「コーラスペダルを導入したいけれど、アナログとデジタルのどちらを選ぶべきか迷っている」「ザック・ワイルドのシグネチャーモデルは気になるけれど、実際の音や使い勝手はどうなのか」——そんな悩みを抱えているギタリストは少なくないでしょう。
MXR WA38 WYLDE AUDIO CHORUSは、Jim Dunlopとザック・ワイルドのコラボレーション20周年を記念して誕生したアナログコーラスペダルです。
この記事では、BBDバケットブリゲード回路が生み出すヴィンテージサウンドの魅力から、5ノブによる音作りの自由度、旧モデルとの違い、そして実際のユーザーが感じているメリット・デメリットまで、購入判断に必要な情報を徹底的にお伝えします。
Jim Dunlop MXR WA38 WYLDE AUDIO CHORUSの特徴・概要
ザック・ワイルド×ダンロップ 20周年コラボの集大成
MXR WA38 WYLDE AUDIO CHORUSは、Black Label SocietyやOzzy Osbourneバンドでの活躍で知られるギタリスト、ザック・ワイルドとJim Dunlopとの20年にわたるコラボレーションの節目に誕生した記念モデルです。
ザック・ワイルドはキャリアを通じてコーラスペダルを「秘密兵器」として愛用してきました。
ディストーションの壁をさらに分厚くし、クリーントーンにはリキッドな質感と奥行きを加える——その独特のサウンドメイクの核となるのが、このコーラスペダルです。
本機はザックのサウンド哲学をそのまま形にしたモデルであり、ハードロックやヘヴィメタルのギタリストだけでなく、アナログコーラス特有の温かさを求めるあらゆるジャンルのプレイヤーに向けて設計されています。
単なるシグネチャーモデルの枠を超え、実用的なコーラスペダルとして高い完成度を誇る一台です。
BBDバケットブリゲード回路が生むヴィンテージアナログサウンド
本機のサウンドの核心にあるのは、BBD(バケットブリゲードデバイス)を採用したフルアナログ回路です。
デジタルコーラスが持つクリアでシャープな揺れとは対照的に、BBD回路はどこか温かみがあり、太く、有機的なモジュレーションを生み出します。
この「リッチでヴィンテージスタイルのアナログトーン」こそが、本機最大の個性といえるでしょう。
クリーントーンに掛ければ、音にリキッドな立体感と潤いが加わります。
歪ませたサウンドに掛ければ、ディストーションの壁がさらに厚みを増し、音像に広がりと奥行きが生まれます。
BBDアナログ回路ならではの自然な揺れは、デジタル処理では再現が難しい独特の空気感を持っており、ヴィンテージサウンドを求めるプレイヤーにとって大きな魅力となっています。
旧モデルZW38 Black Label Chorusからの進化点
WA38は、以前にリリースされ現在は生産完了となっている旧モデル「ZW38 Black Label Chorus」の後継機にあたります。
5ノブ構成とステレオアウト対応という基本仕様は旧モデルを踏襲していますが、サウンド面で明確な進化が見られます。
旧モデルと同一条件で比較したユーザーからは、「ZW38よりもWA38のほうが音が随分と明るくなって、その分揺れや響きも良く聴こえる」という声が挙がっています。
旧モデルがやや暗めの落ち着いたキャラクターだったのに対し、WA38は音の輪郭がクリアになり、コーラスエフェクトの掛かり方がより鮮やかに感じられるようにチューニングされています。
この変化は、特にバンドアンサンブルの中で音が埋もれにくくなるという実用的なメリットにもつながります。
Jim Dunlop MXR WA38 WYLDE AUDIO CHORUSのスペック・仕様
基本スペック一覧(コントロール・入出力・電源)
本機の主要スペックは以下の通りです。
エフェクトタイプはアナログコーラスで、コントロールにはLEVEL、LOW、HIGH、DEPTH、RATEの5つのノブを搭載しています。
接続端子はINPUT、MONO OUTPUT、THRU OUTPUTの3系統で、入力インピーダンスは1MΩ、出力インピーダンスは1kΩです。
ノイズフロアはエフェクトON時で-96dBV、バイパス時で-106dBVとなっています。
バイパス方式はバッファードバイパスを採用しており、消費電流は13mA、電源は9VDCセンターマイナスのアダプターまたは9V電池で駆動します。
本体サイズは幅約2.5インチ×奥行約4.5インチ×高さ約5.5インチ、重量は約0.84ポンド(約380g)です。
価格は日本国内で税込24,700円前後、米国では159.99ドル前後で販売されています。
5ノブ+2バンドEQによるサウンドメイクの幅
本機が一般的なコーラスペダルと一線を画しているのが、コーラスの基本パラメータに加えて2バンドEQを搭載している点です。
DEPTHノブはコーラスエフェクトの深さを、RATEノブはモジュレーションの速度を、LEVELノブはエフェクト音の出力レベルをそれぞれコントロールします。
ここまでは一般的なコーラスペダルと共通ですが、本機にはさらにLOWノブ(70Hz~800Hz、12dB/octシェルフ)とHIGHノブ(660Hz~フラット、6dB/octシェルフ)が搭載されています。
このローカット・ハイカットフィルターにより、コーラスエフェクトの掛かり方を周波数帯域ごとに調整できます。
たとえば低域のコーラス成分をカットすることで、パワーコード時の音のにじみを抑えつつ中高域にだけ揺れを加えるといった繊細なセッティングが可能です。
逆にハイをカットすれば、よりダークで落ち着いたコーラスサウンドを作ることもできます。
この5ノブ構成によって、同じペダルでありながら「常時ONの微細なシマー」から「存在感の強いモジュレーション」まで、幅広い音色をカバーできるのが大きな強みです。
ステレオアウト対応とバッファードバイパスの仕様詳細
本機はMONO OUTPUTとTHRU OUTPUTの2系統出力を備えており、2台のアンプに接続することでワイドなステレオコーラスを実現できます。
ライブやレコーディングで左右に広がるパノラミックなコーラスサウンドを狙うなら、このステレオアウト機能は非常に有用です。
バイパス方式にはバッファードバイパスが採用されています。
トゥルーバイパスとは異なり、エフェクトOFF時にも信号がバッファー回路を通過するため、長いケーブルを使用した場合や複数のペダルをチェーンした際の高域の劣化を防ぐ効果があります。
一方で、純粋な原音のスルーを重視するプレイヤーにとっては好みが分かれるポイントでもあります。
Jim Dunlop MXR WA38 WYLDE AUDIO CHORUSのおすすめポイント
クリーンからハイゲインまで対応する万能コーラスサウンド
本機の最大の強みは、クリーントーンからハイゲインディストーションまで、あらゆるゲインレベルのサウンドと相性が良い点です。
クリーンセッティングではアルペジオやカッティングに液体のような潤いと立体感を加え、ハイゲインセッティングではリフの壁をさらに分厚くし、ソロには空間的な奥行きを与えます。
実際にMarshallのクリーンチャンネルとハイゲインチャンネルの両方でテストしたユーザーからは、どちらの環境でもコーラスエフェクトが自然に馴染むという評価が得られています。
EVH 5150 Iconicのエフェクトループに接続して「すべてが素晴らしいサウンドだ」と感じたユーザーや、Orangeアンプのクリーンチャンネルでファズペダルと組み合わせて「一気に音が生き生きする」と報告するユーザーなど、アンプやジャンルを問わない汎用性の高さが繰り返し評価されています。
ハイカット・ローカットフィルター搭載で音作りの自由度が高い
コーラスペダルを歪ませたサウンドに使用する際、低域のモジュレーションが掛かりすぎて音が濁るという悩みを感じたことのあるギタリストは多いでしょう。
本機のLOWフィルターを使えば、この問題をダイレクトに解決できます。
70Hzから800Hzまでの範囲でローカットを調整でき、パワーコードやローチューニング時でもタイトさを保ったままコーラスを掛けることが可能です。
同様に、HIGHフィルターでは660Hzからフラットまでの範囲でハイカットを調整できます。
コーラスの高域成分を抑えることでダークで温かい質感を強調したり、フラットにすることで明るく煌びやかなコーラスサウンドを引き出したりと、EQの操作だけで音のキャラクターを大きく変えられます。
こうしたトーンシェイピング機能は、RATEとDEPTHだけのシンプルなコーラスペダルでは得られない柔軟性をもたらしてくれます。
堅牢なビルドクオリティと省電力設計(消費電流13mA)
MXRブランドの製品に共通する堅牢な金属筐体は、本機でも健在です。
ライブでのハードな使用にも十分耐えうるビルドクオリティを持ち、「高品質で価格も妥当」「ビルドクオリティが良い」という評価が多く寄せられています。
消費電流はわずか13mAと非常に省電力です。
9V電池でも長時間駆動でき、パワーサプライを使用する場合でも消費電力の配分に悩む必要がほとんどありません。
ペダルボードのスペースや電源容量に制約のあるギタリストにとって、この省電力設計は実用面で大きなアドバンテージとなります。
9V電池、Dunlop ECB003などの9Vアダプター、MXR Brickシリーズのパワーサプライに対応しており、電源の選択肢が広い点も使い勝手の良さにつながっています。
Jim Dunlop MXR WA38 WYLDE AUDIO CHORUSの注意点・デメリット
トゥルーバイパスではなくバッファードバイパス方式
本機はバッファードバイパス方式を採用しており、トゥルーバイパスではありません。
バッファードバイパスには長いシグナルチェーンでの高域劣化を防ぐというメリットがある一方で、ペダルをOFFにした状態でもバッファー回路を通過するため、「原音がわずかに変わる」と感じるプレイヤーもいます。
特に、ペダルボード上のすべてのペダルをトゥルーバイパスで統一しているギタリストや、バッファーの有無にこだわりを持つプレイヤーにとっては、購入前に確認しておくべきポイントです。
ただし、現実的にはチューナーやワイヤレスシステムなどにバッファーが内蔵されているケースも多く、バッファードバイパスであること自体が音質上のマイナスに直結するわけではありません。
むしろ、シグナルチェーンの中にバッファーが一つもない環境であれば、本機のバッファーがプラスに働く場合もあります。
MXR Analog Chorusとの回路類似性と価格差の問題
本機について知っておくべき重要な事実として、MXR M234 Analog Chorusとの回路の類似性が挙げられます。
基本的なBBD回路と5ノブ構成はM234と共通しており、「実質的にはリスキン(外装デザイン変更)モデルではないか」という指摘がギターフォーラムなどで見られます。
旧モデルのZW38 Black Label Chorusも同様にM234と回路が共通していたとされています。
もちろん、シグネチャーモデルとしてのデザインやブランド価値、そしてWA38で施されたサウンドのチューニング(旧モデルよりも音が明るくなった点など)には独自の価値がありますが、「ザック・ワイルドの名前やデザインに特にこだわりがない」というプレイヤーにとっては、M234との価格差を考慮したうえで選択する必要があるでしょう。
シグネチャーモデルゆえの価格帯をどう考えるか
日本国内での実売価格は税込24,700円前後、米国では159.99ドル前後です。
コーラスペダルとしてはミドルレンジからやや上の価格帯に位置しており、BOSS CE-5(実売1万円台前半)などのエントリー〜ミドルクラスのコーラスペダルと比較すると明確な価格差があります。
この価格差に見合う価値があるかどうかは、BBDアナログ回路のサウンドにどれだけ魅力を感じるか、2バンドEQによる音作りの柔軟性を必要としているか、そしてステレオアウト機能を活用するかどうかによって判断が分かれます。
単に「コーラスエフェクトが欲しい」というだけであれば、より手頃な選択肢も存在します。
しかし、アナログコーラスの温かみと音作りの自由度の両方を一台で手に入れたいのであれば、本機の価格は十分に妥当な水準といえます。
Jim Dunlop MXR WA38 WYLDE AUDIO CHORUSの評判・口コミ
ユーザーが評価するおすすめな点
本機に対する評価で最も多いのが、「クリーントーンでもハイゲインでも素晴らしいサウンドが得られる」という汎用性への高評価です。
「クリーントーンでの音も素晴らしいが、ハイゲインディストーションではさらに良い」「市場で最高のコーラスペダルの一つ」「非常にエフェクティブで、かなりユニバーサルなペダル」といった声が多く寄せられています。
また、クリーンプレイへのモチベーション向上を報告するユーザーも目立ちます。
「普段は90%の時間をオーバードライブで弾いているが、このペダルを導入してからはコーラスだけで練習するようになった。
クリーンプレイが大幅に向上した」という体験談は、本機がギタリストの演奏の幅を広げる触媒となり得ることを示しています。
旧モデルから乗り換えたユーザーからは、「Wylde Audio Seriesの中でWA38がいちばん気に入っている」「初回試奏の瞬間に”良い!”と声が出た」という即座の好反応が報告されています。
旧モデルに比べて音が明るくなり、コーラスの揺れと響きの質が向上しているという点が、新モデルを選ぶ決め手になっているようです。
購入前に確認すべき注意点
ユーザーの間で繰り返し指摘されているのが、MXR Analog Chorus(M234)との回路の類似性です。
「実質的にはペイントジョブ(塗装変更)にお金を払っているのと同じ」という率直な意見もあり、ザック・ワイルドのシグネチャーという付加価値にどれだけの金額を支払うかは個人の価値観に依存します。
バッファードバイパスについては、「トゥルーバイパスではない」ことを気にするユーザーが一定数存在します。
ただし、実使用において「バッファーの存在が気になった」という具体的なネガティブ報告はほとんど見られず、むしろ「チューナーにもバッファーが入っている時代なので、実質的には無視できる差」という冷静な見解が主流です。
初めてのコーラスペダルとして本機を選んだユーザーの中には、「他のコーラスペダルとの横並び比較ができないため、相対的な評価が難しい」と感じている人もいます。
単体での満足度は高いものの、コーラスペダルの選択肢が豊富な現在、可能であれば楽器店で複数のモデルを試奏してから判断することをおすすめします。
実際の購入者が語る満足度とリアルな使用感
確認できた範囲のすべてのレビューサイトで本機は最高評価(星5)を獲得しており、低評価のレビューは見当たりません。
購入者の100%が「友人にも勧める」と回答しているケースもあり、満足度は極めて高いといえます。
具体的な使用シーンとしては、アンプのクリーンチャンネルのエフェクトループに接続するパターンと、アンプの前段に直接接続するパターンの両方で好評です。
「ファズの後段にコーラスを配置したら音が一気に生き生きした」「ザック・ワイルドのオーバードライブペダルとの組み合わせで、極めてヘヴィなトーンが得られる」など、他のペダルとの組み合わせにおいても高い相性の良さが報告されています。
旧モデルからの乗り換えユーザーがメインのコーラスペダルとして常用しているという事実も、本機の実力を裏付けるエピソードです。
「MXR/Dunlopの製品は常にトップクラス」「ザック・ワイルドが使っているなら間違いない」という、ブランドとアーティストへの信頼に基づく満足感も、多くのユーザーに共通する感想です。
まとめ:Jim Dunlop MXR WA38 WYLDE AUDIO CHORUS
総合評価:どんなギタリストに向いているか
本機は、アナログコーラスの温かみと音作りの自由度を両立させた実力派のコーラスペダルです。
ザック・ワイルドのファンだけでなく、BBD回路による有機的なモジュレーションサウンドを求めるすべてのギタリストに自信を持っておすすめできます。
特にクリーントーンからハイゲインまでを一台でカバーしたいプレイヤー、そしてバンドアンサンブルの中でコーラスの掛かり方を細かく調整したいプレイヤーにとっては、2バンドEQ搭載の本機は理想的な選択肢です。
購入判断のポイントと競合ペダルとの比較
BOSS CE-5は手頃な価格で入手しやすいデジタルコーラスペダルですが、アナログBBD特有の温かみでは本機に軍配が上がります。
同じMXRのM234 Analog Chorusは回路が類似しており、シグネチャーデザインにこだわらなければ価格面で有利です。
BOSS CE-2W Waza Craftはアナログ回路搭載のプレミアムモデルですが、本機のような2バンドEQは搭載していません。
本機の独自の価値は、BBDアナログサウンド、2バンドEQによるトーンシェイピング、ステレオアウト対応、そして旧モデルからチューニングが改良されたサウンドキャラクターの総合力にあります。
最安値で手に入れるための購入先ガイド
本機は国内の主要楽器店(イシバシ楽器、島村楽器、サウンドハウスなど)のほか、Amazon、楽天市場などのオンラインショップで購入可能です。
海外ではSweetwater、Guitar Center、zZoundsなどが取り扱っています。
日本国内正規品であれば保証が付帯するため、初めての購入であれば正規代理店経由での購入が安心です。
中古市場では旧モデルZW38が比較的安価に出回ることもありますが、WA38の音の明るさや響きの向上を重視するなら新モデルを選ぶ価値は十分にあります。
この記事のポイントまとめ:
- BBDバケットブリゲード回路によるリッチで温かいアナログコーラスサウンドが最大の魅力である
- LEVEL・RATE・DEPTH+2バンドEQ(HIGH/LOW)の5ノブ構成で音作りの自由度が非常に高い
- クリーントーンには液体のような潤いを、ハイゲインには分厚さと奥行きを加える万能型ペダルである
- ステレオアウト対応で、2台のアンプによるワイドなステレオコーラスが実現できる
- 旧モデルZW38より音が明るくなり、コーラスの揺れと響きの質が向上している
- 消費電流13mAの省電力設計で、9V電池でも長時間駆動が可能である
- バッファードバイパス方式のため、トゥルーバイパスにこだわるプレイヤーは事前確認が必要である
- MXR M234 Analog Chorusとの回路類似性があり、シグネチャーの付加価値をどう評価するかがポイントとなる
- 確認できた全レビューで星5の最高評価を獲得しており、ユーザー満足度は極めて高い
- 日本国内では税込24,700円前後で、アナログコーラスペダルとしてはコストパフォーマンスの高い価格帯に位置する

