「ヴィンテージライクなワウサウンドが欲しいけれど、本物のヴィンテージワウは高すぎて手が出ない」
「Cry Babyシリーズが多すぎて、どれを選べばいいか分からない」——そんな悩みを持つギタリストは少なくないはずです。
Jim Dunlop JB 95 Joe Bonamassa Signature Cry Babyは、ブルースロック界の重鎮であるJoe Bonamassaの要求仕様をそのまま形にしたシグネチャーワウペダルです。
Haloインダクターによるヴィンテージトーン、ファズとの相性を考慮した出力バッファー、トゥルーバイパスとバッファードの切り替え機能など、こだわりの仕様が詰め込まれています。
この記事では、実際の使用感や口コミ情報をもとに、本製品の強みと弱み、そしてどんなギタリストに合うのかを徹底的に解説します。
Jim Dunlop JB 95 Joe Bonamassa Signature Cry Babyの特徴・概要
Haloインダクター搭載が生み出すヴィンテージ・ヴォーカルトーン
JB 95の心臓部ともいえるのが、Haloインダクターです。
これは1960年代のVoxワウに搭載されていたインダクターのレプリカであり、ワウサウンドの「声」を決定づける最重要パーツとされています。
通常のFaselインダクターとは異なる独特の倍音構造を持ち、まるで人間の声のような豊かなヴォーカルトーンを生み出します。
特にオーバードライブやディストーションと組み合わせた際、ミッドレンジに太く唸るようなグロウル感が加わる点が最大の魅力です。
一般的なCry Babyの「クワクワ」とした軽いワウサウンドとは一線を画す、深くスロートな(喉を鳴らすような)音色が本機の個性といえます。
コッパー×ブラックの高級感あるデザインと堅牢な筐体
外観はクラシカルな銅色(コッパー)のロッカートップに艶ありブラックのボディを組み合わせた、非常にスタイリッシュなデザインです。
踏面にはテクスチャード加工のラバーパッドが施されており、ステージ上での滑り止めとしてしっかり機能します。
筐体の重量は約1.1kgと、旧モデルのCry Baby(約1.7kg)と比べてかなり軽量化されており、ペダルボードへの組み込みや持ち運びの負担が軽減されています。
内部基板にはヴィンテージスタイルの大型スルーホールコンポーネントが使用されており、見た目だけでなく構造面でも堅牢な作りです。
ライブハウスやバーでのハードな使用にも十分耐えうる耐久性を備えています。
トゥルーバイパス/バッファード切り替え&ファズフレンドリー設計
JB 95の大きな特徴の一つが、内部スイッチによるトゥルーバイパスとバッファード(非トゥルーバイパス)の切り替え機能です。
Joe Bonamassa本人はバッファードモードを好んで使用しており、これによりハイエンドが微妙にダークになり、トーンに深みが加わるとされています。
トゥルーバイパスを好むプレイヤーにも対応できる柔軟な設計です。
さらに、出力バッファーを内蔵しているため、Fuzz Faceなどのヴィンテージファズペダルとの組み合わせで起こりがちなインピーダンス不整合による音質劣化を防ぎます。
ワウとファズを併用するプレイヤーにとって、この設計思想は非常にありがたいポイントです。
Jim Dunlop JB 95 Joe Bonamassa Signature Cry Babyのスペック・仕様
基本スペック一覧
主要なスペックは以下の通りです。
タイプはアナログワウペダル、電源は9Vバッテリーまたは9V DCアダプター(標準的なセンターマイナス仕様)に対応しています。
重量は約1.1kgで、筐体素材はアルミニウムハウジングです。
入出力端子は標準的な1/4インチモノラルジャックで、入力と出力がそれぞれ1系統ずつ備わっています。
バイパス方式はトゥルーバイパスと非トゥルーバイパスを内部スイッチで切り替え可能です。
内部構造・回路の特徴
回路はJoe Bonamassaの仕様に基づいて設計されたモディファイド・ヴィンテージ回路を採用しています。
インダクターにはHaloインダクター(ヴィンテージVoxワウに使用されていたタイプのレプリカ)を搭載し、これが本機特有の倍音豊かなサウンドの源です。
基板にはヴィンテージスタイルのスルーホール実装が施されており、大型のコンデンサーやカーボンフィルム抵抗、金属皮膜抵抗が混在する構成になっています。
出力段にはバッファー回路が組み込まれており、ファズペダルとの相性問題を解消する設計です。
ポテンショメーターは100万回転対応の高耐久仕様が採用されており、長期間のハードな使用にも対応します。
電源仕様とボード上のサイズ感
電源は9Vバッテリーと9V DCアダプターの両方に対応しています。
バッテリー収納部は底板のネジ4本すべてを外さなくてもアクセスできる設計で、電池交換の手間が軽減されています。
筐体サイズは標準的なCry Babyシリーズとほぼ同等で、一般的なワウペダル用のスペースがあればペダルボードに問題なく収まります。
ただし、一部のユーザーからは標準のCry Babyよりわずかに幅があるとの報告もあるため、タイトなボードレイアウトの場合は事前にサイズを確認しておくと安心です。
Jim Dunlop JB 95 Joe Bonamassa Signature Cry Babyのおすすめポイント
歪みとの組み合わせで真価を発揮する圧倒的な表現力
JB 95の最大の魅力は、歪みサウンドとの相性の良さにあります。
クリーンセッティングでは比較的おとなしい印象を受けるものの、オーバードライブやディストーションを通した瞬間に本領を発揮します。
歪みの量を増やすほど倍音が豊かになり、ミッドレンジに太く唸るようなグロウルが現れます。
この「歪ませるほど美味しくなる」という特性は、ブルースやクラシックロックでリードソロを弾くギタリストにとって理想的です。
特にレスポールなどのハムバッカー搭載ギターをマーシャル系アンプに接続した環境では、深く説得力のあるワウサウンドが得られると多くのプレイヤーが評価しています。
スイープ全域にわたる均一な音変化と6ノッチの分解能
一般的なワウペダルのスイープでは、ヒール(かかと)側からトー(つま先)側への音色変化が急激で、使える帯域が限られていることが珍しくありません。
JB 95はスイープ全域にわたって均等に音色が変化する設計になっており、経験豊富なワウ愛好家のテストでは通常のワウペダルが3〜4段階のノッチ(音色変化のポイント)を持つのに対し、JB 95は6段階ものノッチが均等に分布していたという報告があります。
この分解能の高さにより、繊細な表現からダイナミックなスイープまで、幅広いプレイスタイルに対応できます。
60年代スタイルのクラシカルなワウプレイでは、この均一な音変化が特に活きてきます。
Fuzz Faceとの相性問題を解消する内蔵出力バッファー
ワウペダルとファズペダルの組み合わせは、多くのギタリストが頭を悩ませるポイントです。
特にFuzz Faceのようなゲルマニウムトランジスタ系ファズは、前段にバッファーのないワウを置くとインピーダンス不整合が起き、ファズの音色が大きく変わってしまうことがあります。
JB 95は出力バッファーを内蔵しているため、Big MuffやFuzzriteクローンなど様々なファズペダルと組み合わせても、それぞれのペダルの個性を損なわずに使用できます。
ワウとファズを駆使してサウンドメイクをしたいプレイヤーにとって、この設計は非常に実用的なアドバンテージです。
Jim Dunlop JB 95 Joe Bonamassa Signature Cry Babyの注意点・デメリット
クリーントーン・ファンク用途には不向きなダーク寄りボイシング
JB 95は全体的にダーク寄りのボイシングが施されており、ミッドレンジを中心とした音作りになっています。
そのため、クリーンセッティングでのカッティングワウやファンクスタイルのプレイには不向きです。
一般的なCry Babyに期待される「クワクワ」とした軽快なサウンドや、鋭いスナップ感はほとんど得られません。
クリーンチャンネルで鳴らすと平凡に感じるという声も多く、歪みを前提としたペダルであることを理解した上で購入する必要があります。
ファンクギターやクリーンカッティングをメインに使いたい方は、標準のGCB-95や535Qなど、別のモデルを検討した方が満足度は高いでしょう。
ペダルストロークの短さが求める繊細な足さばき
JB 95に対して最も多く挙がる指摘が、ペダルのストローク(踏みしろ)の短さです。
ヒールダウンからトーダウンまでの物理的な可動域が他のワウペダルと比べて狭く、スイープ全域をコントロールするには繊細な足さばきが要求されます。
これは慣れの問題でもありますが、他のワウからの乗り換えでは最初に違和感を覚える可能性が高いです。
スイートスポットが狭いと感じるプレイヤーもおり、大きな踏みしろで豪快にロッキングするスタイルを好む方にはストレスになるかもしれません。
購入前に可能であれば、実際に足で踏んでみて感覚を確かめることを強くおすすめします。
調整パラメーターの少なさと好みが分かれるHaloインダクターの音色
JB 95にはQ(フィルターの鋭さ)コントロールやボリュームブースト機能が搭載されていません。
内部で操作できるのはトゥルーバイパスと非トゥルーバイパスの切り替えスイッチのみです。
535Qのように自分好みに音を追い込めるカスタマイズ性を求める方にとっては、「ワントリックポニー(一芸だけのペダル)」と感じられる可能性があります。
また、Haloインダクター特有の倍音構造は好みが分かれるポイントでもあり、「リングモジュレーターやシンセのような質感がある」と感じるプレイヤーもいます。
この独特の音色が魅力に感じるか違和感に感じるかは個人差が大きいため、やはり試奏が不可欠です。
Jim Dunlop JB 95 Joe Bonamassa Signature Cry Babyの評判・口コミ
ユーザーが評価するおすすめな点
高く評価されているのは、まず「歪みサウンドとの組み合わせでの圧倒的な存在感」です。
オーバードライブやディストーションを通した際のスロートで太いワウサウンドは、他のCry Babyシリーズでは得られない独自の魅力として広く認められています。
「新品の量産ワウとしては間違いなく最高クラスの一台」という評価や、「535Qから乗り換えてペダルボードの常設ワウとして完全に置き換えた」という声が多く見られます。
外観のデザイン性も好評で、コッパー×ブラックの配色は「クールで高級感がある」と評されています。
トーダウンのポジションでも一般的なCry Babyにありがちな耳に痛いキンキンした音が出ない点も、長時間の演奏で疲れにくいメリットとして支持されています。
さらに、個体差が少なく品質が安定しているという報告もあり、「2台を比較しても同じトーン、同じ特性で一貫性がある」という点は量産ワウとしては特筆すべき成果です。
購入前に確認すべき注意点
注意すべき点として最も多く聞かれるのが「万人向けではない」という声です。
ハムバッカー搭載ギターに最適化されたボイシングのため、シングルコイルのギターでは本領を発揮しにくいことがあります。
テレキャスターやストラトキャスターをメインで使用するプレイヤーは、購入前に自分のギターとの相性を必ず確認してください。
また、ペダルストロークの短さについては多くのユーザーが言及しており、「他のワウから乗り換えた直後は戸惑う」という体験談が目立ちます。
一部のユーザーからは、特定の帯域でフィードバックノイズが発生するケースも報告されています。
演奏中にはほとんど気にならないレベルとのことですが、自宅での小音量練習では気になる可能性があります。
加えて、同ブランドのJoe Bonamassa Fuzz Faceとの組み合わせでオシレーション(発振)が起きたという報告もあるため、シグネチャーシリーズ同士だからといって相性が完璧とは限らない点も頭に入れておく必要があります。
どんなギタリストに向いている?ユーザー満足度の傾向
総じて、JB 95は「特定のスタイルに非常に強いが、汎用性は高くない」という評価に集約されます。
ブルースやクラシックロックを主戦場とし、レスポールなどのハムバッカー搭載ギターをマーシャル系アンプで鳴らすスタイルのプレイヤーからは、満足度が非常に高い傾向にあります。
「リードソロ時にミッドレンジを強調するイコライザー的な使い方で威力を発揮する」という評価は、本機の理想的な使用シーンを端的に表しています。
一方で、クリーントーンでのカッティングやファンク、メタルなどの用途を想定している方、あるいはシングルコイルギターがメインの方からは「自分には合わなかった」という声が出る傾向があります。
自分のプレイスタイルと音楽ジャンルがこのペダルの方向性と合致するかどうかが、満足度を左右する最大の要因です。
まとめ:Jim Dunlop JB 95 Joe Bonamassa Signature Cry Baby
総合評価:ブルース・クラシックロック志向のプレイヤーにとっての最適解
JB 95は、万能型のワウペダルではありません。
しかし、ブルースやクラシックロックにおけるリードプレイで求められる「太く、スロートで、ヴォーカルライクなワウサウンド」を追求するのであれば、この価格帯で本機を超える選択肢を見つけるのは難しいでしょう。
Haloインダクターが生み出す独特の倍音構造、スイープ全域にわたる均一な音変化、ファズとの高い互換性——これらの要素が一つの筐体に凝縮されている点は、ヴィンテージワウに数万円を投じることを考えれば、極めてコストパフォーマンスに優れています。
購入判断チェックリスト:あなたに合うワウか見極めるポイント
本記事の内容を踏まえ、購入判断の参考として以下にポイントを整理します。
- Haloインダクターによるヴィンテージライクでヴォーカルなワウトーンは、量産品の中ではトップクラスの評価を得ている
- 歪みサウンドとの組み合わせで真価を発揮し、クリーントーンでの使用には不向きである
- ハムバッカー搭載ギター+マーシャル系アンプとの相性が特に良い
- シングルコイルギターでは本領を発揮しにくい場合がある
- ペダルストロークが短く、繊細な足さばきが求められるため慣れが必要である
- Q調整やボリュームブーストなどの調整機能は搭載されていない
- 内蔵出力バッファーによりFuzz Faceタイプのファズとの併用がスムーズに行える
- トゥルーバイパスとバッファードの切り替えが可能で、機材環境に応じた柔軟な運用ができる
- コッパー×ブラックの外観デザインと約1.1kgの軽量設計はペダルボードへの組み込みにも好都合である
- ブルース・クラシックロック志向のリードギタリストにとっては非常に満足度の高い一台だが、購入前の試奏は必須である
試奏のすすめと購入時の価格帯・入手方法
JB 95は好みが大きく分かれるペダルであるからこそ、購入前に必ず試奏することを強くおすすめします。
できれば自分のメインギターを持参し、普段使用しているアンプセッティングに近い環境で音を確認してください。
価格帯は新品で概ね2万円台半ば〜3万円台(国内並行輸入品の場合)で推移しており、中古市場でも状態の良い個体が比較的手頃な価格で流通しています。
なお、生産終了の情報もあるため、気になる方は在庫があるうちに入手を検討した方がよいかもしれません。
ブルースやクラシックロックにおけるワウサウンドに妥協したくないギタリストにとって、JB 95は間違いなく試す価値のある一台です。

