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Jim Dunlop Cry Baby Wah JP95 レビュー解説|巨人の咆哮を放つ最強ワウ

ワウペダルの購入を検討しているギタリストなら、一度は「JP95」の名前を目にしたことがあるのではないでしょうか。

「標準的なCry Babyとどう違うの?」「ハイゲイン環境で本当に使えるの?」

「約2万円の価格差に見合う価値があるの?」——そんな疑問を抱えている方は少なくないはずです。

Jim Dunlop Cry Baby Wah JP95は、Dream Theaterのギタリスト、ジョン・ペトルーシがエンジニアのリチャード・チッキと共にCry Baby設計チームと開発したシグネチャーモデルです。

ペトルーシが長年愛用してきたラックマウント型Cry Babyの設定を、ペダルサイズに凝縮した意欲作として2016年の発売以来、根強い支持を集めています。

本記事では、実際のユーザーの使用感や評価をもとに、JP95の特長からスペック、メリット・デメリット、リアルな口コミまでを徹底的に掘り下げます。

購入を迷っている方が「自分に合うかどうか」を判断できる情報をお届けします。

目次

JP95の製品特長|他のワウペダルと何が違うのか

JP95を語るうえで最も重要なのは、このペダルが単なるシグネチャーモデルではないという点です。

多くのシグネチャーワウが既存モデルの外装を変えた程度にとどまるのに対し、JP95はDunlopのCry Babyラックワウシステムという、プロ仕様のラックマウント機材の音色設計をペダルサイズに落とし込んだ、設計思想そのものが異なる製品です。

ラックワウの音をペダルに凝縮

一般的なワウペダルは「ヴィンテージ・クライド・マッコイ風」のサウンドを志向する傾向がありますが、JP95はそうした方向性とは一線を画しています。

ヴィンテージワウの音色がよく「人の声のよう」と表現されるのに対し、JP95は「巨人の咆哮のよう」と評されることがあります。

圧倒的にワイドレンジかつスムーズなワウ効果が最大の特徴で、ヒール側からトゥ側へ周波数を移行させてもサウンドに凸凹感がなく、滑らかでありながら非常にディープなワウサウンドを生み出します。

内部8つのトリムポットによるサウンド設計

JP95の核心とも言えるのが、筐体内部に搭載された8つのトリムポットです。

ボリューム(ゲインの追加にも使用)、Q調整(バンドパスの幅を制御)、そして100Hz・200Hz・400Hz・800Hz・1.6kHz・3.2kHzの6バンドEQにより、ワウのキャラクターそのものを根本から作り変えることができます。

これは外付けでワウにEQを足すのとは根本的に異なり、ワウ回路自体をチューニング・モディファイする感覚に近いものです。

工場出荷時はペトルーシ本人のラックワウ設定が再現されていますが、6バンドEQの各ポットをゼロに戻せばオリジナルのCry Babyに近いサウンドも出せるため、実質的に1台で幅広いワウキャラクターをカバーできます。

制御された高域が生む表現力

標準的なCry Babyではトゥ側に踏み込んだ際に耳を刺すようなハーシュな高域が出ることがありますが、JP95では高域の周波数スイープが意図的に制限されています。

これにより、ペダルを深く踏み込んでも不快な刺さりが生じにくく、音がブルーム(花開くように膨らむ)する表現力豊かなプレイが可能になります。

この設計思想は、ワウをリズミカルに「ワカワカ」と踏む使い方ではなく、フィルターとして音色を繊細にコントロールする使い方に最適化されていることを意味します。

スペック・仕様|数字で見るJP95の実力

JP95の具体的なスペックを確認しておきましょう。

購入前の比較検討に役立ててください。

基本仕様として、内部コントロールにはQ調整トリムポット、ボリュームトリムポット、6バンドEQトリムポット(100Hz、200Hz、400Hz、800Hz、1.6kHz、3.2kHz)を搭載しています。

各EQバンドは±18dBVのブースト/カットが可能で、非常に広い調整幅を持っています。

フィルター特性は、ヒールダウン側が200Hz〜240Hz、トウダウン側が1.2kHz〜1.5kHzとなっており、低域から中高域までの幅広いスイープレンジを確保しています。

最大ゲインはヒールダウン側で+19dBV、トウダウン側で+33dBVに達し、ワウ単体でかなりのブースト量を得られる設計です。

入出力特性については、入力インピーダンスが800kΩ、出力インピーダンスが5kΩ、最大入力レベルが-8.0dBV、最大出力レベルが+6dBVです。

ノイズフロアは-94dBVと非常に低く抑えられており、ハイゲイン環境でもワウ自体のノイズが問題になりにくい設計となっています。

バイパス方式はトゥルー・ハードワイヤーバイパスを採用しており、エフェクトOFF時の音痩せを排除しています。

電源は9Vバッテリーまたは9V DCアダプター(別売)に対応し、消費電流は13mAです。

サイズは100(W)×250(D)×70(H)mm、重量は約1.5kgとなっています。

おすすめな点|JP95が選ばれる5つの理由

1. ハイゲイン環境で真価を発揮する圧倒的なサウンド

JP95の最大の魅力は、ハイゲインアンプやディストーションとの組み合わせで発揮される、他のワウペダルでは味わえない圧倒的なサウンドです。

太く、スロート感があり、ボーカルのように表現力豊かなトーンは「怒れる叫ぶモンスター」とペトルーシ自身が表現するほどです。

実際にハイゲインアンプとハムバッカー搭載ギターの組み合わせでテストしたユーザーからは、Dream Theaterの楽曲で聴けるようなワウトーンが即座に得られたという報告が多数上がっています。

リードプレイだけでなく、重いリフにかけた際の定義感とクラリティも優秀で、音が潰れることなくワウ効果を維持できる点が高く評価されています。

2. 1台でラックワウの音作りができるカスタマイズ性

内部の8つのトリムポットにより、工場出荷時のペトルーシサウンドから完全にオリジナルのワウキャラクターまで、極めて広い範囲で音作りが可能です。

6バンドEQの各バンドが±18dBVもの調整幅を持つため、アンプやギターとの相性に合わせた追い込みが利きます。

一度設定を決めてしまえば底面パネルで密閉されるため、ライブ中に設定が狂う心配がありません。

この「設定したら忘れられる」安心感は、ステージで使うペダルとして非常に大きなメリットです。

3. 視認性に優れた両サイドの青色LEDインジケーター

ワウペダル全般に共通する問題として「ステージ上でON/OFFの状態がわかりにくい」という点がありますが、JP95はペダルの両側面にブライトブルーのLEDインジケーターを配置することでこの問題を解決しています。

暗いステージでもどの角度からでも視認でき、スモークドクロム仕上げと相まって近未来的な外観を演出します。

この実用的かつ美的な機能は、実際のライブ環境で「LEDがないワウでトラブルを経験した」というユーザーから特に高い評価を受けています。

4. トゥルーバイパスによる音痩せゼロ

モダンなペダルボード構成では必須とも言えるトゥルーバイパスを採用しています。

エフェクトOFF時に信号がバッファーを通らないため、原音のピュアさが損なわれません。

特に複数のペダルを直列で接続する環境では、この仕様の有無がトータルサウンドに大きく影響するため、見逃せないポイントです。

5. 長期使用に耐える堅牢な作り

全金属筐体による堅牢な構造は、ツアー使用やスタジオでの酷使に十分耐えるクオリティです。

発売から数年以上経過しても問題なく使い続けているユーザーが多く、「おそらく自分より長持ちするだろう」という声があるほどです。

スモークドクロム仕上げとJPシールドロゴによる高級感も所有欲を満たしてくれます。

注意点|購入前に知っておくべきこと

ヴィンテージ系ワウサウンドは守備範囲外

JP95はモダンで攻撃的なワウサウンドに特化して設計されているため、60〜70年代のクラシックロックで聴かれるようなヴィンテージワウトーンを主目的とするギタリストには不向きです。

内部EQの調整でオリジナルCry Babyに近づけることは可能ですが、根本的な回路設計がモダンサウンドに最適化されているため、Clyde McCoyモデルやGCB95のような「枯れた味わい」を完全に再現することは難しいと言えます。

クリーントーンとの相性はやや難あり

工場出荷設定ではボリュームポットによるゲインブーストがかかっているため、クリーンチャンネルで使用するとゲインが乗りすぎてしまう傾向があります。

クリーンサウンドでの使用を重視する場合は、内部ボリュームポットの調整が必要になる点を覚えておきましょう。

このペダルは本質的にハイゲイン環境で真価を発揮するよう設計されています。

約1.5kgの重量

金属筐体の堅牢さと引き換えに、重量は約1.5kgとワウペダルとしてはかなり重い部類に入ります。

ペダルボード全体の軽量化を図りたい場合や、頻繁に機材を持ち運ぶ場合は、この重量が負担になる可能性があります。

ペダルボードへのマウントにひと工夫が必要

底面のデザインにより、一般的なペダルボードへの取り付けがやや困難という報告があります。

マジックテープでの固定が難しい場合があるため、購入前に自身のペダルボードとの相性を確認するか、専用の固定方法を検討しておくことをおすすめします。

スモークドクロム仕上げの指紋問題

美しいスモークドクロム仕上げは、裏を返せば指紋やスマッジが非常に目立ちやすいという欠点も持っています。

ステージでの使用後は汚れが付着しやすく、外観を気にする方はポリッシュクロスを携帯する必要があるかもしれません。

内部調整にドライバーが必須

JP95の最大の特長である内部トリムポットですが、調整するには底面パネルを外す必要があるため、気軽に「ちょっとだけ変えてみよう」という使い方には向きません。

精密ドライバーが必要なうえ、マニュアルにおける各設定の効果説明がやや不足しているという指摘もあります。

購入後はまず工場出荷設定でしばらく使い込み、自分の好みが明確になってから内部調整に手を出すのが賢明でしょう。

評判・口コミ|ユーザーのリアルな声

ユーザーが評価するおすすめな点

JP95に対するユーザー満足度は極めて高く、販売サイトでは音質・機能性・操作性・品質・コストパフォーマンスの全項目で5点満点中5点という評価を記録しています。

サウンド面では「今まで使ったワウペダルの中で最高」「高域がこれほど美しいワウは初めて」「3Dのように歌うような音色とサステイン」といった評価が多く見られます。

特にハイゲイン環境での使用者からの評価が突出しており、「ロックやメタルをやるなら間違いなくこれ」という声は枚挙にいとまがありません。

カスタマイズ性については「内部のポットを自分好みに追い込めたら、そのまま設定がロックされるのが最高」「ラックワウのサウンドをペダルで実現できる唯一の選択肢」という評価が目立ちます。

6バンドEQにより、ペトルーシの音だけでなく、重厚なDimebagスタイルのワウからBonamassaのヴィンテージ風ワッカワッカまで、多彩なボイシングが得られるという報告もあります。

汎用性について「12台以上のワウペダルを使ってきたが、最も印象的で表現力豊かなワウ」「JP95があれば他のDunlopワウが不要になるレベル」と評する長年のワウ愛好家も少なくありません。

複数のワウペダル(Fulltone Clyde、Dunlop 535Q、VOX、各種シグネチャーモデル等)を比較試奏した上でJP95を選んだというユーザーも確認でき、ブラインドテスト的な状況でも選ばれる実力を持っていることがうかがえます。

購入前に確認すべき注意点

一方で、いくつかの点で注意喚起の声も上がっています。

まず「ペトルーシの音に最適化されすぎている」という指摘があります。

工場出荷設定が非常に個性的であるため、その音から離れようとしても完全には脱却できないという意見です。

ヴィンテージサウンドを主体とするプレイヤーからは「ワンパターンに聞こえる可能性がある」との声もあり、自分のプレイスタイルとの相性を事前に検討する必要があります。

「深いスイープが仇になることがある」という声も見逃せません。

ペダルを踏み込みすぎるとギター信号がこもって聴こえなくなる場合があり、「操作に慣れるまで時間がかかった」という体験談が複数報告されています。

この特性はワウをフィルター的に使う上級者には魅力となりますが、ワウ初心者には扱いにくさを感じさせる可能性があります。

興味深い指摘として、「自分のプレイの粗が露呈するペダル」という声もあります。

表現力が豊かであるがゆえに、スロッピーなプレイが目立ちやすいというのです。

あるユーザーは「もっと上手くなってから使いこなしたい」と率直な感想を述べており、ある意味では「プレイヤーを選ぶペダル」と言えるかもしれません。

また、低域のノイズに関する報告もあります。

通常のワウペダルが高周波のサーッというノイズを出すのに対し、JP95はON時に低周波のボーッというノイズが発生するとのことです。

演奏中は問題になりにくいものの、ONのまま待機するような使い方は難しいという指摘があります。

まとめ

  • JP95は、ジョン・ペトルーシのラックマウント型Cry Babyの設定をペダルサイズに凝縮した、設計思想から他のワウペダルとは一線を画すモデルである
  • 圧倒的にワイドレンジかつスムーズなスイープ特性を持ち、「今まで聴いた中で最も巨大な音のワウ」と評されるほどの迫力あるサウンドを実現している
  • 内部の8つのトリムポット(ボリューム、Q、6バンドEQ)により、ラックワウに匹敵するカスタマイズ性を持ち、一度設定すればライブ中に狂う心配がない
  • 高域のスイープが意図的に制限されているため、耳に刺さるハーシュさがなく、フィルター的な表現力重視のプレイに最適化されている
  • ハイゲインアンプやディストーションとの相性が抜群で、リードもリフもクラリティを維持したまま太いワウサウンドが得られる
  • トゥルーバイパス、両サイドの青色LEDインジケーター、堅牢な全金属筐体など、実戦的な機能と品質を備えている
  • ヴィンテージ系ワウトーンやクリーンチャンネルでの使用は得意分野ではなく、モダンなハイゲインサウンドに特化している点は購入前に認識すべきである
  • 約1.5kgの重量、ペダルボードへのマウントの難しさ、指紋が目立つクロム仕上げなど、運用面での留意点がある
  • スイープの深さや表現力の高さゆえに「プレイヤーの実力が露呈する」ペダルでもあり、初心者よりも中〜上級者に向いている
  • 総合評価:ハイゲイン環境で最高峰のワウサウンドを求めるギタリストにとって、JP95は「唯一無二」と呼ぶにふさわしい完成度を持つ。約200ドル台の価格は標準的なCry Babyの倍近いが、ラックワウ相当のサウンド設計と圧倒的なカスタマイズ性を考えれば、十分に投資価値のある1台である
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