ファズペダルに興味はあるけれど、「古臭い音しか出ないのでは?」
「使いこなせるか不安」と感じていませんか。
あるいは、数あるファズフェイス系ペダルの中でどれを選ぶべきか迷っている方も多いでしょう。
Jim Dunlop Fuzz Face JHF1は、ジミ・ヘンドリックスが晩年に愛用した1969〜70年製ダラス・アービター・ファズフェイスを忠実に再現したモデルです。
しかし単なるヴィンテージの復刻にとどまらず、現代の量産技術による安定した品質と、ギタリストの手元ひとつで激しいファズからクリーンまでを自在に操れる奥深さを兼ね備えています。
本記事では、実際の使用感やサウンドの特徴、メリット・デメリット、そしてユーザーのリアルな評判まで、購入前に知っておくべき情報を徹底的にお伝えします。
Jim Dunlop Fuzz Face JHF1の特長
ジミ・ヘンドリックスの実機を忠実に再現
JHF1は、ジミ・ヘンドリックスがバンド・オブ・ジプシーズ時代に使用していたファズフェイスを再現したシグネチャーモデルです。
搭載されるBC108Bシリコントランジスタは、オリジナルのスペックに合わせて厳密にマッチングされています。
ハンドワイヤリングによる配線、ヴィンテージ・ターコイズのハンマートーン仕上げ、当時のオリジナルと同じデザインのノブに至るまで、外観も内部構造も徹底して再現されている点が最大の特長です。
シリコントランジスタがもたらす安定性
ファズフェイスにはゲルマニウムトランジスタを搭載した赤いJDF2も存在しますが、JHF1はシリコントランジスタを採用しています。
ゲルマニウムは気温や湿度で動作が不安定になりやすく、個体差も大きいのに対し、シリコンは耐熱温度が約180℃と高く、環境の変化に影響されにくい特性を持っています。
ジミ・ヘンドリックス自身も、ツアー先での安定性を求めてシリコンモデルに移行した経緯があり、JHF1はその選択を現代に引き継いだペダルといえます。
ギターボリュームで劇的に変化するサウンド
JHF1の真価は、ギター側のボリュームノブとの連携にあります。
ペダルのFUZZとVOLUMEをフルアップ付近に設定した状態で、ギターのボリュームを全開にすれば激しく暴れるファズサウンドが得られます。
そこからボリュームを徐々に絞っていくと、オーバードライブ的な歪みを経て、最終的には「鈴鳴り」と称される艶やかなクリーントーンにまで変化します。
たった2つのノブしか持たないシンプルなペダルでありながら、ギタリストの手元ひとつで多彩な表情を見せるのです。
高価なブティック品に迫るクオリティ
JHF1の回路基板の裏面には、各トランジスタのバイアスを調整するためのトリマーポットが搭載されています。
これはWAY HUGEの創始者として知られるジョージ・トリップス氏の監修によるもので、量産品でありながら一台一台のバイアスが適切に調整される仕組みになっています。
実測値では回路図の設計値とほぼ完全に一致するバイアス電圧が確認されており、この精度の高さが「高価なブティック製ファズフェイスと比較しても95%は同等のサウンド」という高い評価につながっています。
スペック・仕様
JHF1の基本的なスペックと仕様は以下のとおりです。
製品名はJHF1 Jimi Hendrix Fuzz Face Distortionで、メーカーはJim Dunlop(ジムダンロップ)です。
エフェクタータイプはファズ(ディストーション)に分類されます。
搭載トランジスタはBC108Bシリコントランジスタで、ジミが使用したオリジナルのスペックに合わせてマッチングされています。
コントロールはVOLUMEとFUZZの2ノブ構成というシンプルな設計です。
配線方式はハンドワイヤリングで、バイパス方式はトゥルーバイパスではなく、ヴィンテージ仕様に準じた設計となっています。
電源は9Vバッテリー専用で、ACアダプター用のDC入力端子は搭載されていません。
筐体はオリジナルのファズフェイスを踏襲した円形の大型メタルエンクロージャーで、仕上げはヴィンテージ・ターコイズのハンマートーン塗装です。
入出力端子は1/4インチモノラルジャックが入力・出力各1系統ずつで、ヴィンテージの仕様に倣い、通常のペダルとは左右の配置が逆になっています。
LEDインジケーターは非搭載です。
参考価格は国内正規品で約29,500円(税込)前後となっています。
おすすめな点
手元のボリュームだけで完結する音作り
JHF1の最も大きなメリットは、ギター本体のボリュームノブひとつで歪みの量から音色のキャラクターまでをリアルタイムにコントロールできる点です。
足元のペダルを切り替える必要がなく、演奏中に右手の小指でボリュームを操作するだけで、ファズからクランチ、クリーンまでシームレスに移行できます。
これはライブパフォーマンスにおいて極めて実用的な特性であり、ペダルの踏み替えでは得られない滑らかな表現力をもたらします。
和音が潰れにくい明瞭なサウンド
シリコントランジスタの特性として、ゲルマニウムモデルと比較してミッドレンジが豊かに出る傾向があります。
このため、コードを弾いた際にも各音が分離して聞こえやすく、フルゲインの状態でも音が飽和しすぎず、バンドアンサンブルの中で埋もれにくいサウンドが得られます。
特にアンプを少し歪ませたクランチ状態との組み合わせでは、ファズ特有の太さとシリコンの明瞭さが絶妙にバランスし、実戦的なトーンが生まれます。
ストラトキャスターとの抜群の相性
JHF1はジミ・ヘンドリックスのシグネチャーモデルということもあり、低出力のシングルコイル・ピックアップとの組み合わせで最も本領を発揮します。
ストラトキャスターの細身のトーンをグッと太く、かつ存在感のあるサウンドに押し上げてくれます。
もちろんP-90やハムバッカーを搭載したギターでも十分に使えるとの評価もあり、ギターを選ばない懐の深さも備えています。
ヴィンテージの雰囲気とコストパフォーマンスの両立
円形の大きな筐体、ターコイズのハンマートーン仕上げ、クラシカルなノブデザインは、ペダルボードの上に置くだけで所有欲を満たしてくれる存在感があります。
それでいて価格は約3万円前後と、ヴィンテージ品やハンドメイドのブティック品と比較すれば圧倒的に手頃です。
「ブティック品と遜色ないサウンドが手頃な価格で手に入る」という評価は、このペダルの最も大きな魅力のひとつです。
アウトプットレベルの高さによる汎用性
ヴィンテージのファズフェイスと比較して、JHF1はアウトプットレベルが高く設計されています。
このため、アンプのセッティングに過度に依存せず、様々な環境で使いやすいという利点があります。
クランチに設定した真空管アンプとの組み合わせが王道ですが、ローランドJC-120のようなソリッドステートアンプでも、工夫次第で十分に魅力的なサウンドを引き出すことが可能です。
注意点
9Vバッテリー専用という制約
JHF1にはACアダプター用のDC入力端子が搭載されていません。
電源は9Vバッテリーのみで、電池交換にはドライバーで裏蓋を開ける必要があります。
パワーサプライから電源を供給したい場合は、VOODOO LABなどのバッテリークリップアダプターを別途用意する必要があります。
頻繁にライブやリハーサルで使用する方は、電池の予備を常に携帯するか、アダプターの導入を検討してください。
なお、電池の消耗度合いによって音が微妙に変化するため、それを逆手に取って「電池が減った時の音が好き」というプレイヤーもいます。
ペダルボードへの組み込みが難しい
オリジナルに忠実な円形の大型エンクロージャーは、ペダルボード上でかなりのスペースを占有します。
さらに入出力ジャックの配置が通常のペダルとは左右逆であるため、パッチケーブルの取り回しにも工夫が求められます。
ペダルボードのコンパクト化を重視する方には、同じ回路を搭載したFFM3 Fuzz Face Miniの検討もおすすめします。
Mini版はトゥルーバイパス、LEDインジケーター、DC入力端子を備えており、実用性ではJHF1を上回ります。
LEDインジケーター非搭載
ヴィンテージ仕様への忠実さゆえに、ON/OFFを示すLEDが搭載されていません。
ライブのステージ上、特に照明が暗い環境では、ペダルが踏まれているかどうかを視覚的に確認できない場面が生じます。
音の変化で判断するか、慣れが必要な部分です。
ノイズへの対処が必要
ヴィンテージのファズフェイス回路に忠実な設計であるため、一定量のノイズは避けられません。
特にギターのボリュームを全開にした状態、あるいは完全に絞った状態でノイズが目立つ傾向があります。
バッファードペダルを前段に置くとファズのキャラクターが変わってしまう場合があるため、ノイズ対策には信号チェーンの組み方に工夫が必要です。
使い方を知らないと「失敗した」と感じやすい
JHF1は、箱から出してそのまま弾いただけでは「モコモコして使えない」という印象を持つ方が少なくありません。
ペダルのノブをフルアップ付近に設定し、ギターのボリュームで歪みをコントロールするという使い方を理解して初めて、このペダルの真価が発揮されます。
また、クリーンセッティングのアンプに繋ぐと硬く薄い歪みに感じやすいため、少し歪み始めたクランチ状態のアンプと組み合わせることが推奨されます。
購入前にこの基本的な使い方を頭に入れておくことで、第一印象での「がっかり」を避けることができるでしょう。
アンプとの相性に左右される
JHF1のサウンドはアンプの性格に大きく影響されます。
フェンダー系のスポンジーで温かみのあるアンプとの相性は非常に良いとされる一方、マーシャル系のリードチャンネルに繋ぐとゲーテッドなベルクロのような質感になり、好みが分かれる場合があります。
導入前に、自分の使用アンプとの相性を試奏で確認しておくことをおすすめします。
評判・口コミ
ユーザーが評価するおすすめな点
多くのユーザーが最も高く評価しているのは、ギターのボリュームノブによるサウンドコントロールの奥深さです。
「ビリビリのギャリギャリからシャリンとした鈴鳴りクリーンまで、手元だけでこれほど音色が変わるペダルは初めて」「長年ギターを弾いてきたが本当に驚いた」といった声が多く、ファズフェイス初体験の方ほど感動が大きい傾向にあります。
サウンドのクオリティについては、「高価なブティック製ファズフェイスを何台も試してきたが、JHF1が最も良かった」「BC108搭載の某有名ハンドメイド品と直接比較して差がなかった」という評価が複数見られます。
量産品でありながらブティック品に匹敵する音質が得られる点は、コストパフォーマンスの観点からも高く評価されています。
また、Mini版のFFM3からの乗り換え・買い増しユーザーからは、「やはり大きい筐体の方が音圧や発振感が違う。
純アナログ的な音で、本物のファズを手に入れた感覚がある」という声も寄せられています。
ヴィンテージの外観を含めた所有する喜びも、満足度を高める要因のひとつとなっています。
シリコンならではの安定したサウンドも好意的に受け止められており、「ゲルマニウムのような気難しさがなく、気温や湿度を気にせず安心して使える」「安定しているからこそライブでも信頼できる」という実用面での評価が目立ちます。
購入前に確認すべき注意点
最も多くのユーザーが不満点として挙げているのは、9Vバッテリー専用という電源仕様です。
「サウンドは最高だが、ここだけが惜しい」「ペダルボードにパワーサプライを組んでいるのに電池しか使えないのは正直不便」という声が大多数を占めます。
ただし、バッテリークリップアダプターを使えばパワーサプライからの給電も可能であり、さらにパワーサプライ側で電圧を変えることでサウンドのニュアンスを調整できるという、デメリットを逆手に取った使い方を紹介するユーザーもいます。
大型の円形筐体についても、「ペダルボードに入らない」「入出力ジャックが逆で取り回しが面倒」という声は根強くあります。
ただしこの点については、「この大きさと形状だからこそ出せる音がある」「見た目のカッコよさも含めて受け入れている」と肯定的に捉えるユーザーも少なくありません。
ボードへの組み込みを最優先する場合は、同回路のMini版も選択肢に入れるべきでしょう。
使い始めの印象については、「買った直後は失敗したと思った」「最初はモコモコして何がいいのか分からなかった」という体験談が散見されます。
しかしほぼ全員がその後、ギターボリュームでの音色コントロールを学んだことで評価が一変しており、「使い方さえ分かれば手放せなくなる」という結論に至っています。
この「学習コスト」を購入前に認識しておくことが重要です。
全体的な満足度は非常に高く、大手楽器通販サイトでの評価は5点満点中4.7点を記録しています。
5年以上使用した長期ユーザーからも「絶対に手放さない」という声が上がっており、長く愛用できるペダルであることがうかがえます。
まとめ
- JHF1はジミ・ヘンドリックスが1969〜70年に使用したダラス・アービター・ファズフェイスを忠実に再現したシリコントランジスタ搭載モデルである
- 最大の魅力は、ギターのボリュームノブだけで激しいファズから鈴鳴りクリーンまでシームレスにコントロールできる表現力の広さにある
- シリコントランジスタ(BC108B)の採用により、ゲルマニウムモデルにはない安定性と明瞭なミッドレンジが得られる
- フルゲインでも和音が潰れにくく、バンドアンサンブルの中で埋もれにくい実戦的なサウンドが特長である
- ジョージ・トリップス氏監修による精密なバイアス調整が施されており、量産品ながらブティック品に迫るサウンドクオリティを実現している
- 9Vバッテリー専用・LEDインジケーター非搭載・大型円形筐体・ジャック配置が逆といったヴィンテージ仕様に起因する使い勝手の課題がある
- 使い方を知らない状態では「モコモコして使えない」と感じやすく、ギターボリュームでのコントロールという基本を理解することが必須である
- 少し歪ませたクランチセッティングの真空管アンプとの組み合わせで最も本領を発揮し、アンプとの相性確認が購入前に推奨される
- ストラトキャスターをはじめとする低出力シングルコイルのギターとの相性が特に良く、約3万円前後という価格はヴィンテージやブティック品と比較して圧倒的に手頃である
- 総合評価として、ファズフェイスの入門機としても、長年ファズを弾いてきたベテランの終着点としても強くおすすめできる、現行品最高峰のシリコン・ファズフェイスである

