「スタジオで聴くようなプレートリバーブをペダルボードで再現したい」
「UAFXシリーズの音質は本当にプロレベルなのか」——ギタリストなら一度は抱く疑問ではないでしょうか。
数多くのリバーブペダルが市場にあふれる中、Universal AudioのUAFX Heavenly Plate Reverbは「EMT 140の完璧な再現」を謳い、注目を集めています。
本記事では、実際の使用感から詳細スペック、ユーザーの生の声まで徹底的に解説します。
購入を検討している方が知りたいメリット・デメリットを包み隠さずお伝えしますので、最適なリバーブペダル選びの参考にしてください。
Universal Audio UAFX Heavenly Plate Reverbの特徴・概要
EMT 140プレートリバーブの忠実な再現
UAFX Heavenly Plate Reverbの最大の特徴は、1957年にドイツで誕生した伝説的なスタジオ機材「EMT 140」のサウンドを忠実に再現している点です。
EMT 140は、エコーチェンバーに頼らない世界初の人工リバーブユニットとして、無数のヒットレコードに使用されてきました。
約2.6m×1.2mという巨大な金属板を振動させて生み出す独特の残響音は、デジタル技術が発達した現在でも多くのエンジニアやミュージシャンに愛され続けています。
Universal Audioは2007年からEMT 140のプラグイン開発に取り組んでおり、その長年のノウハウがこのペダルに凝縮されています。
実際にプラグイン版と比較しても、ほぼ聞き分けがつかないほどの再現度を実現しており、数千ドルする実機のサウンドを手頃な価格で体験できる点が高く評価されています。
Golden Reverberatorから生まれたコンパクトモデル
Heavenly Plate Reverbは、UAFXシリーズの上位機種「Golden Reverberator」に搭載されていたプレートリバーブアルゴリズムを継承しています。
Golden Reverberatorは複数のリバーブタイプを搭載した多機能ペダルでしたが、Heavenlyはプレートリバーブに特化することで、よりコンパクトなサイズと手頃な価格を実現しました。
「音質に妥協せず、よりシンプルに」というコンセプトのもと開発されたこのペダルは、プレートリバーブサウンドだけを求めるプレイヤーにとって最適な選択肢となっています。
上位機種と同等のDSP処理能力を持ちながら、操作系をシンプルにまとめることで、直感的な音作りを可能にしています。
3種類のヴィンテージプレートモードを搭載
本機には、特性の異なる3種類のプレートモードが搭載されています。
トグルスイッチで切り替えるPlate A、Plate B、Plate Cは、それぞれ異なる時代・コンディションのEMT 140をモデリングしています。
Plate Aは「Vintage Bright」と呼ばれ、古いタイプのプレートを再現。
明るく、ソフトなレスポンスと短めのディケイが特徴です。
Plate Bは「Vintage Dark」で、同じく古いプレートながらダークなトーンとやや長めのディケイを持ちます。
Plate Cは「Modern Full」として、より新しいプレートの均一なレスポンス、長いディケイ、そして自然なワーブル(揺らぎ)を再現しています。
Universal Audio UAFX Heavenly Plate Reverbのスペック・仕様
コントロール・操作系の詳細
Heavenly Plate Reverbは、6つのノブと複数のスイッチを備えています。
メインコントロールとして、Decay(残響時間)、Mix(原音とエフェクト音のバランス)、Predelay(原音からリバーブ発生までの遅延時間)、EQ(リバーブ音の音色調整)、Mod(モジュレーションの深さ)の5つのノブを搭載。
さらにプレートタイプを選択するA/B/Cの3ポジショントグルスイッチがあります。
筐体上部には、モジュレーションのスピードをFast/Slowで切り替えるスイッチと、バイパス時の動作を選択するTrails/True Bypassスイッチを装備。
Trailsモードではペダルをオフにしてもリバーブの余韻が自然に減衰し、True Bypassモードでは即座にドライ音に切り替わります。
フットスイッチは非常にソフトな踏み心地で、ライブでの使用にも適しています。
入出力・電源仕様
入出力端子は、インプット(モノラル)とアウトプット(モノラル)の構成です。
ステレオ出力には対応していない点は、購入前に確認が必要なポイントとなります。
電源は9V DCのアイソレーテッド・ペダルボード電源を使用し、消費電力は250mAです。
一般的なコンパクトエフェクターより消費電力が高いため、パワーサプライの容量には注意が必要です。
バッテリー駆動には対応していません。
サイズ・筐体デザイン
筐体はメタリックゴールドのカラーリングで、高級感のある仕上がりとなっています。
サイズはUAFXコンパクトシリーズ共通の設計で、一般的なコンパクトエフェクターよりやや大きめながら、ペダルボードに収まりやすいサイズ感です。
ビルドクオリティは高く、金属製の堅牢な筐体を採用。
ノブ類もしっかりとした作りで、長期間の使用にも耐えうる品質を備えています。
ただし、上位機種のGolden ReverberatorやDel-Verbと比較すると、デザイン面でややシンプルな印象を受けるという声もあります。
Universal Audio UAFX Heavenly Plate Reverbのおすすめポイント
スタジオ機材レベルの音質をペダルボードで実現
Heavenly Plate Reverbの最大の魅力は、何と言ってもその圧倒的な音質です。
Universal Audioが長年培ってきたDSP技術とモデリングのノウハウにより、実機のEMT 140が持つ独特の金属的な響き、深み、そして立体感を見事に再現しています。
クリーンアンプと組み合わせた場合、フロントインプットでもエフェクトループ経由でも、驚くほどのクラリティと奥行きを感じられます。
多くのリバーブペダルでは、アンプを通すと音が潰れたり、コアトーンが濁ったりすることがありますが、Heavenlyではそうした問題が起きにくいと評価されています。
ドライブサウンドとの相性も良く、70年代のスタジオ録音のような質感を簡単に得ることができます。
プリディレイとEQによる細やかな音作り
プリディレイコントロールの搭載は、本機の大きなアドバンテージです。
原音からリバーブが発生するまでの時間を調整することで、演奏のダイナミクスとリバーブの関係性を細かくコントロールできます。
速いパッセージでは短めに、ロングトーンでは長めにといった使い分けが可能です。
EQノブにより、リバーブ音の明るさを自在に調整できる点も便利です。
ダークでボールドなトーンから、シャイニーでクリスプなサウンドまで、楽曲やアンサンブルに合わせた音作りが行えます。
さらにモジュレーション機能では、Fast/Slowの2段階でスピードを選択でき、クラシックなプレートサウンドからモダンで揺らぎのあるリバーブまで幅広くカバーします。
常時オンで使えるナチュラルなリバーブサウンド
プレートリバーブは数あるリバーブタイプの中でも最も自然な響きを持つとされており、Heavenlyはその特性を最大限に活かせるペダルです。
サーフミュージックのウォッシュアウトしたサウンド、モータウン風のカッティング、孤独感を演出するシングルノートのリードなど、様々なジャンルで活躍します。
「セット・アンド・フォーゲット」、つまり一度設定したらそのまま使い続けるタイプのプレイヤーに最適です。
Mixを控えめに設定しておけば、常時オンでも邪魔にならない上品な残響を加えることができます。
Trailsモードを活用すれば、オン/オフ時の切り替えも自然で、ライブパフォーマンスでも違和感なく使用できます。
Universal Audio UAFX Heavenly Plate Reverbの注意点・デメリット
モノラル出力のみでステレオ非対応
Heavenly Plate Reverbの最も大きな弱点として挙げられるのが、モノラル出力のみという仕様です。
ステレオリグを組んでいるプレイヤーや、レコーディングでステレオの広がりを求める方にとっては、この制限は致命的になり得ます。
同じプレートリバーブアルゴリズムを搭載するGolden ReverberatorやDel-Verbではステレオ出力に対応しているため、ステレオ環境が必須の方はこれらの上位機種を検討する価値があります。
Universal Audioがコンパクトシリーズでステレオ対応を見送った理由は明らかではありませんが、サイズとコストを抑えるためのトレードオフと考えられます。
上位機種との機能・コスパ比較
購入を検討する際に考慮すべきなのが、上位機種との比較です。
Golden Reverberatorは本機の約1.5倍の価格ですが、プレートリバーブに加えてスプリング、ホールなど複数のリバーブタイプを搭載し、ステレオ出力にも対応しています。
3種類のリバーブを収録しながら、価格は3倍にはならない計算です。
Del-Verbも同様に、プレートリバーブアルゴリズムを搭載しつつ、チューブアンプのスプリングタンクやレキシコン風ホールリバーブ、さらに3種類のディレイも使用可能です。
「プレートリバーブだけでいい」という明確なニーズがある方には最適ですが、将来的に他のリバーブタイプも欲しくなる可能性があるなら、上位機種の方が結果的にコストパフォーマンスが高くなるケースもあります。
プレートモード間の音色差が微妙
3種類のプレートモード(A/B/C)は、それぞれ異なる特性を持っていますが、その差は比較的微妙です。
他のUAFXコンパクトペダル、例えば1176コンプレッサーやOrionテープエコーと比較すると、モード間の変化が控えめに感じられるという意見があります。
Plate AとPlate Bの違いは、DecayやEQの調整である程度カバーできる範囲であり、劇的な音色変化を期待すると物足りなく感じるかもしれません。
一部のユーザーからは、「3つのプレートモードのうち1つをLexicon 224デジタルプレートに置き換えてくれれば、より幅広い音作りができたのに」という声も上がっています。
この点は、Golden Reverberatorに搭載されていたPlate 224モードがHeavenlyには含まれていないことへの不満とも言えます。
Universal Audio UAFX Heavenly Plate Reverbの評判・口コミ
ユーザーが評価するおすすめな点
Heavenly Plate Reverbに対する評価で最も多いのは、その音質の素晴らしさです。
「スタジオグレードのリバーブを謳うペダルには懐疑的だったが、UAだけあって期待を裏切らない」という声が多く聞かれます。
特にプラグイン版EMT 140との比較では「ほぼ聞き分けがつかない」レベルの再現度と評価されており、Universal Audioの技術力の高さが証明されています。
実際の使用感としては、「深み、奥行き、広がりが素晴らしい」「クリーンでもドライブでも美しく響く」といった感想が寄せられています。
また、フットスイッチの踏み心地やビルドクオリティの高さも好評で、ライブでの使用に耐える堅牢さを備えている点が評価されています。
「高品質なプレートリバーブを探しているなら、これが一番」と断言するユーザーも多く、プレートリバーブに特化したペダルとしては最高峰という評価が定着しています。
常時オンで使用しているユーザーからは、「どんなセッティングでも馴染みやすく、邪魔にならない」という声も聞かれます。
購入前に確認すべき注意点
一方で、購入前に確認すべき点として最も多く挙げられるのがモノラル出力の制限です。
「ステレオがないのが本当に残念」「ステレオリグを組んでいる自分には使えない」という声があり、この仕様が購入の障壁になっているケースが見られます。
価格に関しては、「フルプライスでは買わない」「セール時やB-Stock品を狙うのがおすすめ」という意見があります。
定価での購入に躊躇するユーザーがいる一方で、セール価格であれば「間違いなく買い」という評価も多く見られます。
また、上位機種との比較で「もう少し出せばGolden Reverberatorが買えるので、そちらの方がバリエーション豊富で良いのでは」という提案も散見されます。
デジタル製品特有の懸念として、「故障した場合の修理が困難」という点を指摘する声もあります。
アナログペダルと異なり、内部の修理やパーツ交換が難しいため、長期的な使用を考えると不安要素になり得ます。
他製品との比較で見えた評価
同価格帯の他社製リバーブペダルとの比較では、Heavenlyの音質面での優位性が認められています。
特に「TonexやHX Stompのリバーブと比べると明らかに良い」という評価があり、専用機ならではの品質の高さが際立っています。
Fractal Audio製品のLondon Plateとの比較テストも行われており、両者のクオリティの高さが確認されています。
Strymon、Walrus Audio、Catalinbreadなど競合他社の製品と比較した場合、「EMT 140の再現という点では、UAが圧倒的」という評価が一般的です。
ただし、汎用性や機能の豊富さでは他社製品に軍配が上がるケースもあり、「プレートリバーブ一択」なのか「様々なリバーブタイプを使いたい」のかで最適な選択肢が変わってきます。
Universal Audio製品内での比較でも、用途に応じてHeavenly、Golden Reverberator、Del-Verb、さらには新製品のOx Stompなど、選択肢が複数存在する点は購入時に考慮すべきポイントです。
まとめ:Universal Audio UAFX Heavenly Plate Reverb
総合評価:こんな人におすすめ
UAFX Heavenly Plate Reverbは、プレートリバーブサウンドを追求するギタリストにとって、現時点で最高峰の選択肢と言えます。
EMT 140の再現度は競合製品を凌駕しており、スタジオクオリティのリバーブをペダルボードで実現したい方には最適です。
特に、常時オンで自然なリバーブを加えたい方、シンプルな操作で高品質なサウンドを得たい方、そしてプレートリバーブの音色に特化した専用機を求める方に強くおすすめできます。
モノラル環境でライブやレコーディングを行うプレイヤーにとっては、価格以上の価値を提供してくれるペダルです。
購入判断のポイント
- EMT 140プレートリバーブの再現度は業界最高峰レベル
- 3種類のプレートモード(Vintage Bright/Vintage Dark/Modern Full)を搭載
- プリディレイ、EQ、モジュレーションによる細やかな音作りが可能
- ビルドクオリティが高く、フットスイッチの踏み心地も良好
- 常時オンペダルとして最適な自然なリバーブサウンド
- モノラル出力のみでステレオ環境には非対応
- 上位機種(Golden Reverberator/Del-Verb)との機能差・価格差を要検討
- 3つのプレートモード間の音色差は微妙で、劇的な変化は期待できない
- 9V DC/250mA消費のため、パワーサプライの容量確認が必要
- 総合評価:プレートリバーブ専用機として最高の選択肢だが、汎用性を求めるなら上位機種も視野に

