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Jim Dunlop MXR Phase 95 M290 レビュー解説|4種のフェイザーを凝縮した名機

「ペダルボードのスペースは限られているのに、フェイザーの選択肢が多すぎて決められない」「定番のPhase 90は気になるけど、スイッチを踏むたびに音量が上がる問題が不安」——そんな悩みを抱えるギタリストは少なくないはずです。

MXR Phase 95 M290は、伝説的なPhase 45とPhase 90の両回路をミニ筐体に詰め込み、さらにScript/Blockの切り替えまで搭載した意欲作です。

本記事では、実際のユーザーの使用感やリアルな評価をもとに、サウンドの特徴から操作感、メリット・デメリットまでを徹底的に検証します。

読み終えるころには、このペダルが自分のボードに必要かどうか、明確に判断できるはずです。

目次

Jim Dunlop MXR Phase 95 M290の特徴・概要

Phase 45とPhase 90——2つの名機回路を1台に凝縮

MXR Phase 95 M290の最大の特徴は、MXRの歴史を代表する2つのフェイザー回路を1台のペダルに収めている点です。

Phase 90は1972年に登場した4ステージFETフェイザーで、世界で最も即座に聴き分けられるギターエフェクトのひとつとして知られています。

豊かで共鳴感のある「うねり」は、エディ・ヴァン・ヘイレンの「Eruption」からデヴィッド・ギルモアの「Comfortably Numb」まで、数え切れない名演を支えてきました。

一方のPhase 45は2ステージのより控えめなフェイザーで、フェイク・レスリーやユニヴァイブ的なトーンを求めるプレイヤーに長年愛されてきたモデルです。

Phase 95では本体左側のプッシュボタンひとつでこの2回路を瞬時に切り替えられ、Phase 45モードではLEDが赤に、Phase 90モードでは青に点灯するため、現在のモードが一目で分かる設計になっています。

Script/Blockスイッチが広げるヴィンテージからモダンまでの音色幅

Phase 95にはもうひとつの重要なスイッチが搭載されています。

右側のScriptスイッチは、MXRフェイザーの歴史における2つの時代の音色を切り替える機能です。

デフォルトのBlock(ブロック)モードは、フィードバックを伴うモダンなフェイズサウンドで、軽い倍音歪みが加わったアクセントの強いうねりが特徴です。

Scriptモードをオンにするとフィードバックが除去され、より控えめで透明感のあるヴィンテージサウンドに変化します。

これは初期のPhase 90が筆記体(スクリプト)ロゴだった時代の音色を再現したもので、ヘッドルームが高くクリアな響きが得られます。

45/90の切り替えとScript/Blockの切り替えを組み合わせることで、実質的に4種類のフェイザーサウンドを1台で使い分けることが可能です。

MXR初のミニ筐体で実現した省スペース設計

Phase 95は、MXRがミニペダル・シリーズとして最初にリリースしたモデルでもあります。

通常のMXRペダル(Bud Box筐体)と比較して幅は約半分、奥行きも1インチ近く短く、ペダルボード上の占有面積を大幅に削減できます。

フェイザーは使用頻度がそこまで高くないプレイヤーも多いため、「必要なときだけオンにできる小さなペダル」という存在価値は大きいです。

それでいて筐体を開けると、基板にはPhase 45とPhase 90の両回路を構成する多数の部品がぎっしりと実装されており、文字通り1センチの無駄もない効率的なレイアウトが施されています。

MXRらしい堅牢なメタル筐体は長期使用にも十分耐える品質で、サイズは小さくとも作りの妥協はありません。

Jim Dunlop MXR Phase 95 M290のスペック・仕様

本体サイズ・重量・電源仕様

Phase 95の本体サイズは幅45mm×奥行92mm×高さ55mmで、重量はわずか約100gです。

一般的なコンパクトエフェクターと比べても驚くほど軽量・小型で、ペダルボードの隙間にも収まります。

電源は9V DCアダプター(センターマイナス)専用で、ミニ筐体のため9V電池を内蔵するスペースはありません。

購入時にMXR純正の9Vアダプターが付属するケースも報告されていますが、Dunlop ECB003アダプターのほか、DC Brick、Iso-Brick、Mini Iso-Brickなどのパワーサプライにも対応しています。

コントロール構成と各スイッチの役割

コントロールはきわめてシンプルで、中央のSpeedノブ、左側の45/90切り替えプッシュボタン、右側のScript切り替えプッシュボタンの3つだけです。

Speedノブはフェイズエフェクトのうねりの速度を調整するもので、左に回せばゆったりとした揺らぎ、右に回せば高速のうねりが得られます。

45/90スイッチはPhase 45の2ステージ回路とPhase 90の4ステージ回路を切り替え、Scriptスイッチはフィードバックの有無を切り替えます。

フットスイッチはトゥルーバイパスではなくバッファードバイパス方式ですが、音痩せは最小限に抑えられていると多くのユーザーが評価しています。

対応楽器・接続環境と消費電流

消費電流はDC9V時で12mAときわめて省電力です。

マルチパワーサプライの1ポートで余裕を持って駆動でき、他のペダルとの電源共有でも問題は起きにくい設計です。

入出力は標準的な1/4インチ(6.35mm)モノラルフォンジャックで、エレキギターはもちろんのこと、ベースギターやキーボード、アコースティックギターのピックアップ出力にも対応します。

信号形式は完全アナログで、デジタル処理による遅延や音質劣化の心配がない点も、アナログフェイザーにこだわるプレイヤーにとっては安心材料です。

Jim Dunlop MXR Phase 95 M290のおすすめポイント

Phase 90最大の弱点「音量アップ問題」をほぼ解消

オリジナルのMXR Phase 90には、エフェクトをオンにした瞬間に音量が不自然に上がるという長年の不満がありました。

ライブやバンド演奏においてこの音量変化は致命的で、「フェイザーの音は好きだけど音量問題が理由でボードから外した」というプレイヤーは少なくありません。

Phase 95ではこの問題がほぼ完全に解消されており、オン/オフ時の音量差がきわめて小さく抑えられています。

「オンオフで音量が変わらないのが普通であるべきなのに、Phase 90ではそれが叶わなかった。

Phase 95でようやく当たり前のことが実現した」という声は、購入の決め手としてきわめて多く聞かれる意見です。

一部のユーザーからはフェイズの下降部を補う程度のわずかな音量上昇を感じるとの報告もありますが、実用上問題になるレベルではないと評価されています。

ギター以外にも対応——ベース・キーボードでも使える汎用性

Phase 95はエレキギター向けに設計されたペダルですが、実際にはベースギター、キーボード、アコースティックギターなど幅広い楽器で良好な結果が得られています。

特にベースでの使用報告は多く、Speedを低く設定してスラップバックディレイと組み合わせることで、エレキベースをウッドベースのように聴かせるテクニックは複数のユーザーが実践しています。

Phase 45モードの控えめな揺れはベースの低域を崩さず、キーボードの和音にも自然な動きを加えてくれるため、ギタリスト以外のプレイヤーにとっても検討に値するペダルです。

実売1万円台で4種のフェイザーが手に入るコストパフォーマンス

Phase 95の市場価格は日本国内で17,000円前後、海外では99ドル前後と、フェイザーペダルとしては中価格帯に位置します。

しかし1台でPhase 45 Block、Phase 45 Script、Phase 90 Block、Phase 90 Scriptの4種類のサウンドが得られることを考えれば、実質的なコストパフォーマンスは非常に高いです。

中古市場ではさらに手頃になり、国内のフリマサービスで10,000円前後、オークションでは7,000〜10,000円程度で流通しています。

MXR EVH Phase 90がPhase 45モードを持たずにより高い価格設定であることを踏まえると、Phase 95の価格対機能比は群を抜いています。

Jim Dunlop MXR Phase 95 M290の注意点・デメリット

オリジナルPhase 90/45とは微妙に異なるサウンドキャラクター

Phase 95は「Phase 45とPhase 90を1台に」と謳われていますが、厳密にはオリジナルのフルサイズ・ペダルとまったく同じ音が出るわけではありません。

特にBlock Phase 90モードについて、ヴィンテージのブロックロゴPhase 90を長年使い込んできたプレイヤーからは「非常に近いが何かが違う。

あの独特の太さや存在感が少し薄い」という指摘があります。

回路トポロジーはSMD(表面実装部品)で構成されており、パーツの違いが微妙な音色差を生んでいる可能性があります。

Phase 90の「あの音」に強いこだわりを持つプレイヤーは、購入前に実機を試奏するか、オリジナルのPhase 90との比較デモを確認することをおすすめします。

とはいえ、大多数のユーザーにとってはその差はきわめて小さく、実用上問題にならないレベルだという意見が主流です。

ミニ筐体ゆえの操作性の制約——ノブとスイッチの小ささ

ミニペダルの宿命ですが、Speedノブが小さいため、演奏中に足で微調整することはほぼ不可能です。

曲間にかがんで手で操作する必要があり、ライブ中にフェイズ速度をダイナミックに変えたいプレイヤーにとってはストレスになり得ます。

フルサイズPhase 90用のラバー製ノブカバーを逆さにかぶせるという工夫で対処しているユーザーもいますが、根本的な解決にはなりません。

また、45/90スイッチやScriptスイッチも小型のプッシュボタンで、足での操作は想定されていない設計です。

ライブ中に曲ごとにモードを頻繁に切り替えたい場合は、この操作性が制約になることを理解しておく必要があります。

筐体自体の安定性についても「踏むときに倒れそうで気を遣う」という声があり、ペダルボードにしっかり固定して使うことが前提となります。

Speedノブ1つだけの設計が物足りなくなる場面も

Phase 95のコントロールはSpeedノブ1つだけというシンプルさが美点である反面、Depth(深さ)やMix(ブレンド)といったパラメーターの調整ができないことに物足りなさを感じるユーザーも存在します。

「最初は気に入っていたが、使い込むうちにもっとコントロールが欲しくなった」「ブレンドノブがあればもっと繊細な音作りができるのに」という声は一定数見られます。

特にScriptモードはクリーントーンと組み合わせた場合に過度にフィルターがかかった印象になることがあり、これを微調整するためのパラメーターがないことが残念だという意見もあります。

より細かい音作りを追求したいプレイヤーは、MXR Phase 100やDeep Phase、あるいは他メーカーのマルチコントロール・フェイザーも比較検討した方がよいでしょう。

Jim Dunlop MXR Phase 95 M290の評判・口コミ

ユーザーが評価するおすすめな点

Phase 95に対してもっとも多く寄せられる高評価は、やはり「4台分のフェイザーが1台の価格で手に入る」というコストパフォーマンスの高さです。

「Phase 90ができることはすべてできる上にPhase 45もできる。

後悔ゼロ」「Phase 90を買おうとしているなら、絶対にPhase 95と比較すべき」という強い推薦の声が多数あります。

サウンド面では「Block Phase 90モードはフル・リッチでレゾナントな音が素晴らしい」「Phase 45のScript設定にすると、トレモロに近い繊細な揺れが得られてクリーンアルペジオに最高」という具体的な評価が目立ちます。

ノイズの少なさも好評で、「Phase 90よりもノイズが少なく、安心して使えるレベル」と評価されています。

また、ゲインの前後どちらに置いても良好な結果が得られる柔軟性は専門的な評価でも高く評価されており、「ファズの前に置くならScriptモード、ファズの後ろに置くならBlockモードと使い分けることで最適なトーンが見つかる」とされています。

長期使用者からは「サブボード用に買ったつもりがメインボードに昇格した」「これが自分にとって唯一必要なフェイザー」といった満足度の高い声が寄せられています。

購入前に確認すべき注意点

一方で、事前に理解しておくべきネガティブな意見も存在します。

最も多い注意点は「オリジナルのPhase 90と完全に同じ音ではない」というものです。

数十年にわたりヴィンテージPhase 90を使い込んできたユーザーからは「非常に近いが同じではない。

代替品としては不十分だった」という理由で返品・手放したという報告もあります。

また「音がどうしても人工的に感じられ、コーニー(安っぽい)なフェイザーサウンドから抜け出せなかった」というフィーリング面での不一致も報告されています。

Scriptモードについては「クリーントーンで使うと高域が吸われてダイナミクスが損なわれる」という指摘があり、クリーンサウンドを主体に使いたいプレイヤーはBlock Phase 45モードの方が適している場合があります。

電池駆動ができないことは大多数のユーザーが「そもそもアダプターしか使わない」と気にしていないものの、電池派のプレイヤーにとっては見逃せないデメリットです。

長期使用者・楽器別ユーザーのリアルな満足度

長期間使用しているユーザーの総合的な満足度は非常に高い傾向にあります。

「MXRの堅牢な筐体で何年も使い続けているが問題なし」「これは4台目のMXRペダルだが、どれもしっかりした作りで長持ちする」といった耐久性への信頼が厚いです。

ベーシストからは「エレキベースにPhase 45モードを使うと低域を崩さずに美しい揺れが加わる。

スラップバックディレイとの組み合わせでウッドベース的なニュアンスが出せた」という発見の報告があります。

礼拝・ワーシップ系のベーシストからは「長年理想のフェイザーを探し続けた末にPhase 95にたどり着き、至福」という声もあります。

一方で、小さなプッシュボタンの長期的な耐久性を心配する声や、「もう少し大きければ踏みやすいのに」というサイズへの不満は一貫して存在します。

全体としては、フェイザーの定番ペダルとして幅広い層のプレイヤーに高く支持されており、「フェイザーをまず1台」と考えている人にとって最有力候補のひとつであることは間違いありません。

まとめ:Jim Dunlop MXR Phase 95 M290

総合評価——「定番フェイザーの決定版」は本当か

Phase 95は、MXRが40年以上かけて蓄積したフェイズシフターの知見を凝縮した製品であり、「1台で完結するフェイザー」として多くのプレイヤーの期待に応える実力を持っています。

Phase 45とPhase 90の2回路にScript/Blockの切り替えを加えた4モード構成は、シンプルな操作性を保ちながら十分な音色の幅を確保しており、フェイザー入門者からベテランまで幅広い層に対応できます。

オリジナルのヴィンテージPhase 90と完全に同一のサウンドではないという点は理解しておくべきですが、それを差し引いてもなお、この価格とサイズで得られる音色の豊かさは他に類を見ません。

こんな人におすすめ・おすすめしないケース

Phase 95は「Phase 90の音が好きだけど音量アップ問題が気になる人」「ペダルボードのスペースを節約したい人」「1台でなるべく多くのフェイザーサウンドをカバーしたい人」「初めてフェイザーを導入する人」には自信を持っておすすめできます。

逆に、「ヴィンテージPhase 90のサウンドを完全に再現したい人」「Depth・Mix・Feedbackなどを細かく調整したい人」「演奏中にノブを足で操作したい人」には、フルサイズのPhase 90やDeep Phase、他メーカーのマルチコントロール・フェイザーの方が適しているでしょう。

購入時にチェックすべきポイントと選び方のアドバイス

最後に、Phase 95の総合評価と購入検討時のポイントを以下にまとめます。

  • Phase 45(2ステージ)とPhase 90(4ステージ)の2回路を1台に搭載し、さらにScript/Blockの切り替えで実質4種類のフェイザーサウンドが得られる
  • Phase 90最大の不満であった「スイッチオン時の音量アップ」問題がほぼ完全に解消されている
  • 45mm×92mm×55mm、約100gという超小型・超軽量設計でペダルボードのスペースを大幅に節約できる
  • ノイズが少なく、音痩せも最小限に抑えられており、信頼性の高いアナログ回路を採用している
  • 消費電流12mAと省電力で、パワーサプライへの負荷が小さい
  • エレキギターだけでなく、ベースやキーボードにも対応できる汎用性の高さがある
  • 国内実売価格17,000円前後、中古なら10,000円前後で入手可能というコストパフォーマンスの高さ
  • Speedノブが小さく足での微調整が困難なため、ライブ中のリアルタイム操作には制約がある
  • オリジナルのヴィンテージPhase 90とは微妙にサウンドキャラクターが異なるため、完全な代替品としては試奏が推奨される
  • Depth・Mixなどの細かいパラメーター調整機能がないため、音作りの追い込みを重視するプレイヤーには物足りなくなる可能性がある
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