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Jim Dunlop MXR WA90 WYLDE AUDIO PHASE レビュー解説|1ノブで極上の揺れを手に入れる

「フェイザーペダルが欲しいけれど、種類が多すぎてどれを選べばいいかわからない」「Phase 90系のペダルに興味があるけれど、通常モデルとシグネチャーモデルの違いが気になる」──そんな悩みを抱えているギタリストは少なくないでしょう。

MXR WA90 WYLDE AUDIO PHASEは、Zakk WyldeとJim Dunlopの20年にわたるコラボレーションの集大成として誕生したアナログ・フェイザーペダルです。

本記事では、旧モデルZW90やEVH Phase 90との違い、実際の使用感、そしてメリット・デメリットまで徹底的に掘り下げます。

この記事を読めば、WA90があなたのペダルボードに必要かどうか、確信を持って判断できるはずです。

目次

Jim Dunlop MXR WA90 WYLDE AUDIO PHASEの特徴・概要

Zakk Wyldeとのコラボ20周年が生んだ新世代フェイザー

MXR WA90 WYLDE AUDIO PHASEは、オジー・オズボーン・バンドやBlack Label Societyのギタリストとして知られるZakk Wyldeと、Jim Dunlop/MXRのパートナーシップ20周年を記念して2023年にリリースされたフェイザーペダルです。

Zakk Wyldeといえば、灼熱のリードソロに独特の揺らぎを加えるフェイザー使いで知られており、その音作りの核となるペダルが本機にあたります。

筐体には「Psychic Bullseye」と呼ばれる渦巻きデザインが施され、MXR Phase 90の象徴であるオレンジカラーと組み合わさった、強い個性を放つ外観に仕上がっています。

旧モデルのZW90 Wylde Phaseに描かれていた「Buzzsaw」パターンから一新され、Wylde Audioブランドとしての新たなアイデンティティを確立しています。

見た目だけでなく中身も進化しており、Zakk本人も現在のPANTERAツアーで実際に導入しているペダルです。

Phase 90直系の4ステージ・アナログ回路とは

WA90の心臓部には、MXR Phase 90から受け継がれた4ステージ・アナログ・フェイザー回路が搭載されています。

デジタル処理を一切介さない純アナログ設計により、温かみのある有機的なフェイズサウンドを実現しています。

Phase 90系のペダルには大きく分けて「Script(スクリプト)」と「Block(ブロック)」の2つの系統が存在しますが、WA90はそのどちらとも異なる独自のニュアンスを持つとされています。

Zakk Wylde個人のトーンに最適化されたチューニングが施されており、特にリードプレイ時に音が前に出てくる特性が与えられています。

Eddie Van Halenの「Eruption」に代表されるような華やかなフェイザーサウンドから、ゆったりとしたグラインド感のあるスウィープまで、4ステージ回路ならではの幅広い表現力を持っています。

旧モデルZW90からの進化ポイント

旧モデルZW90 Wylde Phaseとの比較は、多くのユーザーが注目するポイントです。

外見上はデザインが完全に刷新されていますが、音質面での進化はさらに注目に値します。

まず、WA90は全体的にトーンが明るくなっています。

旧モデルZW90と同じツマミ位置で比較した場合、WA90の方が輪郭がはっきりしており、音のクリアさが際立ちます。

現行のPhase 90では歪みが加わってしまう場面でも、WA90はクリーンな印象を保ったままフェイズ効果を加えてくれます。

ノイズの低減も顕著な改善点です。

旧モデルと比較して確実にノイズフロアが下がっており、公称値で < -96 dBVという低ノイズを実現しています。

LEDの輝度も向上しており、ステージ上での視認性が改善されています。

基板には「WA90」のデカールが貼られ、Wylde Audio Seriesの特別モデルであることがひと目でわかる仕様になっています。

Jim Dunlop MXR WA90 WYLDE AUDIO PHASEのスペック・仕様

基本スペック一覧

WA90の基本スペックを以下に整理します。

コントロールはSPEEDノブ1つのみで、入出力は各1系統というシンプルな構成です。

アナログ信号処理のモノラル仕様で、バイパス方式はハードワイヤーとなっています。

エフェクトタイプはフェイザー(4ステージ・アナログ)、入力インピーダンスは1MΩ、出力インピーダンスは10kΩです。

電源・消費電流・ノイズフロアの詳細

電源は9V DCセンターマイナスのアダプター、もしくは9V電池の2通りに対応しています。

Dunlop ECB003アダプターや、MXR DC Brick、Iso-Brick、Mini Iso-Brickといったパワーサプライからの給電にも対応しており、ペダルボードへの組み込みも容易です。

消費電流はわずか5mAです。

これはエフェクターペダルの中でもかなり低い部類に入り、9V電池での長時間駆動が可能です。

パワーサプライの出力容量を圧迫しないため、他のペダルと組み合わせても余裕を持った電源管理ができます。

ノイズフロアは < -96 dBVと、非常に静粛な設計です。

サイズ・重量・筐体デザイン

本体サイズは幅約2.25インチ(約5.7cm)×奥行約4.25インチ(約10.8cm)×高さ約1.25インチ(約3.2cm)で、重量は約0.84ポンド(約380g)です。

MXR標準の小型筐体を採用しているため、ペダルボード上のスペースを大きく占有することはありません。

筐体はオレンジを基調とした金属製で、Psychic Bullseyeのグラフィックが全面に施されています。

塗装には独特の縦ラインの処理が見られますが、しっかりとした塗装品質で簡単に剥がれるような心配はなさそうです。

ただし、角をぶつけた場合の欠けや、擦り傷については一般的なエフェクターペダルと同程度の注意が必要です。

裏蓋を開けると電池交換が可能で、同梱品にはMXRステッカー、貼り付け用のゴム足、保証書、クイックガイドなどが含まれています。

Jim Dunlop MXR WA90 WYLDE AUDIO PHASEのおすすめポイント

1ノブで即戦力──9時ポジションが生む極上のスウィープ

WA90最大の魅力は、1ノブのシンプル操作で即座に素晴らしいフェイザーサウンドが得られる点です。

複雑なパラメータ調整は一切不要で、SPEEDノブを回すだけでサウンドメイクが完了します。

Zakk Wylde本人は9時の位置にノブをセットしており、多くのユーザーも同じ設定を推奨しています。

この位置では、ゆっくりと燃え上がるようなスウィープが得られ、リードプレイに絶妙な奥行きとダイナミクスが加わります。

ノブを低めに設定すればグラインド感のある重厚な揺れに、中程度まで上げれば存在感のあるモジュレーションに変化します。

セッティングに迷いがちなフェイザーペダルにおいて、「まずは9時に合わせれば間違いない」という明確な指針があることは、初心者にとっても大きな安心材料です。

クリアで音抜けの良いトーンはリードソロに最適

WA90が旧モデルや他のPhase 90バリエーションと一線を画すのが、そのクリアなトーン特性です。

現行のPhase 90では歪みが加わってしまうような場面でも、WA90はクリーンさを維持したまま美しいフェイズ効果を出力します。

この明るくクリアなトーンには実用的なメリットがあります。

バンドアンサンブルの中でも音が埋もれにくく、ソロセクションでフェイザーをONにした瞬間にギターが前に出てきてくれるのです。

さらに、ONにすると音量がわずかに持ち上がる特性があり、これがリードソロ時のブースト効果として機能します。

オーバードライブペダルと組み合わせ、ソロ前にWA90をON → オーバードライブでプッシュという使い方は、Zakk本人のセッティングを再現する王道の手法です。

クリーントーンでの使用感も秀逸で、ギターのボリュームを絞った状態でWA90を踏むと、明るく透明感のある揺れが得られます。

ロックやメタルだけでなく、繊細なクリーンプレイにも対応できる懐の深さがあります。

低ノイズ設計と堅牢な筐体でライブにも安心

ライブパフォーマンスにおいてノイズは大敵ですが、WA90はノイズフロア < -96 dBVという高い静粛性を誇ります。

旧モデルから確実にノイズが低減されており、ハイゲインアンプと組み合わせた際にも不要なノイズに悩まされにくい設計です。

消費電流5mAという省電力設計は、パワーサプライの容量を効率的に使えるという点で、多数のペダルを並べるギタリストにとって見逃せないメリットです。

MXR標準の金属製筐体は、長年ツアーで使い込まれてきた実績のある堅牢な作りです。

実際に旧モデルZW90をペダルボードに常設して長期間使用した結果、塗装は削れても動作には何の問題もなかったという報告があり、WA90にも同等以上の耐久性が期待できます。

LEDの輝度が旧モデルから向上している点も、暗いステージ上でのON/OFF確認を容易にしてくれる実用的な改善です。

Jim Dunlop MXR WA90 WYLDE AUDIO PHASEの注意点・デメリット

ハードワイヤー・バイパスによる信号劣化の可能性

WA90の最も注意すべきポイントは、バイパス方式がトゥルーバイパスではなく「ハードワイヤー・バイパス」であることです。

トゥルーバイパスがエフェクトOFF時に信号を完全にバイパスするのに対し、ハードワイヤー・バイパスでは信号経路に回路の一部が残るため、原音がわずかに変化する(いわゆる「トーンサック」)可能性があります。

この点が気になるユーザーには、トゥルーバイパス・ループスイッチャーへの組み込みや、シグナルバッファーの併用が有効な対策です。

実際には、他のペダルとの組み合わせやアンプのセッティング次第で影響が目立たないケースも多いですが、純粋な原音維持を最優先するプレイヤーにとっては購入前に認識しておくべきポイントです。

高速セッティングでの音の不安定さ

SPEEDノブを大きく上げた際の挙動は、WA90の弱点として複数のユーザーから指摘されています。

低速〜中速の範囲では美しいスウィープが得られる一方で、ノブを12時以降に大きく回すと、音がぐらつき始め、特にハイゲインでのメタルリードプレイには不向きなサウンドになる傾向があります。

Zakk Wylde本人がSPEEDノブを9時以上に上げないのも、この特性を理解しているからだと考えられます。

レーザーガンのような高速フェイザーサウンドを求めるユーザーや、ファンクのカッティングに派手な高速フェイズを使いたいプレイヤーにとっては、この制約は物足りなく感じるかもしれません。

実用的なスウィートスポットは7時〜11時の範囲と考えておくのがよいでしょう。

1ノブ仕様ゆえの調整幅の限界

WA90のコントロールはSPEEDノブ1つのみです。

これはシンプルさという長所の裏返しでもあり、フィードバック(レゾナンス)やデプス(深さ)といった追加パラメータでフェイズサウンドを細かく追い込みたいユーザーにとっては、調整の自由度が限られます。

たとえば、MXR Deep Phaseのようにフィードバックコントロールを搭載したモデルでは、深くうねるようなディープ・フェイズサウンドも作り込めますが、WA90にはそうした拡張性がありません。

あくまで「Phase 90スタイルのスウィープを、クリアかつ高品位に鳴らす」ことに特化したペダルであり、多機能フェイザーを求めるユーザーには別の選択肢を検討した方がよいでしょう。

逆に「パラメータが多すぎて迷ってしまう」というタイプのギタリストにとっては、1ノブの潔さがむしろ長所になります。

Jim Dunlop MXR WA90 WYLDE AUDIO PHASEの評判・口コミ

ユーザーが評価するおすすめな点

WA90に対するユーザーの評価で最も多く聞かれるのは、サウンドのクリアさと音抜けの良さです。

「多くのフェイザーペダルを所有してきたが、このサウンドは素晴らしい」「EVH Phase 90やモディファイ品を含めて、すべてを上回った」という声があり、特にEVH Phase 90から乗り換えたユーザーの満足度が高い傾向にあります。

トーンの向上を実感し、「迷っているなら買ってしまえば後悔しない」と断言する購入者もいます。

操作の簡単さも高評価のポイントです。

1ノブで迷わず良い音が出せるシンプルさは、ライブ中に素早くサウンドを切り替えたいギタリストから歓迎されています。

9時のポジションにセットするだけで「程よいウネリ具合で気持ちいい」という声が大半を占め、難しいセッティングなしに即戦力として機能する点が評価されています。

旧モデルZW90からのアップグレード組からは「トーンが明るくなった」「ノイズが減った」「旧モデルの良さを凝縮しつつ進化している」というポジティブな報告が多く、中古市場でプレミア価格のついた旧モデルを探すよりも新モデルを購入する方が賢明だという意見が主流です。

購入前に確認すべき注意点

注意点として複数のユーザーから挙がるのは、やはりハードワイヤー・バイパスの問題です。

原音への影響が気になるプレイヤーには、ループスイッチャーやバッファーの導入が推奨されています。

ただし、実際にはバンドアンサンブルの中で顕著な劣化を感じないケースも多く、過度に神経質になる必要はないという意見も見られます。

また、WA90はON時に音量がわずかに上がる特性があり、これをリードソロ時のメリットと捉えるユーザーがいる一方で、一定の音量を保ちたいシチュエーションでは不便に感じるユーザーもいます。

音量の変化幅は微量ですが、繊細なレベル管理を行うプレイヤーは認識しておくべきでしょう。

通常のPhase 90やPhase 95との音質差について「劇的な違いではない」と感じるユーザーもおり、既にまともなフェイザーペダルを所有している場合は、わざわざ買い替える必要性が薄いという冷静な意見も存在します。

WA90の真価は、Phase 90系の音をベースにしつつ「よりクリアで音抜けの良いフェイズサウンド」を求める場合に発揮されるものであり、フェイザー初心者や乗り換えを検討しているユーザーに特に恩恵が大きいペダルです。

他のPhase 90系ペダルとの比較でわかる立ち位置

MXRのPhase 90ファミリーは選択肢が豊富で、それぞれに個性があります。

WA90の立ち位置を理解するために、主要モデルとの違いを整理しておきましょう。

通常のMXR Phase 90(M101)は最もスタンダードなモデルで価格も手頃ですが、WA90と比べるとトーンがやや暗めで、歪みが加わりやすい傾向があります。

EVH Phase 90はScript/Blockの切り替えスイッチを搭載し汎用性が高いですが、WA90の方がクリアで音が前に出るという比較評価が多く見られます。

Phase 95はMini筐体にScript/Block切り替えを搭載したコンパクトモデルで、省スペース重視なら有力な選択肢ですが、トーンのキャラクターはWA90とは異なります。

WA90は「Phase 90の回路をベースにしながら、Zakk Wyldeのリードプレイに最適化されたクリアなトーン」という唯一無二のポジションにあります。

ロック・メタル系のリードソロでフェイザーを活用したいギタリストにとっては、Phase 90ファミリーの中で最も適した選択肢のひとつと言えるでしょう。

まとめ:Jim Dunlop MXR WA90 WYLDE AUDIO PHASE

総合評価──どんなギタリストに向いているか

WA90は、Phase 90のクラシックなアナログ・フェイザーサウンドを、より現代的でクリアなトーンにブラッシュアップしたペダルです。

シンプルな操作性、低ノイズ設計、そしてリードプレイに映えるサウンド特性は、ロック・メタル系ギタリストを中心に幅広い層に推奨できます。

一方で、多機能フェイザーを求めるユーザーやトゥルーバイパスにこだわるプレイヤーには、事前に仕様を理解した上での検討が必要です。

購入判断のポイントと最適な使い方の提案

WA90の真価は、ダーティアンプやオーバードライブと組み合わせたリードソロ時に最も発揮されます。

SPEEDノブを9時にセットし、ソロセクションでONにするという使い方は、Zakk Wylde本人のセッティングを追体験できるだけでなく、あらゆるロック系ジャンルで即戦力となるでしょう。

クリーントーンでの使用も美しく、汎用性は見た目の印象以上にあります。

旧モデル・競合モデルから乗り換える価値はあるか

旧モデルZW90からの乗り換えは、トーンのクリアさとノイズの低減を考慮すれば十分に価値があります。

中古市場でプレミア価格のついた旧モデルを探すよりも、新品で入手できるWA90を選ぶ方が、コストパフォーマンスの面でも合理的です。

EVH Phase 90からの乗り換え組の満足度も高く、よりクリアで音抜けの良いフェイザーサウンドを求めるなら、WA90は有力な選択肢です。

総合評価まとめ:

  • Phase 90直系の4ステージ・アナログ回路により、温かみのある有機的なフェイズサウンドを実現
  • SPEEDノブ1つのシンプル操作で、迷わず即戦力のサウンドが得られる
  • 旧モデルZW90よりトーンが明るくクリアになり、バンドの中でも音が埋もれにくい
  • 9時ポジションのスウィートスポットが明確で、リードソロに最適なダイナミクスを付加
  • ON時のわずかな音量増がソロ時のナチュラルなブースト効果として機能
  • ノイズフロア < -96 dBV、消費電流5mAという低ノイズ・省電力設計
  • ハードワイヤー・バイパスのため、トゥルーバイパスを求める場合はループスイッチャーの併用を推奨
  • 高速セッティングでは音が不安定になるため、実用的なスウィートスポットは7時〜11時付近
  • コントロールが1ノブのみのため、フィードバックやデプスの微調整はできない
  • 国内実売価格は約19,700円(税込)で、エフェクター評価サイトでは平均4.00/5.00の評価を獲得
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