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TECH21 Sansamp Boost OVER DRIVE レビュー解説|70年代ブルーストーンを蘇らせる万能ペダル

「温かみのあるブルージーなオーバードライブが欲しいけど、ブースターを別で買うのは面倒」「チューブアンプのように自然にクリーンアップするペダルがなかなか見つからない」——そんな悩みを抱えるギタリストは少なくありません。

TECH21 Sansamp Boost OVER DRIVEは、70年代のクラシックなオーバードライブサウンドを現代仕様にアップデートし、独立したブースト回路まで搭載した注目のペダルです。

本記事では、実際の使用感やユーザーの評価をもとに、本機の特徴・スペック・メリット・デメリットを徹底解説します。

購入を検討している方が知っておくべき情報をすべてお伝えします。

目次

TECH21 Sansamp Boost OVER DRIVEの特徴・概要

70年代クラシックオーバードライブを現代仕様にアップデート

TECH21 Sansamp Boost OVER DRIVEは、スティーヴィー・レイ・ヴォーンに代表される70年代のブルース/ブルースロックサウンドをコンセプトに開発されたオーバードライブペダルです。

当時のオーバードライブペダルが持っていた温かみのある歪みと豊かな倍音構成を継承しながら、現代のギタリストが求めるダイナミックレンジの広さとレスポンスの良さを両立しています。

最大の特徴は、70年代のペダルでは実現できなかった「チューブアンプのようなクリーンアップ性能」です。

ギターのボリュームを絞ると、まるで真空管アンプのように自然にクリーントーンへ移行します。

これにより、ペダルを踏み替えることなく、手元の操作だけで多彩な音色変化を楽しめます。

独立したブースト回路で最大21dBのクリーンゲインを実現

本機のもう一つの大きな特徴が、独立したブースト回路の搭載です。

最大21dBものクリーンブーストが可能で、ソロ時の音量アップやアンプをプッシュする際に威力を発揮します。

このブースト回路は「ポスト・オーバードライブ」設計を採用しています。

つまり、ブーストはオーバードライブ回路の後段に配置されており、音量だけを持ち上げる純粋なクリーンブーストとして機能します。

歪みの量を変えずに音量だけを上げられるため、バンドアンサンブルの中でソロ時に埋もれることなく抜け出すことができます。

オーバードライブとブーストはそれぞれ独立して使用可能です。

オーバードライブだけ、ブーストだけ、あるいは両方同時にオンにするなど、状況に応じた柔軟な使い方ができます。

高品質ディスクリートコンポーネントによるオールアナログ設計

TECH21は「SansAmp」シリーズで知られるニューヨークの老舗エフェクターメーカーです。

Boost OVER DRIVEも同社の伝統を受け継ぎ、100%アナログ回路で設計されています。

使用されているパーツは、個別に選別されハンドバイアスされたディスクリートコンポーネントです。

大量生産品とは異なり、一台一台の品質が厳しく管理されています。

これにより、スタジオクオリティの静粛性と、アナログならではの温かみのあるサウンドを両立しています。

筐体はアメリカ製で、プロの過酷なツアー使用にも耐えうる堅牢な作りとなっています。

TECH21 Sansamp Boost OVER DRIVEのスペック・仕様

コントロール・端子の詳細

本機には5つのコントロールノブが搭載されています。

Level(レベル)は出力音量を調整するノブです。

アンプやペダルボード内の他のエフェクターとのバランスを取る際に使用します。

Tone(トーン)はローパスフィルター方式の音色調整ノブです。

右に回すほど高域が強調され、左に回すと高域がカットされてウォームなサウンドになります。

Drive(ドライブ)は歪みの量を調整するノブです。

最小に設定してもわずかな歪みが残るため、完全なクリーンブースターとして使う場合はブースト側のみをオンにする使い方が推奨されます。

Sparkle(スパークル)は本機独自のコントロールで、上位倍音を追加するノブです。

右に回すほど高域の倍音が強調され、音に輝きと空気感が加わります。

Toneノブとは異なるアプローチで高域を調整できるため、両者を組み合わせることで非常に細かい音作りが可能です。

Boost(ブースト)はブースト時の音量を調整するノブです。

最大で21dBのクリーンゲインを得られます。

フットスイッチは2つ搭載されており、左側がオーバードライブのオン/オフ、右側がブーストのオン/オフを切り替えます。

入出力端子は標準的なモノラル仕様で、インプットとアウトプットがそれぞれ1系統ずつ装備されています。

サイズ・電源・筐体の特徴

筐体サイズはコンパクトな設計で、一般的なペダルボードに無理なく収まります。

2つのフットスイッチを搭載しながらも省スペースを実現しており、限られたペダルボードスペースを有効活用できます。

電源は9Vで、9V電池またはセンターマイナスの9V DCアダプターで駆動します。

電池駆動に対応しているため、電源環境が整っていないリハーサルスタジオやストリートライブでも使用可能です。

筐体はアメリカ製の金属製で、高い耐久性を誇ります。

ホワイトを基調としたシンプルなデザインで、ステージ上での視認性も良好です。

他モデルとの位置づけ(Boostシリーズの中での役割)

TECH21のBoostシリーズには、Boost OVER DRIVE以外にも複数のモデルがラインナップされています。

Boost Distortionは80年代のホットロッドなスタックアンプサウンドをコンセプトにしたモデルで、Boost OVER DRIVEよりもハイゲインな歪みが得られます。

Sagコントロールを搭載し、真空管アンプのパワー部が飽和する際のコンプレッション感を再現できます。

Boost Fuzzは60年代後半のゲルマニウムファズをコンセプトにしたモデルで、ヴィンテージファズ特有のブーミーで荒々しいサウンドが特徴です。

Bass Boost Fuzzはベーシスト向けのファズペダルで、ギター用ファズでは失われがちな低域を維持しながらファズサウンドを得られます。

これらの中でBoost OVER DRIVEは、最もオーソドックスで汎用性の高いポジションに位置しています。

ブルース、クラシックロック、カントリー、ジャズなど幅広いジャンルに対応できる万能型オーバードライブとして設計されています。

TECH21 Sansamp Boost OVER DRIVEのおすすめポイント

Sparkleコントロールで倍音を自在に調整できる

多くのオーバードライブペダルはLevel、Tone、Driveの3ノブ構成ですが、本機にはSparkleという独自のコントロールが追加されています。

これが本機の大きな差別化ポイントです。

Sparkleコントロールは上位倍音を追加するノブで、Toneノブとは異なるアプローチで高域のキャラクターを調整できます。

Toneノブがローパスフィルターとして高域をカットする方向で調整するのに対し、Sparkleは倍音を「足す」方向で調整します。

この2つを組み合わせることで、単なる「明るい/暗い」という一次元的な調整ではなく、「芯のある明るさ」「空気感のあるウォームさ」といった複雑なニュアンスを作り出せます。

Ibanez Tube Screamerと比較した場合、本機はゲイン量が高く、かつSparkleコントロールによる倍音調整が可能な点で優位性があります。

Tube Screamer系の音が好きだけれどもう少し調整幅が欲しいというギタリストにとって、有力な選択肢となるでしょう。

ギターボリュームへの追従性が抜群で自然なクリーンアップが可能

エフェクターを使う上で見落とされがちですが非常に重要なのが、ギターのボリュームノブへの追従性です。

本機はこの点で非常に高い評価を得ています。

真空管アンプの場合、ギターのボリュームを絞ると歪みが減少し、自然にクリーントーンへ移行します。

しかし多くのオーバードライブペダルでは、ボリュームを絞っても歪みが残ったり、音が細くなったりしてしまいます。

Boost OVER DRIVEは、この点でチューブアンプに非常に近い挙動を示します。

ギターのボリュームを絞ると滑らかにクリーンアップし、音の太さも維持されます。

これにより、ペダルを踏み替えることなく、右手と左手の操作だけでクリーンからクランチ、オーバードライブまでをシームレスにコントロールできます。

特にブルースやクラシックロックのプレイヤーにとって、この追従性の良さは演奏表現の幅を大きく広げてくれる要素です。

クリーンアンプにも歪みアンプにも対応する汎用性の高さ

本機はクリーンアンプの前段に置いてもマイルドなオーバードライブサウンドとして非常に良好に機能し、すでに歪んでいるアンプに使うとミッドレンジの厚みとサスティンを大幅に向上させます。

つまり、どのようなアンプ環境でも効果的に使えるということです。

Fender系のクリーンアンプ(Vibroverb、Vibrolux、Bassman、Princeton Reverbなど)との相性は特に良好で、いずれのアンプでも素晴らしいサウンドが得られると報告されています。

また、シングルコイルピックアップとハムバッカーピックアップの両方に対応しており、ギターを選ばない汎用性の高さも魅力です。

テレキャスターでもレスポールでも、ストラトキャスターでもSGでも、本機は一貫したパフォーマンスを発揮します。

TECH21 Sansamp Boost OVER DRIVEの注意点・デメリット

ブースト回路がポスト固定で配置の自由度が低い

本機のブースト回路は「ポスト・オーバードライブ」設計、つまりオーバードライブ回路の後段に固定されています。

これは音量だけを上げるクリーンブースターとしては理想的ですが、ブーストをオーバードライブの前段に配置して歪みをプッシュしたいという使い方には対応できません。

一部の競合製品では、ブーストをプリ(前段)とポスト(後段)で切り替えられるものもあります。

例えばEgnater SilversmithにはPathスイッチがあり、ブーストとディストーションの順序を入れ替えることができます。

ブーストの配置を柔軟に変えたいというニーズがある場合は、本機とは別にブースターペダルを用意するか、より多機能な他社製品を検討する必要があるでしょう。

ハイゲイン・メタル系サウンドには不向き

本機は70年代のブルース/ブルースロックサウンドをコンセプトに設計されており、ゲイン量はローゲインからミッドゲインの領域に最適化されています。

そのため、80年代以降のハイゲインサウンドやメタル系のディストーションサウンドを求める場合には、本機は適していません。

Driveノブを最大にしても、モダンなハイゲインペダルのような激しい歪みは得られません。

あくまでも「アンプが心地よくブレイクアップしている」範囲のオーバードライブであり、それ以上のゲインが必要な場合は別のペダルを検討すべきです。

同じTECH21のBoostシリーズであれば、Boost Distortionの方がよりハイゲインなサウンドに対応できます。

ただし、それでもメタル専用ペダルほどのゲイン量はないため、本格的なメタルサウンドを求める場合はBoostシリーズ以外の選択肢も視野に入れてください。

市場での認知度が低く試奏できる店舗が限られる

TECH21はSansAmpシリーズで有名なメーカーですが、このBoost OVER DRIVEは市場での認知度がそれほど高くありません。

そのため、店頭で試奏できる機会が限られているという声があります。

Boss、Ibanez、MXRなどの大手メーカーのペダルであれば、大型楽器店に行けばほぼ確実に試奏できます。

しかしBoost OVER DRIVEは取り扱い店舗が限られており、実際に音を確認してから購入したいという方にとってはハードルとなる可能性があります。

購入前に音を確認したい場合は、動画デモを参考にするか、返品可能なオンラインショップでの購入を検討するとよいでしょう。

TECH21 Sansamp Boost OVER DRIVEの評判・口コミ

ユーザーが評価するおすすめな点

本機に対するポジティブな評価として最も多いのが、そのサウンドクオリティに関するものです。

「クラシックロックのトーンを本当にしっかり出してくれる」という声が多く、70年代のブルースロックサウンドを求めるギタリストからの支持を集めています。

クリーンアップ性能の高さも高く評価されています。

「ギターのボリュームを絞ったときの反応が非常にスムーズで、チューブアンプのようだ」という評価があり、ダイナミックな演奏表現を重視するプレイヤーから好評です。

また、「オーバードライブとしてもブースターとしても非常に優秀」という評価も目立ちます。

一台二役の汎用性の高さが、限られたペダルボードスペースを有効活用したいギタリストに支持されています。

サウンドの印象としては、「特徴的なバイトを持ちながらも非常にスムーズ」「SRVトーンの再現に最適」といった声があり、ブルース系ギタリストからの評価が特に高い傾向にあります。

価格と品質のバランスについても、「この品質でこの価格は適切」「コストパフォーマンスが高い」という評価が見られます。

購入前に確認すべき注意点

一方で、注意すべき点として挙げられているのが、ブースト回路の配置の問題です。

「ブーストがポスト固定なので、プリブーストとして使いたい人には向かない」という指摘があります。

ゲイン量についても、「ハイゲインやメタル系の音を求める人には物足りない」という声があります。

本機はあくまでもミッドゲインまでのオーバードライブペダルであり、それ以上の歪みを求める場合は別の選択肢を検討すべきという意見です。

また、「市場であまり話題にならないペダル」という声もあり、知名度の低さから情報収集に苦労するという点も指摘されています。

実際の使用シーンと満足度

実際のユーザーからは、様々な使用シーンでの満足度の高さが報告されています。

「Fender系のクリーンアンプと組み合わせて使っているが、非常に相性が良い」という声があり、特にVibroverb、Vibrolux、Bassman、Princeton Reverbといったアンプとの組み合わせで高い評価を得ています。

「シングルコイルでもハムバッカーでも良い反応を示す」という報告もあり、ギターを選ばない汎用性の高さが確認されています。

全体的な満足度は高く、「持って帰りたくなるほど気に入った」「これが初めてのペダル購入になるかもしれない」といった熱心な支持者の声も見られます。

一方で、「なぜもっと人気がないのか不思議なペダル」という声もあり、隠れた名機として評価する向きもあります。

まとめ:TECH21 Sansamp Boost OVER DRIVEはこんな人におすすめ

総合評価と競合ペダルとの比較

TECH21 Sansamp Boost OVER DRIVEは、70年代のブルース/ブルースロックサウンドを現代的なスペックで再現したオーバードライブペダルです。

Sparkleコントロールによる倍音調整、21dBのクリーンブースト、チューブアンプのような自然なクリーンアップ性能が主な特徴です。

競合となるIbanez Tube Screamerと比較すると、ゲイン量が高くSparkleコントロールによる音作りの幅が広い点で優位性があります。

価格帯は約$123〜$149と、Tube Screamerよりやや高めですが、ブースター機能が内蔵されていることを考えると妥当な設定と言えます。

ハイゲインな歪みを求める場合は、同シリーズのBoost Distortionや他社製品を検討すべきですが、ブルース〜クラシックロックの範囲であれば本機は非常に有力な選択肢となります。

購入判断のポイントと最適なユーザー像

本機は以下のようなギタリストに特におすすめです。

  • 70年代のブルース/ブルースロックサウンドを求める方
  • SRVのようなブルージーなトーンが好きな方
  • チューブアンプのような自然なクリーンアップを重視する方
  • オーバードライブとブースターを一台でまかないたい方
  • Tube Screamer系の音が好きだがもう少し調整幅が欲しい方
  • Fender系クリーンアンプを使用している方
  • シングルコイルとハムバッカーの両方を使い分ける方
  • 品質と価格のバランスを重視する方

逆に、以下のような方には本機は適していません。

  • ハイゲイン・メタル系のディストーションサウンドを求める方
  • ブーストをプリ(前段)に配置したい方

総合的に見て、TECH21 Sansamp Boost OVER DRIVEは、ブルース〜クラシックロックを中心に演奏するギタリストにとって、非常に完成度の高いオーバードライブペダルです。

知名度こそ高くありませんが、サウンドクオリティと汎用性の高さは折り紙付きです。

温かみのあるアナログサウンドと実用的なブースト機能を兼ね備えた本機は、ペダルボードの中核を担う一台となるでしょう。

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