「もっとダイナミクスに反応するオーバードライブが欲しい」
「ピッキングのニュアンスをしっかり拾ってくれるペダルを探している」——そんな悩みを抱えるギタリストは多いのではないでしょうか。
TECH21 Sansamp OMGは、世界的ギタリストであるリッチー・コッツェンとの共同開発によって生まれた、こだわり抜かれたオーバードライブペダルです。
本記事では、このペダルの特長からスペック、実際の使用感、そして購入前に知っておくべき注意点まで、詳しく解説していきます。
TECH21 Sansamp OMGとは
TECH21 Sansamp OMGは、ニューヨークを拠点とするTECH21社が、Poison、Mr. Big、The Winery Dogsなどで活躍するギタリスト、リッチー・コッツェンと緊密に協力して開発したシグネチャーモデルのオーバードライブペダルです。
「OMG」という名称は、リッチー・コッツェンの楽曲「OMG (What’s Your Name?)」と、彼のプレイを聴いた人が思わず口にする「Oh My God!」というフレーズの両方に由来しています。
コウモリのように鋭い耳を持つと称されるリッチー本人が、サウンドとフィーリングの両面で納得するまで何度もプロトタイプを重ね、ようやく完成に至った入魂のペダルです。
このペダル最大の特徴は、クラスAシングルパワー管アンプが持つ自然な歪みをエミュレートしながらも、よりタイトでレスポンスの速いサウンドを実現している点にあります。
完全アナログ回路で構成され、非対称クリッピングによる独特の歪みが、真空管アンプさながらの有機的なトーンを生み出します。
製品の特長
ピッキングダイナミクスへの卓越した追従性
TECH21 Sansamp OMGが他のオーバードライブペダルと一線を画す最大のポイントは、プレイヤーのタッチに対する驚異的なレスポンスです。
弦を強く弾けば歪みが増し、軽くタッチすればクリーンに近づく——まるでペダルが呼吸しているかのような反応を見せます。
このダイナミックな特性により、リッチー・コッツェンの繊細なプレイニュアンスも余すところなく表現できるよう設計されています。
特にフィンガーピッキングとの相性は抜群で、指弾きならではの微妙なタッチの違いをしっかりと音に反映してくれます。
ギターのボリュームノブを絞った際のクリーンアップ性能も優れており、手元の操作だけで多彩なサウンドバリエーションを引き出すことが可能です。
独立した28dBブースト機能
本機には、ドライブセクションとは完全に独立したブースト機能が搭載されています。
最大28dBという強力なブーストは、ソロ時のキック、フィードバックの誘発、サステインの延長など、様々な場面で威力を発揮します。
注目すべきは、このブーストがドライブセクションをオフにした状態でも単独で使用できる点です。
つまり、純粋なクリーンブースターとしても活用でき、実質的に2つのペダルの機能を1台に凝縮していることになります。
Girthコントロールによる音作りの自由度
多くのオーバードライブペダルがシンプルなToneコントロールのみを備える中、OMGにはアクティブ・ミッドレンジコントロールである「Girth」ノブが搭載されています。
12時の位置がフラット、そこからカット・ブーストの両方向に調整可能で、アンプや演奏環境に合わせた細やかな音作りができます。
このGirthコントロールにより、ミッドを強調した抜けの良いトーンから、スクープした重厚なサウンドまで、幅広いキャラクターを作り出せます。
スペック・仕様
TECH21 Sansamp OMGの主要スペックは以下の通りです。
本機は100%アナログ回路で構成されており、デジタル処理を一切介さないピュアなシグナルパスを実現しています。
コントロール類は、Level(出力レベル)、Tone(高域調整・フルで平坦)、Girth(アクティブ・ミッドレンジ)、Drive(ゲイン量)の4つのノブに加え、独立したBoostノブを備えています。
入出力端子は、1/4インチ・ハイインピーダンス入力と1/4インチ・ローインピーダンス出力を装備。
電源は9V電池、または9Vセンターマイナス電源アダプターに対応しています。
筐体は金属製で、フットスイッチも金属製を採用。
カスタムメイドのフットスイッチ・アクチュエーターによるサイレント・スイッチングを実現しており、ライブ演奏時のノイズを抑制します。
製造は米国で行われており、TECH21の品質基準に基づいた高い信頼性を誇ります。
価格帯は実勢価格で約139〜200ドル前後となっています。
おすすめな点
真空管アンプの質感を再現する有機的なサウンド
TECH21 Sansamp OMGの最大の魅力は、クラスAシングルパワー管アンプが持つ自然で温かみのある歪みを忠実に再現している点です。
非対称クリッピング回路により、デジタル的な硬さとは無縁の、クリーミーで奥行きのあるオーバードライブサウンドが得られます。
低ゲイン設定では真空管アンプがちょうど歪み始めるエッジ・オブ・ブレイクアップのニュアンスを、高ゲイン設定では飽和した豊かなサステインを持つリードトーンを実現。
ハーモニクスを引き出しやすい特性もあり、表現力豊かなソロプレイに最適です。
1台で幅広いサウンドをカバー
ドライブセクションと独立したブーストの組み合わせにより、クリーンブースト、軽いオーバードライブ、ミディアムゲイン、ハイゲインと、1台で多彩なサウンドバリエーションをカバーできます。
Van Halenタイプのブラウンサウンドからスムーズなファットリード、スクープしたヘヴィなチャグトーンまで対応可能で、ブルースからハードロックまで幅広いジャンルで活躍します。
シングルコイル・ハムバッカー両対応の汎用性
ピックアップのタイプを選ばない汎用性の高さも本機の強みです。
シングルコイルの繊細なトーンもハムバッカーのパワフルなサウンドも、それぞれの特性を活かしながら歪ませることができます。
手持ちの複数のギターで使い回せる実用性は、多くのギタリストにとって大きなメリットとなるでしょう。
プロ仕様の堅牢な作り
米国製の金属製筐体と金属製フットスイッチは、ツアーやライブでの過酷な使用にも耐える耐久性を備えています。
サイレント・スイッチング機構により、演奏中のオン・オフ切り替え時にポップノイズが発生しにくく、プロフェッショナルな現場での使用に十分対応できる品質です。
注意点
価格帯はやや高め
オーバードライブ・ディストーションペダルとしては、約139〜200ドル前後という価格設定はやや高価な部類に入ります。
独立ブースト機能を「2台分の価値」と考えれば妥当とも言えますが、予算を重視する方は検討が必要です。
高ゲイン時の音像について
高ゲイン設定では、ややルーズでフォーカスが甘くなる傾向があるという声もあります。
また、設定によっては過度にコンプレスされた音になる場合があり、タイトで引き締まったハイゲインサウンドを求める方は、実際に試奏して好みに合うか確認することをおすすめします。
ペダル固有のキャラクターが強い
本機は独自の音色キャラクターを持っており、アンプの音をそのまま増幅するような「透明な」オーバードライブを求める方には向かない可能性があります。
ペダル自体が音作りに大きく関与するタイプなので、その個性を活かしたい方に適しています。
フィンガーピッカー向けの傾向
ピッキングダイナミクスへの追従性が高い分、フィンガースタイルのプレイヤーとの相性が特に良いとされています。
ピック弾きがメインの方は、自分のプレイスタイルに合うかどうか、購入前に確認しておくと安心です。
RK5(Fly Rig)版との違いに注意
TECH21にはOMGを搭載したRK5 Fly Rigというオールインワンペダルもありますが、単体のOMGペダルにのみGirth(ミッドレンジ)コントロールが搭載されています。
ミッドの調整を重視する場合は、単体版を選ぶ必要があります。
評判・口コミ
ユーザーが評価するおすすめな点
サウンド面では、「クリーミーで温かいトーン」「Van Halenタイプのサウンドが簡単に出せる」「真空管アンプの質感を持っている」といった評価が多く見られます。
特にダイナミクスへの追従性については、「ピッキングの強弱に驚くほど反応する」「ギターのボリュームでのクリーンアップが素晴らしい」と高く評価されています。
機能面では、独立したブースト機能が「1台で2つのペダル分の価値がある」と好評です。
Girthコントロールによる音作りの自由度も「アンプや環境に合わせた細かい調整ができる」と評価されており、EQの効きの良さを挙げる声も多いです。
ビルドクオリティについては、「米国製の高品質な作り」「金属製で堅牢」「サイレントスイッチングがライブで便利」といった点が支持されています。
総合的な満足度は非常に高く、「このペダルに惚れ込んだ」「90%は自分の求めるサウンドにすぐダイヤルインできた」「オーバードライブはたくさん持っているが、これは本当に気に入っている」といった声が寄せられています。
購入前に確認すべき注意点
価格については、「ディストーションペダルとしては高価」という意見が一定数あります。
ただし、品質や機能を考慮すれば妥当という見方も多いです。
サウンド特性については、「高ゲイン時にルーズになることがある」「ペダル固有のキャラクターが強いので、サブトルな変化を求める人には向かない」という指摘があります。
また、「フィンガーピッカー向けの傾向があり、ピック弾きの人は試奏推奨」というアドバイスも見られます。
RK5 Fly Rig版については、「ミッドが不足気味でバンドミックスで埋もれやすい」という声があり、ミッドの調整を重視する場合は単体版のOMGが推奨されています。
リッチー・コッツェンのファンでない方からは、「特定のアーティストの音を追求するペダルなので、自分のスタイルに合うか試してから購入すべき」というアドバイスもあります。
まとめ
- サウンド特性: クラスAシングルパワー管アンプの自然な歪みを再現する、クリーミーで温かみのあるオーバードライブ
- ダイナミクス: ピッキングの強弱に驚異的に追従し、タッチの微妙なニュアンスを音に反映
- ブースト機能: 最大28dBの独立ブーストを搭載、単独でクリーンブースターとしても使用可能
- EQ調整: Girthコントロールによるアクティブ・ミッドレンジ調整で幅広い音作りが可能
- 対応ジャンル: ブルースからハードロックまで、低ゲインから高ゲインまで幅広くカバー
- ビルドクオリティ: 米国製の金属製筐体、サイレントスイッチング搭載でプロ仕様
- 相性の良いプレイスタイル: フィンガーピッキングとの親和性が特に高い
- 価格帯: 約139〜200ドル前後、オーバードライブとしてはやや高価だが機能を考慮すれば妥当
- 注意点: 高ゲイン時のルーズさ、強いキャラクター、ピック弾きとの相性は要確認
- 総合評価: ダイナミクス重視のギタリスト、真空管ライクな有機的サウンドを求める方に強くおすすめできる高品質オーバードライブペダル

