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ZOOM AC-2 レビュー解説|ピエゾの音が生まれ変わるアコギ用プリアンプ

エレアコをライブで使うとき、「なんだかピエゾ臭い音になってしまう」「アコギ本来の響きが出ない」と悩んでいませんか?ピックアップを通した音は、どうしても生音の豊かさが失われがちです。

本記事では、そんな悩みを解決するZOOM AC-2を徹底解説します。

製品の特長から詳細スペック、実際の使用感、メリット・デメリット、そしてユーザーからのリアルな評価まで、購入前に知っておきたい情報を網羅しました。

この記事を読めば、AC-2があなたのギターライフに合うかどうかが明確になります。

目次

ZOOM AC-2の特長|アコースティック・リモデリングで失われたボディ鳴りを再現

ZOOM AC-2は、2017年5月に発売されたアコースティックギター専用のDI機能付きプリアンプです。

最大の特長は「アコースティック・リモデリング」機能。

ピックアップを通すことで失われてしまうアコギ本来のボディ鳴りを、デジタル処理によって再現します。

ピエゾの「刺々しさ」を和らげる独自技術

アンダーサドル・ピエゾピックアップは、アコギのライブ演奏で最も一般的な選択肢です。

しかし、その音は「ピエゾ臭い」「プラスチックのような硬い音」と表現されることも少なくありません。

AC-2のリモデリング機能は、ボディの材質・形状・構造によって異なる音響特性をシミュレートし、まるでマイクを立てたかのようなエアー感を加えます。

16種類のソースギター・プリセット

AC-2には以下の16種類のギタータイプがプリセットされています。

ドレッドノート、ラウンドショルダー、スクエアショルダー、ジャンボ、シングルカッタウェイ、オーケストラモデル(OM)、00、000、パーラー、12弦ギター、ナイロンギター、リゾネーター、モルド(OVATION型)、サイレントギター、YAMAHA LLシリーズ、アップライトベースの16種類です。

使用するギターのボディタイプに合わせてダイヤルを回すだけで、そのギターに適したボディ鳴りが再現されます。

競合製品との差別化ポイント

同価格帯の定番製品であるL.R.Baggs Para Acoustic D.I.(通称パラアコ)と比較すると、AC-2は「攻め」のプリアンプと言えます。

パラアコが原音に忠実に音を整える「守り」のアプローチなのに対し、AC-2はリモデリングやリバーブで積極的に音を作り込めます。

さらに、チューナー、ブースター、アンチフィードバック機能まで搭載しており、これ1台でライブに必要な機能が揃う点が大きな強みです。

ZOOM AC-2のスペック・仕様

基本仕様

項目仕様
製品名ZOOM AC-2 Acoustic Creator
発売日2017年5月下旬
価格オープンプライス(実売21,800円~25,000円)
外形寸法158mm(D) × 107mm(W) × 52mm(H)
重量570g(電池除く)

音声処理スペック

項目仕様
ソースギター16タイプ
サンプリング周波数44.1kHz
A/D変換24-bit 128倍オーバーサンプリング
D/A変換24-bit 128倍オーバーサンプリング
信号処理32-bit
周波数特性20Hz~20kHz(+1dB/-3dB、10kΩ負荷時)

入出力仕様

項目仕様
GUITAR IN標準フォーンジャック、定格入力レベル-20dBu、入力インピーダンス10MΩ
1/MONO/PHONES標準ステレオフォーンジャック(ライン/ヘッドフォン兼用)、最大出力+7dBu(ライン)、8mW+8mW(ヘッドフォン、32Ω負荷時)
2標準フォーンジャック、最大出力+7dBu
BALANCED OUTXLRジャック、出力インピーダンス100Ω/200Ω、PRE/POST切替、GND LIFT対応

ノイズ性能

項目仕様
S/N比120dBu
ノイズフロア-100dBu

超低ノイズ設計により、クリーンな出音を実現しています。

電源仕様

項目仕様
ACアダプタDC9V センターマイナス、500mA(AD-16付属)
電池単三乾電池×2本(連続駆動約3時間)
USBMicro-B(バスパワー対応)

ZOOM AC-2のおすすめな点

1. 直感的な操作で素早く良い音が作れる

AC-2の操作系は「オートマ的」と評されることが多く、ツマミを回すだけで70~80%程度の完成度の音が得られます。

PAさんがいない小規模なライブや、リハーサル時間が限られる現場でも、短時間で実用的な音作りが可能です。

ソースギターのダイヤルを使用ギターに合わせ、ピエゾ/マグネットの切り替えを選択するだけで、基本的なセットアップは完了します。

2. オールインワンでボード構成がシンプルに

DI機能、プリアンプ、3バンドEQ、リバーブ、チューナー、ブースター、アンチフィードバック機能がこの1台に集約されています。

特にチューナーは高輝度LEDメーターを採用しており、暗いステージでも視認性が良好です。

フットスイッチで即座にチューナーモードに切り替えられ、チューニング中は音声出力がミュートされるため、MCをしながらのチューニングも可能です。

3. S/N比120dBの超低ノイズ設計

ノイズフロア-100dBuという数値が示すとおり、AC-2は非常にクリーンな出音を実現しています。

特にパッシブのコンタクトピックアップを接続した際のノイズ除去性能は優秀で、ライブ会場でも安心して使用できます。

4. アンチフィードバック機能で突然のハウリングにも対応

ボタンを押すだけでハウリングの原因となる周波数を自動検出し、その帯域をピンポイントでカットします。

音質変化を最小限に抑えながら、約2秒程度でフィードバックを解消できるため、ライブ中の突発的なハウリングにも素早く対応できます。

5. 3種類の電源オプションで様々な環境に対応

ACアダプタ(付属)、単三電池2本、USBバスパワーの3種類から電源を選べます。

屋外でのストリートライブでは電池駆動、スタジオでは ACアダプタ、デスクトップでの音作りにはUSBバスパワーと、シーンに応じた使い分けが可能です。

6. コストパフォーマンスの高さ

実売価格21,800円~25,000円という価格帯で、これだけの機能を搭載している製品は希少です。

同価格帯のL.R.Baggs Para Acoustic D.I.と比較しても、リバーブやチューナー、アンチフィードバック機能が追加されており、機能面では上回っています。

ZOOM AC-2の注意点

1. 電池駆動時間は約3時間と短め

単三電池2本で約3時間の連続使用が可能ですが、長時間のライブではリハーサルを含めると心許ない時間です。

ライブハウスやホールでの使用時は、ACアダプタの使用を強く推奨します。

電池駆動は緊急用またはストリートライブなど短時間の使用に限定するのが現実的です。

2. EQは3バンドのみで細かい調整には限界あり

AC-2のEQはBASS、MIDDLE、TREBLEの3バンド構成です。

L.R.Baggs Para Acoustic D.I.の5バンドEQと比較すると、周波数帯域を細かく追い込む調整には不向きです。

特定のギターとの組み合わせで「EQの周波数ポイントが欲しい場所とずれている」と感じるケースもあるため、試奏してから購入することをおすすめします。

3. デュアルピックアップには不向き

AC-2はリモデリング機能をOFFにできない仕様となっています。

そのため、内蔵マイクとピエゾを組み合わせたデュアルピックアップを使用している場合、リモデリングが余計な処理となる可能性があります。

また、入力端子が1系統しかないため、パラ出しのデュアルピックアップシステムには対応できません。

Gibson、Martinなどのシングルピックアップのエレアコユーザーに最適な製品と割り切るべきです。

4. アクティブピックアップ使用時は設定に注意

L.R.Baggs AnthemやTaylor ES2などのアクティブピックアップを使用する場合、ギター内蔵プリアンプのボリュームを十分に上げてからAC-2で調整する必要があります。

内蔵プリアンプの音量が低い状態でAC-2やその先の機器で音量を上げると、「サー」というノイズが目立つことがあります。

内蔵プリアンプのボリュームを8~9割程度まで上げることで、この問題は解消されます。

5. 入力インピーダンス10MΩの相性問題

AC-2の入力インピーダンスは10MΩです。

多くのピックアップでは問題ありませんが、K&Kなどの一部パッシブピックアップでは相性問題が報告されています。

単一素子のピックアップであれば問題は少ないですが、複数素子を使用するピックアップでは、ギターや接続機器との組み合わせによって最適な結果が得られない場合があります。

6. 旧機種A3からの乗り換えは機能ダウンの面も

ZOOM A3からの買い替えを検討している場合、AC-2ではマイク入力端子が廃止されている点に注意が必要です。

A3では40種類のエフェクターを最大2種類同時使用できましたが、AC-2ではリバーブのみとなっています。

より多機能を求める場合は上位モデルのAC-3を検討してください。

ZOOM AC-2の評判・口コミ

ユーザーが評価するおすすめな点

音質に関する評価

多くのユーザーが「非常に素直な音」「音が太くなるというよりふくよかになる」と評価しています。

安価なエレアコでも「とてつもなくいい音になる」という声や、「弦一本一本の音が太く、PAに入れた時に存在感を際立たせてくれる」といった高評価が目立ちます。

BOSSやFISHMANの同種製品と比較して「クセがない」「素直」という印象を持つユーザーが多いようです。

操作性・使い勝手の評価

「操作が簡単で持ち運びに便利」「セッティングが早い」という声が多数あります。

ロータリースイッチによる操作は直感的で、「年配のユーザーにも使いやすい」という評価も見られます。

パラアコとの使い分けで「手軽に行きたい時はこれ一個で十分」という実用的な意見もあります。

コストパフォーマンスの評価

「この価格帯ではバーゲン」「値段の割に機能が充実」という評価が一般的です。

「お安いのでそれほど期待していなかったが、非常に素直な音でびっくりした」という声は、AC-2のコストパフォーマンスの高さを端的に表しています。

「1万円追加すればAC-3もあるが、AC-2で大抵は十分」という意見も多く見られます。

リモデリング機能の評価

「リモデリングという発想が素晴らしい」「ピエゾの味気ないサウンドが、通すだけでマイクで拾ったかのような音になる」という声があります。

安いギターでも「高級ギターの音色に変わる」という評価もあり、特にGibsonやMartinなどピエゾピックアップ搭載のエレアコユーザーから支持されています。

実用性の評価

「ハウリングはスイッチ入れて2秒くらいで止まった」というアンチフィードバック機能への高評価や、「チューナーもなかなか高性能でボードからチューナーペダルを外した」という声もあります。

「PAさんもいない出たとこ勝負なステージでも、少なくとも大惨事は避けられる」という実践的な評価は、ライブユースでの信頼性を示しています。

購入前に確認すべき注意点

音色の変化に関する意見

「ギターのタイプやピックアップを変えてもあまり変わり映えがしない」という声があります。

リモデリング機能は「ギターの音色を劇的に変える」機能ではなく「失われたボディ鳴りを補う」機能であることを理解しておく必要があります。

積極的に音色を変えたい場合は、ターゲットギター機能を搭載した上位モデルAC-3が適しています。

ギターとの相性に関する意見

「EQの周波数ポイントが欲しい場所とずれていた」「特定のギターとの相性問題がある」という報告があります。

すべてのギターで最適な結果が得られるわけではないため、可能であれば自分のギターを持参して試奏することをおすすめします。

機能面での制約に関する意見

「デュアルピックアップには不向き」「リモデリングをOFFにできない」という仕様上の制約に不満を持つユーザーもいます。

内蔵マイクとピエゾのブレンドシステムを使用している場合は、他の選択肢を検討した方が良いでしょう。

電池駆動に関する意見

「電池駆動時間が約3時間と短い」という点は多くのユーザーが指摘しています。

ライブでの使用には基本的にACアダプタが必要と考えておくべきです。

デザインに関する意見

「木目調のデザインだけは好みではない」という声も一部にあります。

機能には影響しませんが、エフェクターボードの見た目を気にする方は実物を確認することをおすすめします。

ZOOM AC-2とAC-3の違い|どちらを選ぶべきか

機能比較

項目AC-2AC-3
ソースギター16種類16種類
ターゲットギターなし15種類
リバーブ1種類3種類
コンプレッサーなしあり
空間系エフェクトなし9種類
XLR出力1(モノラル)2(ステレオ対応)
フットスイッチ2個3個
サイズコンパクトAC-2の約2倍
実売価格約2.2万円約2.7~3万円

選び方の目安

AC-2がおすすめな人

弾き語りがメインの方、シンプルな操作を好む方、コンパクトなボードを組みたい方、コンプレッサーや空間系エフェクトを別ペダルで持っている方にはAC-2が適しています。

「整える」プリアンプとして必要十分な機能が揃っています。

AC-3がおすすめな人

ソロギターを演奏する方、多彩なエフェクトで音作りを楽しみたい方、ステレオ出力が必要な方、有名ギターのサウンドをシミュレートしたい方にはAC-3が適しています。

約1万円の価格差で大幅に機能が拡張されます。

まとめ

  • アコースティック・リモデリング機能により、ピエゾピックアップ特有の硬い音を和らげ、アコギ本来のボディ鳴りを再現できる
  • 16種類のソースギター・プリセットで、使用ギターに最適な音響特性をダイヤル操作だけで選択可能
  • DI機能、3バンドEQ、リバーブ、チューナー、ブースター、アンチフィードバック機能をオールインワンで搭載
  • S/N比120dB、ノイズフロア-100dBuの超低ノイズ設計でクリーンな出音を実現
  • 実売価格約2.2万円で多機能を実現した高いコストパフォーマンス
  • 電池駆動時間は約3時間と短く、ライブでの使用にはACアダプタを推奨
  • 3バンドEQは細かい調整には限界があり、ギターとの相性によってはEQポイントが合わない場合も
  • デュアルピックアップには不向き、シングルピックアップ(特にピエゾ)のエレアコユーザーに最適
  • アクティブピックアップ使用時は内蔵プリアンプのボリュームを十分に上げてから調整が必要
  • 総合評価:Gibson、Martinなどピエゾピックアップ搭載のエレアコで、シンプルかつ高品質な音作りを求める弾き語りプレイヤーに最適な一台。操作の簡単さと音質のバランスに優れ、初心者からプロまで幅広く対応できるアコギ用プリアンプの定番製品
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