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Jim Dunlop WAY HUGE WM92 Smalls ATTACK VECTOR レビュー解説|2in1の飛?

「フェイザーとエンベロープフィルター、両方ボードに入れたいけどスペースが足りない」「ファンクやサイケに使える飛び道具が欲しいけど、専用ペダルを2台揃えるほどでもない」——ギタリストやベーシストなら、一度はこんな悩みを抱えたことがあるのではないでしょうか。

Way HugeのWM92 Smalls Attack Vectorは、まさにそんな悩みに対するひとつの回答として生まれたペダルです。

本記事では、サウンドの特徴から操作感、メリット・デメリット、そして実際に使ったユーザーのリアルな声まで、購入前に知っておくべき情報を余すところなくお伝えします。

目次

Jim Dunlop WAY HUGE WM92 Smalls ATTACK VECTORの特徴・概要

鬼才ジョージ・トリップスが設計した2in1エフェクター

Way Hugeブランドの頭脳であるジョージ・トリップス氏が設計したAttack Vectorは、フェイザーとエンベロープフィルターという2つのエフェクトを1台のコンパクト筐体に詰め込んだペダルです。

Way Hugeといえば、Atreides Weirding Moduleのような実験的かつ個性の強いペダルで知られていますが、Attack Vectorはそのエッセンスをより実用的な方向に落とし込んだ製品と言えます。

Atreides がファズやグリッチを含む複合的な「怪物」だとすれば、Attack Vectorはフェイザーとフィルターの関係性に焦点を絞った「切れ味の鋭いツール」です。

フェイザー・エンベロープフィルター・同時使用の3モード構成

本機の核心は、本体中央に配置された3ポジションのトグルスイッチにあります。

上ポジションでフェイザー単体、下ポジションでエンベロープフィルター単体、そして中央ポジションで両エフェクトの同時使用が可能です。

単体使用ではそれぞれオーソドックスなフェイザー・フィルターとして機能しますが、同時使用モードでは2つのエフェクトが互いの特性を掛け合わせ、シタール風のミュータントサウンドやどちらの単体では得られない独特のテクスチャーを生み出します。

この「1+1が3になる」感覚こそが、Attack Vectorの最大の魅力です。

ギターにもベースにも対応するサウンド設計

Attack Vectorはギター専用ペダルとして設計されたわけではなく、ベースとの併用も公式に想定されています。

実際にベースで使用したユーザーからは、ローエンドの損失がほぼないとの報告が多く寄せられています。

エンベロープフィルターをベースで使う場合、低域が痩せてしまうペダルも少なくありませんが、Attack Vectorではその心配がほぼ不要です。

ファンクベースのワウサウンドから、ギターのサイケデリックなフェイズまで、1台で幅広いシーンに対応できる設計になっています。

Jim Dunlop WAY HUGE WM92 Smalls ATTACK VECTORのスペック・仕様

コントロール・スイッチ構成と各ノブの役割

本機には4つのコントロールノブと1つの3ポジション・トグルスイッチが搭載されています。

左側の2ノブがフェイザー専用で、SPEEDはフェイズの周期速度を、FDBKはフィードバック量(共振の深さと帯域の広がり)をコントロールします。

右側の2ノブがエンベロープフィルター専用で、RANGEはフィルターのスウィープ範囲を、SENSはピッキングダイナミクスへの感度を調整します。

各エフェクトが完全に独立したコントロール系統を持っているため、モードを切り替えてもそれぞれの設定が干渉しません。

フットスイッチはエフェクト全体のON/OFFを担当し、LEDインジケーターでステータスを確認できます。

サイズ・電源・バイパス方式などの基本仕様

筐体はWay HugeのSmallsシリーズ共通のコンパクトサイズを採用しており、ペダルボード上の省スペースに大きく貢献します。

電源は標準的な9V DCアダプター駆動で、センターマイナス仕様です。

バイパス方式はトゥルー・ハードワイヤーバイパスを採用しており、エフェクトOFF時に原音が回路を通らないため、音質の劣化を心配する必要がありません。

入出力ともにモノラル仕様の標準的な1/4インチジャックです。

同シリーズ(Smalls)における位置づけと価格帯

Way Huge Smallsシリーズは、同ブランドの名機をコンパクト化した製品群として知られています。

Attack Vectorはその中でも異色の存在で、既存ペダルの小型化ではなく、フェイザーとエンベロープフィルターの融合という新しいコンセプトで設計されています。

実勢価格は約180〜200ドル前後(日本国内では概ね2万円台前半〜中盤)で、同価格帯の単体フェイザーや単体エンベロープフィルターと比較すると、2つのエフェクトが1台で手に入る点でコストパフォーマンスは高いと言えます。

Jim Dunlop WAY HUGE WM92 Smalls ATTACK VECTORのおすすめポイント

エンベロープフィルターの完成度が高く初心者にも扱いやすい

Attack Vectorの最大のセールスポイントのひとつは、エンベロープフィルターの完成度の高さです。

RANGEとSENSの2ノブだけで音作りが完結するシンプルな設計ながら、得られるサウンドの幅は広く、ファンクの定番であるワウ的な「クワッ」というサウンドから、ボーカルライクな滑らかなスウィープまで対応します。

特筆すべきは、いわゆる「当たり」の設定を見つけやすいこと。

エンベロープフィルターは一般的にピッキングの強弱やギターの出力によって挙動が大きく変わり、扱いにくいと感じるプレイヤーも少なくありませんが、Attack Vectorのフィルターは非常に「寛容(forgiving)」で、多少ラフなピッキングでも気持ちよくフィルターが反応してくれます。

Jerry Garciaの「Estimated Prophet」に近いサウンドがすぐに作れたという声もあり、エンベロープフィルター入門機としても優秀です。

コンパクト筐体に2エフェクト搭載でペダルボードを圧迫しない

Smallsシリーズならではのコンパクトな筐体に2エフェクトが収まっている点は、ペダルボードの限られたスペースに悩むプレイヤーにとって大きなメリットです。

フェイザーとエンベロープフィルターをそれぞれ単体ペダルで揃えた場合、ボード上に2台分のスペースと2本分のパッチケーブルが必要になりますが、Attack Vectorなら1台で済みます。

しかも、各エフェクトのコントロールが独立しているため、2in1ペダルにありがちな「片方を調整するともう片方に影響が出る」というストレスがありません。

両エフェクト同時使用で唯一無二のサウンドが手に入る

中央ポジションでフェイザーとエンベロープフィルターを同時にかけたときのサウンドは、他のペダルでは容易に再現できないAttack Vectorならではの体験です。

たとえば、フェイザーをスロー〜ミディアムに設定しつつ、フィルターの感度とレンジを高めに設定すると、エレクトリックシタールを思わせるエキゾチックなサウンドが現れます。

逆に、フェイザーの共振を控えめにし、フィルターをボーカル的な滑らかさに設定すると、2つのエフェクトが美しく溶け合ったオーガニックなモジュレーションが得られます。

この複合サウンドのレンジの広さは、ソロの表情付けやアンビエントな音景色の構築に新しい選択肢を提供してくれます。

Jim Dunlop WAY HUGE WM92 Smalls ATTACK VECTORの注意点・デメリット

モード切替がトグルスイッチのためライブ中の瞬時切替が困難

Attack Vectorの最も多く指摘される弱点が、3モードの切替方法です。

フェイザー/フィルター/同時使用の切替は本体中央の小さなトグルスイッチで行いますが、これは手で操作する必要があり、演奏中に足で切り替えることはできません。

つまり、曲のAメロではフェイザー、サビではフィルターに切り替える、といった使い方はステージ上では実質的に不可能です。

ライブでモード切替を多用したいプレイヤーにとっては、明確な制約となります。

自宅練習やレコーディング中心であれば大きな問題にはなりませんが、ライブパフォーマンスを重視する方は購入前にこの仕様をよく理解しておく必要があります。

フェイザー使用時にわずかな音量ドロップが発生する

複数のユーザーから、フェイザーモード使用時にわずかな音量低下が報告されています。

劇的なレベル差ではないものの、バンドアンサンブルの中で「フェイザーをONにしたら少し引っ込んで聞こえる」と感じる場面があるかもしれません。

本体内部にはトリムポットが搭載されており、出力レベルの微調整が可能とされていますが、調整に関する公式な情報が限られているため、自己責任での対応になります。

なお、エンベロープフィルター側はむしろ若干の音量ブーストが感じられるとの報告もあり、モードによってレベル差が生じる点は留意が必要です。

クラシックなアナログフェイザーの深い揺れを求める人には物足りない可能性

Attack Vectorのフェイザーは、EHX Small StoneやMXR Phase 90のようなクラシックなアナログフェイザーとは少し異なるキャラクターを持っています。

一般的に「スクリプトロゴ期のPhase 90に近い控えめなテイスト」と評されることが多く、ゴムのような弾力感やチューイーな粘りは控えめです。

これは設計上の意図的なトレードオフで、エンベロープフィルターと同時使用した際に共振ピーク同士がぶつかって不快な音量変動や位相キャンセレーションが起きることを防ぐためと考えられます。

汎用性の高い実用的なフェイザーとして捉えれば十分な性能ですが、フェイザー単体の濃厚な揺れを最優先するプレイヤーにとっては、専用機に比べて物足りなさを感じる場面があるかもしれません。

Jim Dunlop WAY HUGE WM92 Smalls ATTACK VECTORの評判・口コミ

ユーザーが評価するおすすめな点

多くのユーザーがまず評価しているのは、エンベロープフィルターの使い勝手の良さです。

「ダイアルインが簡単で、すぐにファンキーなサウンドが出せる」「Jerry Garciaの名曲で聞けるようなフィルターサウンドにすぐ近づけた」といった声が多く、エンベロープフィルター初心者からの評価が特に高い傾向にあります。

また、ベースで使用したユーザーからは「ローエンドの損失がゼロ」「エンベロープフィルターの反応が良く、ベースでもしっかり使える」と、ベース対応の実力を裏付ける報告が上がっています。

コンパクトなサイズ感についても「ペダルボードの貴重なスペースを節約できる」「2in1でこの価格はコスパが高い」と好意的に受け止められています。

フェイザーの速度レンジの広さを評価する声も多く、「非常にゆっくりしたスウィープが可能で、これは他のコンパクトフェイザーにはない強み」と指摘するユーザーもいます。

購入前に確認すべき注意点

一方で、購入後に気づく注意点として最も多く挙がるのが、モード切替のトグルスイッチです。

「ライブ中にかがんで切り替えるのは現実的ではない」「フットスイッチが2つあれば完璧だったのに」という声は非常に多く、ライブ志向のプレイヤーにとっては購入前に必ず確認すべきポイントと言えます。

また、フェイザー側の音量ドロップについても「気になるレベルではないが確かに存在する」「バンドで使うと少し気になる場面がある」と複数のユーザーが報告しています。

さらに、エンベロープフィルターのSENSノブを高く設定した際にサウンドがかなりブライトになり低域が削られるという指摘もあり、セッティングによっては想定以上にハイ寄りの音になる点は知っておくべきでしょう。

最終的に手放したユーザー・キープしたユーザーそれぞれの理由

Attack Vectorを手放したユーザーの意見として目立つのは、「フェイザーとしてもフィルターとしても、それぞれの専用ペダルと比較するとやや物足りない」というものです。

あるユーザーは「エンベロープフィルターの満足度がもう一歩で、フェイザー側もやや限定的に感じた。

同時使用は面白いが、実際に使う場面が限られていた」と述べ、最終的に専用のエンベロープフィルターとフェイザーをそれぞれ別途購入しています。

一方でキープを選んだユーザーは、「2in1の利便性」「エンベロープフィルターの質」「同時使用の唯一無二感」を理由に挙げることが多く、特に「ペダルボードにフェイザーとフィルターの両方を常時置いておくほどではないが、どちらも使いたい場面がある」というプレイヤーからの満足度が高い傾向にあります。

まとめ:Jim Dunlop WAY HUGE WM92 Smalls ATTACK VECTORはどんな人におすすめか

総合評価——2in1ペダルとしてのコストパフォーマンスと満足度

Attack Vectorは、2つの個性的なエフェクトを1台に収めた意欲作です。

特にエンベロープフィルターの完成度は単体製品に匹敵するレベルにあり、これだけでも購入の価値があると言えます。

フェイザー側はクラシック機のような濃厚さこそないものの、広い速度レンジと実用的なサウンドで十分に戦力になります。

2つのエフェクトの同時使用モードは他のペダルでは得がたい独自の領域であり、音楽的な冒険心のあるプレイヤーにとっては大きな魅力です。

購入をおすすめできる人・できない人の判断基準

以下に、本記事の要点をまとめます。

  • フェイザーとエンベロープフィルターを1台のコンパクト筐体に搭載した2in1ペダルである
  • エンベロープフィルターの完成度が高く、初心者でも扱いやすい「寛容」な設計になっている
  • ベースでもローエンドの損失がほぼなく、ギター・ベース兼用で使える
  • 両エフェクト同時使用モードで、シタール風など唯一無二のサウンドが得られる
  • フェイザーの速度レンジが広く、超スローから高速フラッターまで対応する
  • モード切替がトグルスイッチ(手動)のため、ライブ中の瞬時切替には向かない
  • フェイザー使用時にわずかな音量ドロップが生じる場合がある
  • クラシックなアナログフェイザーの濃厚な揺れを求めるプレイヤーにはやや物足りない
  • 実勢価格は2万円台前半〜中盤で、2エフェクト分と考えればコストパフォーマンスは良好
  • ペダルボードの省スペースを重視しつつファンクやサイケの飛び道具が欲しいプレイヤーに最適な一台である

競合ペダルとの比較で見えるAttack Vectorの立ち位置

フェイザーとエンベロープフィルターの複合ペダルという分野では、EHXのBubbletronやWay Huge自身のAtreides Weirding Moduleが競合として挙げられます。

Bubbletronは同様のコンセプトながらやや異なるサウンドキャラクターを持ち、Atreidesはファズやグリッチを含むより過激な方向性のペダルです。

Attack Vectorはこれらと比較して「最も実用的でオーソドックスな使い方ができる2in1ペダル」というポジションにあります。

また、フェイザー単体で見ればMXR Phase 95、エンベロープフィルター単体で見ればMad Professor Snow Whiteなど優れた専用機が存在しますが、Attack Vectorの真価は2つのエフェクトの融合と省スペースにあります。

1台で幅広いサウンドをカバーしたい方、あるいはペダルボードに新しいインスピレーションの源を加えたい方にとって、Attack Vectorは検討に値するペダルです。

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