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Jim Dunlop WAY HUGE SMALLS CONSPIRACY THEORY WM20 レビュー解説|最高のバッファ的存在

「ケンタウルス系オーバードライブが欲しいけれど、どれを選べばいいか分からない」「高額なクローンに手が出せない」——そんな悩みを抱えるギタリストは少なくないでしょう。

Klon Centaur系ペダルは数え切れないほどの選択肢があり、価格帯も数千円から数十万円まで幅広く、情報も玉石混交です。

本記事では、Way Hugeが送り出したKlon系オーバードライブ「WM20 Conspiracy Theory」を徹底的にレビューします。

実際の使用感、他のKlon系クローンとの比較、メリットとデメリット、そしてユーザーのリアルな評判まで、購入前に知っておくべき情報をすべてお伝えします。

目次

WAY HUGE SMALLS CONSPIRACY THEORY WM20とは

WAY HUGE SMALLS CONSPIRACY THEORY WM20は、エフェクターブランドWay Hugeの創設者であるジョージ・トリップス氏が、伝説的オーバードライブKlon Centaurを独自の解釈で再構築したペダルです。

Way Hugeは1990年代にハンドメイドエフェクターで人気を博した後、一時休止を経てJim Dunlop傘下で復活したブランドであり、Conspiracy Theoryはその「Smalls」シリーズとしてコンパクト筐体に収められています。

金色の筐体に赤いコントロールノブという、明らかにオリジナルKlonを意識したルックスが特徴的です。

しかし単なる回路コピーではなく、トリップス氏ならではのアレンジが加えられており、そこが本機の個性であり、最大の魅力でもあります。

スペック・仕様

本機の基本スペックは以下のとおりです。

エフェクトタイプはオーバードライブで、コントロールはOutput、Treble、Gainの3つ。

バイパス方式はトゥルーバイパスを採用しています。

電源は9V DC(センターマイナス)または9V電池に対応し、消費電流はわずか18.5mAです。

筐体サイズは幅58mm×奥行103mm×高さ55mm、重量は約200gとなっています。

アナログ回路で構成されており、内部昇圧回路を搭載しています。

MXR筐体よりもひと回り小さく、入出力ジャックが上面にまとまっているため、ペダルボード上の実占有面積はミニペダルとほぼ変わりません。

消費電流18.5mAという数値は、パワーサプライへの負荷が極めて小さく、複数ペダルを使うボード構成でも電源容量を圧迫しない点で実用上の大きなメリットとなります。

製品の特長と差別化ポイント

トランスペアレントの真髄を体現する音質

Conspiracy Theoryの最大の特長は、「トランスペアレント(透明)なオーバードライブ」という表現がこれほど的確に当てはまるペダルはなかなかないという点です。

ONにした瞬間、ギターとアンプの基本キャラクターを崩さないまま、音にツヤとハリが加わります。

まるでアンプのポテンシャルが一段引き上げられたかのような効果で、「古いアンプが元気になったように感じる」という感想は本機の本質を端的に表しています。

他のKlon系クローンと比較した際の音質面での差別化は、そのミッドレンジの扱い方にあります。

Tube Screamerが持つミッドハンプよりも高い帯域にピークがあり、バンドアンサンブルの中で埋もれずに音が「前に」出る特性を備えています。

それでいて、一般的なKlonクローンに比べて全体的に滑らかで上品な質感を持っているため、ジャズやプログレッシブな音楽にも対応できる懐の深さがあります。

ジョージ・トリップス流のアレンジ

本機はKlon Centaurの「完全コピー」ではありません。

ダイオードの種類や内部回路にトリップス氏独自のアレンジが加えられており、オリジナルよりもやや開放的でスウィートな響きを持つと評価されています。

ギター専門誌による14機種比較試奏でも「GAINを11時くらいまで上げると極端に音が香ばしくなる」「著名なケンタウルス使用者のサウンドを全部引き出せる」と高く評価されており、Klonの「エッセンス」を汲みながら現代的な使いやすさを加えたペダルと言えるでしょう。

驚異的なスタッキング性能

本機が真価を発揮するのは、他のエフェクターと組み合わせた場合です。

DS-1やBig Muff、RAT、OD-3といったペダルの前段に配置すると、歪みを破綻させることなく音にハリと立体感が加わります。

OD-3はよりジューシーに、RATは強く歪ませてもアタック感が潰れずグルーヴのメリハリが増すといった報告があり、「あらゆるペダルのポテンシャルを引き上げるバッファ的存在」として活用しているユーザーが多数存在します。

おすすめな点

クリーンブーストとしての卓越した性能

Gainをゼロ近くまで下げ、Outputを上げて常時ONにする使い方は、多くのユーザーが推奨するセッティングです。

この設定では、チューブアンプでもソリッドステートアンプでも、音の質感がワンランク向上します。

「アンプ直で弾くよりConspiracy Theoryを通したほうが有機的なサウンドに感じられる」という声が象徴するように、掛けっぱなしのエンハンサーとしての能力は本機の大きな魅力です。

ナチュラルな弾き心地

Klon系ペダルの中には、踏んだ瞬間にピッキングのレスポンスが重くなるものがありますが、本機はその傾向が極めて少ないと評価されています。

ONにしてもピッキングのタッチが変わらず、ナチュラルな弾き心地のまま演奏に集中できます。

タッチセンシティブな演奏スタイルのギタリストにとって、これは非常に重要なポイントです。

ケンタウルス系クローンの中でもトップクラスの静粛性

ケンタウルス系ペダルの中には、昇圧回路に起因すると思われる発振ノイズが気になる機種がありますが、本機はゲインを上げてもバイパス状態でも、そうしたノイズがほとんど発生しないと報告されています。

現行品の中では「ダントツで静か」との評価もあり、レコーディング環境やノイズに敏感なユーザーにとっては大きなアドバンテージです。

価格性能比の高さ

国内実売価格は約26,800円前後、海外では平均147ドル前後で流通しています。

数万円台のKlonクローンが多い中、この価格帯でKlon KTR(数百ドル〜)と同等のサウンドが得られるという実体験に基づいた報告は見逃せません。

実際にKTRを所有していたユーザーが、Conspiracy Theoryで同じサウンドを再現できたためKTRを手放したという事例は、本機のコストパフォーマンスを雄弁に物語っています。

注意点

トゥルーバイパスゆえの制約

オリジナルKlon Centaurはバッファードバイパス仕様であり、OFF時にもバッファとしてシグナルチェーン全体の音質を底上げする効果がありました。

本機はトゥルーバイパスを採用しているため、この恩恵は得られません。

Klonバッファの効果を期待して購入すると期待外れになる可能性があります。

常時ONで使うのであれば問題になりませんが、バイパス音も含めたトータルでの音質改善を求める場合は留意が必要です。

フルゲイン時の音質変化

ゲインを最大付近まで上げると、やや「boxy(箱鳴り的)」な質感が出てきます。

P-90ピックアップのようなミッドレンジの太さが加わるとも表現されますが、ハイゲインでの歪みを主目的とするペダルではないことを理解しておくべきです。

本機の真骨頂はローゲインからミディアムゲインの領域であり、ヘヴィな歪みを求めるギタリストには向いていません。

ペダルの接続順による音質変化

バッファード出力を持つペダルの直後に本機を接続すると、音が過度に甘くなりキレが失われるケースが報告されています。

これは入力インピーダンスの特性に起因すると考えられ、接続順を入れ替えることで改善する場合があります。

購入後にセッティングがうまくいかないと感じた場合は、シグナルチェーン内での配置を変えて試してみることをおすすめします。

SMD基板の採用

内部はほぼすべてSMD(表面実装部品)で構成されています。

スルーホール部品による手作り感やモディファイのしやすさを重視するユーザーにとっては、マイナスポイントになりうる部分です。

ただし、サウンドや耐久性に関してSMDであることによる実質的なデメリットは報告されていません。

筐体サイズの評価が分かれる

MXR筐体より小さいものの、一般的なミニペダル(MXR Sugar Driveなど)よりは大きいという中間サイズです。

極限までコンパクトなボードを組みたいユーザーには、同じトリップス設計のMXR Sugar Driveのほうがスペース効率では上回ります。

一方、ミニペダルは小さすぎて踏みにくいと感じるユーザーにとっては、ちょうど良いサイズ感だとも言えます。

評判・口コミ

ユーザーが評価するおすすめな点

本機に対する満足度は全体的に非常に高く、特に「音の透明感と質感の向上効果」を評価する声が圧倒的に多いです。

「踏んだ途端に音が前に出る」「ギターを弾くのが楽しくなる」「自分のリグに欠けていた”thicc juiciness(分厚い潤い)”が加わった」といった表現で、サウンドの即効性と音楽的な効果が繰り返し語られています。

EHX Soul Foodからの乗り換え組も多く、「Soul Foodよりフルボディで、ゲインを上げてもハーシュにならない」「Soul Foodのハイを落として柔らかくした上位互換」という比較評価が多数を占めています。

Wampler TumnusやKlon KTRとの比較でも「遜色ない」「むしろ好みの音」という声が少なくなく、価格差を考慮するとコストパフォーマンスで頭一つ抜けた存在として位置づけられています。

また「1年経っても外せない」「常時ONのペダルとして定位置に収まった」という長期使用のレポートが複数あり、一時的な新鮮さではなく実用性に裏打ちされた満足感が窺えます。

購入前に確認すべき注意点

一方で、「Klonの完全な再現ではない」という点は複数のユーザーが明確に指摘しています。

回路的にはトリップス氏独自のアレンジが入っているため、オリジナルKlonの「まったく同じ音」を求めるユーザーにとっては期待と異なる可能性があります。

ただし、これを「欠点」と捉えるか「個性」と捉えるかは好みの問題であり、本機を「Klonよりやや開放的でスウィート」と肯定的に評価する声のほうが多数派です。

知名度の低さについても注意が必要です。

特に日本国内では「なぜこれほど話題にならないのか不思議」という声が多く、楽器店の店頭で試奏できる機会が限られる可能性があります。

購入前にサウンドを確認したい場合は、海外のデモ動画やブラインドテスト動画が参考になるでしょう。

クリーンブースト的な使い方を主目的とする場合、ゲインをゼロにするよりも8〜9時の位置まで少し上げたほうが本機の持ち味が活きるという報告があります。

純粋なクリーンブースト(まったく色付けしない音量増加)を求める場合は、別のペダルのほうが適している可能性があります。

他のKlon系ペダルとの比較における位置づけ

Klon系ペダルの選択に迷うギタリストにとって参考になるのは、本機が比較テストにおいて一貫して「上位グループ」に位置づけられている点です。

ある大手楽器店のブラインドテストでは、オリジナルKlonとWampler Tumnusに次ぐ3位に選ばれたとの報告があり、選んだユーザー自身が「Tumnusよりも少し開放的な音が好みだった」として最終的に本機を購入しています。

ギター専門誌の14機種一斉比較でも高評価を獲得しており、価格帯を超えた実力が客観的にも裏付けられています。

まとめ

  • Klon Centaurの「エッセンス」をジョージ・トリップス流に再解釈した、上品かつリッチなオーバードライブペダルである
  • トランスペアレントな音質が最大の魅力で、ギターとアンプの基本キャラクターを壊さずに音の質感を一段引き上げる
  • クリーンブーストから軽いオーバードライブまでのローゲイン〜ミディアムゲイン領域が真骨頂であり、常時ONのエンハンサーとして使うユーザーが多い
  • 他のペダルとのスタッキング性能が極めて高く、あらゆる歪みペダルの前段に置くことでサウンドの質感向上が期待できる
  • ケンタウルス系クローンの中でトップクラスの静粛性を誇り、ノイズに敏感な環境でも安心して使用できる
  • 消費電流18.5mA、コンパクト筐体、ジャック上面配置と、ペダルボードへの親和性が高い設計
  • トゥルーバイパス仕様のためKlonバッファの恩恵は得られず、バイパス時の音質改善効果を求める用途には不向き
  • フルゲイン時にはやや箱鳴り的な質感が出るため、ハイゲイン目的のペダルとしては力不足
  • 日本国内での知名度が低く試奏機会が限られるが、海外での評判は極めて高く「隠れた名機」として根強い支持を集めている
  • 国内実売約26,800円、海外平均約147ドルという価格で、数倍の価格帯のKlon系クローンと互角以上のサウンドを実現しており、コストパフォーマンスは圧倒的に優秀。Klon系の最初の一台としても、沼からの脱出口としても、自信を持っておすすめできる一台である
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