「ベース用マルチエフェクターが欲しいけど、大きすぎるのは持ち運びが大変」
「コンパクトなペダルで音作りを完結させたい」
「予算を抑えつつも本格的なサウンドを手に入れたい」——そんな悩みを抱えるベーシストに注目されているのが、ZOOMのMS-60B+です。
この記事では、実際のレビューや購入者の声をもとに、MS-60B+の音質・操作性・コストパフォーマンスを徹底検証。
旧モデルからの進化ポイント、メリット・デメリット、そしてどんなベーシストにおすすめなのかを詳しく解説します。
ZOOM MS-60B+の特徴・概要
コンパクトエフェクター1台分に97種類のエフェクトを搭載
ZOOM MS-60B+は、一般的なコンパクトエフェクターとほぼ同じサイズの筐体に、97種類ものエフェクトとアンプモデリングを詰め込んだベース専用マルチストンプペダルです。
コンプレッサー、EQ、オートワウ、ディストーション、ファズ、コーラス、ディレイ、リバーブなど、ベーシストが必要とするエフェクトを網羅しており、これ1台でサウンドメイクを完結させることができます。
エフェクトの内訳は、ダイナミクス系10種類、フィルター系14種類、ドライブ系13種類、モジュレーション系11種類、ピッチシフト系6種類、シンセ系3種類、ディレイ系7種類、リバーブ系6種類、SFX系5種類となっています。
さらにプリアンプ/DIが11種類、ベースアンプ/キャビネットモデリングが11種類搭載されており、定番の実機サウンドからZOOMオリジナルのプリアンプまで幅広い選択肢が用意されています。
11年ぶりのフルモデルチェンジで音質・機能が大幅進化
MS-60B+は、2013年に発売され長年ベーシストから支持を集めてきたMS-60Bの後継機として、11年ぶりにフルモデルチェンジを遂げたモデルです。
外観は赤と黒のスポーティなツートンカラーに刷新され、内部のDSPエンジンや入出力回路も一新されています。
旧モデルからの主な進化ポイントとして、同時使用可能なエフェクト数が4台から6台に拡張されたこと、操作用のノブが3つから4つに増設されたこと、フットスイッチ周りの4つのボタンが大型化されて足元での操作性が向上したことが挙げられます。
また、大型液晶パネルは選択したエフェクトに応じてバックライトが7色に変化する仕様となり、暗いステージ上での視認性も大幅に改善されています。
音質面では、ブラッシュアップされたDSPエンジンとフラットな位相特性を持つ新設計のアナログ入出力回路により、バイパス音を含めた全体的な音質クオリティが向上しています。
旧モデルで指摘されていたバイパス音のこもりが解消され、クリアで原音に忠実なサウンドが得られるようになりました。
マルチレイヤーIR採用で実機に迫るアンプモデリングを実現
MS-60B+の最大の特徴の一つが、ZOOM独自の「マルチレイヤーIR」技術を採用したアンプ/キャビネットモデリングです。
従来のIR(インパルスレスポンス)技術では、特定の音量下でのみ測定した静的なデータを使用していたため、演奏のダイナミクスに応じた音色変化の再現に限界がありました。
マルチレイヤーIRは、演奏の強弱に応じた動的な音色変化をデータ化することで、実機アンプさながらの表現力を実現しています。
ピッキングの強さやタッチの違いによる微妙なニュアンスが反映されるため、単なるシミュレーターではなく、本物のアンプを鳴らしているような感覚で演奏できます。
搭載されているアンプモデリングには、SVTをはじめとする定番ベースアンプが含まれており、特にSVTモデリングの再現度は多くのユーザーから高い評価を得ています。
バンドアンサンブルの中でも埋もれない存在感のあるサウンドを作り出すことができます。
ZOOM MS-60B+のスペック・仕様
基本スペックと入出力端子
MS-60B+は、79mm(幅)×133mm(奥行)×61mm(高さ)というコンパクトな筐体サイズを実現しています。
重量は電池を含めて400g(電池なしでは353g)と軽量で、ベースケースのポケットやギグバッグのサイドポケットに収まるサイズ感です。
入出力端子は、入力が標準フォーンジャック1系統、出力が標準フォーンジャック2系統(L/R)となっています。
このステレオ出力を活かし、コーラスやディレイなどのステレオ効果をそのまま出力できるほか、「R OUT POSITION」機能を使えば、L出力とR出力で異なるエフェクトチェーンの位置から信号を取り出すことも可能です。
例えば、アンプに送る信号とPAに送る信号を別々にセッティングし、PA回線にだけキャビネットシミュレーターを通すといった使い方ができます。
USB端子はType-Cを採用しており、iOS/iPadOS用の専用アプリ「Handy Guitar Lab for MS-60B+」との接続に使用します。
また、USB MIDI機能により外部機器からのパッチチェンジにも対応しているため、大規模なエフェクトシステムへの組み込みも容易です。
エフェクト・アンプモデリングの種類と同時使用数
MS-60B+に搭載されているエフェクト/アンプモデルの総数は97種類で、旧モデルの58種類から大幅に増加しています。
同時に使用できるエフェクト数は最大6台で、接続順も自由に設定できます。
エフェクトの詳細な内訳は以下の通りです。
ダイナミクス系(コンプレッサーなど)10種類、フィルター系(EQ、オートワウなど)14種類、ドライブ系(ディストーション、ファズなど)13種類、モジュレーション系(コーラス、フェイザーなど)11種類、ピッチシフト系(オクターバーなど)6種類、シンセ系3種類、ディレイ系7種類、リバーブ系6種類、SFX系(ルーパー、フレットレスシミュレーターなど)5種類となっています。
プリアンプ/DIは、世界的に定評のある定番モデルのモデリング8種類とZOOMオリジナルモデル3種類の計11種類を搭載。
ベースアンプ/キャビネットモデリングも11種類用意されており、マルチレイヤーIR技術により実機に迫るサウンドを実現しています。
パッチメモリーは100種類まで保存可能で、うち85種類はプリセットとして収録されています。
プリセットは、単体エフェクト(1〜20番)、複合エフェクト(21〜25番)、楽曲別セッティング(26〜85番)と実用的に分類されており、具体的な楽曲名でプリセットが提示されているため、初心者でもすぐに使い始めることができます。
電源・バッテリー駆動時間・サイズ・重量
電源は3種類の方法に対応しています。
ACアダプター(別売り/ZOOM AD-16、DC9V/センターマイナス/500mA)、単三電池2本、USBバスパワーでの駆動が可能です。
バッテリー駆動時間は電池の種類によって異なります。
アルカリ乾電池使用時は約7時間、ニッケル水素充電池使用時は約6.5時間、リチウム乾電池使用時は約14時間の連続駆動が可能です。
リハーサルから本番まで、電池切れを心配することなく使用できる十分な駆動時間を確保しています。
オーディオ処理は24bit A/D/A変換、32bit信号処理を採用しており、ノイズの少ないクリアなサウンドを実現しています。
この処理能力は、上位機種にも匹敵するスペックであり、価格帯を考えると非常に優れた仕様といえます。
ZOOM MS-60B+のおすすめポイント
1万円台で本格的なサウンドメイクが可能な圧倒的コスパ
MS-60B+の最大の魅力は、1万円台という価格帯で本格的なサウンドメイクが可能な圧倒的なコストパフォーマンスです。
97種類のエフェクトとアンプモデリングを個別に揃えようとすれば、数十万円の投資が必要になりますが、MS-60B+ならそれを1台で、しかも手頃な価格で実現できます。
コンプレッサー、プリアンプ、EQ、空間系エフェクトなど、ベーシストが必要とするエフェクトがすべて揃っているため、これ1台あればペダルボードを組む必要がありません。
初めてエフェクターを購入する初心者から、サブボードやフライリグ(簡易機材セット)を探しているプロまで、幅広い層のニーズに応える製品です。
特に、コンプレッサーは複数種類が搭載されており、原音をミックスできる「GLAM COMPRESSOR」など、単体ペダルとして発売されていても不思議ではないクオリティのエフェクトが含まれています。
この価格でこれだけの選択肢が得られることは、ZOOMの企業努力の賜物といえるでしょう。
旧モデルから大幅向上したクリアな音質とバイパス音
MS-60B+は、旧モデルMS-60Bから音質面で大きな進化を遂げています。
特に顕著なのがバイパス音の改善で、旧モデルで指摘されていた音のこもりが解消され、原音に忠実なクリアなサウンドが得られるようになりました。
エフェクト使用時の音質も向上しており、サスティンにおけるデジタル臭さが軽減されています。
モデリングの精度も上がり、実機との違いがわからないレベルにまで達しているという評価も多く聞かれます。
バンドアンサンブルの中で大きな音量を出した際にも、音質の良さを実感できるクオリティです。
この音質向上は、ブラッシュアップされたDSPエンジンと、フラットな位相特性を持つ新設計のアナログ入出力回路によるものです。
24bit A/D/A変換と32bit信号処理という上位機種並みのスペックも、高音質を支える要因となっています。
専用アプリ連携で直感的なパッチ編集と音色管理が可能
MS-60B+は、iOS/iPadOS用の専用アプリ「Handy Guitar Lab for MS-60B+」との連携により、パッチ編集の利便性が大幅に向上しています。
アプリ上でエフェクトの並び替えやパラメータの調整、パッチの保存・管理が直感的に行えるため、複雑な音作りも効率的に進めることができます。
アプリのインターフェースは視認性に優れており、エフェクトチェーンの全体像を把握しながら編集作業が行えます。
LINE 6などの他社製品と比較しても扱いやすいという評価があり、日本メーカーならではの使いやすさが感じられます。
また、アプリからは追加エフェクトやプリセットパッチのダウンロードも可能で、音色ライブラリを拡張していくことができます。
画面の表示内容を音声で読み上げるVoiceOver機能にも対応しており、アクセシビリティへの配慮もなされています。
ZOOM MS-60B+の注意点・デメリット
本体のみでの操作は慣れが必要でアプリ併用が前提
MS-60B+は多機能であるがゆえに、本体のみでの操作にはある程度の慣れが必要です。
コンパクトな筐体に4つのエンコーダーノブと5つのフットスイッチを詰め込んでいるため、初めて使う場合は操作体系を把握するまでに時間がかかります。
特にパッチの編集やエフェクトの細かい調整を行う際は、専用アプリとの併用が事実上必須といえます。
アプリを使えば格段に操作しやすくなりますが、アプリは有料(150円)である点は購入前に知っておくべきでしょう。
また、現時点ではiOS/iPadOSのみの対応で、Android版は提供されていないため、Androidユーザーは本体のみでの操作を強いられます。
付属のマニュアルは約80ページと詳細で、カラー図解付きの丁寧な説明がなされていますが、すべての機能を使いこなすには相応の学習時間が必要です。
コンパクト筐体ゆえにライブ中の足元操作には不向き
MS-60B+のコンパクトさは持ち運びには大きなメリットですが、ライブ演奏中の足元操作という観点ではデメリットになり得ます。
フットスイッチが密集しているため、足のサイズが大きい人は狙ったスイッチを正確に踏むことが難しく、演奏中のパッチ切り替えやエフェクトのオン/オフ操作には向いていません。
この問題に対しては、事前にパッチを作り込んでおき、演奏中はパッチの切り替えのみを行うという使い方が推奨されます。
また、テーブルに置いて指で操作する分には5つのフットボタンが使いやすいため、自宅練習やレコーディングでの使用には問題ありません。
一方で、演奏中にこまめにエフェクトを切り替える必要がある場合や、複雑な操作をリアルタイムで行いたい場合は、より大型のマルチエフェクター(ZOOM B2 FOURやB6など)を検討した方がよいかもしれません。
DCアダプター端子の形状制限と専用アプリの有料化
MS-60B+のDCアダプター差込口は筐体の奥まった位置に配置されており、プラグ部分が太いケーブルは物理的に入らない設計になっています。
手持ちの汎用DCケーブルが使えない場合があるため、純正のACアダプター(ZOOM AD-16)または適合するケーブルを別途用意する必要があります。
ただし、BOSSのPSA-100Sなど一般的なアダプターは問題なく使用できるという報告もあるため、購入前に手持ちのアダプターの適合を確認するか、セット販売のアダプター付きモデルを選ぶのが安心です。
なお、USBケーブル経由での給電も可能なため、モバイルバッテリーなどからの電源供給という選択肢もあります。
専用アプリが有料(150円)である点も、競合製品と比較した際のデメリットといえます。
アプリ自体は非常に便利で使いやすいものの、多くの競合製品が無料アプリを提供していることを考えると、この点は購入検討時に考慮すべきポイントです。
ZOOM MS-60B+の評判・口コミ
ユーザーが評価するおすすめな点
多くのユーザーから最も高く評価されているのは、価格に対する音質とエフェクト数のバランス、つまりコストパフォーマンスの高さです。
同価格帯でこれより良い音質のマルチエフェクターはないという声もあり、1万円台という価格帯では最高峰の選択肢として認知されています。
音質面では、旧モデルからの進化を実感するユーザーが多く、バイパス音のクリアさとモデリングの精度向上が特に評価されています。
実機と比較しても違いがわからないレベルという評価や、バンド練習で大きな音を出した際に音の良さを実感したという報告が寄せられています。
SVTのアンプシミュレーターは特に評価が高く、DIボックスを通してPAに直接送っても非常に良い音が出ると好評です。
また、チューナーの反応が良く専用機が不要になったという意見や、L/R2系統出力による柔軟なルーティングが可能な点を評価する声も多く聞かれます。
専用アプリの使いやすさも好評で、他社製品より扱いやすいという評価があります。
荷物が少なくなることを最大のメリットとして挙げるユーザーも多く、フライリグやサブボードとしての活用に満足している声が目立ちます。
購入前に確認すべき注意点
一方で、購入前に確認すべき注意点としては、本体操作の習熟に時間がかかることが多く指摘されています。
多機能であるがゆえに、すべての機能を使いこなすには相応の学習期間が必要で、説明書を読み込む覚悟が求められます。
足元での操作性については、足が大きい人には使いづらいという意見があります。
ライブ中のリアルタイム操作には向かないため、事前にパッチを作り込んでおく使い方が前提となります。
演奏中に頻繁にエフェクトを切り替えたい場合は、より大型の機種を検討すべきでしょう。
DCアダプター端子の形状制限により、好みのケーブルが使えない場合があることも知っておくべきポイントです。
また、USBオーディオインターフェース機能は非搭載のため、PCへの直接録音を想定している場合は別途インターフェースが必要です。
シンセ系エフェクトについては、Source Audio C4などの専用機と比較すると見劣りするという意見もあります。
また、旧モデルと比較してエフェクト数やパラメータ調整項目が減った部分もあるため、旧モデルの特定の機能に依存していたユーザーは事前に確認が必要です。
旧モデルMS-60Bからの買い替えは価値があるか
旧モデルMS-60Bから買い替えを検討しているユーザーにとって、MS-60B+へのアップグレードは価値があるというのが大多数の意見です。
音質の向上、特にバイパス音のクリアさの改善は明確に実感できるポイントとして挙げられています。
同時使用可能なエフェクト数が4台から6台に増えたことで、より複雑な音作りが可能になった点も評価されています。
マルチレイヤーIRによるアンプモデリングの再現度向上も、旧モデルからの明確な進化点です。
一方で、旧モデルで気に入っていたエフェクトやパラメータが変更・削減されている可能性があるため、特定の設定に依存していたユーザーは事前確認が推奨されます。
また、ピッチシフターを半音・1音下げチューニングの代わりに使用していた場合、音質の違いが顕著になり同じ使い方ができなくなったという報告もあります。
総合的には、旧モデルを長年愛用してきたユーザーほど、音質とUIの進化を実感できるという評価が多く、買い替えの満足度は高い傾向にあります。
まとめ:ZOOM MS-60B+はどんなベーシストにおすすめか
総合評価と競合製品との比較
ZOOM MS-60B+は、コンパクトエフェクターサイズのベース用マルチストンプとして、現時点で最も完成度の高い製品の一つといえます。
97種類のエフェクト、マルチレイヤーIRによる高品質なアンプモデリング、6エフェクト同時使用、100パッチメモリーという充実した機能を、1万円台という価格で実現している点は他に類を見ません。
競合製品としては、同社のB1 FOUR/B1X FOUR(よりシンプルな操作性を求める場合)、LINE 6 POD Express Bass(USBオーディオインターフェース機能が必要な場合)などが挙げられますが、コンパクトさ・音質・エフェクト数のバランスではMS-60B+が優位に立っています。
購入を検討すべき人・見送るべき人
MS-60B+をおすすめできる人:
- コンパクトなサイズで多彩な音作りを楽しみたいベーシスト
- 初めてのマルチエフェクターを探している初心者
- フライリグやサブボードとして軽量な機材を求めているプレイヤー
- 旧モデルMS-60Bからのアップグレードを検討しているユーザー
- コストを抑えつつ本格的なサウンドを手に入れたい人
- 自宅練習やレコーディングでの使用がメインの人
他の選択肢を検討すべき人:
- ライブ中に頻繁に足元でエフェクトを切り替える必要がある人
- USBオーディオインターフェース機能が必要な人
- Androidスマートフォンしか持っていない人
- シンセベースなど特定のエフェクトに特化した音を求める人
まとめ
- 97種類のエフェクト/アンプモデリングを搭載したベース専用マルチストンプ
- 1万円台で購入できる圧倒的なコストパフォーマンス
- マルチレイヤーIR技術により実機に迫るアンプサウンドを実現
- 旧モデルから音質が大幅向上し、バイパス音もクリアに改善
- 同時使用エフェクト数は最大6台、パッチメモリーは100種類
- 専用アプリ(iOS/iPadOS対応・有料150円)で直感的な編集が可能
- アルカリ電池で約7時間駆動、持ち運びに便利な400gの軽量設計
- 本体のみでの操作には慣れが必要でアプリ併用が事実上必須
- コンパクトな筐体ゆえにライブ中の足元操作には不向き
- 総合評価:コンパクトベースマルチの決定版として、幅広いベーシストにおすすめできる一台

