクリーンブレンド機能の不在に注意
Mop Top Liverpoolはギター用ペダルとして設計されていますが、パワフルで汎用性の高いEQを搭載しているため、ベースギターでも使用できるという報告があります。
実際にドライブサウンドやVoxライクなトーンをベースに適用する用途では良好な結果が得られています。
しかし、ベース用途で一般的に求められるクリーンブレンド機能(原音とエフェクト音をミックスする機能)が搭載されていません。
これにより、低音域の明瞭さを維持しながらドライブを加えるといった使い方が難しくなっています。
ベーシストが本機を導入する場合は、この点を理解した上で、外部のブレンダーペダルを併用するか、割り切った使い方をする必要があります。
また、電源ソケットがアウトプットジャックの隣に配置されているため、ペダルボード上での配線がやや煩雑になる可能性があります。
事前にボード上のレイアウトを検討しておくことをおすすめします。
TECH21 Mop Top Liverpoolの評判・口コミ
ユーザーが評価するおすすめな点
Mop Top Liverpoolは、Vox AC30サウンドの再現度において高い評価を受けています。
多くのユーザーが「AC30のサウンドを非常によく捉えている」と感じており、特にクリーンからクランチ領域でのトーンの説得力が称賛されています。
Brian MayやThe Edgeのようなアイコニックなトーンを目指すギタリストからの支持が厚く、「Queenのサウンドが出せるか」という観点でのテストでも良好な結果が報告されています。
内蔵のRangemasterスタイルブースターも好評です。
トレブルブーストとミッドブーストを1つのノブで切り替えられる仕様は、70年代クラシックロックから現代的なサウンドまでをカバーでき、非常に実用的と評価されています。
特にリードプレイ時のサスティンと艶やかさを加える用途で重宝されています。
ビルドクオリティとコンパクトさの両立も評価ポイントです。
「市販のチョコレートバーと同じくらいのサイズ」という表現で形容されるほど小型でありながら、メタル筐体の堅牢な作りはプロのツアーユースにも耐えるものとして信頼されています。
旅するミュージシャンにとっての「頼れるソリューション」として推奨する声が多く、ギグバッグに入れて気軽に持ち運べる携帯性が支持されています。
XLRダイレクトアウトの実用性も高く評価されています。
内蔵のスピーカーシミュレーションはそのまま使っても説得力のあるサウンドが得られ、会場のバックラインに左右されず自分のトーンを維持できる点が、ライブギタリストから特に支持されています。
購入前に確認すべき注意点
一方で、期待値によっては物足りなさを感じるユーザーもいます。
「圧倒されなかったし、がっかりもしなかった。
特に印象に残らなかった」という中立的な意見も存在し、Voxサウンドに強いこだわりがない場合は、より汎用性の高いマルチアンプシミュレーターの方が適している可能性があります。
アナログスピーカーシミュレーションの限界を指摘する声もあります。
デジタルIRのような複雑なレスポンスは再現できないため、「IRほどのリアリティはない」と感じるユーザーもいます。
ただし、これは裏を返せばアナログらしい滑らかさとも言え、特にハイゲインサウンドではデジタル特有のピーキーさがない点をメリットと捉える意見もあります。
空間系エフェクトの非搭載やインサートポイントの不在については、シンプルな構成を好むユーザーからは問題視されていませんが、オールインワン機材を求めるユーザーからは改善要望として挙げられています。
リバーブやディレイを多用するプレイスタイルの場合は、外部エフェクターとの組み合わせを前提に導入を検討する必要があります。
こんな人におすすめ・おすすめしない人
Mop Top Liverpoolは、以下のようなギタリストに特におすすめです。
まず、Vox AC30のサウンドを愛し、Brian May、The Edge、初期のビートルズといったアーティストのトーンを目指す方です。
また、アナログ機材の即座の反応性とシンプルな操作性を好む方、コンパクトなペダルボードでアンプシミュレーションを完結させたい方にも最適です。
さらに、会場ごとに異なるバックラインを使用することが多いライブギタリストや、自宅でアンプを鳴らせない環境でレコーディングを行いたい方にとっても、強力な味方となります。
一方で、以下のような方には他の選択肢を検討することをおすすめします。
Vox以外のアンプサウンド(Marshall、Fender、Mesaなど)も1台でカバーしたい方は、マルチアンプシミュレーターの方が適しています。
デジタルIRを使用した精密なキャビネットシミュレーションを求める方、オンボードで空間系エフェクトまで完結させたい方も、他の製品を検討すべきでしょう。
また、メニューやプリセットを活用した詳細な音作りを好む方には、本機のWYSIWYG(見たままが音)な操作性はかえって物足りなく感じるかもしれません。
まとめ:TECH21 Mop Top Liverpool
総合評価とコストパフォーマンス
TECH21 Mop Top Liverpoolは、Voxサウンドに特化したアナログアンプシミュレーターとして、非常に完成度の高い製品です。
全アナログ回路による即座の反応性、2チャンネル仕様の柔軟性、内蔵Rangemasterブースターによる音作りの幅広さ、そしてXLRダイレクトアウトの実用性は、この価格帯の製品としては申し分のない機能性を備えています。
価格帯は約3万円前後(実売価格)となっており、専用設計のVoxシミュレーター+ブースターという構成を考えれば、コストパフォーマンスは良好と言えます。
同価格帯のデジタルモデラーと比較すると機能は限定的ですが、その分「Voxサウンドを最高の形で再現する」という一点においては、専用機ならではの説得力があります。
プロミュージシャンの使用実績も多く、品質への信頼性は高いレベルにあります。
TECH21というブランドの長年にわたるSansAmpテクノロジーの蓄積が、本機のサウンドクオリティを支えています。
購入判断のポイント
Mop Top Liverpoolの購入を検討する際は、以下のポイントを総合的に判断してください。
- Vox AC30サウンドの再現度は高く、クリーンからオーバードライブまで説得力のあるトーンが得られる
- 全アナログ回路による即座の反応性とウォームなサウンドキャラクターが魅力
- 2チャンネル仕様により、バッキングとリードなど複数のサウンドを瞬時に切り替え可能
- 内蔵Rangemasterブースターでトレブルブースト/ミッドブーストを1ノブでコントロール
- XLRダイレクトアウト搭載で、レコーディングやライブPAへの接続が容易
- スピーカーシミュレーションのバイパス機能がないため、外部IR使用時は工夫が必要
- リバーブ/ディレイなどの空間系エフェクトは非搭載、別途用意が必要
- コンパクト設計でペダルボードの省スペース化に貢献
- メタル筐体の堅牢な作りでツアーユースにも対応
- Voxサ

