「ライブやセッションに持っていく機材を軽くしたい」
「でもサウンドクオリティは妥協したくない」——そんなギタリストの永遠の悩みに応えるのが、TECH21 Sansamp FLY RIG 5です。
わずか587gのコンパクトボディに、SansAmpプリアンプ、オーバードライブ、ブースター、ディレイ、リバーブを凝縮したこのマルチエフェクターは、発売以来多くのプロ・アマチュアギタリストから支持を集めてきました。
この記事では、FLY RIG 5の特長やスペック、実際の使用感、メリット・デメリット、そしてユーザーからのリアルな評判まで徹底的に解説します。
購入を検討している方が知りたい情報をすべて網羅していますので、ぜひ最後までお読みください。
製品の特長|他製品との差別化ポイント
アナログ信号経路へのこだわり
FLY RIG 5の最大の特長は、SansAmpとオーバードライブセクションがアナログ回路で構成されている点です。
多くのマルチエフェクターがデジタル処理に頼る中、TECH21はあえてアナログにこだわることで、真空管アンプのような自然なレスポンスとタッチセンシティビティを実現しています。
ギターのボリュームノブを絞ればクリーンに、上げれば歪みが増すという、本物のアンプさながらの操作感が得られます。
SansAmpテクノロジーの搭載
1989年に登場し、「ダイレクト録音の革命」を起こしたSansAmpの技術が、このコンパクトな筐体に惜しみなく投入されています。
V2ではFender系のBlondeキャラクターが採用され、煌びやかなクリーンから温かみのあるクランチまで、フェンダーアンプ特有のサウンドを忠実に再現します。
PAダイレクトでも「アンプで鳴らしている」ような音が出せるのは、SansAmpならではの強みです。
USA製ハンドメイドの品質
FLY RIG 5はニューヨークのTECH21工場でハンドメイド生産されています。
オールメタル筐体、堅牢なフットスイッチ、基板へのダイレクトはんだ付けを避けた設計など、プロの現場で酷使されることを前提とした作りになっています。
5年以上使い続けても問題なく動作するという声も多く、耐久性の高さは折り紙付きです。
メニュー不要の直感的操作
デジタルマルチエフェクターにありがちな「バンク切り替え」「メニュー階層」が一切ありません。
すべてのパラメーターがパネル上のノブで直接コントロールでき、足元を見なくても感覚的に音作りができます。
ライブ中の素早いセッティング変更や、セッションでの即興的な音色調整にも対応できる設計思想は、演奏に集中したいギタリストにとって大きなアドバンテージです。
スペック・仕様
FLY RIG 5 V2 基本仕様
| 項目 | 仕様 |
|---|---|
| サイズ | W317mm × D65mm × H32mm |
| 重量 | 587g(約1.29 lbs) |
| 入力 | 1/4インチ(1MΩ インピーダンス) |
| 出力 | 1/4インチ(ローインピーダンス)、XLRバランス出力 |
| 電源 | 9V DC 200mA(センターマイナス)※アダプター付属 |
| バイパス方式 | バッファードバイパス |
| 製造国 | USA |
搭載エフェクト詳細
PLEXIセクションは1960年代のMarshall Plexiをモデルにしたオーバードライブで、DRIVE、TONE、LEVELの3つのコントロールを備えています。
CALIスイッチを押すとMesa Boogie風のハイゲインサウンドに切り替わり、クラシックロックからモダンなハードロックまで幅広く対応します。
SansAmp/BLONDEセクションはFender Blackface系のプリアンプで、3バンドアクティブEQ(LOW、MID、HIGH)とDRIVE、LEVELを搭載しています。
スピーカーシミュレーターも内蔵されており、1/4インチ出力ではON/OFF切り替えが可能です。
ディレイセクションはテープエコーをシミュレートしたデジタルディレイで、28ms〜1,000msのディレイタイムに対応しています。
DRIFTコントロールでテープエコー特有の揺らぎを加えることができ、タップテンポにも対応しています。
8THスイッチで4分音符と付点8分音符の切り替えも可能です。
リバーブはSmall RoomとLarge Roomの2種類から選択でき、フットスイッチの長押しでON/OFFを切り替えます。
V2で追加された機能
V2では初代モデルから大幅な機能強化が行われました。
クロマチックチューナー(440Hz固定)、エフェクトループ(SEND/RETURN端子)、XLRバランス出力(グランドリフト付き)、12dBブーストスイッチ(Pre/Post切り替え可能)が新たに搭載されています。
また、電源仕様も12Vから9Vに変更され、一般的なエフェクター用パワーサプライとの互換性が向上しました。
おすすめな点|具体的なメリット
圧倒的な携帯性
587gという重量は、一般的なコンパクトエフェクター2〜3個分程度です。
ギターケースのポケットやギグバッグの小物入れにすっぽり収まるサイズ感は、電車移動やフライト案件で真価を発揮します。
大型のペダルボードを組む必要がなくなり、ロードイン・ロードアウトの時間と労力を大幅に削減できます。
セットアップも5分あれば完了するため、リハーサルやセッションでの待ち時間も最小限に抑えられます。
本格的なアンプサウンドをダイレクトで実現
PA直結やミキサーへのダイレクト入力でも、SansAmpテクノロジーによって「アンプで鳴らしている」ような太くて存在感のあるサウンドが得られます。
スピーカーシミュレーターを通した音は、レコーディングでもそのまま使えるクオリティです。
インイヤーモニター環境でのライブや、アンプを使えない会場でも、サウンドクオリティを犠牲にする必要がありません。
アンプのバックアップとして最適
本番中にアンプが故障するという最悪の事態でも、FLY RIG 5があればPAに直結してライブを続行できます。
常にギターケースに入れておける軽さと、即座に使える操作性は、まさに「ギグセーバー」と呼ぶにふさわしい存在です。
プロミュージシャンの中には、高価なデジタルモデラーのバックアップとしてFLY RIG 5を持ち歩く人も少なくありません。
アンプとの組み合わせでも効果を発揮
FLY RIG 5はダイレクト用途だけでなく、既存のアンプと組み合わせても威力を発揮します。
アンプのインプットに接続する従来の使い方に加え、エフェクトループのRETURN端子に接続すれば、アンプのプリアンプ部をバイパスしてFLY RIG 5のサウンドをそのままパワーアンプに送ることができます。
音が細いソリッドステートアンプでも、SansAmpセクションを通すことで太くチューブアンプライクなサウンドに変身させられます。
拡張性の高いエフェクトループ
V2に搭載されたエフェクトループにより、コーラスやフェイザーなどのモジュレーション系エフェクターを、歪みと空間系の間に挿入できます。
4ケーブルメソッドにも対応しているため、既存のペダルボードの「核」としてFLY RIG 5を据えるシステム構築も可能です。
バッファの質も良く、複数のエフェクターを繋いでも音質劣化が少ないと評価されています。
注意点|購入前に知るべきデメリット
ツマミとスイッチの小ささ
コンパクトさを優先した設計のため、ノブは非常に小さく、ライブ中の細かい調整には慣れが必要です。
TECH21は付属の拡大スリーブを用意していますが、それでも一般的なエフェクターと比べると操作性では劣ります。
フットスイッチも小型で間隔が狭いため、靴のサイズが大きい人や、激しいステージングをする人は踏み間違いに注意が必要です。
歪みの方向性が限定的
PLEXIセクションは70年代クラシックロック向けのサウンドに最適化されており、モダンメタルやジェント系の極端なハイゲインサウンドには不向きです。
CALIモードでゲインは増しますが、それでも現代的な重低音を効かせた歪みを求める人には物足りなく感じるかもしれません。
また、ドライブを上げすぎると音が飽和して抜けが悪くなる傾向があり、セッティングには多少のコツが必要です。
ライン出力の音質には限界がある
SansAmpのスピーカーシミュレーターは高品質ですが、最新のIR(インパルスレスポンス)技術を採用した製品と比較すると、どうしても「ライン臭さ」が残ります。
特にクリーン〜クランチサウンドでその傾向が顕著で、ヘッドホンで聴くとピエゾピックアップのような硬さを感じることがあります。
レコーディングで最高の音質を追求する場合は、別途IRローダーを用意するか、小音量でもマイク録りを検討する価値があります。
MIDI非対応・プリセット機能なし
完全にアナログ思想で設計されているため、MIDIによる外部コントロールやプリセットの保存・呼び出し機能は一切ありません。
曲ごとに大きくセッティングを変える必要がある場合や、複雑なシステムに組み込みたい場合には不便を感じるでしょう。
シンプルさの裏返しとして、汎用性には限界があることを理解しておく必要があります。
低出力ピックアップとの相性
グレッチのフィルタートロンなど、出力が低めのピックアップを使用した場合、SansAmpセクションを十分にドライブさせるのが難しいという報告があります。
そのような場合は、前段にバッファーやクリーンブースターを配置するなどの工夫が必要になることがあります。
評判・口コミ
ユーザーが評価するおすすめな点
FLY RIG 5に対する評価で最も多いのは、携帯性とサウンドクオリティの両立に対する称賛です。
「ギターケースに入れても重さを感じない」「5分でセットアップが完了する」という声は非常に多く、特に頻繁にライブやセッションを行うギタリストから高く評価されています。
SansAmpセクションの音質については、「細いソリッドアンプでも太くてチューブライクな音になる」「フェンダー系の煌びやかさが見事に再現されている」といった好意的な意見が目立ちます。
特にBLONDEセクションの完成度の高さは多くのユーザーが認めるところで、MIDを絞ってリバーブを加えるとブラックフェイス系の美しいクリーントーンが得られるとして人気です。
シニア世代のギタリストからは、「重いアンプを運ばなくて済むようになった」「体への負担が大幅に減った」という喜びの声が寄せられています。
年齢を重ねても演奏活動を続けたいプレイヤーにとって、FLY RIG 5は文字通り「救世主」となっているようです。
耐久性についても、「5年以上酷使しても問題なく動作する」「タンクのように頑丈」という評価が多く、プロの現場で鍛えられたTECH21の品質管理が高く評価されています。
操作性に関しては、「メニューを潜る必要がなく直感的」「マルチエフェクターが苦手でも使いこなせる」という点が支持されています。
デジタルマルチの複雑な操作に馴染めなかったユーザーが、FLY RIG 5で初めてマルチの便利さを実感したというケースも少なくありません。
購入前に確認すべき注意点
一方で、いくつかの注意点も報告されています。
最も多いのは「ツマミが小さくて回しづらい」「スイッチが小さくライブでは踏みづらい」という操作性に関する指摘です。
コンパクトさとのトレードオフではありますが、購入前に実機を試して許容範囲かどうか確認することをおすすめします。
PLEXIセクションについては評価が分かれています。
「クラシックロックには最高」という声がある一方で、「単体だとブリトル(硬くキンキン)な音になる」「ブーストセクションの延長版という印象」という厳しい意見も見られます。
PLEXIをメインの歪みとして使うよりも、SansAmpセクションと組み合わせて使う方が良い結果が得られるというのが多くのユーザーの結論です。
ライン出力の音質については、「PAモニターのホーンと相性が悪い」「高域がキンキンする」という指摘があります。
特にフロアモニターにホーンツイーターが使われている場合、高域の調整に苦労することがあるようです。
事前にEQで対応するか、ステージモニターの特性を把握しておくことが推奨されています。
初代モデルとV2を間違えて購入するケースも報告されています。
両者は機能が大きく異なるため、中古購入時は特に注意が必要です。
電源仕様も異なる(初代:12V、V2:9V)ため、間違ったアダプターを使用しないよう確認してください。
価格と購入ガイド
現在の市場価格
国内正規品のFLY RIG 5 V2は66,000円前後、並行輸入品は49,500円〜59,100円程度で販売されています。
米国での価格は349ドル(約52,000円相当)で、日本では為替や輸入コストの関係でやや割高になっています。
初代モデルは新品で33,000円〜39,800円程度、中古市場では25,000円〜35,000円程度で取引されています。
どちらを選ぶべきか
チューナー、エフェクトループ、XLR出力を必要とするなら、迷わずV2を選ぶべきです。
特にPAダイレクトでの使用を想定している場合、XLRバランス出力の有無は決定的な差になります。
一方、アンプの前段に接続して使う場合や、予算を抑えたい場合は初代モデルでも十分に実用的です。
シリーズバリエーション
FLY RIGシリーズには複数のバリエーションが存在します。
BRIT(Marshall系)、CALI(Mesa Boogie系)は歪みキャラクターが異なるモデルで、好みのサウンドに合わせて選択できます。
RK5(Richie Kotzen Signature)はOMGオーバードライブとコンプレッサー、ファズを搭載した豪華仕様です。
アコースティックギター用のAcoustic FLY RIG、ベース用のBass FLY RIGもラインナップされています。
まとめ|TECH21 Sansamp FLY RIG 5 総合評価
- 携帯性:587gの超軽量設計でギターケースに収まり、移動の負担を大幅に軽減できる
- サウンド品質:アナログ信号経路とSansAmpテクノロジーにより、PAダイレクトでも本格的なアンプサウンドを実現
- 操作性:メニュー不要の直感的操作で、マルチエフェクターが苦手な人でも使いこなせる
- 耐久性:USA製ハンドメイドの堅牢な作りで、プロの現場での長期使用に耐える
- 拡張性:V2のエフェクトループにより、既存のペダルとの組み合わせや4ケーブルメソッドにも対応
- 注意点:ツマミとスイッチが小さく、ライブでの操作には慣れが必要
- 歪みの特性:クラシックロック向きで、モダンなハイゲインサウンドには不向き
- ライン音質:IR非対応のため、最新デジタルモデラーと比較するとライン臭さが残る場合がある
- 価格帯:V2は66,000円前後と決して安くないが、複数エフェクターの統合と品質を考慮すれば妥当
- 総合評価:軽量かつ高品質なサウンドを求めるギタリスト、特にセッションやライブを頻繁に行う人に強くおすすめできる一台。「持ち運べる本格サウンド」という唯一無二の価値を提供してくれる

