ギブソン・ファイヤーバード、その唯一無二のデザインとサウンドで多くのギタリストを魅了し続ける一本。
しかし、近年「生産終了」という噂を耳にし、不安に思っている方も少なくないでしょう。
この記事では、ギブソン・ファイヤーバードの生産終了の真相から、その魅力的な歴史、モデルごとの特徴、そして気になる価格・相場情報まで、網羅的に解説します。
ファイヤーバードは本当に弾きにくいのか、中古で購入する際の注意点は何か、そしてエピフォン製という選択肢はどうなのか。
あなたが抱える疑問を一つひとつ解消し、この伝説的なギターとの付き合い方を深く理解するための一助となれば幸いです。

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ギブソン ファイヤーバードの生産終了?その真相と歴史

ギブソン ファイヤーバード生産終了の真相
ギブソン・ファイヤーバードが「生産終了した」という話は、完全に間違いではありませんが、正確な表現でもありません。
結論から言うと、ファイヤーバードは「レギュラーラインナップでの生産が断続的に停止されることはあるが、完全には生産終了していない」というのが現状です。
実際にギブソンの公式サイトを見ると、特定のモデルが「Discontinued(生産終了)」と表記されている時期があります。
これが「生産終了」の噂が広まる大きな理由でしょう。
しかし、これはあくまで特定の期間におけるスタンダードモデルの生産が止まっていることを示すに過ぎません。
ギブソンの歴史を振り返ると、ファイヤーバードは1969年に一度生産が中止された後も、記念モデルや限定モデルとして何度も復活を遂げてきました。
近年でも、カスタムショップ製のハイエンドモデルや、有名アーティストのシグネチャーモデル、そして過去の名機を復刻した限定生産品は、不定期ながらリリースされ続けています。
例えば、2025年には1965年の希少な仕様を復刻したモデルが発表されるなど、その血脈は途絶えていません。
このように、ギブソン社にとってファイヤーバードは、常にラインナップにあるべき定番モデルというよりは、特別な機会にリリースされるアイコン的なモデルとして位置づけられている側面があります。
したがって、「生産終了」の言葉に一喜一憂するのではなく、中古市場や限定モデルのリリース情報にアンテナを張っておくことが、このギターと付き合う上での賢い方法と言えるでしょう。
ギブソン ファイヤーバードの歴史と変遷
ギブソン・ファイヤーバードの歴史は、革新的なデザインと紆余曲折の物語に満ちています。
その誕生は1963年まで遡り、他のどのギターとも似ていない、強烈な個性を放つモデルとして世に送り出されました。
1963年:リバースボディの誕生
当時、フェンダー社のストラトキャスターやジャズマスターが斬新なオフセットボディで市場を席巻していました。
これに対抗すべく、ギブソンの社長であったテッド・マッカーティは、著名な自動車デザイナーのレイモンド・ディートリッヒにデザインを依頼します。
こうして生まれたのが、ボディの上下が逆(リバース)に見える独特な形状の「リバースボディ」を持つファイヤーバードでした。
さらに、ネックとボディが一体化した「スルーネック構造」をギブソンのソリッドギターで初めて採用し、豊かなサステインを実現。
ピックアップには、ハムバッカーよりもブライトで輪郭のはっきりしたサウンドが特徴の「ミニハムバッカー」が搭載され、ルックスもサウンドも唯一無二の存在感を放っていました。
1965年:ノンリバースモデルへの変更
しかし、そのあまりにも斬新なデザインと、製造コストの高さ、そしてヘッド落ちするというバランスの問題から、商業的には成功したとは言えませんでした。
そこでギブソンは1965年に大幅なモデルチェンジを敢行します。
ボディ形状を一般的なギターに近い「ノンリバース」へと変更し、コストのかかるスルーネック構造を一般的なセットネック構造に改めました。
ピックアップも、一部のモデルではP-90が採用されるなど、より伝統的なギブソンギターに近い仕様へと変更されたのです。
1969年以降:生産中止と復活
残念ながら、このノンリバースモデルも市場の大きな支持を得ることはできず、1969年には一度、その歴史に幕を下ろします。
しかし、その個性的な魅力は多くのギタリストに惜しまれ、1970年代には建国記念モデルなどの限定品として復活。
そして1990年代以降、レギュラーモデルとして再びラインナップに加わり、ジョニー・ウィンターなどの偉大なギタリストが使用したことも相まって、ロックギターのアイコンとしての地位を不動のものとしました。
このように、ファイヤーバードの歴史は、常に時代のニーズとの格闘の中にありましたが、その不屈の精神と揺るぎない個性が、今なお多くの人々を惹きつけてやみません。
ファイヤーバードは弾きにくい?特徴と演奏性の実態
「ファイヤーバードは弾きにくい」という評価を耳にしたことがあるかもしれません。
これは、このギターが持つ独特の構造と形状に起因するもので、確かに一理あります。
しかし、そのデメリットを上回るほどのメリットと魅力があるのも事実です。
ここでは、その演奏性の実態を具体的に見ていきましょう。
デメリット:ヘッド落ちと独特のボディバランス
ファイヤーバードの演奏性を語る上で避けられないのが、「ヘッド落ち」の問題です。
これは、大きなヘッドストックと、リバースモデルに採用されていた質量の重いバンジョータイプのペグによって、ネック側の重量がボディ側より重くなってしまう現象です。
立ってストラップで構えると、ギターのヘッドが自然と下へとお辞儀をするように傾いてしまい、左手でネックを支えながら演奏する必要が出てくるため、ストレスに感じるプレイヤーは少なくありません。
このバランスの問題を解決するために、多くのプレイヤーは幅が広く滑りにくいスウェード素材のストラップを使用したり、ストラップピンの位置を移動させたり、軽量なペグに交換したりといった工夫を凝らしています。
メリット:スリムなネックと唯一無二のサウンド
一方で、ファイヤーバードが持つ演奏上のメリットも数多く存在します。
多くのモデルで採用されているネックシェイプは、比較的スリムで握りやすく、テクニカルなプレイにも対応しやすいと評価されています。
手が小さい方でも、スムーズなフィンガリングが可能でしょう。
そして何より、このギターでしか得られないサウンドが最大の魅力です。
前述の通り、リバースモデルに採用されたスルーネック構造は、弦振動をボディ全体で受け止め、驚くほど豊かで長いサステインを生み出します。
また、ミニハムバッカーピックアップは、一般的なハムバッカーのパワフルさと、シングルコイルの歯切れの良さや高音域のきらびやかさを併せ持った、絶妙なトーンを奏でます。
この「ブライトでありながら太さもある」サウンドは、ブルースやロックのクランチサウンドで特にその真価を発揮し、他のどのギターとも違う存在感をアンサンブルの中で放つのです。
結論として、ファイヤーバードの演奏性は、確かに慣れが必要な部分がありますが、その個性を理解し、適切に対策を施せば、他には代えがたい魅力的な演奏体験を提供してくれるギターと言えます。
ギブソン ファイヤーバードの評価レビューまとめ
ギブソン・ファイヤーバードは、その特異な存在感から、評価がはっきりと分かれるギターです。
ここでは、デザイン、サウンド、演奏性の3つの側面から、様々なレビューを総合的にまとめ、その客観的な評価を探ります。
デザインに関する評価
肯定的な評価としては、「唯一無二で最高にクール」「ステージ映えが素晴らしい」「所有欲を満たしてくれる芸術品」といった声が圧倒的に多いです。
自動車デザイナーが手掛けた流線形のボディは、まさにロックアイコンの象徴であり、多くのギタリストの憧れとなっています。
一方、否定的な意見としては、「大きすぎて扱いにくい」「ケースが特殊でかさばる」といった実用面での指摘が見られます。
その個性的な形状ゆえに、一般的なギタースタンドに収まりにくい点も、デメリットとして挙げられることがあります。
サウンドに関する評価
サウンド面では、特にリバースモデルに搭載されたミニハムバッカーが高く評価されています。
「クリーンでは煌びやか、歪ませればエッジの効いたロックサウンド」「ハムバッカーほど甘すぎず、シングルほど細すぎない絶妙なトーン」など、その独特なサウンドキャラクターを称賛する声が多数です。
このサウンドは、特にブルースロックやスライドギターとの相性が抜群とされています。
一方で、ノンリバースモデルに多いP-90ピックアップは、より太く、甘く、そして荒々しいサウンドが特徴で、こちらもガレージロックやパンク系のギタリストから根強い支持を得ています。
サウンドに関する否定的な意見は少ないですが、ヘヴィメタルなどのモダンなハイゲインサウンドを求める場合は、パワー不足を感じる可能性があるかもしれません。
演奏性に関する評価
前述の通り、演奏性に関しては評価が分かれます。
「ヘッド落ちがひどくて集中できない」という意見は根強く存在する一方で、「スリムなネックが手に馴染んで弾きやすい」「慣れれば全く問題ない」という声も同じくらい多く聞かれます。
結局のところ、ファイヤーバードの演奏性は、プレイヤーの体格や演奏スタイル、そして何よりも「このギターを弾きこなしたい」という情熱があるかどうかによるところが大きいようです。
総合すると、ファイヤーバードは、万人受けする優等生タイプのギターではありません。
いくつかの明確なデメリットを受け入れた上で、その個性を愛せるプレイヤーにとって、最高のパートナーとなり得る「玄人好み」の一本と言えるでしょう。
ギブソン ファイヤーバードノンリバースモデルの特徴と魅力
ギブソン・ファイヤーバードというと、多くの人がジョニー・ウィンターが愛用した「リバース」モデルを思い浮かべるでしょう。
しかし、わずか数年しか生産されなかった「ノンリバース」モデルもまた、独特の特徴と魅力を持ち、多くの熱心なファンに支持されています。
ノンリバースモデルは、リバースモデルが抱えていたいくつかの課題を克服し、より実用的なギターとして設計されたものでした。
その最大の特徴は、リバースモデルとは異なる構造と仕様にあります。
以下の表で、両者の主な違いを比較してみましょう。
特徴 | リバースモデル (1963-1965) | ノンリバースモデル (1965-1969) |
ボディ形状 | 上下非対称の逆向き形状 | 一般的なギターに近い形状 |
ネックジョイント | スルーネック構造 | セットネック構造 |
ヘッド形状 | リバースヘッド(6連ペグ) | ノンリバースヘッド(片側3連ペグ) |
ピックアップ | ミニハムバッカー | ミニハムバッカー または P-90 |
サウンド傾向 | ブライトでサステインが豊か | ウォームでミッドレンジが豊か |
バランス | ヘッド落ちしやすい | 比較的バランスが良い |
ノンリバースモデルの魅力
ノンリバースモデルの魅力は、まずその扱いやすさにあります。
セットネック構造と通常のヘッド形状になったことで、リバースモデルの宿命であったヘッド落ちが大幅に改善され、演奏時のバランスが格段に向上しました。
サウンド面では、スルーネックのリバースモデルが持つブライトで伸びやかなトーンとは異なり、セットネック特有の暖かみと力強いミッドレンジが特徴です。
特にP-90ピックアップを搭載したモデルは、シングルコイルの歯切れの良さとハムバッカーのような太さを併せ持ち、クリーンでは甘く、歪ませれば唸るようなドライブサウンドを生み出します。
このサウンドは、ブルースはもちろん、ガレージロックやオルタナティブロックとの相性も抜群です。
また、生産期間が短かったことから希少価値があり、ヴィンテージ市場でも独特の存在感を放っています。
リバースモデルとはまた違った個性を持つノンリバース・ファイヤーバードは、より伝統的なギブソンのフィーリングを求めつつ、他人とは違う一本を探しているギタリストにとって、非常に魅力的な選択肢と言えるでしょう。
ギブソン ファイヤーバード生産終了後の入手方法と選び方

ファイヤーバードの価格・相場情報(生産終了後)
ギブソン・ファイヤーバードの価格は、モデル、年代、そして「生産終了」というステータスに大きく影響されます。
特に中古市場では、その個体の希少価値やコンディションによって価格が大きく変動するため、購入を検討する際は、ある程度の相場観を持っておくことが重要です。
ここでは、主なモデルの価格帯の目安をまとめました。
モデルカテゴリ | 主な特徴 | 中古市場価格帯の目安 |
ヴィンテージ (1960年代) | 1963〜69年製のオリジナル。リバース/ノンリバース共に希少価値が非常に高い。コレクターズアイテム。 | 100万円〜数百万円以上<br>(コンディションやモデルによる) |
1990年代〜2000年代の<br>リイシュー(復刻版) | レギュラーラインで安定して生産されていた時期のモデル。比較的入手しやすく、プレイヤーに人気。 | 20万円〜40万円程度 |
近年のスタンダードモデル | 生産終了と再生産を繰り返しているモデル。状態の良い個体が多い。 | 18万円〜30万円程度 |
スタジオ / トリビュートモデル | 装飾を簡略化し、価格を抑えたモデル。P-90搭載モデルなども多い。 | 10万円〜20万円程度 |
カスタムショップ製 / <br>限定モデル | 高品質な木材と丁寧な作りが特徴。アーティストモデルや特別な復刻版など。 | 40万円〜100万円以上 |
生産終了後の動向
「生産終了」のアナウンスが出ると、そのモデルの中古市場での需要が高まる傾向にあります。
特に、人気の仕様やカラーのモデルは価格が上昇しやすくなります。
ファイヤーバードの場合、レギュラーモデルの生産が不安定なため、市場に出回っている中古品の価格は全体的に安定しており、急激な値下がりは考えにくい状況です。
ヴィンテージ品に関しては、もはや楽器というよりも歴史的な価値を持つ美術品に近く、その価格は世界的な経済状況やコレクターの動向によって左右されます。
これからファイヤーバードの購入を考えるのであれば、まずは1990年代以降のリイシューモデルや近年のスタンダードモデルから探すのが現実的でしょう。
この価格帯であれば、プレイヤーコンディションの良質な個体を見つけることが可能です。
ご自身の予算と求める仕様を照らし合わせながら、じっくりと市場を観察することが賢明です。
生産終了後、ファイヤーバードを手に入れるには?
レギュラーモデルが「生産終了」となっている状況で、憧れのギブソン・ファイヤーバードを手に入れるには、いくつかのルートが考えられます。
それぞれの方法にメリットとデメリットがあるため、自分に合った方法を選ぶことが大切です。
中古楽器店やオンラインマーケットを利用する
現在、ファイヤーバードを入手するための最も現実的で一般的な方法が、中古市場で探すことです。
デジマートやJ-Guitarといった国内大手の楽器検索サイトや、Reverbのような世界的なオンラインマーケットプレイスを利用すれば、様々な年代・仕様のファイヤーバードを見つけることができます。
メリットは、豊富な選択肢の中から、予算や好みに合った一本を比較検討できる点です。
ヴィンテージから近年のモデルまで、その選択肢は多岐にわたります。
デメリットとしては、当然ながら全ての個体が中古品であるため、状態が千差万別であること。
傷やパーツの消耗、過去のリペア歴などをしっかりと確認する必要があります。
信頼できる楽器店から購入することが、トラブルを避けるための鍵となります。
Gibsonの限定モデルや復刻版のリリースを待つ
前述の通り、ギブソンは不定期にファイヤーバードの限定モデルや復刻版をリリースします。
これらの情報は、ギブソンの公式サイトやSNS、楽器店のニュースなどで告知されます。
メリットは、誰の手にも渡っていない新品の状態で手に入れられることです。
最新の技術で製造された、コンディション抜群のファイヤーバードを所有する喜びは格別でしょう。
デメリットは、いつ、どのような仕様のモデルがリリースされるか予測がつかない点です。
また、限定生産品は人気が高く、発表後すぐに予約完売となってしまうことも少なくありません。
常に情報をチェックし、迅速に行動する必要があります。
Gibson Custom Shopにオーダーする
究極の選択肢として、ギブソン・カスタムショップに自分だけの一本をオーダーする方法もあります。
木材の種類、カラー、ピックアップ、ネックの形状まで、自分の理想とする仕様を追求することが可能です。
これはまさに、一生もののギターを手に入れるための最高の方法と言えるでしょう。
しかし、その分、価格は非常に高価になり、完成までの納期も長期間を要します。
これは、プロのミュージシャンや、ギターに強いこだわりと十分な予算を持つコレクター向けの選択肢と言えます。
ギブソン ファイヤーバードの中古購入ガイド
中古でギブソン・ファイヤーバードを購入することは、賢い選択ですが、同時にリスクも伴います。
高価な買い物で失敗しないために、購入前に必ずチェックすべき重要なポイントをまとめました。
最重要チェックポイント:ネックとヘッドストック
ファイヤーバードの構造的な弱点であり、最もチェックすべきがネック周りです。
特にヘッド落ちしやすいという特性から、過去にヘッドストックが折れてしまい、修理されている個体が他のギターに比べて多い傾向にあります。
修理が完璧に行われていれば強度に問題ない場合もありますが、ギターの資産価値は大きく下がります。
購入前には、ヘッドの付け根部分に塗装のムラや段差、亀裂の跡がないか、光に当てながら様々な角度から入念に確認してください。
また、ネックが反っていないか、トラスロッド(ネックの反りを調整する金属の棒)に調整の余裕が残っているかも必ず確認しましょう。
これが限界まで締められていると、将来的なネック調整ができなくなってしまいます。
パーツのオリジナル度と改造歴の確認
ヴィンテージや高価なモデルになるほど、パーツがオリジナルのままであるかどうかが価値を大きく左右します。
ピックアップ、ペグ(糸巻き)、ブリッジ、ノブなどが交換されていないかを確認しましょう。
特にサウンドの要であるピックアップが交換されている場合は、出音がオリジナルとは異なる可能性があります。
ペグが軽量なものに交換されている場合は、ヘッド落ち対策としては有効ですが、オリジナルパーツが付属しているかどうかも確認しておくと良いでしょう。
フレットと指板の状態
フレットの減り具合も重要なチェックポイントです。
フレットが極端にすり減っていると、音の詰まりやピッチの不安定さを引き起こします。
フレット交換(リフレット)は数万円の費用がかかるため、残量は8割以上あるのが理想です。
指板に大きな傷や凹みがないかも確認しましょう。
電装系とハードウェアの機能
実際にアンプに繋いで音を出し、ボリュームやトーンのノブを回した際にガリ音(雑音)が出ないか、ピックアップセレクターが正常に機能するかを確認します。
ブリッジのサドルやネジ類がスムーズに動くか、サビがひどくないかも見ておきましょう。
これらのポイントを、可能であれば信頼できる楽器店のスタッフに相談しながら、じっくりと確認することが、満足のいく一本と出会うための秘訣です。
ファイヤーバードを使用する有名ギタリスト
ギブソン・ファイヤーバードの歴史は、それを愛用した個性的なギタリストたちによって彩られてきました。
その唯一無二のルックスとサウンドは、自らのスタイルを確立したいと願うアーティストたちを惹きつけてやみません。
ここでは、ファイヤーバードのアイコンとも言えるギタリストを何人か紹介します。
ジョニー・ウィンター (Johnny Winter)
ファイヤーバードと聞いて、多くのロックファンが真っ先に思い浮かべるのが、テキサスが生んだ白人のブルースギタリスト、ジョニー・ウィンターでしょう。
彼のトレードマークは、1964年製のリバース・ファイヤーバードVでした。
アルビノの彼が、白いファイヤーバードを抱えて超絶的なスライドギターを弾きまくる姿は、まさに伝説です。
彼のプレイによって、ファイヤーバードはブルースロックの世界で不動の地位を築きました。
アレン・コリンズ (Allen Collins)
アメリカ南部のロックを代表するバンド、レーナード・スキナードのギタリスト、アレン・コリンズも有名なファイヤーバード使いです。
彼は1964年製のファイヤーバードIIIをメインに、トリプルギターが絡み合うバンドのアンサンブルの中で、鋭く突き抜けるようなリードトーンを奏でました。
名曲「フリー・バード」の後半で繰り広げられる壮大なギターソロは、ファイヤーバードのサウンドポテンシャルを世界に知らしめたと言っても過言ではありません。
ブライアン・ジョーンズ (Brian Jones)
ローリング・ストーンズの創設メンバーであるブライアン・ジョーンズは、様々な楽器を操るマルチプレイヤーでしたが、キャリアの初期においてファイヤーバードVIIを使用していました。
彼の存在が、このギターを60年代のロックシーンにおけるスタイリッシュなアイコンとして印象付けました。
近年の使用者と日本人ギタリスト
クラシックロックの時代だけでなく、現代においてもファイヤーバードは多くのアーティストに愛されています。
オルタナティブロックの歌姫PJ ハーヴェイや、フー・ファイターズのデイヴ・グロールなどがその代表例です。
日本国内では、B’zの松本孝弘氏が自身のシグネチャーモデルをリリースしているほか、パンクバンドSAのNAOKI氏など、幅広いジャンルのギタリストがそのサウンドとルックスに魅了されています。
エピフォンという選択肢 – ギブソンとの違い
「ギブソン・ファイヤーバードに憧れるけれど、価格的に手が出ない」そう考えている方にとって、エピフォン製のファイヤーバードは非常に魅力的で、賢明な選択肢となり得ます。
エピフォンはギブソンの傘下ブランドであり、本家の設計思想を受け継いだ公式ライセンスモデルを、手頃な価格で提供しています。
近年のエピフォン製品は品質が著しく向上しており、「安かろう悪かろう」というイメージはもはや過去のものです。
では、具体的にギブソンとエピフォンでは何が違うのでしょうか。
項目 | ギブソン・ファイヤーバード | エピフォン・ファイヤーバード |
価格帯 | 高価(20万円〜) | 手頃(6万円〜10万円程度) |
製造国 | アメリカ | 主に中国 |
ボディ/ネック材 | マホガニー、ウォルナット | 主にマホガニー |
指板材 | ローズウッド | インディアン・ローレル |
ピックアップ | Gibson製ミニハムバッカー | Epiphone製 ProBucker FB720 |
ハードウェア | 高品質な自社製やブランドパーツ | コストを抑えた汎用パーツ |
ネック構造 | スルーネック | スルーネック(近年の上位モデル) |
ブランド価値 | 高い(本家としてのステータス) | コストパフォーマンスに優れる |
どんな人にエピフォンがおすすめか?
エピフォン・ファイヤーバードは、特に次のような方におすすめです。
- これからギターを始める初心者の方
- ファイヤーバードのルックスやサウンドを気軽に試してみたい方
- すでにメインギターを持っていて、キャラクターの違うサブギターを探している方
- 改造のベースとして、自分好みの一本を作り上げたい方
もちろん、細かな木材の質やパーツの精度、そして何より「Gibson」というヘッドロゴが持つ所有欲の面では、本家ギブソンに軍配が上がります。
しかし、エピフォン、特に近年の「Inspired by Gibson」シリーズは、スルーネック構造や定評のあるProBuckerピックアップを採用し、サウンドもルックスも本家に肉薄するクオリティを実現しています。
予算に限りがある中でファイヤーバードの魅力を体験したいのであれば、エピフォンは決して「妥協」ではなく、非常に満足度の高い「選択」となるでしょう。
まとめ:ギブソン ファイヤーバードの生産終了と賢い付き合い方
- ギブソン・ファイヤーバードの生産終了は断続的であり、完全な廃盤ではない
- 1963年にカーデザイナー、レイ・ディートリッヒによってデザインされた
- 初期はスルーネック構造を持つ「リバースボディ」であった
- 1965年にはセットネック構造の「ノンリバースボディ」へと変更された
- ヘッド落ちしやすいが、スリムなネックと唯一無二のサウンドが魅力である
- 中古市場が主な入手経路となり、価格は年代やモデルによって大きく異なる
- 中古購入時はネックやヘッドの状態を最優先で確認することが重要である
- ジョニー・ウィンターなど多くの個性派ギタリストに愛用されてきた歴史を持つ
- 手頃な価格で高品質なエピフォン製は優れた選択肢となる
- 生産状況に一喜一憂せず、中古や限定品の情報を追うのが賢い付き合い方である

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