「ライブ中に音色を切り替えたいけど、複数のエフェクターを踏み分けるのは面倒…」
「サンズアンプの音は好きだけど、1音色だけじゃ物足りない」——そんな悩みを抱えるベーシストは多いのではないでしょうか。
TECH21 Sansamp PROGRAMMABLE BASS DRIVER DIは、定番プリアンプ「Bass Driver DI」に3チャンネルのプリセット機能を追加したモデルです。
この記事では、実際のユーザー評価をもとに、製品の特徴・スペック・メリット・デメリット・口コミ評判を徹底解説します。
購入を検討している方が後悔しない選択ができるよう、競合製品との違いや購入時の注意点まで詳しくお伝えします。
TECH21 Sansamp PROGRAMMABLE BASS DRIVER DIの特徴・概要
定番「Bass Driver DI」に3チャンネルプリセット機能を搭載
TECH21 Sansamp PROGRAMMABLE BASS DRIVER DIは、1994年の発売以来ベーシストの定番アイテムとして愛され続けてきた「Bass Driver DI」をベースに、3チャンネルのフルプログラム機能を追加したモデルです。
フットスイッチを使って3種類のサウンドセッティングを瞬時に呼び出せるため、1曲の中でクリーン・軽い歪み・深い歪みを使い分けたいライブ派ベーシストにとって非常に実用的な設計となっています。
プリセットの保存方法もシンプルで、好みの音色を作り上げた状態でフットスイッチをダブルクリックするだけで設定が記録されます。
複雑な操作は必要なく、直感的に扱えるのが大きな魅力です。
真空管アンプのような暖かみのあるサウンドキャラクター
本機の核となるのは、TECH21独自の「SansAmp Tube Amplifier Emulation」技術です。
これは100%アナログ回路によって真空管アンプ特有のウォームで自然な歪みを再現する技術で、プリアンプからパワーアンプ、スピーカーキャビネットに至るまでの信号経路全体をシミュレートしています。
この技術により、デジタル機器では得られにくい「ブリブリとした質感」「ゴリゴリとした硬質なサウンド」を実現しています。
繋ぐだけで音が太くなり、存在感のあるベースサウンドが得られるため、「サンズの音」として多くのプロ・アマチュアベーシストから支持されています。
プリアンプとDIを1台で完結できるオールインワン設計
本機はプリアンプとしての音作り機能に加え、DI(ダイレクトボックス)としての機能も完備しています。
XLR出力を搭載しているため、ライブハウスのPAミキサーやレコーディングスタジオのミキシングコンソールに直接信号を送ることが可能です。
これにより、どんな会場のどんなアンプを使っても、自分が作り込んだサウンドをそのままPAに送ることができます。
ライブハウスに常設されているDIを使う必要がなくなり、音質のクオリティを自分でコントロールできるのは大きなアドバンテージです。
また、48Vファンタム電源にも対応しているため、ミキサーからの電源供給で駆動させることも可能で、電池切れの心配なくレコーディングに臨めます。
TECH21 Sansamp PROGRAMMABLE BASS DRIVER DIのスペック・仕様
コントロール・入出力端子の詳細
本機には6つのコントロールノブが搭載されています。
DRIVEはチューブアンプのような質感のオーバードライブを再現し、歪み具合を調整します。
BASSとTREBLEはそれぞれ低音域と高音域をコントロールし、PRESENCEはTREBLEよりさらに上の超高域、つまりピッキングのアタック音やスラップ時のギラっとした成分を調整します。
BLENDはベースの原音とサンズアンプのエフェクト音をミックスする比率を決定し、LEVELで全体の出力音量を調整します。
入出力端子については、右側面上部にINPUT、左側面上部にOUTPUT、左側面下部にXLR OUTPUT、右側面下部にPARALLEL OUTPUTを備えています。
PARALLEL OUTPUTは並列接続用の端子で、主にチューナーを接続する際に使用します。
間にチューナーを挟むことによる音痩せが気になる場合に便利な機能です。
本体中央には複数の切り替えスイッチがあります。
OUTPUT用の「LINE/INST」スイッチは出力レベルを切り替え、INSTにすると-10dBに減衰させてレベルオーバーを防ぎます。
XLR用の「LINE/INST」スイッチも同様で、INSTにすると-20dBに減衰します。
「PHANTOM & GROUND CONNECT」スイッチはファンタム電源での駆動とグランド接続の切り替えに使用します。
電源方式とサイズ・重量
電源は3つの方式に対応しています。
9V電池(006P)での駆動、9V DCアダプター(φ2.1mm センターマイナス)での駆動、そして48Vファンタム電源での駆動が可能です。
電源環境に応じて柔軟に対応できるのは実用面で大きなメリットです。
本体サイズは184mm(幅)×127mm(奥行)×51mm(高さ)で、通常のBass Driver DIと比較するとかなり大型になっています。
これは3つのフットスイッチを搭載しているためで、ペダルボードへの組み込みを検討する際にはサイズの確認が必須です。
生産国はアメリカで、TECH21の品質管理のもとで製造されています。
通常版Bass Driver DIおよびV2との仕様比較
本機を検討する際に知っておくべき重要なポイントとして、現行の「Bass Driver DI V2」との違いがあります。
V2には本機にはないMIDコントロールが追加されており、500Hz/1000Hzの2種類から周波数を選択できます。
また、BASSについても40Hz/80Hzの周波数選択機能が追加されています。
これらの機能により、V2はより細かな音作りが可能になっています。
一方、本機PROGRAMMABLE版の最大の優位点は3チャンネルのプリセット機能です。
V2は1チャンネルのみのため、ライブ中に複数の音色を切り替えたい場合は本機の方が適しています。
通常のBass Driver DI(非Programmable)と比較すると、同じコントロール構成ながら3プリセットが使える点が本機のアドバンテージです。
ただし、サイズは通常版の方がコンパクト(120mm×95mm×50mm)であるため、音色切り替えの必要がなければ通常版を選ぶという選択肢も有効です。
TECH21 Sansamp PROGRAMMABLE BASS DRIVER DIのおすすめポイント
フットスイッチで3種類の音色を瞬時に切り替え可能
本機最大の魅力は、3つのフットスイッチによる音色の瞬時切り替えです。
例えば、チャンネル1にナチュラルなクリーンサウンド、チャンネル2に軽く歪ませたクランチサウンド、チャンネル3に深く歪ませたドライブサウンドを設定しておけば、1曲の中でも状況に応じて最適な音色を選択できます。
この機能は特にライブで威力を発揮します。
バラード曲ではクリーンな音色で繊細に、サビでは歪みを加えて存在感を出すといった使い分けが、足元のスイッチ一つで実現できます。
従来であれば複数のエフェクターを組み合わせて行っていた音色切り替えが、1台で完結するのは大きなメリットです。
プリセットの保存も非常に簡単で、ノブで音を作り込んだ後にフットスイッチをダブルクリックするだけで設定が記録されます。
ただし、誤ってダブルクリックしてしまうと設定が上書きされてしまうため、お気に入りの設定はメモしておくことをおすすめします。
ゴリゴリの歪みからナチュラル系まで幅広い音作りに対応
「サンズアンプ=ドンシャリのゴリゴリサウンド」というイメージを持っている方も多いかもしれませんが、本機は設定次第でナチュラル系の音作りにも対応できます。
DRIVEの量を抑え、BLENDを12時より反時計回りに設定することで、原音を活かした自然なサウンドを作ることが可能です。
一方で、DRIVEを上げ気味にしてBLENDを12時以降に設定すれば、サンズアンプの真骨頂であるブリブリとしたゴリゴリサウンドが得られます。
PRESENCEを上げれば、スラップ時のギラっとしたアタック感を強調することもできます。
BASS、TREBLEの効きも良いため、ドンシャリからミッドを活かしたサウンドまで、幅広い音作りに対応できる懐の深さがあります。
ライブ・レコーディングの両方で活躍するDI機能
本機はプリアンプとしてだけでなく、本格的なDIとしても使用できます。
XLR出力を備えているため、ライブハウスのPAミキサーに直接信号を送ることが可能です。
これにより、会場に常設されているDIの品質に左右されることなく、自分が作り込んだサウンドをそのままPAに届けられます。
レコーディング用途でも、本機を通した音をダイレクトにオーディオインターフェースやミキサーに送ることで、アンプを通さずとも「アンプを通したような音」を録音できます。
ファンタム電源での駆動にも対応しているため、長時間のレコーディングセッションでも電池切れを心配する必要がありません。
14年以上使用しても問題なく動作しているという報告もあり、アメリカ製ならではの堅牢な作りは長期使用においても信頼できるポイントです。
TECH21 Sansamp PROGRAMMABLE BASS DRIVER DIの注意点・デメリット
MIDコントロール非搭載でドンシャリになりやすい
本機を購入する前に必ず理解しておくべき点として、MID(中音域)のコントロールノブが搭載されていないことが挙げられます。
本機ではMIDの設定値が内部で固定されており、BASSとTREBLEをブーストするとMIDが自動的にカットされ、逆にBASSとTREBLEをカットするとMIDがブーストされる仕組みになっています。
この仕様により、何も考えずにノブを回すとドンシャリサウンドになりやすい傾向があります。
ミドルの効いたサウンドを求める場合や、バンドアンサンブルの中で音抜けを重視したい場合には、音作りに工夫が必要です。
現行のV2にはMIDコントロールが追加されているため、MIDの調整を重視する方はV2を検討することをおすすめします。
本体サイズが大きくペダルボードを圧迫する
3つのフットスイッチを搭載している関係上、本機のサイズは184mm×127mm×51mmとかなり大型です。
通常のBass Driver DI(120mm×95mm×50mm)と比較すると、フットプリントが約1.5倍以上になります。
コンパクトなペダルボードを組んでいる場合、本機を導入することでボードのレイアウトを大幅に見直す必要が出てくる可能性があります。
購入前には必ず自分のペダルボードに収まるかどうかを確認してください。
3プリセット機能が本当に必要かどうかを検討し、音色切り替えの頻度が低いのであれば、コンパクトな通常版を選ぶという判断も賢明です。
「サンズの音」に染まりやすく個性が出しにくい場合も
サンズアンプの音は非常に個性的で、繋ぐだけでベースの音が「サンズの音」に変化します。
これはメリットでもありデメリットでもあり、どんなベースを繋いでもサンズ特有のドンシャリサウンドに染まりやすい傾向があります。
「サンズの音が好き」という方には最高のプリアンプですが、「自分のベース本来の音を活かしたい」「他の人と違う音を出したい」という方にとっては、個性が出しにくいと感じる場合があります。
また、PAエンジニアからは「抜けが悪い」と評価されることもあるため、音作りの際にはバンドアンサンブル全体でのバランスを意識することが重要です。
BLENDを下げて原音を多めにミックスすることで、サンズの色付けを抑えることは可能ですが、それでも完全にニュートラルなサウンドを得ることは難しいです。
TECH21 Sansamp PROGRAMMABLE BASS DRIVER DIの評判・口コミ
ユーザーが評価するおすすめな点
多くのユーザーから高く評価されているのは、やはり3チャンネルのプリセット機能です。
「クリーン、チョイ歪み、激歪みと3種類の音を使い分けられるのがライブで非常に重宝する」という声が多く聞かれます。
かつてはフットスイッチを別途用意して音色切り替えを行っていたユーザーが、本機の導入によりシステムをシンプルにできたという報告も見られます。
サウンド面では「V1、V2より硬質でゴリゴリした音が出る」「ベキベキジャリジャリした攻撃的な音が魅力」という評価があり、特にラウドロックやメタル系の音楽との相性の良さが指摘されています。
「Darkglass製品が整った今風のメタリックな歪みだとすれば、このエフェクターは往年のラウドロックに合う野蛮で暴力的な音」という表現で、そのキャラクターを評するユーザーもいます。
DI機能についても「ライブやレコーディングで自分の音を出せる」「どこで弾いても安定したサウンドが得られる」と高評価です。
耐久性についても「14年以上使用しても問題なく動作している」「全米ツアーで酷使しても壊れなかった」という報告があり、プロユースにも耐える品質が証明されています。
購入前に確認すべき注意点
一方で、購入前に確認すべき注意点としていくつかの指摘があります。
まず「通常のBass Driver DIと比べると若干エフェクター臭さがあり音が薄く感じる」という意見があり、音の太さを最重視する場合は通常版の方が適している可能性があります。
「一般的な設定にするとドンシャリサウンドになるので、サンズアンプの音というのが何か最初はよくわからなかった」という声もあり、初めてサンズアンプを使う場合は音作りに慣れが必要かもしれません。
また「3プリセット機能を過大評価していた。
結局、音を頻繁に変えないので通常版で十分だった」という意見もあり、自分の使用スタイルを見極めてから購入することが推奨されています。
設定保存に関しては「誤ってダブルクリックすると設定が上書きされてしまう」という注意点が複数のユーザーから挙げられています。
お気に入りの設定はメモしておくことが強く推奨されています。
まれに「ノイズがひどくて使えなかった」という報告もありますが、これは個体差や使用環境による可能性が高いと考えられます。
競合製品と比較したときの評価
競合製品との比較では、MXR M80 Bass D.I.+との比較が多く見られます。
「MXRはミドルのノブがあり、ディストーションスイッチも搭載されているため音作りの自由度が高い」「MXRの方がストレートな歪みで、サンズはチューブアンプ風の歪み」という評価が一般的です。
価格面ではMXRの方が安価なため、コストパフォーマンスを重視する場合はMXRも有力な選択肢となります。
現行のBass Driver DI V2との比較では「V2にはMIDコントロールがあり、より細かな音作りが可能」「V2は角が丸く、暴れ具合が落ち着いている」という意見があります。
音作りの幅広さを重視するならV2、複数の音色を切り替えたいなら本機PROGRAMMABLE版、という棲み分けが一般的な評価です。
初代・旧型のBass Driver DIについては「音が太くて最高」という根強いファンがいる一方、本機については「3プリセットの利便性」が最大の評価ポイントとなっています。
まとめ:TECH21 Sansamp PROGRAMMABLE BASS DRIVER DI
こんなベーシストにおすすめ
本機は、ライブ中に複数の音色を使い分けたいベーシストに最適です。
「バラードではクリーン、サビでは歪み」といった音色変化を1台で実現したい方、サンズアンプ特有のゴリゴリサウンドが好きな方、ラウドロックやメタル系の攻撃的なサウンドを求める方に特におすすめできます。
また、ライブとレコーディングの両方で安定したサウンドを得たい方、信頼性の高いDI機能を求める方にも適しています。
購入前にチェックすべきポイント
購入前には以下の点を必ず確認してください。
まず、3プリセット機能が本当に必要かどうかを自分の使用スタイルに照らして検討すること。
音色を頻繁に変えないのであれば、コンパクトな通常版やMIDコントロール付きのV2の方が適している場合があります。
次に、本体サイズ(184mm×127mm×51mm)がペダルボードに収まるかを確認すること。
そして、MIDコントロールがないことを理解した上で、ドンシャリサウンドを許容できるかどうかを考えることが重要です。
総合評価と購入判断のアドバイス
- 3チャンネルプリセット機能により、1台で複数の音色を瞬時に切り替え可能
- サンズアンプ伝統のゴリゴリ・ブリブリサウンドを忠実に再現
- ナチュラル系からハードな歪みまで幅広い音作りに対応
- プリアンプとDIを1台で完結できるオールインワン設計
- ファンタム電源対応で、電池切れを心配せずレコーディング可能
- MIDコントロール非搭載のため、ドンシャリになりやすい傾向あり
- 通常版より大型で、ペダルボードのスペースを圧迫する
- サンズ特有の音に染まりやすく、原音重視派には不向きな場合も
- 新品価格は44,000円〜49,500円程度、中古相場は約24,500円
- 耐久性が高く、10年以上の長期使用にも耐えるアメリカ製の品質
総合的に見て、TECH21 Sansamp PROGRAMMABLE BASS DRIVER DIは「サンズの音が好き」かつ「ライブで音色を切り替えたい」ベーシストにとって、非常に満足度の高い選択肢です。
一方、MIDの細かな調整を重視する場合はV2を、コンパクトさを重視する場合は通常版を検討することをおすすめします。
定番機材として長年支持されてきた実績と信頼性は折り紙付きですので、自分の使用スタイルに合致すれば、長く愛用できる相棒となるでしょう。

