ベースを始めたばかりの方や、手軽に使えるマルチエフェクターを探している方にとって、ZOOM B1 FOURは非常に魅力的な選択肢の一つです。
しかし、実際に購入するとなると「本当に使える音なの?」「操作は難しくない?」「上位機種と比べてどう違うの?」といった疑問が浮かんでくるのではないでしょうか。
この記事では、そんな疑問を解消するために、ZOOM B1 FOURの基本的な特徴から、多くの人が気になる音質、具体的な使い方、そして購入前に知っておきたい注意点や実際の評判まで、網羅的にレビュー解説していきます。
この記事を読めば、あなたがZOOM B1 FOURを買うべきかどうかが明確になるはずです。
ZOOM B1 FOURのレビューを徹底解説
ZOOM B1 FOURの主な特徴
ZOOM B1 FOURが多くのベーシストに選ばれる理由は、その多機能性、コンパクトさ、そして圧倒的なコストパフォーマンスにあります。
一言で言えば、「ベースエフェクターの入門機にして、決定版」とも呼べるポテンシャルを秘めた一台です。
まず特筆すべきは、そのサウンドの多様性です。
内蔵されているエフェクトは、B1 FOURで65種類、エクスプレッションペダル付きのB1X FOURでは71種類にも及びます。
これには、定番のコンプレッサーやオーバードライブはもちろん、ベーシストに人気の高いブティック系ペダルのモデリングまで含まれています。
さらに、FenderやAmpegといった王道ブランドを含む9種類のアンプモデルも搭載しており、これ一台で多彩な音作りが完結します。
また、練習を強力にサポートする機能が充実している点も大きな特徴です。
68種類のリズムパターンを内蔵したドラムマシン、最長30秒まで録音可能なルーパー機能を使えば、単調になりがちな個人練習も、バンドでセッションしているかのような臨場感で楽しむことが可能です。
これだけの機能を持ちながら、本体重量はわずか340g(電池含まず)と非常に軽量。
ギグバッグのポケットにもすっぽり収まるコンパクトな設計は、スタジオやライブハウスへの持ち運びの負担を劇的に軽減してくれます。
そして何より、これら全てが1万円を切る価格で手に入るという点が、B1 FOURを特別な存在にしています。
初めてのエフェクターとして、あるいは上級者のサブ機として、あらゆるニーズに応える一台と言えるでしょう。
ZOOM B1 FOURの気になる音質
マルチエフェクターを選ぶ上で、最も重要なポイントはやはり「音質」です。
ZOOM B1 FOURは、その手頃な価格からは想像もつかないほどハイクオリティなサウンドを実現しています。
特に評価が高いのは、アンプモデリングとドライブ系のエフェクトです。
例えば、多くのアンプモデリングには、スピーカーキャビネットの響きをリアルに再現するIR(インパルス・レスポンス)技術が採用されています。
レビュー記事の中では、実機のAmpeg SVTとB1 FOURのモデリングサウンドを比較する音源が公開されており、そのキャラクターを非常によく捉え、実機のニュアンスを高いレベルで再現していることが確認できます。
ドライブサウンドに関しても、その完成度は特筆に値します。
近年のベーシストに絶大な人気を誇るDarkglass ElectronicsのMicrotubes B3KやB7Kのモデリングが収録されている点は、大きな魅力の一つでしょう。
レビューでは「Darkglass特有のややハイファイでゴリゴリとしたドライブサウンドをリアルに連想できた」と高く評価されており、このサウンドのためだけにB1 FOURを選ぶ価値がある、と感じる人も少なくありません。
もちろん、SansAmp BASS DRIVER DIやMXR Bass D.I.+といった定番プリアンプのモデリングも収録されており、いずれも元となる実機の特徴を捉えた「使える音」に仕上がっています。
ただし、全てのモデリングが実機と寸分違わず同じというわけではありません。
人によっては「実機に比べると少しロー(低音域)が物足りない」と感じる部分もあるようですが、これは本体のアウトプットEQやエフェクトのセッティング次第で十分に補正可能な範囲です。
全体として、B1 FOURの音質は「シミュレーター」という言葉から連想されるようなチープなものではなく、ライブやレコーディングでも実用レベルに耐えうるクオリティを持っていると言って間違いありません。
ZOOM B1 FOURのおすすめな点
ZOOM B1 FOURは、その懐の深さから、初心者から上級者まで幅広い層のベーシストにおすすめできる一台です。
ここでは、それぞれの立場から見た具体的なおすすめポイントを解説します。
初めてエフェクターに触れる初心者の方へ
ベースを始めて最初の壁となるのが「音作り」です。
B1 FOURには、プロが作成した多彩なプリセットパッチが40種類も用意されています。
まずはこれらのプリセットを切り替えて弾くだけで、「クリーンな音」「歪んだ音」「特殊な音」など、様々なサウンドに触れることができます。
これにより、自分の出したい音の方向性を見つけたり、エフェクターの組み合わせによる音の変化を学ぶ絶好の機会となるでしょう。
また、AUX IN端子にスマートフォンなどを繋げば、好きな曲を流しながらベースを演奏できます。
さらに内蔵のリズムマシンやルーパー機能を使えば、バンドがいなくても楽しく効果的な練習が可能です。
まさに「最高の練習パートナー」となってくれるでしょう。
複数のエフェクターを持ち運びたい中〜上級者の方へ
すでにこだわりのコンパクトエフェクターでボードを組んでいる方にも、B1 FOURは「サブ機」として非常に有効です。
ライブの曲順に合わせてパッチを組んでおけば、足元の操作を最小限に抑えられます。
また、その圧倒的な軽さとコンパクトさは、リハーサルやちょっとしたセッションへ向かう際の荷物を劇的に減らしてくれます。
レビューによれば、音痩せが少ないため、スイッチャーなどを使わずシステムに直接組み込んでも問題を感じにくいようです。
普段は使わないけれど、特定の曲でだけ必要になるような飛び道具的なエフェクト(シンセベースやワウなど)のためだけに、この一台をボードに加えるという使い方も賢い選択です。
自宅での練習環境を充実させたい全ての方へ
B1 FOURは、ヘッドホンを直接繋いで音を出すことができます。
そのため、アンプがない環境でも、時間を問わずに練習に打ち込めます。
ヘッドホン出力はステレオに対応しており、空間系エフェクトの広がりもしっかりと感じることができます。
前述のAUX IN、リズムマシン、ルーパー機能と組み合わせることで、自宅が最高の練習スタジオに変わるでしょう。
ZOOM B1 FOURの操作性と使い方
マルチエフェクターに対して「操作が複雑で難しそう」というイメージを持つ方は少なくありません。
しかし、ZOOM B1 FOURの操作性は非常にシンプルで、初めての方でも直感的に扱えるように設計されています。
B1 FOURの操作の基本は、3つのモードを理解することです。
3つの基本モード
- MEMORYモード: 作成したパッチ(音色のセット)をフットスイッチで順番に切り替える、ライブ演奏の基本となるモードです。
- STOMPモード: 一つのパッチ内で使用している最大5つのエフェクターを、それぞれ個別にオン/オフするためのモードです。コンパクトエフェクターを並べている感覚で使えます。
- EDITモード: パッチの音作りを行うモードです。エフェクトの種類を選んだり、各パラメーターを調整したりします。
これらのモードは、本体の小さなボタンで切り替えます。
演奏中に足元でモード自体を切り替えることは想定されていませんが、「曲ごとに音色を丸ごと変えるならMEMORYモード」「同じ音色の中で部分的にエフェクトをオン/オフするならSTOMPモード」というように、シーンによって使い方を割り切れば不便を感じることは少ないでしょう。
直感的な音作り
音作りを行うEDITモードの操作は非常に明快です。
ディスプレイには、エフェクターが横一列に並んでいる様子がグラフィカルに表示されます。
使いたいエフェクトを選び、ディスプレイ下の4つのノブを回すだけで、各エフェクトのパラメーター(歪みの量や音量など)を調整できます。
これは、アナログのコンパクトエクターのツマミを回す感覚に非常に近いです。
さらに、オートセーブ機能が標準でオンになっているため、編集した内容は自動で保存されます。
これにより、設定を保存し忘れる心配がなく、気軽に様々なエフェクトの組み合わせを試すことができます。
PCアプリ「Guitar Lab」でさらに便利に
USBケーブルでPC/Macと接続すれば、専用アプリ「Guitar Lab」を使って、より快適に音作りができます。
大きな画面でエフェクトの並び替えやパラメーターの調整、パッチの管理やバックアップが行えるほか、オンラインで配信される新しいエフェクトやパッチを追加することも可能です。
足元にかがみ込んで小さな画面で操作するのが苦手な方には、非常に便利な機能と言えるでしょう。
ZOOM B1 FOURのレビュー解説と比較
ZOOM B1 FOURのスペック詳細
ZOOM B1 FOURの魅力は、その機能性だけでなく、物理的な仕様にも表れています。
ここでは、その詳細なスペックを見ていきましょう。
特に注目すべきは、そのサイズと重量です。
項目 | スペック |
エフェクトタイプ | 65種類 |
同時使用エフェクト数 | 最大5 |
パッチユーザーエリア | 50 |
サンプリング周波数 | 44.1 kHz |
A/D、D/A変換 | 24-bit 128倍オーバーサンプリング |
信号処理 | 32-bit |
ディスプレイ | 128×32ドットマトリクスLCD |
入力端子 | INPUT(標準モノラルフォーン)、AUX IN(ステレオミニ) |
出力端子 | OUTPUT(標準ステレオフォーン ライン/ヘッドホン兼用) |
電源 | ACアダプター(別売 AD-16)、単3乾電池×4本、USBバスパワー |
連続駆動時間 | 約18時間(アルカリ電池使用時) |
寸法 | 156 (D) × 130 (W) × 42 (H) mm |
重量 | 340g (電池含まず) |
このスペック表からわかる通り、B1 FOURは驚くほど軽量かつコンパクトです。
多くのレビューで「ギグバッグのポケットに収まる」と評される通り、その携帯性は抜群です。
高さがわずか42mmと非常に薄いため、エフェクターボードに組み込んだ際も圧迫感がありません。
電源が単3電池4本で約18時間も駆動する点も見逃せません。
リハーサルやライブの直前に電池切れの心配が少なく、万が一の場合でもコンビニなどで手軽に入手できる電池で対応できる安心感があります。
もちろん、別売りのACアダプターやモバイルバッテリーからのUSB給電にも対応しているため、使用環境に合わせた電源供給が可能です。
B1X FOURや旧モデルとの比較
ZOOMからはB1 FOUR以外にも様々なベース用マルチエフェクターが発売されています。
ここでは、特に比較対象となりやすいモデルとの違いを明確にし、あなたに最適な一台を見つける手助けをします。
モデル名 | B1 FOUR | B1X FOUR | MS-60B | B3n |
特徴 | 軽量・コンパクト・高コスパ | B1 FOUR + ペダル | ストンプボックス型 | 高機能・高拡張性 |
エクスプレッションペダル | なし | あり | なし | なし(別途接続可) |
同時使用エフェクト | 5 | 5 | 4 | 7 |
パッチ数 | 50 | 50 | 50 | 150 |
ルーパー/リズムマシン | あり | あり | なし | あり |
重量(電池含まず) | 340g | 610g | 350g | 1.28kg |
電源 | 電池/AC/USB | 電池/AC/USB | 電池/AC | ACのみ |
こんな人におすすめ | 初心者、軽さを最優先する方、サブ機として | ワウやボリュームペダルを多用する方 | ボードに1つだけ多機能ペダルを追加したい方 | 本格的な音作りと多彩な操作性を求める方 |
B1 FOUR vs B1X FOUR
この2つの最も大きな違いは、エクスプレッションペダルの有無です。
B1X FOURのペダルでは、ボリューム、ワウ、ピッチシフトなどを足元でリアルタイムにコントロールできます。
ペダル操作を多用するならB1X FOURが便利ですが、その分、重量が約270g増加し、サイズも大きくなります。
「できるだけ軽くてコンパクトな方が良い」という場合はB1 FOURが最適です。
B1 FOUR vs MS-60B
MS-60Bは、コンパクトエフェクターとほぼ同じサイズ感でありながら、多彩なエフェクトを内蔵しているのが魅力です。
エフェクターボードにスマートに組み込める利点がありますが、ルーパーやリズムマシンは搭載されておらず、フットスイッチも一つだけなので操作性には制限があります。
「ボードに多彩な機能を一つだけ加えたい」という目的であればMS-60Bも良い選択ですが、「これ一台で練習からライブまで完結させたい」のであればB1 FOURに軍配が上がります。
B1 FOUR vs B3n
B3nはB1 FOURの上位モデルにあたり、同時使用エフェクト数が7つ、パッチ保存数も150と、より高度な音作りが可能です。
3つの独立したディスプレイとフットスイッチにより、操作性も優れています。
しかし、その分サイズと重量は大きく、電源もACアダプター専用となります。
自宅やスタジオでの使用がメインで、より複雑なサウンドシステムを構築したい場合はB3nが向いていますが、携帯性と手軽さを重視するならB1 FOURが圧倒的に有利です。
ZOOM B1 FOURの注意点
多くのメリットを持つZOOM B1 FOURですが、購入後に「思っていたのと違った」とならないために、いくつか知っておくべき注意点が存在します。
これらは欠点というよりも、価格やコンパクトさと引き換えの「仕様」と理解すると良いでしょう。
スイッチの小ささと配置
B1 FOURは本体がコンパクトなため、フットスイッチも比較的小さめに作られています。
特にエクスプレッションペダル付きのB1X FOURでは、右側のフットスイッチがペダルと隣接しているため、足の大きな人は踏み間違えやすいかもしれません。
ライブなどで使用する際は、事前にしっかりと踏む感覚に慣れておく必要があります。
チューナーモードへの切り替え
チューナー機能は、左右2つのフットスイッチを同時に押すことで起動します。
この「同時押し」が、慣れないうちは意外とシビアに感じられることがあります。
曲の合間に素早くチューニングしたい場面で、誤ってパッチを切り替えてしまわないよう注意が必要です。
なお、チューニング中に音を出すか出さないか(BYPASS/MUTE)は設定で変更できるため、万が一に備えてMUTEモードにしておくと安心です。
ACアダプターは別売り
製品には動作確認用の単3電池が付属していますが、ACアダプター(AD-16)は別売りです。
自宅でじっくり音作りをする場合や、ライブで電池切れの心配をしたくない場合は、本体と合わせてACアダプターを購入することを強くおすすめします。
もちろん、一般的な9Vセンターマイナスのパワーサプライからも電源供給は可能ですが、メーカーは純正アダプターの使用を推奨しています。
筐体の質感
本体の筐体はプラスチック製です。
これにより驚異的な軽さを実現していますが、金属製のずっしりとしたエフェクターに慣れていると、少しチープに感じられるかもしれません。
ただし、複数のレビューによれば、通常の使用で踏んで壊れるような脆さはなく、耐久性については過度に心配する必要はなさそうです。
Guitar Labの使用にはPCが必要
BOSSのODB-3(オーバードライブ)やZOOMオリジナルのベースシンセなど、一部の便利なエフェクトは、初期状態では本体にインストールされていません。
これらを使用するには、PC/Macに専用アプリ「Guitar Lab」をインストールし、USBでB1 FOURを接続してエフェクトを追加する必要があります。
PCを持っていない場合、B1 FOURの全ての機能を引き出すことができない点は留意しておくべきです。
ZOOM B1 FOURの評判・口コミまとめ
実際にZOOM B1 FOURを使用しているユーザーからは、どのような声が上がっているのでしょうか。
ここでは、様々なレビュー記事や口コミから見えてくるポジティブな評判と、一部で見られるネガティブな評判をまとめて紹介します。
ポジティブな評判
圧倒的に多いのは、やはりコストパフォーマンスを称賛する声です。
「1万円以下でこの音質と機能は驚異的」「初心者が最初に買う一台としてこれ以上のものはない」といった意見が多数を占めています。
サウンド面では、特に「ドライブサウンドが使える」「アンプモデリングがリアル」という評価が目立ちます。
DarkglassやSansAmpといった人気機材のモデリングが高品質であることが、多くのユーザーの満足度に繋がっているようです。
また、「軽くて持ち運びが楽」「操作がシンプルで分かりやすい」といった、使い勝手の良さに関する評価も非常に高いです。
「マルチは難しいと思っていたが、B1 FOURは直感的で楽しめた」という、初心者からのポジティブな口コミも多く見られました。
ネガティブな評判
一方で、いくつかのネガティブな意見も見受けられます。
これらは前述の「注意点」と重なる部分が多いです。
最もよく指摘されるのは、「フットスイッチが小さい、または踏みづらい」という点です。
特にライブでの使用を考えているユーザーからは、操作の確実性について懸念の声が上がっています。
また、「プラスチックの筐体が安っぽい」というルックスに関する意見や、「ACアダプターが別売りなのは不便」といった声もあります。
音質に関しても、「やはり本物の高級エフェクターには敵わない」という、こだわりの強いユーザーからのシビアな意見も散見されます。
総評
これらの評判を総合すると、ZOOM B1 FOURは「価格以上の価値を提供する、非常に満足度の高い製品」であると言えます。
いくつかの物理的な制約や、最高級機材との比較における音質の差は存在するものの、そのデメリットを補って余りあるほどのメリット(価格、機能性、携帯性、操作性)を持っていることが、多くのユーザーからの高い評価に繋がっているようです。
まとめ:ZOOM B1 FOURのレビュー解説と購入ガイド
- ZOOM B1 FOURは多機能・軽量・高コスパを兼ね備えたベース用マルチエフェクターである
- 65種類以上のエフェクトと9種類のアンプモデルを内蔵し多彩な音作りが可能
- 特にドライブ系とアンプモデリングの音質評価が高い
- ルーパーとリズムマシンを搭載し自宅での練習環境が充実する
- 操作はシンプルでマルチエフェクター初心者でも直感的に扱える
- 340gと非常に軽量でギグバッグのポケットに収まる携帯性が魅力
- B1X FOURはペダル付きだがその分重く大きくなるため用途で選ぶべき
- フットスイッチの小ささやACアダプターが別売りといった注意点も存在する
- PCアプリ「Guitar Lab」でエフェクトの追加や詳細な編集が行える
- 総じて価格以上の価値があり初心者から上級者のサブ機まで幅広くおすすめできる