「ペダルボードにワウを組み込みたいけど、スペースが足りない」
「ベース用ワウは大きくて重いから諦めていた」——そんな悩みを抱えるベーシストやギタリストは少なくないはずです。
Jim Dunlop Cry Baby Mini Wah CBM105Qは、長年ベースワウの定番として支持されてきた105Qの機能をほぼそのまま約半分のサイズに凝縮したモデルです。
しかし、小さくなったことで操作性や音質に犠牲はないのでしょうか。
この記事では、実際のユーザーの声や使用感をもとに、サウンド・操作性・メリット・デメリットを徹底的に検証し、購入判断に必要な情報をすべてお届けします。
Jim Dunlop Cry Baby Mini Wah CBM105Qの特徴・概要
定番ベースワウ105Qを半分のサイズに凝縮
Jim Dunlop Cry Baby Mini Wah CBM105Qは、世界中のトッププロベーシストに愛用されてきたCry Baby 105Q Bass Wahの回路設計を受け継ぎながら、筐体サイズを約半分にまで小型化したモデルです。
MXRのPhase 90やDyna Compといったコンパクトエフェクターとほぼ同等のフットプリントに収まるため、すでにペダルボードが埋まっているプレイヤーでも無理なく導入できます。
筐体は軽量なアルミニウム製に変更されており、フルサイズ105Qのダイキャスト筐体と比べて大幅に軽量化されています。
それでいて、ライブやツアーでのハードな使用にも耐えうる堅牢さを維持しているのは、さすがDunlopの設計力と言えるでしょう。
ロッカー部分にはグリップ力の高いラバー素材が貼られており、ステージ上での滑りを防いでくれます。
白い筐体のレトロなルックスも、ペダルボード上でひときわ目を引く存在です。
スイッチレス設計「オートリターンスイッチング」とは
CBM105Qの最大の特徴のひとつが、従来のトゥスイッチを廃したオートリターンスイッチング機構です。
一般的なワウペダルでは、つま先部分のスイッチを「カチッ」と踏み込んでON/OFFを切り替えますが、このペダルではスプリングロード式のロッカーペダルを踏み込むだけでワウが自動的にエンゲージされます。
足を離すとペダルが元の位置に戻り、ワウエフェクトが自動でバイパスされる仕組みです。
この設計には大きなメリットがあります。
まず、スイッチのクリック音が発生しないため、静かなパッセージの途中でもノイズを気にせずワウを出し入れできます。
また、ソロやフィルインで一瞬だけワウを差し込むような使い方が非常にスムーズに行えます。
まさに「踏めばON、離せばOFF」という直感的な操作体系であり、ワウをスポット的に使いたいプレイヤーにとっては理想的な設計です。
ベーシストだけじゃない——ギタリストにも支持される理由
CBM105Qはベース用に設計されたワウペダルですが、実はギタリストからも熱烈に支持されています。
ダウンチューニングやバリトンギターを使用するプレイヤーの間では「通常のギター用ワウよりもスウィープレンジが広く、低域から地響きのような音まで出せる」として秘密兵器的に愛用されているケースが少なくありません。
通常のギター用ワウペダルは中高域にフォーカスしたフィルターカーブを持つため、低域が痩せがちです。
一方でCBM105Qはベースの帯域を考慮した設計のため、ギターで使用しても低域がしっかり残り、太くアグレッシブなワウサウンドが得られます。
Qコントロールを低めに設定すればアコースティックギターでも耳に刺さらない温かみのあるワウトーンが実現できるため、エレキギターに限らず幅広い楽器で活用できるポテンシャルを秘めています。
Jim Dunlop Cry Baby Mini Wah CBM105Qのスペック・仕様
本体サイズ・重量・筐体素材
CBM105Qの外形寸法はW75×D132×H66mm(約3.0×5.25×3.75インチ)です。
フルサイズの105Q Bass Wahと比較するとフットプリントはおよそ半分であり、一般的なコンパクトストンプボックスと同程度のスペースしか占有しません。
筐体素材は軽量アルミニウムで、フルサイズ版のダイキャスト筐体(約1.68kg)と比べて大幅に軽量化されています。
ロッカー部分のラバーグリップと底面のラバーライズドプレートにより、ペダルボード上での安定性も確保されています。
コントロール・内部調整機能の詳細
外部コントロールは、ボディ側面に配置されたVolumeノブとQノブの2つです。
Volumeノブはエフェクトのかかった音のレベルを調整するためのもので、最大約15〜20dBのブーストが可能です。
ファズやディストーションと組み合わせた際の音量低下を補正したり、ソロ時のレベルアップに活用できます。
Qノブはワウエフェクトの周波数幅を調整するコントロールで、反時計回りに絞ると暗めでサトルなフィルタリング、時計回りに開くと明るくアグレッシブなボーカルライクなスウィープが得られます。
さらに、ボトムプレートを外すと内部にオートリターン・ディレイ調整用のトリムポット(小型ロータリーコントロール)があります。
このトリムポットを調整することで、ワウをバイパスした際にエフェクト音がどのくらいの時間残響するかをコントロールでき、エフェクト音とクリーン音の切り替えをほぼシームレスにすることが可能です。
電源方式と対応アダプター
電源は9V電池(006P)1個、またはDunlop ECB003 9Vアダプター(センターマイナス)で駆動します。
Dunlop DC Brick、Iso-Brick、Mini Iso-Brickなどのパワーサプライにも対応しています。
電池は底面プレートのネジを外して交換する方式のため、頻繁に電池を交換する運用よりも、DCアダプターやパワーサプライでの常時給電がおすすめです。
Jim Dunlop Cry Baby Mini Wah CBM105Qのおすすめポイント
低音域を犠牲にしない——ベース専用設計の恩恵
CBM105Qが最も高く評価されているポイントは、ワウエフェクトをかけても低音域のファンダメンタル(基音)が失われない点です。
一般的なギター用ワウペダルをベースに使用すると、低域がごっそりカットされて音が薄っぺらくなるという問題が発生します。
しかしCBM105Qは、ベースの帯域に最適化されたポテンショメーターとカスタムEQ回路を搭載しており、中高域にワウのフィルタースウィープを適用しながらも、低域の土台をしっかりと保持する設計になっています。
これにより、バンドアンサンブルの中でもワウをかけた状態で低域の存在感を失わず、ファンクベースラインやスラップ奏法でのワウプレイが非常に映えます。
「ワウをかけても音が埋もれない」という安心感は、ライブステージで使用するベーシストにとって極めて重要なポイントです。
Volume/Qコントロールで広がる音作りの幅
サイド面に装備されたVolumeとQの2つの外部コントロールは、小型ペダルとは思えないほどの音作りの自由度をもたらします。
Qコントロールを低く設定すれば、シマーするような柔らかなフィルターサウンドが得られ、楽曲に繊細なテクスチャーを加えたい場面で威力を発揮します。
逆にQを高く設定すれば、高域が際立つスナッピーでアグレッシブなワウサウンドに変貌し、ソロやリフで存在感を主張するプレイに最適です。
Volumeノブによる最大20dBのブースト機能も見逃せません。
ワウペダルはエフェクトON時に音量が下がりやすい傾向がありますが、CBM105Qではこのブースト機能によって音量を補正するだけでなく、積極的にレベルを持ち上げてドライブペダルやアンプをプッシュするような使い方も可能です。
さらに、オクターバーと組み合わせることでシンセライクなトーンを生み出すなど、発想次第で多彩なサウンドメイクが楽しめます。
圧倒的な省スペース性とペダルボードへの組み込みやすさ
ペダルボードのスペース問題は、多くのエフェクターユーザーにとって永遠の課題です。
従来のフルサイズワウペダルは、その大きさゆえにペダルボードの最前列をまるごと占有してしまうことが少なくありませんでした。
CBM105Qはその問題を根本的に解決します。
MXRの標準的なコンパクトペダルとほぼ同じフットプリントであるため、他のストンプボックスと横並びにすっきりと配置できます。
トラベルボードやミニボードを組んでいるプレイヤーにとっては特に大きな恩恵があります。
「ワウを入れるスペースがないから諦めていた」という状況を、このペダルは一台で解消してくれます。
軽量なアルミニウム筐体による持ち運びのしやすさも、機材の総重量を気にするプレイヤーには嬉しいポイントです。
Jim Dunlop Cry Baby Mini Wah CBM105Qの注意点・デメリット
オートリターンスイッチングへの「慣れ」が必要
CBM105Qに対して最も多く指摘されている注意点が、オートリターンスイッチングの操作感に慣れが必要だという点です。
従来のトゥスイッチ式ワウでは、踏み込んでONにしたらそのまま足を載せてスウィープ操作に移行し、もう一度踏み込んでOFFにするという動作が基本です。
しかしCBM105Qでは、ロッカーペダルから足を浮かせた瞬間にバイパスに戻るため、常にペダルに足の重さをかけ続ける必要があります。
特に使い始めの段階では、足を離した瞬間に生じるわずかな無音(ギャップ)が気になるケースがあります。
これはペダル内部のオートリターン・ディレイ調整トリムポットで改善できますが、底面のプレートを外してドライバーで調整するという手間がかかります。
あるベテランレビュアーは「マニュアル車のクラッチに慣れるのと似た感覚で、最初は戸惑うが使い込むうちに体に馴染んでくる」と表現しており、ある程度の練習期間を見込んでおくのが賢明です。
足のサイズやペダルボードの傾斜による操作性の問題
ペダル本体がコンパクトになった分、足のサイズが大きいプレイヤーにとってはロッカーペダルの操作が窮屈に感じられる可能性があります。
あるプロベーシストがこのペダルを見て「赤ちゃんの足用に作られたように見える」と冗談交じりにコメントしたエピソードは象徴的です。
実際に使用しているユーザーの中にも「通常のミニCry Baby(CBM95)は足に対して小さすぎた」という声があり、購入前に可能であれば実機を試奏することをおすすめします。
また、Pedaltrain等の傾斜のあるペダルボードに設置する場合、ヒールダウン(かかと側に倒す)時の角度がきつくなるという懸念も挙がっています。
ペダル自体の高さがあるため、直上に別のペダルを配置しにくく、結果的にスペースの節約効果が想定ほど得られないケースもあり得ます。
ペダルボードのレイアウトは事前にシミュレーションしておくことが重要です。
トゥルーバイパス非対応とノイズに関する留意点
CBM105Qはオートリターン方式を採用しているため、トゥルーバイパス仕様ではありません。
信号が常時ペダルの回路を通過する設計のため、トゥルーバイパスにこだわるプレイヤーからは「常に信号経路に影響を与えているのでは」という指摘があります。
実際の使用において音痩せが顕著に感じられるかどうかは個人差や使用環境によりますが、信号の純度を最優先するプレイヤーは留意しておくべきポイントです。
加えて、ごく一部のユーザーからはコンピュータや電子機器の近くに配置した際にホワイトノイズが発生したという報告もあります。
この問題は配置場所を変更したり、接点洗浄剤でメンテナンスすることで解消できたとのことですが、デスク周りや自宅スタジオなど電子機器が密集した環境で使用する場合は、配置に気を配る必要があるかもしれません。
Jim Dunlop Cry Baby Mini Wah CBM105Qの評判・口コミ
ユーザーが評価するおすすめな点
多くのユーザーが真っ先に挙げるのは、コンパクトなサイズでありながらフルサイズ版に匹敵するサウンドクオリティです。
「小さいが大きく、調整幅の広いワウサウンドが出る」「ファンクベースのソロに最適」といった声は非常に多く、サイズダウンによる音質的な妥協はほぼ感じられないというのが大多数の見解です。
オートリターンスイッチングについても、慣れた後は「むしろこの方が便利」と評価するユーザーが多数派です。
ソロやフィルインで一瞬だけワウを差し込む使い方が非常にやりやすく、「3時間のライブで全曲に使いたくなるほど楽しい」と報告するプレイヤーもいます。
Volume/Qコントロールの調整幅の広さも高く評価されており、「微妙なフィルターサウンドからアグレッシブなワウまで1台でカバーできる」という点が満足度の高さにつながっています。
長年フルサイズ版を愛用してきたベテランベーシストが「記憶の限りでは、むしろミニ版の方が好き」と述べるほど、小型化によるマイナス要素よりもプラス要素の方が大きいと感じているユーザーが目立ちます。
ストリートプライスも約$119〜$160(日本では約12,000〜16,000円前後)と比較的手頃で、機能・サウンド・サイズのバランスに優れたコストパフォーマンスの高い製品として広く認知されています。
購入前に確認すべき注意点
一方で、オートリターンスイッチングに対する戸惑いの声は一定数存在します。
「最初は足を離した瞬間の無音が気になった」「従来型のON/OFFスイッチが恋しくなる場面もある」といったコメントがあり、特にトゥスイッチ式のワウに長年慣れ親しんできたプレイヤーは、使い始めに違和感を覚える可能性があります。
ただし、内部トリムポットの調整で改善できるという情報を事前に知っておくだけでも、購入後のストレスは大幅に軽減されるはずです。
Volumeノブの効きが非常に強い点にも注意が必要です。
「最初からフルにすると大音量になりすぎる。
必ず中間くらいから始めて調整すべき」というアドバイスが複数のユーザーから寄せられています。
また、Qコントロールを最大付近まで回すと音が暴れすぎるという指摘もあり、最初のセッティングでは控えめな設定から少しずつ追い込んでいくアプローチが推奨されます。
電池交換の煩雑さを指摘する声もあります。
底面プレートをドライバーで外す必要があるため、ライブ中やリハーサル中に電池が切れると対応が難しくなります。
DCアダプターやパワーサプライでの運用を前提に考えておいた方が安心です。
ベース以外の楽器で使用したユーザーの声
興味深いことに、ギタリストからの評価も非常に高い製品です。
ダウンチューニングのエレキギターで使用しているプレイヤーは「通常のギター用ワウよりもレンジが広く太い音が出る」「フルステップダウンのチューニングにぴったりのスイートスポットがある」と評価しています。
HIMのギタリストが使用していたことで知られるように、ロック系のギタリストにとって「通常のワウでは得られない攻撃的で地鳴りのような低域」が武器になるケースは少なくありません。
アコースティックギターでの使用報告もあり、「Qを低めに設定すればギター用ワウのようなキンキンした刺さる音にならず、温かみのあるワウトーンが得られる」と好意的に評価されています。
4弦・5弦・6弦ベースはもちろん、バリトンギターやダウンチューニングギターまで、想定以上に幅広い楽器・チューニングに対応できる汎用性の高さは、このペダルの隠れた魅力と言えるでしょう。
まとめ:Jim Dunlop Cry Baby Mini Wah CBM105Q
総合評価——コンパクトさと実力は両立しているか
Jim Dunlop Cry Baby Mini Wah CBM105Qは、「小さくなったから音も小さくなった」という心配を見事に裏切る製品です。
ベース専用設計による低域の保持力、Volume/Qコントロールによる音作りの柔軟性、そしてオートリターンスイッチングによる直感的な操作性は、フルサイズの105Qに勝るとも劣らない完成度に達しています。
ペダルボードのスペース問題を解決しながら、ワウペダルとしてのクオリティに一切の妥協がないという点で、コンパクトさと実力の両立は十分に実現されていると結論づけられます。
こんな人におすすめ・おすすめしない人
このペダルは、ペダルボードのスペースに制約があるベーシスト、トラベルボードやミニボードにワウを組み込みたいプレイヤー、ワウを常時ONではなくスポット的に使いたいプレイヤー、そしてダウンチューニングで太いワウサウンドを求めるギタリストに強くおすすめできます。
一方で、従来型のトゥスイッチ式操作に強いこだわりがある方、トゥルーバイパスを絶対条件とする方、足のサイズが大きく小型ペダルの操作に不安がある方は、購入前に試奏して操作感を確認されることをおすすめします。
購入時にチェックすべきポイント
- フルサイズ105Qとほぼ同等の回路を搭載しながら、約半分のサイズと軽量アルミニウム筐体を実現している
- オートリターンスイッチングにより、踏むだけでON・離すだけでOFFの直感的なスイッチレス操作が可能
- ベース帯域に最適化された設計で、ワウをかけても低音域のファンダメンタルが犠牲にならない
- 側面のVolumeノブで最大約20dBのブーストが可能で、音量補正やソロ時のレベルアップに活用できる
- Qコントロールにより、柔らかいフィルターサウンドからアグレッシブなワウまで幅広く音作りが可能
- ダウンチューニングギターやバリトンギター、アコースティックギターでも高い評価を得ている汎用性
- オートリターンスイッチングへの慣れが必要で、使い始めはバイパス時の一瞬のギャップが気になる場合がある
- 内部のオートリターン・ディレイ調整トリムポットで切り替えのスムーズさを微調整できる
- トゥルーバイパス非対応のため、信号の純度を最優先するプレイヤーは要検討
- 電池交換には底面プレートの取り外しが必要なため、DCアダプターまたはパワーサプライでの運用が推奨される

